バンパイアガール

秋月

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*最後の…

最後の…#1

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某日、組織の射撃訓練場に銃声が鳴り響く

依月「ふぅ…」

全弾命中、今日も絶好調
本当、組織に入るまで自分にこんなに銃の才能があるなんて思わなかった
バンパイアのアジトでの潜入任務も無事に終わり少し月日が流れた
その任務で多くのバンパイアと卵が全滅した事で、最近バンパイア達が目に見えて大人しい
そんな中でも確実にバンパイアを討って私も陽香も今、99個の魂を狩ってようやく残りはあと1つになった
あと1つで純血の呪われた運命から解放される
バンパイアに狙われることさえなければこの血もある意味誇りだったかもしれないけど…
リュク…今は何処に居るんだろう
あの頃以降全く姿を見せることがないけど…

リーダー「百発百中か
また腕上げたのか?依月」

ボーッと考え込んでたらいつの間にか後ろにリーダーが立ってて、感心したように話し掛けてきた

依月「リーダー見てたの?恥ずかしいな」

リーダー「さすがNo.3の腕前だ
弾の装填も射撃スピードも上がってるみたいだし、俺や陽香もうかうかしてられないな」

依月「リーダーや陽香に比べたらまだまだ半人前だよ
でもいつか追い抜くかもしれないね♪」

そんな事を笑って言うとリーダーは私の頭をポンっと撫でた

リーダー「依月なら本当に追い越しそうだな
お前が努力してる事は知ってるし
それでもやり過ぎには注意だな
こんなにマメが出来るまで…痛むだろ?」

リーダーはそう言いながら、塗り薬と絆創膏を貼って手当てしてくれた

依月「リーダーよく見てるね」

リーダー「俺は皆を引っ張る存在だからな
これくらい気付かないとこの役目は勤まらない
それより依月だけなのか?
陽香はどうした?」

依月「陽香は家で待ってるよ
私は組織に呼ばれて話は終わったんだけど、久しぶりに射撃の訓練やろうと思って」

リーダー「…もしかして何か悩んでるのか?
今の腕前でわざわざここに立ち寄るなんて珍しいと思った
組織の話ってなんだったんだ?」

リーダー鋭い
最初の頃と違って最近では訓練場なんて滅多に立ち寄らなかったから…

依月「…リーダーは勘が鋭いね
今後をどうするか迷ってるの」

リーダー「今後って純血で無くなった後の話しか?
そういえばお前も陽香もあと1つだったな」

依月「純血じゃなくなったらどうするか…
陽香は、私の事を尊重してくれるって…
組織は私の実力を認めてくれて純血じゃなくなってもこのまま組織に残ってバンパイア狩りを
続けて欲しいって言われた
だけど元の世界に戻る事も出来るって…
あの世界では私は死んだ事になってるけど、名前も戸籍も変えて…色々組織が手配してくれるって…」

リーダー「そうゆう事か…
向こうにはあいつが居るからな
けど組織に残ろうとする理由は?」

依月「…組織が認めてくれたこの実力を簡単に捨てていいのかなって
それにまだ純血の皆の手助けをしたい気持ちもある
でも…組織が手配してくれるなら私はまたあの世界で堂々と蓮斗の隣を歩けるの」

リーダー「…あいつも依月を待ってるかも知れないな
とはいえ、組織が向こうで生きられる術を用意してくれるとはいえ、あの世界であいつと生きるには問題も多くあるだろうな
向こうでは依月は死んだことになってるし知り合いも多く居るからな…
まぁゆっくり考えて決めろ?
俺は依月が幸せなら俺も嬉しいよ」

依月「リーダー…」

リーダー「さて家戻るんだろ?送って行くよ」

依月「うん、ありがとうリーダー」

リーダーはきっと私の事妹みたいに思ってるんだろうな

依月「ねぇ、リーダーはどうするの?」

リーダー「さっきの話か?」

依月「うん、リーダー私達より長く組織に居るし、魂だってとっくに100個くらい狩ってる筈なのにまだ純血のままだし…どうして?」

リーダー「俺が組織を卒業するのは皆が無事に純血を卒業してからと決めている
その後の事は今はまだ考えてない
その時が来たら考えることにしている
未来は何が起こるか分からないからな」

依月「そうだったんだ…
リーダーがそこまで考えていたなんて思わなかった
リーダー男らしいね」

リーダー「依月はずっと俺の事を何だと思ってたんだ?」

依月「えへっ、とーっても頼りになる私達のリーダーです♪」

リーダー「都合がいいな」

と、軽くデコピンをされてしまった
そんな他愛もない話をしながら、家に着いた頃にはもう日が暮れて真っ暗だった

リーダー「着いたな」

依月「送ってくれてありがとうリーダー
今日泊まっててよ
もう暗いし危ないしさ、ね?」

リーダー「…そうだな、確かにここから戻るのは危険が多いな
お言葉に甘えるか
それに依月と居るのは飽きないしな?」

と意地悪そうに笑うリーダー

依月「それ、さっきの仕返し?」

リーダー「依月をからかうのは面白いな」

普段は優しいのに時々意地悪なんだから…っ
そんな事を思いながら家のドアを開けた

依月「ただいまー」

リーダー「邪魔するぞ陽香」

私達が戻ってきても出てくるどころか返事が帰ってこなかった
可笑しいな、陽香居る筈なのに…

依月「陽香ー?居ないのー?」

リーダー「陽香居ないのか?」

依月「そんなはずないんだけど…
こんな時間に出掛けるわけないし…
電気もつけないで…陽香ー?
もしかして寝てるのかな…」

時々ソファでそのまま寝ちゃってることもあるし、あり得る
でもこんな時間に1人で居るのにうたた寝するとは思えないんだけどな…
不思議に思いながらリビングに行って電気をつけた
電気をつけた瞬間、私達は目を疑った
だってそこはまるで嵐にあったみたいにぐちゃぐちゃに荒れていたから

リーダー「なんだこれっ!」

そこには僅かに血痕も残っていた
その変わり果てた光景に私達は只事じゃないと悟った
僅かに残った血痕の匂いを嗅いでみる

依月「この血の匂い…バンパイアと…陽香の匂いだ…」

風向きのせいで見つけるまで分からなかった…!
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