―異質― 邂逅の編/日本国の〝隊〟、その異世界を巡る叙事詩――《第一部完結》

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チャプター11:「Silent Search」

11-5:「交錯」

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 同じ頃。人気の無い薄暗い裏通りに、ファニールの歩む姿があった。

「どこにいったのクラライナ……」

 宿を出たファニールは、まず再び待ち合わせ場所の周辺で聞き込みを行った。
 道行く人にしつこく聞いて回った結果、クラライナと思われる人影が、人気の無い方向へ向っていったという話を聞けたのだが、それ以上の具体的な情報を掴むことはできなかった。

「みつからない……足を伸ばしたほうがいいかな」

 とにかくクラライナが向ったと思われる方向へ向い、周辺を捜索したファニールだったが、クラライナは見つからないまま、夕暮れを迎えてしまった。

「ここの警備隊に届け出る……のは気が進まないなぁ」

 呟きながらファニールは路地を伝って行く。

 そして路地の出口に差し掛かった所で、ファニールは足を止めた。路地の先、薄暗い裏通りから話し声が聞こえてくる。

(あれは)

 覗き見ると、裏通りに一台の馬車が止まっていた。

(あの格好、警備隊?なんでこんな所に?)

 馬車の側では警備兵と思わしき人間が何か作業をしている。

「これで最後か。しかし嫌だね、誘拐してきた人間の移送の準備なんてよ」
(!?)

 馬車に荷物を積み込んでいた警備兵から発せられた言葉。その内容にファニールは声を漏らしかけたが、寸でのところでそれを飲み込んだ。

「おい、ヘタな事を零すなよ。名目上は政治犯等の罪人って事になってるんだ」
「どこまでその言い訳が通用してるんですかねぇ?口止めのために逮捕したくても口実が無くて、強引に誘拐してきたようなのもいるって聞いてますよ?紅の国の堕ちたもんだ」
(何……?何の話をしてるの?警備隊が誘拐を……?)

 唐突に耳に飛び込んできた衝撃的な話に、困惑するファニール。だが、彼女の困惑はそれだけに留まらなかった。

「……まぁ、元々そんなに綺麗な成り立ちの国でもないがな。それにまだ序章だ……この国は連合を裏切り、魔王軍側に付こうとしてるんだからな。今やってる事は、全部そのための前準備にすぎん」
(んなッ……!?)

 聞こえ来たその内容に、ファニールは目を剥いた。

「まだ国民には知らされてないんでしょう?治安部隊の中にも、まだ知らされていない隊がいるって聞きます」
「各部隊には遠くないうちに通達が行くだろうさ。各町や村にも、その時に向けて手を回している。そして協力が得られないようなら、めでたく失踪者の仲間入りだ」
(な……な……)

 次々と飛び込んでくる突拍子も無い話に、思考が追いついていかないファニール。

「夕方、隊長達が捕まえた女。あれも何か関係があるんですかね?」
「あれは魅光の王国の騎士だそうだ。勇者と一緒にこの国に入ってきたんだと。どうして捕縛命令が出たかは知らないが、まあ魔王軍がらみなのは間違いないだろう」
(ッ!それって……!)

 しかし、そこで聞こえた言葉が彼女の意識を引く。それが示す人物が、クラライナである事は明らかであった。

「こんな所でする話じゃなかったな、このへんにしとこう」
「今更、一人二人に聞かれてなにが変わるでもないと思いますがね」

 警備兵達は気だるそうに話しながら、作業の仕上げに掛かる。
(そんな……なんなんだよぉ)

 一方のファニールは、顔を真っ青に染めていた。
 何の前触れも無く飛び込んできたいくつもの事実に、彼女の頭は混乱の渦中にあった。だが次の瞬間に、今の最重要案件が一つ、彼女の脳裏に浮かび上がる。

(……あ!いけない、ミトミさんッ!)

 宿に残してきた水戸美。自分やクラライナが警備隊に狙われているのなら、同行していた水戸美も決して例外ではないはずだ。
 宿に一人で残してきた事を悔やみつつ、宿に戻るべく、ファニールは身を翻す。
 だが――

「――チッ!」
「!?」

 振り返った瞬間、彼女の目に飛び込んできたのは、背後に立つ何者かの人影。

「ぐぅッ!?」

 それが何者であるかを確認する前に、ファニールの腹部に鈍い衝撃が走る。
 そして彼女は路地から通りに蹴り出された。

「なんだ!?」

 路地から突然現れたファニールに、作業中だった警備兵達が驚きの声と共に視線を向ける。一方、路地からはファニールを追う様に、彼女を突き飛ばした人影が出て来た。

「痛ッ……」

 ファニールは迫る人影に、起き上がるのも後回しにとにかく剣に手を伸ばす。

「この!」
「がぁッ!」

 だが剣に伸ばそうとした手は、追いかけて来た人物に踏みつけ押さえられた。さらに、その人物は自身の腰に下げた剣を、鞘ごと抜き出し、それで空いているファニールの左腕を押さえつけた。

「ぐッ、このッ……え?」

 もがこうとしたファニールだったが、自分を押さえつけている人物の顔を見て、動きを止める。

「嘘……ヘリナンさん……?」

 襲ってきた人物の正体は、昼間、ファニール達をこの町へ送り届けたヘリナンという名の運び屋の女だった。

「クソ、やっぱりもうしばらく泳がせるべきだったと思うね」

 路地からはさらにヘリナンを追う様に、別の人影が現れる。

「うるさいな、チャンスだと思ったんだ!」

 追ってきた人影に、決まり悪そうに答えるヘリナン。
 ヘリナン達が纏っているのは群青色の軍服。若干装飾などに違いはあれど、この町の警備隊とほとんど同じ物だった。

「どうして……?」

 そんな言葉を口から漏らすファニールだが、今の状況と合わせて見れば、答えを予想する事は容易だった。

「おい、あんたら!ボケーッと見てないで手を貸せ!」

 ヘリナンはファニールの問いかけには反応すらしめさず、傍らで視線を送る警備兵達に向って叫んだ。

「手を貸せって……その前に状況説明だろ?お前等、商議会の議員にくっついてきた中央府の警備隊だよな。こんな所で何して……」

 そんな要求に、警備兵の片割れは訝しむ声を返す。

「いや待て」
「兵長?」
「この娘は……」

 しかしそこで警備兵の言葉を、もう一人の警備兵が遮る。兵長と呼ばれた彼は、地面に倒れたファニールの容姿を確かめる。

「十代後半の女、心与の大陸東に見られる淡い金髪。通達道理の容姿……この娘、例の魅光の王国の勇者だ」
「何ですって?」

 そこに倒れている少女の正体に気付き、再度驚きの表情を浮かべる両者。

「なんだってこんな所に?あんたらが捕縛しにかかってるって話じゃ?」
「説明は後だ!とにかく先に手を貸せ!それと、あんたらのお仲間を応援に寄越すんだ!」

 そして警備兵達はヘリナンに質問の言葉を投げる。しかし対するヘリナンは、それには答えずに、躍起になった様子で警備兵達に荒げた声で要求する。

「そっちの都合で面倒事を……」

 彼等の横柄な態度に、兵長である男は小声で悪態を吐く。

「……クノ、お前は応援を呼んで来い。ここからなら南区域隊の3隊の詰め所が近い」

 しかし、何の対応も取らないわけにもいかず、兵長は相方の警備兵に指示を出した。

「しゃあねぇ、分かりましたよ」

 警備兵は身を翻し、応援を呼びに走り出す。

「急いでくれよ!さぁ、こいつを拘束しちまおう、そんで――ぐッ!?」

 その背に急かす言葉を発しかけたヘリナン。しかし、ヘリナンの足に突如激痛が走ったのはその瞬間であった。視線を降ろし見れば、ファニールを踏みつけている彼女の足に、短刀が刺さっていた。

「なぁ……ッ!」

 ヘリナンはファニールの腕を体の上で踏んでいたが、ファニールは脇の近くに短刀を隠し持っており、それでヘリナンの足を刺したのだ。
 足に走った激痛により、ファニールの右腕を抑え付けていたヘリナンの足の力が緩む。
 ファニールはすかさず右腕を引き抜く。そしてファニールは、ヘリナンへの追撃は後回しにして、もう一本別の短刀を取り出すと、それを投げ放った。

「ごっ……ッ」

 投げ放った短刀は、走り出していた警備兵へ飛び、その喉に突き刺さった。警備兵は悲鳴を零して、路上へと崩れ落ちる。

「クノ!?」

 兵長は崩れ落ちた警備兵へと駆け寄る。

「ヅ……ッ、このッ!」

 一方、ヘリナンは足の痛みをこらえ、再度ファニールを踏みつけようと足を振り下ろす。
 だがファニールは地面を転がりこれを回避。そして回避した先で足払いを繰り出し、ヘリナンを転倒させた。

「ぐぁッ!クソッ……!」

 ヘリナンが転倒した瞬間に、ファニールは懐から別の短刀を取り出していた。そして仰向けになったヘリナンの心臓目掛けて、全体重をかけて短刀を叩き付けた。

「ぐぇッ……!」

 ヘリナンの胸にナイフが深々と突き刺さり、ヘリナンは血を吐いて絶命した。
 ファニールは息つく着く暇も無く、地面を転がりその場を離れる。そしてファニールが先ほどまでいた場所に、剣が叩きつけられた。

「ヅッ!」

 鈍い悪態を吐いたのは、ヘリナンの相方の商会の警備兵。
 ファニールを狙って剣撃を叩き付けた彼だったが、それは失敗に終わった。ファニールは背後に抜けると同時に起き上がり抜剣。警備兵の背中を切り裂いた。

「げぐッ!?」

 相方の警備兵の背中はばっくりと裂け、おびただしい量の血を噴出する。そして警備兵はヘリナンと折り重なるように倒れた。
 警備兵の無力化を確認したファニールは、最後の一人へと目を向ける。

「……即死か、クソ」

 路上にかがむ兵長は、警備兵の息が既に無い事を確認していた。
 そして振り返り、ファニールと目が合う。

「――仇は、討たせてもらうッ!」

 瞬間、兵長は駆け出し、ファニールへと襲い掛かった。
 ファニールは短刀を引き抜き、警備兵長に向けて投げ放つ。だが警備兵長は飛びきた短刀を抜剣の流れで払い、ファニールへと切りかかった。
 ファニールはその場から飛びのき、攻撃をかわす。そして同時に抜剣。追撃を加えてきた警備兵長の剣を自分の剣で受け止めた。

「はァッ!」

 だが兵長は退くことはせず、二度、三度と重い剣撃を振り下ろし、ファニールを追い詰める。

「うぅッ!」

 連続して振り下ろされる剣撃により、ファニールが微かによろめき、彼女の防御の体制が弱まる。
 それをチャンスと見た兵長は、大きく振りかぶり、より強い剣撃をファニール目掛けて振り下ろす。ファニールはそれを防ぎきれずに、体を切り裂かれるものと思われた。

「……ふッ!」
「!?」

 だが、そうはならなかった。
 兵長の剣は、滑るように明後日の方向に逃がされた。
 ファニールは真っ向から剣を受け止めずに、絶妙な力加減と剣を角度で兵長の剣を逃がしたのだ。そして体勢を崩した兵長の腹部に潜り込み、手にした剣で彼の胴体を貫いた。

「ごがッ!?」

 ファニールの剣の切っ先が、兵長の背中へと抜ける。

「……」

 兵長の絶命を確認し、彼の体から剣を引き抜く。ドサッっと、兵長の体は地面へと突っ伏す。
 そしてファニールが見渡せば――薄暗い路上に四人分の亡骸が横たわっていた。

「……生半可な覚悟で勇者やってないよ」

 四人の亡骸を眺め、荒い息を整えながら一言呟くファニール。呼吸が整え終えた彼女は、今しがた聞いた話を整理し始めた。

「どういうこと……行方不明事件が国家ぐるみの人身売買?それに、この国の議会が魔王軍とのつながり?」

 呟きながら一つ一つ聞いた内容を反芻する。思い当たる節は多々あったが、全てを理解するには経過時間が短すぎた。

「話が飛びすぎだよ……」

 泣き言のように漏らす彼女だったが、その片手間に短刀を回収して行く。疑問な点は膨大にあるが、それ以前に今は水戸美を一人にしては置けない。装備を整え直したファニールは、宿へと戻る道を走り出した。



 水戸美達の宿。

「うう……この世界ってちょっと不便」

 一階の廊下に、そんな事を口にしながら歩く水戸美の姿がある。
 ファニールの言いつけを守り、基本は部屋で大人しくしていた彼女だったが、今はお手洗いに用があり、一階へ降りてきていた。

「いけない。今はそんな文句言ってる場合じゃないよね」

 呟きながらハンカチをポケットへしまう水戸美。

「あれ?何かに引っかかっちゃって……あ!」

 ポケットから手を出そうとした時、ペンが一緒に出てきて床へと落ちてしまう。落ちたペンは床を転がって行き、宿のカウンター内へ入ってしまった。

「やっちゃった……えっと、どうしよう。店主さんがいない」

 周囲を見渡すも、宿の店主の姿は見えなかった。

「しょうがないかな……ごめんなさい」

 水戸美は悪いと思いつつも勝手にカウンター内に入り、ペンを拾おうと屈む。
 その時だった、
 入口が乱暴に開かれ、団体が押し入ってきた。

「警備隊だ、ここの主はいるか!?」
(!?)

 入ってくると同時に、先頭にいた女が叫ぶ。

「はい?何か御用で?」

 宿内に大声が響き、奥にいたのであろう宿の店主が出てきた。突然の警備隊の来訪に、店主は若干戸惑っている。

「ここに三人組の女が止まっているはずだが?」
(!)

 カウンター内の水戸美は、両者からは死角になっていて見えていない。

「は、はい。そのうちの二名は、今は外出されていますが……」
「では、一人は部屋にいるんだな?」
「お、おそらく」
「よし。その者に用がある、案内しろ」
「はい……?し、しかし……」

 店主の顔は困惑の度合いを強める。
 たとえ警備隊といえども、いきなり押し入ってきた集団を客の下へ連れて行くのは、さすがに良しとしないようだった。

「これは治安維持のための任務なのだ。拒否すればそちらにもしかるべき措置を取る事になるぞ?」

 しかし、この場の長らしき女は、冷たい目で淡々とそう伝える。それは脅し以外の何物でもなかった。

「ッ!……わ、わかりました」
「よし。四名私と来い。残りは宿の周辺を見張れ」

 部下へ指示を出すと、女と数人の警備兵は、店主の案内で二階へと上がって行く。

「あ……あ……」

 その彼女等の目的であろう水戸美は、カウンター内で屈んだ状態で、顔を青くしていた。
 警備隊が具体的にいかなる目的で水戸美の元を訪れたのか、彼女には分からなかったが、クラライナの行方不明の件。そして今の場の空気から察するに、自身の身が危険に晒されている事だけは理解できた。

「……ど……どうしよう」

 だが彼女の選択できる行動は多くは無かった。
 今まで頼ってきたファニールやクラライナはおらず、ましてや自分で戦うなど論外。かといって、今しがた訪れた警備隊に身柄を預けるなど、恐ろしくて出来るわけが無い。
 恐怖に駆られながらも、なんとかしなければと辺りを見渡す水戸美。その彼女の目に、カウンターの出口の先に見える、宿の裏口が飛び込んできた。

「……」

 一瞬ためらいを見せた彼女だったが、意を決し、姿勢を低くしたままカウンターから這い出る。
 そして裏口へとたどり着いた水戸美は、雨の降る屋外へと飛び出した。
 屋外へ出ると、すぐさま一番近くの路地へと駆け込む。
 騒がしくなる宿の音を背後に聞きながら、水戸美は暗い町並みの中へ溶け込むべく走り出した。



「あれだな」

 鷹幅が路地から顔を出して、その先を覗いている。彼の視線の先には、これで四件目となる捜索対象の宿があった。

「これで四件目ですか。早いトコ見てきましょう、ここも望み薄な気がしますけど」

 一方の不知窪は、鷹幅の背後でめんどくさそうに言いながら、宿には一瞥もくれずに9mm機関けん銃の安全装置や弾を確認していた。

「……いや、それはどうだろうな」
「は?」
「見てみろ」

 不知窪は鷹幅の背中越しの宿を覗き見る。宿の入口前には二人分の人影が見えた。様子からして宿の周辺を見張っているようだ。

「あれは、ここの警備隊か?」
「そうらしいな。……待て、動きがある」

 宿の出入り口から、さらに複数の警備兵が慌しく出てくる。警備兵等は見張りの二人と何かを話し出す。

「様子がおかしいな」

 数十秒間の会話の後、両者は宿の四方へ走り去っていった。

「なんだあれは、どうなってるんだ?」
「さぁな、とにかく調べてみるしかない。十分警戒しろ、行くぞ」

 二人は路地を出て、建物の壁を伝って行き、宿に接近。宿の側面に駆け込み、そこにある窓から中の様子を伺う。
 廊下を覗き込むと、先のホールらしき場に複数の警備兵の姿が見えた。その場のリーダーらしき女が中央にいて、不機嫌そうな顔で何かを喚き散らしている。

「なーにをやってるんだアイツ等は?」

 どうにもリーダーの女は警備兵達を叱っているようだった。リーダー女の小言は途切れる気配が無く、警備兵達の顔にはうんざりとした表情を浮かべるものが散見された。

「しばらく捌けそうに無いな……一階は後回しだ。先に二階を調べよう。先に上がるからブーストしてくれ」

 鷹幅は不知窪の助けを受け、宿側面の壁を登り、二階の窓へと手をかけた。片手で機関けん銃を構えながら、中を覗き込む。窓の向こうは二階の廊下で、幸いにも廊下に警備兵は居なかった。窓を乗り越えて廊下に降り、後続の不知窪に手を貸し彼を引き上げた。

「二曹、そこの部屋」
「分かってる」

 両名の視線は、入ってきた窓から一番近くにある部屋に向いた。扉が開け放たれ、内部の明かりも灯されたままだったが、人の気配が無かった。二人は機関けん銃を手に、周囲を警戒しながら中へ入る。

「妙だな……」

 鷹幅は目線と銃口を常に同じ方向に向けながら、部屋内を見渡す。部屋の所々に荷物が置かれ、少し前まで人がいた形跡がいくつか見て取れた。

「二曹、これを」

 不知窪は壁に置かれた机に目を落としながら、鷹幅に呼びかけた。そしては机の上から何かを手に取り、鷹幅へ示してみせる。
 不知窪が手に取ったのはシャープペンシルだった。机の上にはボールペンやノートも置かれている。
 どれもこの世界の物とは到底思えない。
 いや、それ以前にボールペンやノートに書かれた日本語が、それらがこの世界のものでは無い事をはっきりと示していた。
 さらに机の脇には、アルファベットのロゴが入った鞄が置いてあった。

「邦人のものか」
「まず間違いないでしょう」

 不知窪は鞄の中身を机の上にひっくり返し、出てきた財布を開いて中を調べ出る。

「当たりです。見てください」

 財布の中から免許証や保険証などの身分証明証が出てきた。鷹幅は免許証を手に取り、顔写真と記述内容を確認する。

「水戸美 手編(てあみ)……写真も聞いた容姿と同じようだ。住所は都内になってるな……他には?」
「目ぼしい物はこれだけです」
「重要な物だが、これだけじゃダメだ。肝心の本人の居場所が分かるような……」

 その時、廊下から足音と話し声が聞こえてきた。おそらく一階にいた警備兵達だろう。話し声と足音はだんだんと近づいてくる。

「チッ、こっちに来るな」
「隠れろ」

 鷹幅等は部屋の隅、入口の死角へと隠れる。

「クソ、なんたる失態だ!」
「まだ遠くには行っていないはずです、すぐに見つかるはずです兵長」

 警備兵らしき二名は入口の少し前まで来ると、そこで立ち止まり話し出した。

「そんなのは当たり前だ!そもそもお前たちがカウンター内にすぐに注意を向けていれば、こんな面倒な事には……!まったく使えないッ!」

「ッ……はぁ」
「おい、聞いているのか!?」

 だが特に内容があるものでは無いらしい。兵長と呼ばれた女が、警備兵に失態を押し付け、文句を言っているだけのようだった。

「あの二人を捕まえて情報を聞き出そう。一人は俺が抑える。お前はもう一人を無力化しろ」
「殺しても?」
「……止む終えない限り、殺害はするな。情報源は多いほうがいい」
「了解」

 兵長の女の小言が終わったらしく、扉の前の二人が部屋内へと入って来る。
 すかさず鷹幅は、先に入口をくぐった女兵長に背後から襲い掛かった。

「ぐッ!?な……!?」
「動かないで」

 突然首に腕を回された女兵長は目を見開く。

「兵長ッ!?」

 警備兵は女兵長を助けようと剣を抜こうとするが、脇から不知窪が警備兵に襲い掛かり、それを押さえ込んだ。

「うッ……!?」

 もがく警備兵の喉元に、銃剣の切っ先を突きつける。

「抵抗せずいう事を聞いてくれ。そうすれば危害は加えない」

 同様に、鷹幅は女兵長の喉元で銃剣をちらつかせている。

「我々は――ごッ!?」

 前口上を終え、本題に入ろうとした鷹幅だったが、その直前、鷹幅の鳩尾に鈍痛が走った。
 女兵長が肘を繰り出したのだ。
 この女兵長という人物は想像以上に短気であるらしく、鷹幅の言葉を聴こうとすらせず抵抗してきたのだ。
 これは鷹幅も想定外だった。鷹幅が一瞬ひるんだ隙に、女兵長は身をよじり、鷹幅に掴みかかった。

「!」

 女兵長の抵抗により、不知窪の注意が逸れる。

「ッ!このッ!」

 それを見逃さなかった警備兵は、同様にもがき肘を振るい、不知窪の胸部を突いた。そして不知窪はあっさりと警備兵に突き飛ばされる。

「よしッ!」

 好機と見た警備兵は抜剣の体勢に入りながら振り向く。彼はこのまま背後の不知窪を切り裂けるはずだった。
 だが――

「ん?」

 振り向いた彼の目に飛び込んできたのは、不可解な黒い物体。中央には穴が開いている。それが何かを彼が理解する前に、バンッ、と炸裂音が響いた。

「ビャッ」

 同時に彼は眉間から血を、口から悲鳴ともつかない声を上げた。更に二回、三回と連続して炸裂音が響く。炸裂音に合わせて警備兵の顔面からは新たに血が噴出してゆく。そして彼は床に仰向けに倒れこんだ。

「……」

 倒れた体を不知窪がいつもと変わらぬ表情で見下ろす。伸ばされた彼の右腕の先には9mm機関けん銃が握られている。
 彼があっさり警備兵から離れたのは別に突き飛ばされたわけではなく、下手に抵抗を押さえつけて銃剣での攻撃を行うより、一度離れて機関けん銃による攻撃を行うほうが、安全かつ確実だと判断したからだった。

「よせ!おとなしくしろ!」

 一方の鷹幅は、即座に持ち直し女兵長に応戦したものの、両者は床に倒れこみ、銃剣の取り合いとなっていた。

「曲者風情が!この私に……!」
「よせ……!くそッ!」

 不知窪はそんな両名にツカツカと歩み寄ると、女兵長の横っ腹を思いっきり蹴飛ばした。

「ごぅッ……!?」

 女兵長の体が一瞬宙を舞う。
 そして内臓にまで達した衝撃に苦悶の声を漏らしながら、女兵長は床に放り出される。不知窪はすかさず女兵長との間合いを詰め、放り出された女兵長の左足を思いっきり踏みつけた。

「いぎぃッ!?」

 ボキリと、左足の頚骨が折れる音がし、女兵長は悲鳴を上げて体を仰け反らせた。

「大丈夫ですか、二曹?」

 女兵長の無力化を確認した不知窪は、鷹幅に目を向ける。

「ッ……ああ、すまん助かった」

 危機を脱した鷹幅は、息を若干荒げながらも起き上がって礼を言った。

「あの、兵長殿……!今の音は何事でしょうか?」

 その時、二階が騒がしい事を不審に思ったのか、階段の下から店主の声が聞こえて来た。

「大したことじゃない。兵長殿は部屋の捜査中だ、邪魔をするな!」

 不知窪は廊下の先に向けて高慢な口調で叫んで見せる。

「は、はい!分かりました……」

 すると店主は返事だけよこして、二階へ上がってくる事はなかった。

「高慢な態度のツケが回ったな」

 不知窪は痛みに悶えている女兵長を横目にそんなことを呟く。

「不知窪、彼女を拘束するぞ。ベッドのシーツを寄越してくれ」

 鷹幅はシーツを破いて紐状にし、女兵長の手足を拘束した。

「よし。不知窪、見張ってろ!」

 不知窪に見張りを任せ、鷹幅は拘束した女兵長を壁に押し付ける。そして彼女の銃剣を首筋に突きつけ、問いかけ出した。

「おい、話は出来るか?下手な動きはするな、質問にだけ答えてもらう」
「な……何……?」

 痛みに顔を歪ませつつも、女兵長はこちらの言葉に反応を見せた。

「この部屋に三人組の女性が泊まっていたはずだ。その人達はどこへいった?」
「な!?なんだと……?我々以外に……貴様等、一体何者だ!?」
「我々の質問にだけ答えてもらう。そちらの質問は受け付けない」

 鷹幅は冷淡な口調で言い、女兵長の喉元に銃剣を寄り強く押し付ける。
「ッ……!」
「素直に答えれば怪我を処置しよう。その後は少しの間どこかに閉じ込めさせてもらうが、命は保障する。だが答えなければ……」

 女兵長の首筋から、血がぷつりと一滴滲み出す。

「……あ……」

 女兵長の顔は青ざめてゆき、やがて恐怖と痛みで虚勢を張る気力も無くなったのか、彼女は口を開いた。

「……一人は我々が捕らえている。だが後の二人の行方は私も知らない。我々がここへ来た時にはすでに片方はいなかったようだし、もう一人にも逃げられてしまった……」
「その逃げていった人物の容姿は分かるか?」
「私は見てはいないけど、黒髪の異国の娘だと部下が言っていた。上からの通達でそんな娘がいる事は聞いていたし、間違いないと思う……」

 死への恐怖が勝りタガが外れたのか、女兵長は口調を弱々しくし、聞いていない情報まで口にし出した。

「通達ねぇ。本当に国ぐるみでその勇者一行を追いかけてるんだな」

 聞き出せたそれに、不知窪は呆れた口調で零す。

「それで、その娘はどっちに逃げた?」
「路地に入って南に逃げていった。今さっき同じ方向に部下を追わせたばかりよ……ねぇ、まだなの?早く足の怪我を……」
「落ち着け、あと一つだけだ。捕らえた人物がいると言ったな?それは誰で、今どこにいる?」
「魅光の王国の勇者に同行してきた騎士って聞いてる。だから、残りの一人がその勇者なんだと思うけど……監禁場所までは私達には通達されてないから……」

 女兵長の口調から、どうやら嘘は言っていないようだった。

「分かった……これくらいでいいだろう。不知窪、彼女の足を見てやってくれ。さて、拘束してしばらくどこかに……」

 女兵長から視線を外し、彼女の身を隠しておく、手頃な場所がないかと部屋内を見回す鷹幅。

「ごえッ!?」

 だが次の瞬間、奇妙な声が背後から聞こえた。

「!?」

 視線を戻すと、女兵長の喉には銃剣が深々と突き刺さっていた。

「あ……そん……」

 掠れた声を上げる女兵長。そしてその首に刺さる銃剣の柄を握るのは、他でもない不知窪だった。

「なッ……お前、なんてことをッ!?」

 目を見開き、声を荒げる鷹幅。

「は?」

 対して不知窪は、心底不思議そうな顔で鷹幅を見返しながら、女兵長の首に刺さった銃剣を引き抜く。彼女の首の切り口から鮮血が噴出したが、不知窪はそれを器用に避けた。

「なぜ殺した!?」

 鷹幅は責めるような口調で不知窪を問い詰める。

「なぜ?……なぜ……?もう情報は聞き出したでしょう?他に何かあったんですか?」
「何って……情報を吐けば命の保障はすると、彼女には言ってあったんだぞ!?」
「建前じゃなかったんですか?殺しておかないと、俺等の存在がこの女の口から警備隊に伝わりますよ」
「拘束して、閉じ込めておけばいい話だろう!彼女はすでに抵抗できなかった!それを殺すなんて……!」
「それじゃ、少し時間が延びるだけでどの道ばれるでしょう?このほうが確実です、死人に口なし」
「お前――」

 まったく表情を変えずに言う不知窪に、鷹幅は次に発する言葉を失った。

「鷹幅二曹、その手の議論は後にしませんか?警備隊が戻ってくるかもしれません、とっととここを離れましょう」
「ッ……」
「死体は片付けますんで、二曹は荷物の回収を」
「……血のついた物も一緒に隠して置け」
「了解」

 不知窪は女兵長の亡骸をベッドの下へと引きずってゆく。その途中で不知窪は思い出したように再び口を開いた。

「ああ、そうだ鷹幅二曹。相手が女だからか、手加減してたように見えましたけど?そういうの、危ないからやめた方がいいですよ」

 死体をベッドの下へ押し込みながら、そんな言葉を寄越した不知窪。

「……」

 口調こそ変わらないが、その台詞には鷹幅を非難する意図がはっきりと含まれていた。



 死体等の証拠を隠し、免許証など必要なものを回収した後、二人は宿を後にし、宿から少し離れたところで路地に入った。

「アルマジロ1-2、応答してくれ。ロングショット1だ」

 鷹幅は地図を取り出しながら無線を繋ぐ。

《アルマジル1-2です。どうぞ》
「厄介な事になった……4番の宿にて邦人の宿泊していた形跡を発見。免許証をはじめとする所持品を複数確保した」
《了解、邦人本人はいなかったんですか?》
「あぁ……それだけだ、一足遅かったらしい。どうやらこの町の警備隊が宿に乗り込んだらしい。邦人は警備隊に捕まる前に逃走したようだが、行方はわからない」
《それは……まずい事になりましたね》
「まだある。警備隊の分隊長らしき人間から情報を聞き出せたんだが、邦人に同行している二名の女性のうち、片方はすでに警備隊に捕らわれているらしい。もう一人は不明だが、追われていると見たほうがいいだろう」

 鷹幅は得られた情報を伝え終え一息ついてから、再び口を開く。

「両者の居場所も不明だ。こうなるとこの二名の同行者の回収は難しいかもしれない。向こうからしてみればその二人が本命だろうし、警備隊もこれから厳戒態勢に入るだろう。……ロングショット1は二名の捜索を断念し、邦人の発見のみに注力したいと考えている。ペンデュラムに指示を仰いでくれ」

 要請を送る鷹幅。ペンデュラムとは、草風の村に置かれた指揮所。もっと厳密にいえば、現在の隊の事実上の指揮官である、井神の事を示した。

《……了解。一度切ります》

 無線が切れ、周辺に静寂が戻る。
 二人は壁に背を預けて一息ついた。雨は少し前から強くなり、雨音が路地裏内で響き渡っている。

「〝レーベンホルム〟を要請すべきじゃないですか?」
「……まだ早い。我々の手で保護できる可能性は残ってる」
「だといいですが」

 その後、二人は返信が来るまでの数分間無言だった。

《――ロングショット1、アルマジロ1-2です。ペンデュラムは進言を許可。邦人の発見、保護が完了次第、回収を要請せよとの事です》
「了解した……捜索を続行する。ロングショット1通信終了」

 通信を切り、鷹幅は壁から背を離す。

「で、アテはあるんですか?」
「日本人の黒髪はこの町では目立つ。追われてる身なら大通り等は避ける可能性が高い。路地を縫いながら南へ向おう。途中の空き家等に隠れてる可能性もあるから、それらも調べながらな」

「先が思いやられますね」
「途中で警備隊との戦闘もありうる。よく警戒しろ」

 鷹幅と不知窪は院生を追い、南へと走り出した。 
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