154 / 169
王都……の、その後
154.遷都ですってよ?
しおりを挟む
王宮の片付けが粗方終わり、広場に騎士団、ナシリス軍等全ての関係者が集まった。
サクリスは、フロール王女を支えながらディランと私の前に歩み出た。
「世話になったな。こうして妹と会えたのは騎士団と、シルベーヌのお陰だ。心より礼を言う」
サクリスは普段の粗野な感じから一転、王族の風格を漂わせながら挨拶をした。
「シルベーヌ様、皆々様、助けて頂きありがとうございます。もう、家族には会えないものと覚悟しておりましたが、こうして兄に会え、光のもとに出ること叶いました……感謝してもし足りません」
フロール王女は、サクリス似の目を細めて、本当に嬉しそうに笑っている。
その笑顔を見て、私の心は暖かくなり隣のディランを見上げた。
「本当に無事で良かった……あ、そうだ。サクリス殿下、即位式の……」
「わかってるよ」
サクリスはディランの言葉を遮って笑った。
「ディラン・ヴァーミリオン陛下の即位式に、ナシリスも列席させてもらう。あと……他の国も、な?」
そういうと、フロール王女の後ろ、近隣国の王女達へと目を向けた。
助けられた王女達は、皆力強く頷いている。
「各国の王女達は、我がナシリスが責任をもって届けよう。そして、諸悪の根元は新しい王によって倒されたと、大声で告げながらな!」
「サクリス殿下……感謝する」
「はははっ!それはこっちのセリフだ!」
いつものサクリスが戻ってきて、途端にその場が和んだ。
ほんと、こっちのサクリスの方が落ち着くわね。
そうして、ルイが用意したたくさんの馬車が、王都から各国へ、そして更に各領地に向けて旅立った。
フロール王女や囚われていた王女、人質になっていた令嬢達を乗せて。
その馬車を見送ると、広場に残ったのはラシュカの関係者だけになった。
「さてと、まずは皆さんにお話が」
ローケンが口火を切る。
「ラシュカ国再建に当たってですが、この廃墟寸前の王都は放棄し、ヴァーミリオン領を王都とします」
その言葉に騎士団から歓声が上がった。
「はい、落ち着いて。それと同時に、《ラシュカ》という国名も変更します。新しい国名は《ヴァーミリオン》!異論のある方は?」
その問いには皆、笑顔で首を横に振った。
ローケンは周りを見回して頷き、大きな声で宣言した。
「では、新しき国、ヴァーミリオンへ!王都へ凱旋であるー………と、その前に……」
騎士団の振り上げた手は空を切った。
中には、勢い余って前のめりになる人もいる……。
かくいう私もズッコケそうになったわ。
どうしたの……ローケン!?
あなたそんなキャラじゃないよね?
メガネが割れたことによって、新しいローケンが出てきたの?
メガネって……封印だったのかしら?
そんな馬鹿げた私の妄想を吹き飛ばすように、ローケンは大声で叫んだ。
「ここで騎士団、死人組の方とシルベーヌ様にアリエルから話があります!!」
ローケンは後方にいたアリエルを手招きした。
小さい彼女は大きい騎士団を掻き分け、ひっきりなしに謝りながら、慌てふためいて漸くローケンの元までやって来た。
「では、よろしく、アリエル」
「あ、はいはいっ!えっと、シルベーヌ様、騎士団の皆さん!お時間をいただき申し訳ありません!出来るだけ早くお伝えしたいことがあったんです!」
叫ぶアリエルを、騎士団とディランと私は注視した。
サクリスは、フロール王女を支えながらディランと私の前に歩み出た。
「世話になったな。こうして妹と会えたのは騎士団と、シルベーヌのお陰だ。心より礼を言う」
サクリスは普段の粗野な感じから一転、王族の風格を漂わせながら挨拶をした。
「シルベーヌ様、皆々様、助けて頂きありがとうございます。もう、家族には会えないものと覚悟しておりましたが、こうして兄に会え、光のもとに出ること叶いました……感謝してもし足りません」
フロール王女は、サクリス似の目を細めて、本当に嬉しそうに笑っている。
その笑顔を見て、私の心は暖かくなり隣のディランを見上げた。
「本当に無事で良かった……あ、そうだ。サクリス殿下、即位式の……」
「わかってるよ」
サクリスはディランの言葉を遮って笑った。
「ディラン・ヴァーミリオン陛下の即位式に、ナシリスも列席させてもらう。あと……他の国も、な?」
そういうと、フロール王女の後ろ、近隣国の王女達へと目を向けた。
助けられた王女達は、皆力強く頷いている。
「各国の王女達は、我がナシリスが責任をもって届けよう。そして、諸悪の根元は新しい王によって倒されたと、大声で告げながらな!」
「サクリス殿下……感謝する」
「はははっ!それはこっちのセリフだ!」
いつものサクリスが戻ってきて、途端にその場が和んだ。
ほんと、こっちのサクリスの方が落ち着くわね。
そうして、ルイが用意したたくさんの馬車が、王都から各国へ、そして更に各領地に向けて旅立った。
フロール王女や囚われていた王女、人質になっていた令嬢達を乗せて。
その馬車を見送ると、広場に残ったのはラシュカの関係者だけになった。
「さてと、まずは皆さんにお話が」
ローケンが口火を切る。
「ラシュカ国再建に当たってですが、この廃墟寸前の王都は放棄し、ヴァーミリオン領を王都とします」
その言葉に騎士団から歓声が上がった。
「はい、落ち着いて。それと同時に、《ラシュカ》という国名も変更します。新しい国名は《ヴァーミリオン》!異論のある方は?」
その問いには皆、笑顔で首を横に振った。
ローケンは周りを見回して頷き、大きな声で宣言した。
「では、新しき国、ヴァーミリオンへ!王都へ凱旋であるー………と、その前に……」
騎士団の振り上げた手は空を切った。
中には、勢い余って前のめりになる人もいる……。
かくいう私もズッコケそうになったわ。
どうしたの……ローケン!?
あなたそんなキャラじゃないよね?
メガネが割れたことによって、新しいローケンが出てきたの?
メガネって……封印だったのかしら?
そんな馬鹿げた私の妄想を吹き飛ばすように、ローケンは大声で叫んだ。
「ここで騎士団、死人組の方とシルベーヌ様にアリエルから話があります!!」
ローケンは後方にいたアリエルを手招きした。
小さい彼女は大きい騎士団を掻き分け、ひっきりなしに謝りながら、慌てふためいて漸くローケンの元までやって来た。
「では、よろしく、アリエル」
「あ、はいはいっ!えっと、シルベーヌ様、騎士団の皆さん!お時間をいただき申し訳ありません!出来るだけ早くお伝えしたいことがあったんです!」
叫ぶアリエルを、騎士団とディランと私は注視した。
2
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢の妹君。〜冤罪で追放された落ちこぼれ令嬢はワケあり少年伯に溺愛される〜
見丘ユタ
恋愛
意地悪な双子の姉に聖女迫害の罪をなすりつけられた伯爵令嬢リーゼロッテは、罰として追放同然の扱いを受け、偏屈な辺境伯ユリウスの家事使用人として過ごすことになる。
ユリウスに仕えた使用人は、十日もたずに次々と辞めさせられるという噂に、家族や婚約者に捨てられ他に行き場のない彼女は戦々恐々とするが……彼女を出迎えたのは自称当主の少年だった。
想像とは全く違う毎日にリーゼロッテは戸惑う。「なんだか大切にされていませんか……?」と。
【完結】処刑後転生した悪女は、狼男と山奥でスローライフを満喫するようです。〜皇帝陛下、今更愛に気づいてももう遅い〜
二位関りをん
恋愛
ナターシャは皇太子の妃だったが、数々の悪逆な行為が皇帝と皇太子にバレて火あぶりの刑となった。
処刑後、農民の娘に転生した彼女は山の中をさまよっていると、狼男のリークと出会う。
口数は少ないが親切なリークとのほのぼのスローライフを満喫するナターシャだったが、ナターシャへかつての皇太子で今は皇帝に即位したキムの魔の手が迫り来る…
※表紙はaiartで生成したものを使用しています。
わんこな旦那様の胃袋を掴んだら、溺愛が止まらなくなりました。
楠ノ木雫
恋愛
若くして亡くなった日本人の主人公は、とある島の王女李・翠蘭《リ・スイラン》として転生した。第二の人生ではちゃんと結婚し、おばあちゃんになるまで生きる事を目標にしたが、父である国王陛下が縁談話が来ては娘に相応しくないと断り続け、気が付けば19歳まで独身となってしまった。
婚期を逃がしてしまう事を恐れた主人公は、他国から来ていた縁談話を成立させ嫁ぐ事に成功した。島のしきたりにより、初対面は結婚式となっているはずが、何故か以前おにぎりをあげた使節団の護衛が新郎として待ち受けていた!?
そして、嫁ぐ先の料理はあまりにも口に合わず、新郎の恋人まで現れる始末。
主人公は、嫁ぎ先で平和で充実した結婚生活を手に入れる事を決意する。
※他のサイトにも投稿しています。
人質姫と忘れんぼ王子
雪野 結莉
恋愛
何故か、同じ親から生まれた姉妹のはずなのに、第二王女の私は冷遇され、第一王女のお姉様ばかりが可愛がられる。
やりたいことすらやらせてもらえず、諦めた人生を送っていたが、戦争に負けてお金の為に私は売られることとなった。
お姉様は悠々と今まで通りの生活を送るのに…。
初めて投稿します。
書きたいシーンがあり、そのために書き始めました。
初めての投稿のため、何度も改稿するかもしれませんが、どうぞよろしくお願いします。
小説家になろう様にも掲載しております。
読んでくださった方が、表紙を作ってくださいました。
新○文庫風に作ったそうです。
気に入っています(╹◡╹)
酒飲み聖女は気だるげな騎士団長に秘密を握られています〜完璧じゃなくても愛してるって正気ですか!?〜
鳥花風星
恋愛
太陽の光に当たって透けるような銀髪、紫水晶のような美しい瞳、均整の取れた体つき、女性なら誰もが羨むような見た目でうっとりするほどの完璧な聖女。この国の聖女は、清楚で見た目も中身も美しく、誰もが羨む存在でなければいけない。聖女リリアは、ずっとみんなの理想の「聖女様」でいることに専念してきた。
そんな完璧な聖女であるリリアには誰にも知られてはいけない秘密があった。その秘密は完璧に隠し通され、絶対に誰にも知られないはずだった。だが、そんなある日、騎士団長のセルにその秘密を知られてしまう。
秘密がばれてしまったら、完璧な聖女としての立場が危うく、国民もがっかりさせてしまう。秘密をばらさないようにとセルに懇願するリリアだが、セルは秘密をばらされたくなければ婚約してほしいと言ってきた。
一途な騎士団長といつの間にか逃げられなくなっていた聖女のラブストーリー。
◇氷雨そら様主催「愛が重いヒーロー企画」参加作品です。
【完結】白い結婚成立まであと1カ月……なのに、急に家に帰ってきた旦那様の溺愛が止まりません!?
氷雨そら
恋愛
3年間放置された妻、カティリアは白い結婚を宣言し、この結婚を無効にしようと決意していた。
しかし白い結婚が認められる3年を目前にして戦地から帰ってきた夫は彼女を溺愛しはじめて……。
夫は妻が大好き。勘違いすれ違いからの溺愛物語。
小説家なろうにも投稿中
異世界転生公爵令嬢は、オタク知識で世界を救う。
ふわふわ
恋愛
過労死したオタク女子SE・桜井美咲は、アストラル王国の公爵令嬢エリアナとして転生。
前世知識フル装備でEDTA(重金属解毒)、ペニシリン、輸血、輪作・土壌改良、下水道整備、時計や文字の改良まで――「ラノベで読んだ」「ゲームで見た」を現実にして、疫病と貧困にあえぐ世界を丸ごとアップデートしていく。
婚約破棄→ザマァから始まり、医学革命・農業革命・衛生革命で「狂気のお嬢様」呼ばわりから一転“聖女様”に。
国家間の緊張が高まる中、平和のために隣国アリディアの第一王子レオナルド(5歳→6歳)と政略婚約→結婚へ。
無邪気で健気な“甘えん坊王子”に日々萌え悶えつつも、彼の未来の王としての成長を支え合う「清らかで温かい夫婦日常」と「社会を良くする小さな革命」を描く、爽快×癒しの異世界恋愛ザマァ物語。
ヒロインに躱されて落ちていく途中で悪役令嬢に転生したのを思い出しました。時遅く断罪・追放されて、冒険者になろうとしたら護衛騎士に馬鹿にされ
古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄され
恋愛
第二回ドリコムメディア大賞一次選考通過作品。
ドジな公爵令嬢キャサリンは憎き聖女を王宮の大階段から突き落とそうとして、躱されて、死のダイブをしてしまった。そして、その瞬間、前世の記憶を取り戻したのだ。
そして、黒服の神様にこの異世界小説の世界の中に悪役令嬢として転移させられたことを思い出したのだ。でも、こんな時に思いしてもどうするのよ! しかし、キャサリンは何とか、チートスキルを見つけ出して命だけはなんとか助かるのだ。しかし、それから断罪が始まってはかない抵抗をするも隣国に追放させられてしまう。
「でも、良いわ。私はこのチートスキルで隣国で冒険者として生きて行くのよ」そのキャサリンを白い目で見る護衛騎士との冒険者生活が今始まる。
冒険者がどんなものか全く知らない公爵令嬢とそれに仕方なしに付き合わされる最強騎士の恋愛物語になるはずです。でも、その騎士も訳アリで…。ハッピーエンドはお約束。毎日更新目指して頑張ります。
皆様のお陰でHOTランキング第4位になりました。有難うございます。
小説家になろう、カクヨムでも連載中です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる