バンパイアガール

秋月

文字の大きさ
32 / 32
*真実

真実#14

しおりを挟む
その言葉にどこかホッとした
昔は本当に無邪気な友達同士…
だけど今の私達は一時的とはいえバンパイアを狩る側の人間だから、もう2度とあんな関係に戻れないんじゃないかって考えたら、やっぱり悲しかった
だからリュクが今も変わらず迷うこと無く友達と言ってくれて心から嬉しい

リュク「唯奈?」

依月「私ももしリュクと命のやり取りをするような事になったら、躊躇わず敬意を評してリュクを殺してあげるから、覚悟してよね」

リーダー「お前の力も見せてもらったからな
組織で作戦を充分考えられる」

リュク「やっぱりサニーアイまで見せたのは不味かったかなぁ~
唯奈と玲音の相手じゃ骨が折れそうだよ」

依月「嘘ばっかり、余裕満々の癖に」

リュク「分からないよ?
唯奈に泣いて懇願されたら自ら死を選ぶかもしれないしね♪」

なんてリュクは笑った
さっきはあぁ言ったし、その覚悟に間違いはないけど、やっぱり出来ればそうはなってほしくないな
そして笑っていたと思ったら今度は悲しそうに私に言った

リュク「唯奈、僕がもっと早く目覚めていれば香澄も死なずに済んだ
しかも唯奈自身の手で…君達に苦しい思いをさせてしまった
僕を責めてくれても構わない
香澄を救うことが出来なくて悪かった」

リュク…そんなに親身に私達の事を思ってくれてたんだね…

唯奈「私達誰もリュクを攻めたりしないよ
陽香…香澄の事は私達の油断にもあったし、1番悪いのは山下とそれに加担したバンパイア達
リュクを恨むような筋違いなことしないよ」

リュク「ありがとう唯奈…」

唯奈「ねぇリュク、また会えるよね?」

なんだか少しだけ永遠の別れのように感じて不安…

リュク「もちろんだよ
けどまぁ、しばらくは純血種の処分とバンパイアの統率に忙しくなるから当分は会えなくなるだろうけど、それでもまた君達皆に会いにいくよ」

リーダー「メンバー皆にもお前の事話すからな
皆で待ってんだから約束破るなよ?
もし破ったら俺が代表してその綺麗な顔ぶん殴ってやるからな」

リュク「容赦ないなぁ玲音
中身もすっかり男らしくなって」

リーダー「俺は生まれた時から正真正銘男だ」

リュクス「ははっ、あの頃は本当女の子みたいに可愛かったのに
まぁ、昔の玲音も今の玲音も僕は好きだけどね
さて、僕もそろそろ行かないとね
と、その前に…玲音ちょっと」

リュクはニコニコしながらリーダーを手招きして、リーダーは少し不思議そうにリュクに歩み寄った
リュクはリーダーにこそっと何かを話した
私には内緒の話?
何を話してるんだろう…?

――――…

リーダー「なんだよ?」

なんかにやにやして何か企んでんのか?
リュクの奴
俺に耳打ちするように何を言うかと思えば…

リュク「玲音は唯奈が好きなんだろ?」

リーダー「は!?」

思わず動揺して大きな声が出てしまった
少し離れた所に居る依月が不思議そうに頭をかしげてこちらを見ている

リュク「香澄と約束したから守るとか言ってたけどあんなに必死に守ってたら分かるよ
まぁ約束も本当だろうけど、玲音からはオスの匂いもするからね~
赤くなって図星?(笑)」

確かに陽香との約束も本当だけど、でも胸の内にずっとしまいこんで、誰にも話したことないしバレたこともないのにこいつ…!

リーダー「~っうるさい
大体オスの匂いってなんだよ
お前にそんな匂い分からないだろっ」

リュク「まぁ、確かに鼻が利く僕でもそうゆう匂いは分からないけど、けど匂うんだよねぇ」

にやにやしやがって…っ
こいつにバレてからかわれるとか恥ずかしすぎるだろ…

リーダー「お前…絶対誰にも言うなよな」

リュク「お?男同士の約束かな♪
もっちろん誰にも秘密は漏らさないよ
僕はただ温か~く見守っていくだけだから安心してよ♪」

リーダー「それが怪しいもんだな…
からかいに来るの間違いだろ…」

リュク「僕は単純に嬉しいのさ♪
だけど玲音が唯奈をね~
まぁ大事にしなよ♪」

リーダー「にやにやしてんなよ!
今すぐ殺してやろうか!?」

からかわれることに慣れてないせいもあるが、あまりにも恥ずかしすぎるだろ
俺が咄嗟に銃を出すとリュクはふわりと俺から離れた

リュク「おっと、玲音を怒らせると怖いね
じゃあね玲音!唯奈!
また会えるその日まで元気でね」

依月「リュク…!」

ふわりと空に待ったリュクはバンパイアと言うより、闇夜に羽ばたく蝶の様に綺麗に見えた

リュク「玲音、実ったら僕にもちゃんと教えてくれよ~?」

リーダー「リュク余計な事言ってないでさっさと行けよっ」

リュク「ははっ、じゃぁね」

リュクは笑顔で手を振り、夜空へと消えていった
私はリュクが見えなくなるまで手を振り続けた
リュクが去った森はとても静かになった

依月「行っちゃった…
リュクとまた会えて良かった…
ねぇリーダー、リュクと何を話してたの?
リュクが最後実ったら教えてって言ってたのってなんの話?」

ってリーダーに聞いたら、リーダーは何とも言えない複雑な顔をしていた

依月「実ったらって事は果物とか木の実の話?
リュクってそうゆうものも食べるんだっけ?
てゆうかリーダーそんなの育ててないよね?」

リーダー「…なんでもない
あいつの言ったことは気にするなよ?」

依月「あれ?リーダー顔赤いよ?どうしたの?
私には内緒の話なのー?」

私がリーダーの顔を除き混もうとすると、リーダーは私の髪をワシャワシャと掻き乱した

依月「わ!?」

リーダー「お前にはまだ秘密!
ほら帰るぞ!」

リーダーはさくさくと歩き始めた

依月「あ!待ってよリーダー!
私にだけ秘密なんてずるいー!教えてよー!」

リーダー「気にするなってば
それよりは足元悪いんだから気を付けろよ」

私は笑顔でリーダーの後を追いかけた

ーー…その後、組織に戻った私達は山下の処分とリュクの事を報告し、報告を終えるとゆっくりと休息を取った
次の日にはメンバー全員にリュクが生きていた事と再会した事を伝えると、皆が喜んで懐かしんでいた
リュクは皆にとっても良き友人で再会できる日を心待ちにしているみたいだった

バンパイアはというと、次の日から徐々に目撃情報やメンバーを狙ってくる輩が減っていった
リュクが奔走しているんだと感じていた
メンバーを狙ってくる連中が減ったのはありがたかったけど、でもバンパイアの魂を集めないとリミットが来てしまう
ありがたい事だったけど、まだ純血のメンバーはバンパイアの魂を狩れる数が減ってしまい、どうしようか頭を悩ましていた
だけど数週間後、組織の敷地内にある墓地にリーダーと共に陽香の墓前を訪れた時だった

依月「リーダー…花が添えてある…」

リーダー「見たことない花だ
陽香だけじゃない、他の墓前にも全部同じ花が添えてある」

その花の隣には大きな葉包みが置いてあった

リーダー「俺が中身を確認する」

そう言って中を確認すると、その中にはバンパイアの魂が幾つか詰まっていた

依月「これ…」

リーダー「こんなことするのリュクしか居ないな
ご丁寧に手紙つきだよ」

リーダーに渡された手紙を見てみると確かにリュクからだった
この魂は純血種や無法者共を始末した時に手に入ったものらしく、せっかくならメンバー達の役に立ててほしいと書かれてあった

依月「じゃぁ、この墓前の花もリュクが…」

リーダー「組織の警報にも引っ掛からずに、本当規格外な奴だな
今回はすぐに戻らなきゃ行けないから次は暇な時に会いに来るよ…か
来たなら少しくらい顔出していけよな、あいつ」

依月「本当だね」

私は用意してきた花束をその花の隣に添えて、手を合わせた
きっとここに眠る皆も今の私と同じ気持ちだろうな

依月「さ、戻ろうリーダー
組織に警報の強化お願いしなきゃ」

リーダー「だな」

ありがとう、リュク
そう心の中で呟いて私はリーダーと共に組織の中へと戻った

end
しおりを挟む
感想 1

この作品の感想を投稿する

みんなの感想(1件)

スパークノークス

お気に入りに登録しました~

2021.09.26 秋月

ありがとうございます!

解除

あなたにおすすめの小説

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

私が……王太子……のはずだったのに??

#Daki-Makura
ファンタジー
最愛と朝を迎えたら……城下が騒がしい……?? 一体……何が起きているのか……??

さようなら婚約者

あんど もあ
ファンタジー
アンジュは、五年間虐げられた婚約者から婚約破棄を告げられる。翌日、カバン一つを持って五年住んだ婚約者の家を去るアンジュ。一方、婚約者は…。

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

【完結短編】ある公爵令嬢の結婚前日

のま
ファンタジー
クラリスはもうすぐ結婚式を控えた公爵令嬢。 ある日から人生が変わっていったことを思い出しながら自宅での最後のお茶会を楽しむ。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。