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チャプター4:「異海に轟く咆哮」《海隊編》

4-6:「武の豪と闇の竜」

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 視点は護衛艦かまくら、そのブリッジへとまた移り。時間は少し、都心のドストレートな拒絶の怒号が発せられた直後まで戻る。

「……いいんですか、艦長?」

 その痛烈な怒号を端で聞いた副艦長の由比が、微かな困惑と呆れの混じった言葉を都心に発する。

「魅宮遠司令はあれで切れ者で、そして己の好みのためなら手段も択ばず容赦もない人――そう噂されています。間柄を悪くすることは、好ましくないのでは?」

 都心の度肝を抜くムーヴは何も今に始まったことではなく、由比もそれなりに慣れたものではあったが。
 しかし同時に魅宮遠についても捨て置けない諸々の噂を聞き及んでおり。その彼に対して、無礼どころではない言動をぶん投げ叩きつけた都心を、心配しての言葉であった。

「上等」

 しかしその懸念に対して、都心は端的にまた叩きつけるように一言を発し返す。

「向こうとは相容れない。在り方を異とし相手がそれを譲らぬのなら、ぶつかり貫き通すまで」

 そして、そう己が在り方を言葉にして見せた。


 ――都心 武蔵という漢についてここで綴っておく。


 都心は、己の真とする在り方に対して。その一切合切をまず曲げず、貫きそして成す事を是とする。
 同時にそれを成し遂げるに足る、底知れぬ胆力と豪傑さ。そして知を持ち合わせる者であった。

 その都心の来歴を語る。
都心は船舶運航会社を営む両親一族の元に生を受け。海と船に囲われながら育ち、成人してからは自身も実家の会社で船乗りとして数年を過ごした、海の男であった。
 しかしそれでありながら異端であったのは、伝統やロマンとったものに興味を持たず。合理性にウェイトを置き、しかし同時にセオリーに固着する事を嫌った。

 そんな都心が思うところあり海隊に入隊したのが20代半ばの頃。
 〝船舶有資格経験者〟枠という当時まだ設けられて間もない。防衛大学コースとも一般幹候コースともまた異なる、船舶運用経験者を募る募集制度から志願受験し。教育を履修修了して晴れて海隊幹部となった。

 しかし先に述べた都心の気質から。その海隊での勤務生活の上で、大なり小なり事を巻き起こす事は想像に難く無く、実際その通りであった。
 上官はもちろん、時に恐れられる先任海曹を前にしてもその気質、在り方が変じ揺らぐ事などまるでなく。異端児、型破りと呼ばれる幹部は多くはなくともこれまでにも現れて来たものだが、都心のそれはそんな表現からも逸脱したそれ。
 最早――歩き進むだけで、動き成すだけで。重んじられて来た型を消し飛ばさんまでの在り方。

 それで時に、海隊を天地鳴動の如く掻き乱し。
そしてそれがただの傲慢。力足らずの驕り、ただの蛮勇であったならばそれまでであっただろうが。都心はそれを持ってして、任務業務のすべてを最後には完遂してみせた。


 そんな都心からすれば。また別種の妙な様である海将補とまた在り方を異としぶつかりあう事も、今更の事であり気に病むことでは無かった。

「そも、あれがこの程度で容易く愛想を尽かしてくれれば、むしろ労をここまで取られてはいない」

 そしてしかし。続け、魅宮遠というある種怪物のような存在の気質を、ある程度の付き合いの中で少なからず読み解いている都心は。
 端的な声色にしかし皮肉な、そして不快そうな色を混ぜて。そんな言葉を由比に返して見せた。
 瞬間。
 また全甲板の方向から主砲射撃の轟音がビリビリと伝わりくる。護衛艦かまくらは、現在も戦速航行を維持しての戦闘行動を継続中であった。

「CIC。各方、各ユニットの状況を上げろ」

 そして聞いた轟音を切かえとして。それ以上その面倒な上官に関わる話題を続ける気は無いと言うように、都心はやり取りを切り上げ。繋がっている無線でCICに向けて呼びかけ、現状情報の報告を要請する。

《第1艇隊は包囲航行からの火力投射を継続中。なにわからは現在も洋上空域を警戒し即応待機中との報が――ッ!お待ちを!》

 返されたのは砲雷長の声での、各ユニットの状況の報告。――だが。途中でそれを切り、何か一転緊迫した声が寄こされた。

《敵性船団の方向よりボギー1!……何これ、スコープにノイズが……》

 続け起こされたのは、船団の方向より接近する物体が一つ、在る事を告げる声。しかし同時に寄こされたのは、訝しみ困惑するような声。

「――艦長!」

 しかし。今度はまたそれに割り入る様に、都心の横から張り上げる声が寄こされた。
 独特なしわがれた声のそれは、派遣武官のゴブリン軍人、シンクレー大佐の物。見ればシンクレーは座席シートより乗り出し、艦橋窓の先の上空を指して何かを示している。

「ッ」

 都心はすぐさま双眼鏡を構え、先の上空を望む。
 その曇天の空の一点に捉え見えた物、それは黒一色の飛翔体――漆黒の竜だ。

「単騎突入して来たのか……?――!」

 都心の隣で、由比が探る言葉を零す。しかし直後、見えた物に由比は目を剥いた。
 その漆黒の竜が、宙空で突如として急速な膨張を始めたように見えたから。――いや。正しくはそれはその竜を核に生み出し広がる、影――闇の翼であった――



「――異な」

 宙空で荘厳なまでの声が響く。
 声の主は、船団に派遣された魔王軍部隊の指揮官。オグロヒュム。
 その漆黒の身を宙空に、同じく漆黒の翼を羽ばたかせて飛翔している。その先、眼下にあるのは正体不明の灰色の巨船。
 背後の『嵐鮫の大海団』は異質な現象、いや攻撃によりほぼ瓦解している。それを成したのは、今眼下に見える灰色の巨船の手によるものと見て、最早間違いはないだろう。
 これまで後方よりの指揮、人間達の監視に専念していたオグロヒュムは。しかしその異質さ、異常。そして己が配下の竜達にも被害が出た事から、自ら相手をすべく前へと出て来たのだ。

「面妖だが――不思議だな」

 そのオグロヒュムは、眼下の灰色の巨船を観察しながらそんな言葉を零す。
 巨大な船上に、無数の異質な。一部は武装であろう、一部は用途も不明な構造物を多数備える灰色の巨船。
 武骨を絵に欠いたような、華麗さとは懸け離れているはずの外観。しかし、オグロヒュムはそのはずの灰色の巨船の姿に、どこか不思議な優美さを感じてしまっていたのだ。

「……ふん、悠長な想いに浸っている場合でもあるまい」

 しかし次にはオグロヒュムは己のそれを呆れ、また零す。


 そして、その漆黒の翼を一薙ぎし――〝それ〟を出現、展開させた。


 ――真っ黒の影。気体とも液体とも知れぬ、漆黒のそれ。
 オグロヒュムの体の近く周辺の空間、何も無かったはずの空間各所からそれは唐突に出現し。まるで零れ溢れ出した水のように、瞬く間に宙空へ広がってゆく。
 その漆黒の影は、オグロヒュムの体の何倍もの面積へと膨張し。そして各方で不揃いな翼のような形状を形成。
 オグロヒュムの両翼に、多数枚の巨大な翼となって姿を成した。

 この異世界の竜種種族には、その保有する特性に伴いいくつかの区分種別がある。
 火の特性を持つ火竜。水や氷の特性を持つ水竜、氷竜。鋼の特性を持つ鋼竜。そして、オグロヒュムは闇の特性を持つ闇竜種であった。
 この異世界の竜種の中でも、無の特性を持つ無竜に次ぎ、二番目に強大な種族とされ。種族の頂きに闇竜の中でも最強の存在とされる闇皇竜を据え、この異世界の空に君臨する。
 オグロヒュムはその闇種族の一柱。そして、その頂に座す闇皇竜の右腕でもあった。


 オグロヒュムが出現させたもの、発現させた現象は。その闇竜種達が持つ闇の魔力、魔法。それが可視化されて巨大な翼を形作ったのだ。

「――ッ」

 そしてそれを己が魔法魔力で体現するや否や、オグロヒュムは己を差す殺気を察知。多数枚の闇の翼の内の数枚を、曲げて動かし己が体を庇う。
 瞬間、その重ねオグロヒュムを覆った漆黒の翼の表面を。暴力的なまでの速度勢いで、複数の何かが飛び込み叩いた。
 その正体は想像に容易い。おそらくここまで『嵐鮫の大海団』の船を爆散させ屠って来た、神の雷の如き攻撃の元たるそれであろう飛翔物体。しかし、本来であれば爆ぜて引き裂くまでの暴力を体現するのであろうそれ等は。しかしオグロヒュムの漆黒の翼に飲み込まれ、音沙汰を響かせずに沈黙。
 当然だ。灰色の巨船より放たれたその飛翔体群は。オグロヒュムの闇の翼に受け止められ飲み込まれ――消滅したのだから。
 万物を飲み込み、その完全に消滅させる恐るべき力。それが闇の魔法だ。

「恐るべき力のようだが――闇の前では無力だ」

 己に向けられた攻撃を受け止め無力化し、オグロヒュムは静かにつまらなそうに零す。
 そしてその竜特有の眼で、眼下の灰色の巨船を貫かんまでの眼光で見つめた――



「――……主砲弾、炸裂せずッ!」

 護衛艦かまくらのブリッジ内に、響く戸惑い交じりの報告の言葉。
 それは観測配置に着く海曹のもの。

「ッ、受け止められた……!?」

 それに答えるように発し上がるは、また困惑の色の混じる副艦長の由比の声。その由比等の眼は、環境の窓越しに右舷側上空を向いている。
 そこに在り見えるは、不気味なまでの漆黒の巨大な翼を携える、竜。
 それだけでも異様な光景だが、今ブリッジの海隊各員が驚愕する一番に理由は別にある。
 明らかな敵性存在であるその漆黒の竜に対し、護衛艦かまくらは躊躇うことなく主砲による射撃投射を敢行。複数発の203㎜砲弾を撃ち上げ叩き込んだ。
 しかしどうだ。砲弾群は竜を庇った漆黒の翼に受け止められると、起こるべき炸裂の暴力を生み出すこと無く、その行方は忽然と消え去ったのだ。

「やはり……闇竜……ッ!それも、おそらくあれは闇皇竜に次ぐ将の位のものだ……ッ!」

 そこへブリッジにしわがれた、シンクレーの声が響く。シンクレーの言葉は、上空の漆黒の竜の詳細を推測し、それが半端では無い脅威である事を伝えるもの。
 隊員と同じく上空を見上げるシンクレーの、ゴブリン特有のその獰猛な顔は。しかしそれを引いても明らかに苦く険しく染まり牙を剥き、それが竜の脅威度を表し語っていた。

「戦速上げ!CIC、火力絶やすなッ!」

 それを聞きながらも由比は、間髪入れずに艦の速度を上げる命令を発し上げ。続けCICに向けて投射継続を命ずる声を、通信越しに送る。

《後甲板発射機、スタンダード装填完了まもなく照準良し――完了次第発射方向ッ!》

 それに返り寄こされるは、CICの砲雷長よりの切羽詰まった様子の言葉。
 その直後。ブリッジの各員の背後後方、護衛艦かまくらの後甲板より、砲撃とはまた別種の轟音が響き届いた。
 噴射、ロケットの燃焼するものであるそれは。かまくらが後甲板に装備する、Mk.26 連装発射機よりスタンダード・ミサイルが撃ち放たれた音だ。そして撃ち出され艦を離れたミサイルは、すぐに噴煙を描きながら上空に、ブリッジの各員の視界に姿を現す。
 轟音を響かせ軌跡を描いて、ミサイルが直進するは。上空で優雅なまでの滞空する漆黒の竜。ミサイルは瞬く間にその漆黒の竜へと距離を詰め、そのまま竜を直撃し、その体を爆炎で包み焼く――かに見えた、しかし。
 漆黒の竜の伴う巨大な闇の翼の一つが、ミサイルがその間近まで迫った瞬間に、大きく振り上げられる。
 ――光景が驚愕の物と変わったのは、その一瞬直後。
 ミサイルは漆黒の竜に直撃する事無く、見ればその軌道を逸らして竜の背後にあった。まるで、いやまさにミサイルは漆黒の竜に退けられていたのだ。
 おまけに、ミサイルは弾体先端を消失していた。まるで飴でも溶かしたかのように。
 闇の魔力の塊である竜の翼がまた、退ける際に触れたミサイルの一部を、いとも容易く消滅させてみせたのだ。
 そして誘導を失ったミサイルは、逸れた先の漆黒の竜の背後で爆発し、失われた。

《ッ――スタンダード、ロスト!ボギー未だアクティブッ!》
「これも退けるかッ!」

 CICの砲雷長から、驚愕と苦い色の混じった報告の声が通信越しに届き。由比はそれを聞きながら、今しがた己が目でも見た光景に、彼もまた苦い声を上げる。

「ヤロォ、気に入らねぇなぁッ。俺ぁ現代の文明が、良くわかんねぇデカブツとかに歯が立たねぇ話とか嫌いなんだよォァ!!」

 一方、ブリッジの中央からは少し毛色の違う不機嫌そうな荒々しい声が上がる。
 声の主は艦の操舵を預かる一等海曹だ。彼は戦速を上げ荒々しく航行する艦を己が腕で操りながらも、横目で上空の闇竜を貫くまでの形相で見ながら、そして何か大変に不服そうな様子を見せている。

「戦後すぐにあった、そんなような映画の企画を思い出しますね。〝北海道事件〟の影響で掻き消えたそうですが」

 それに対して。ブリッジの一角でコンソールに向かう海士長が、状況にも関わらない淡々としたさして興味は無さそうな様子で言葉を返す。

「趣味の話は後にしろ」

 そんな両者へと、淡々とした声で命ずる言葉が飛ぶ。
 他ならぬ都心の声。その都心は上空の竜には目を向けずに、手元のコンソールに視線を落としている。

「――やはり〝この眉唾〟を喰えというか」

 そして、何かそんな言葉を一言零した。

「艦長?」

 都心の何か読めぬその様子に、由比は訝しむ声と視線を向ける。

「艦長!飛翔体に変化――……んだよアレ……!?」

 しかしその時、観測配置に着く海曹からまた知らせの声が。そして続けて驚愕と困惑交じりの声が届いた。

「――ッ!あれ、は……!?」

 それに反応して副艦長由比が振り向き、また上空を見る。そして由比は目を剥いた。
 上空の漆黒の竜の、その体の前に見えるものがある。
 ――それは、漆黒の球体。
 直径はせいぜい3~4mほど。しかし、特筆すべきはその色。
本当の闇――全ての色彩を、光を飲み込み二度と逃れる事を認めないまでの、完全な闇。
 物体として不安定なのか、輪郭は不気味に揺らめいている。
 本能的な不安を、恐怖を煽るまでのそんなものが、漆黒の竜の前に生み出されていた。

「――闇の魔星弾――ッ!艦長、回避を!あの球体は全てを、万物を跡形も無く消し去るぞッ!」

 その正体を。そして警告要請の言葉を張り上げたのはシンクラーだ。

「――!?」

 その言葉に、目を剥き息を止めたのは由比。
 得体こそ知れないが、起こるであろう事態は容易に想像ができた。今しがた砲弾やミサイルを消滅させてみせた闇が、次は球体の形を成して艦にむけて放たれようとしている。
 そう、そのままあの闇の球体を受ければ――艦が消える。

「回頭回避――艦長ッ!」

 回答がそれに繋がった瞬間、由比はまず何よりも先に回避命令を発し上げ。そして都心に向けて荒げ呼びかけた。
 しかし。その当の都心はと言えば、まるで他人事のように未だコンソールに視線を落としている。

「――敵、投射ァッ!!」

 それに由比は最早怒号の勢いで呼びかけようとしたが。そのまえに観測の海曹から被せ割り入る様に、知らせの怒号が来た。
 見れば漆黒の球体は竜の体を離れ、打ち出されている。その飛来速度はミサイルに匹敵するそれ。万物を消し去るとのそれは、次には護衛艦かまくらの直上に迫っていた。
 終わりか――その漆黒の球体を見つめながら、由比は脳裏にそんな覚悟を浮かべる――


 ――異質な、そして衝撃的な轟音が轟いたのは。その直後であった。


 振動音とも。電撃の音とも、電子音とも聞こえ。しかしそれでいて別種のものとも感じ取れるそれ。
 最初。由比はそれが異世界の強大な闇の力によって、艦が消滅した音かと覚悟した。

「――?」

 しかし、気付けば景色は変わっていない。艦は健在で、由比は今もブリッジの床に脚を着けていた。

「っ!」

 次に聞こえ来たのは、巨大な水飛沫の音。どうやら艦の右舷側でそれは起こったらしい。

「――ぇ――?」

 そしてその正体原因と、そして闇の球体の行方を確認しようとした由比は。しかし次に見えた物に、思わず気の抜けた声を上げてしまった。
 艦橋窓越しに見える艦の外部、その周り。曇天と群青の海が直に見えていたはずの光景に、何か視覚的効果が掛かっている。

 ――それは透明度の高い青色の〝膜〟。

 青白い光の線が、時折縦横に走る。そしてそれは、縦長のドーム状に艦を覆っていた。

「――これは――」

 艦を覆う不可解な、しかしどこか幻想的なまでの様相のそれ。
 摩訶不思議極まるその光景に、ゴブリンのシンクレーは無意識にその小柄でシート上に立ち上がり。見上げ、ただ自然と零れたであろう言葉を上げている。

「球体は?――艦長!」

 そして艦を襲ったはずの闇の球体はいずこにも見えない。それらの事象の答えを求めるように、由比は都心へと振り向き呼ぶ。


「――〝ヤツ〟め。このかまくらに、実高さねたか外骨格ほねでも与えたつもりか」

 一方、その都心はと言えば。引き続きコンソールに視線を落とし、そして何か鼻持ちならないような様子でそんな言葉を零した。
 そのコンソールを覗き見れば、その画面の一点には。


 〝反特性現象異力場〟。


 という一つの文字列が、点滅効果により強調されて表示されていた――


――――――――――


・北海道事件

1950年代前半から起きた、ソビエトによる北海道侵攻計画。及び日本側の防衛行動。
また日本軍から再編した日本国隊の初めて経験した戦闘である。
本格的な上陸作戦、地上戦にこそ発展しなかったが。部分的に上陸した工作部隊との戦闘。
また海上、航空戦では衝突が各所で発生。
朝鮮戦争の激化に伴いソビエト側は計画を中止し一連の戦闘は終結となったが、双方に少なくない犠牲者を出した。

しかし皮肉にも。
これが前戦争末期および終戦後に蔓延していた戦争、軍隊忌諱の国民意識を再び揺さぶり現実へと引き戻し。日本の防衛整備を後押しする結果となった。

また当事件を境に、《平和を愛しい争いや犠牲を憎む者、備えるべし》などといったスローガンが流行。
戦争軍隊忌諱ムードの中で盛んとなり出していた人類、文明批判の文化が下火となるなどの影響があった。
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