約束の果てに

秋月

文字の大きさ
45 / 180
*琉の過去

琉の過去#4

しおりを挟む
だけどなおに桜の事を話す前にやるべき事がある

蓮「桜ごめん、先になおと話したいから少し外してて?」

桜「分かった
下に居るから終わったら呼んで」

桜は私の気持ちを汲んでくれて2人きりにしてくれた

直人「どうした蓮?」

落ち着いて…
私は一息ついてから口を開いた

蓮「私…なおにずっと怖くて聞けない事があったの」

直人「なに?」

大丈夫と思っててもやっぱり上手く言葉に出すのは難しいや…

蓮「なおは…私のこと…恨んでる…?」

途切れ途切れに沈黙を挟んでも、なおは私が言い終わるまで黙って聞いていてくれた
言ってしまった…聞いてしまった…
なおの反応が少し怖かったけど、私はなおをチラッと見た
でもなおは少しポカンとして口を開いた

直人「は?俺が蓮を恨んでる?
なんでそう思ったわけ?」

なんで…か…
その理由を伝えなきゃいけない
だけど私はどこまでも弱いみたい
どうしよ…体が震えてきた…
言葉が出てこない
あぁ、そっか…私はなおに嫌われたり幻滅されるのが怖いんだ

直人「蓮、大丈夫だからちゃんと言えって
全部1人で背負いこむなよ」

なおは震えていた私の手を優しく握ってそう言ってくれた
なおの言葉が優しさが嬉しくて私の目から自然と涙が流れた

蓮「ごめん…私知ってたの…
なおが桜を好きだった事…
なのに…私はなおから桜を奪ったから…っ」

知ってた
なおが桜の事どれほど好きか
1人で密かに泣いていたのも…
だから余計に胸が痛かった
私は桜もなおも幸せで居てほしいと願ってた
けどその幸せを2人から奪ったのは私だから

蓮「ごめんなお…ごめんなさい…っ」

私はただ謝る事しか出来なかった

直人「蓮もういいから」

なおは悲しそうな顔をした

直人「そっか…蓮にはバレてたか
確かに俺は桜先輩が好きだった
けどそれが蓮のせいなんて思った事ないし
それに桜先輩も俺も誰も蓮の事恨んだりしてないからさ」

蓮「…私の事を責めないの…?」

直人「蓮が1番辛かった筈だろ?
蓮の事、恨んだり嫌ったりしたこと無いし、きっとこれからも無い
こうやって蓮の側に居ることが俺の答えになんない?」

なお…

直人「きっと蓮の事だから桜先輩に対しても罪悪感持ってるんだろうけど、そんなの持つ必要ないからさ
まだ、話をちゃんと聞いた訳じゃないけど、桜先輩が蓮の側に居るのだって俺ときっと同じ理由だからさ
恨んだり嫌ってる相手にわざわざそんな事しないって」

なおの言葉で少し重たかった心がすごく心が軽くなった
何回なおには救われるんだろう…

蓮「ありがと…なお」

直人「ははっ泣き虫」

なおは泣いてる私を慰めるように頭を撫でた

直人「桜先輩の事は自分の中でもうケリがついてるし、大丈夫だよ
でもまさか、蓮にバレてるとは思わなかったわ
ちょっと恥ずかしいな」

なお…私の事励まそうとしてくれてるみたい
なおがそうしてくれてるのに、私がいつまでもウジウジとしてるわけにいかないよね

蓮「そりゃぁ気付くよ
見ていてなお、分かりやすかったもん」

直人「ははっ、マジか
てか、蓮って人の事は鋭い癖に自分の事には鈍いんだな」

蓮「え?どうゆうこと?」

直人「いや、こっちの話
兎に角、桜先輩の事はもう大丈夫だからほんとーに気にすんなよ
まぁ、姿は俺には見えないけどまた会えたのは嬉しいよ
それに今は他に好きな奴が居るからさ」

蓮「えっ!?なお、好きな人居るの?
誰っ?私の知ってる人?」

なおの突然の好きな人報告に私は思いっきり反応してしまった
だって桜の時と違って、全然気付かなかったから

直人「切り替え早過ぎ、蓮には秘密~」

そう言って意地悪そうになおは笑った

蓮「えー…教えてくれてもいいのに…」

直人「ま、その内な」

なおに好きな人が居たなんて初耳だなぁ
けど私が分からないから学校の人じゃないのかも…?
あー…でも後輩にも仲良い子達が居るみたいだし…
こう思い返すとなおって色んな人と仲が良いかも…
今は誰か分からないけど、なおに想って貰えてる子は幸せだろうな
なおにはいつも助けて貰ってるから上手くいってほしいな…

その後、桜も呼び戻して一通り今までの事を説明した
もう桜の存在を実感してるなおは思ったよりすんなりと私達の話を受け入れてくれた
その流れで琉との関係?も一緒に話した

直人「通りで琉が気にかけてるわけだ
いきなり除霊しようとするのは琉らしい
でも蓮が今まで内緒にしてたのは傷つくなぁ」

蓮「ご、ごめん…言っても混乱させたり信じて貰えないかも知れなかったから…」

直人「まぁ、確かに困惑するかもだけど、蓮が言うことなら信じてたよ
そんな嘘つく奴じゃないって分かってるし」

蓮「…なおって時々優しすぎて怖いかも」

直人「何でだよ
まぁ、いいや、蓮も目を覚ましたわけだし、俺もそろそろ帰るわ」

そう言って鞄を持って立ち上がったなお

蓮「あ、玄関まで見送るよ」

直人「いいって、休んでろよ
色々あって疲れてるだろうし
蓮、あんまり自分を責めたり溜め込むなよ
お前まで居なくなったりしたら寂しいじゃん
じゃ、また明日な」

蓮「うん、ありがとうなお
また明日」

なおはそのまま帰っていった

桜「なおは相変わらずなおのままね
蓮、もう大丈夫?苦しくない?」

蓮「全然平気だよ」

桜「そっか、でもさっきは私も心臓止まるほど驚いたし怖かったんだから
蓮が過呼吸になるなんて初めてだし、ましてや呼吸まで止まるなんて…
1歩間違えれば救急車騒ぎだったんだから
私は何も出来ないし…なおが居てくれてどれだけ良かったか…」

蓮「…あ、あのさ、桜…その…人工呼吸って…本当の話…?」

改めて桜にしどろもどろ聞いてみた
自分で記憶を巡るけどやっぱり覚えてない
けどなおの態度からしてやっぱり…
でもでもなんだか信じられない…っ

桜「ふーん?さっきは気にしてなさそうな態度だったのに、やっぱり気になるぅ?」

何故か茶化すように笑う桜
いや、からかってるよこれ…

桜「言っとくけど本当の本当だから!
私だって驚いたんだよぉ?
咄嗟だったとはいえ、なおがそんな事するなんて
蓮こそほんとーになーんにも覚えてないの?」

蓮「お…覚えてない…」

桜「ふーん、じゃぁ、蓮のファーストキスは気を失ってる時に瞬く間に奪われちゃったわけだ」

蓮「ふぁ!?ファーストキスじゃ無いでしょ…!?
それはあくまで人命救助的なもので…!
なおだってそんな風には思ってないもん!」

桜「蓮照れてるのぉ?」

蓮「照れてない!この話は終わり!」

忘れていて良かったかもしれない
だって覚えていたら今よりもっと恥ずかしくて、気まずかったはずだから
なおにも申し訳なかった…
でもこの事は忘れよう…うん
それに琉の事も考えなくちゃ…!
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

結婚したくない腐女子が結婚しました

折原さゆみ
恋愛
倉敷紗々(30歳)、独身。両親に結婚をせがまれて、嫌気がさしていた。 仕方なく、結婚相談所で登録を行うことにした。 本当は、結婚なんてしたくない、子供なんてもってのほか、どうしたものかと考えた彼女が出した結論とは? ※BL(ボーイズラブ)という表現が出てきますが、BL好きには物足りないかもしれません。  主人公の独断と偏見がかなり多いです。そこのところを考慮に入れてお読みください。 ※番外編に入り、百合についても語り始めました。  こちらも独断と偏見が多々あるかもしれないのでご注意ください。 ※この作品はフィクションです。実際の人物、団体などとは関係ありません。 ※番外編を随時更新中。

英雄の番が名乗るまで

長野 雪
恋愛
突然発生した魔物の大侵攻。西の果てから始まったそれは、いくつもの集落どころか国すら飲みこみ、世界中の国々が人種・宗教を越えて協力し、とうとう終息を迎えた。魔物の駆逐・殲滅に目覚ましい活躍を見せた5人は吟遊詩人によって「五英傑」と謳われ、これから彼らの活躍は英雄譚として広く知られていくのであろう。 大侵攻の終息を祝う宴の最中、己の番《つがい》の気配を感じた五英傑の一人、竜人フィルは見つけ出した途端、気を失ってしまった彼女に対し、番の誓約を行おうとするが失敗に終わる。番と己の寿命を等しくするため、何より番を手元に置き続けるためにフィルにとっては重要な誓約がどうして失敗したのか分からないものの、とにかく庇護したいフィルと、ぐいぐい溺愛モードに入ろうとする彼に一歩距離を置いてしまう番の女性との一進一退のおはなし。 ※小説家になろうにも投稿

橘若頭と怖がり姫

真木
恋愛
八歳の希乃は、母を救うために極道・橘家の門を叩き、「大人になったら自分のすべてを差し出す」と約束する。 その言葉を受け取った橘家の若頭・司は、希乃を保護し、慈しみ、外界から遠ざけて育ててきた。 高校生になった希乃は、虚弱体質で寝込んでばかり。思いつめて、今まで養ってもらったお金を返そうと夜の街に向かうが、そこに司が現れて……。

靴屋の娘と三人のお兄様

こじまき
恋愛
靴屋の看板娘だったデイジーは、母親の再婚によってホークボロー伯爵令嬢になった。ホークボロー伯爵家の三兄弟、長男でいかにも堅物な軍人のアレン、次男でほとんど喋らない魔法使いのイーライ、三男でチャラい画家のカラバスはいずれ劣らぬキラッキラのイケメン揃い。平民出身のにわか伯爵令嬢とお兄様たちとのひとつ屋根の下生活。何も起こらないはずがない!? ※小説家になろうにも投稿しています。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

~春の国~片足の不自由な王妃様

クラゲ散歩
恋愛
春の暖かい陽気の中。色鮮やかな花が咲き乱れ。蝶が二人を祝福してるように。 春の国の王太子ジーク=スノーフレーク=スプリング(22)と侯爵令嬢ローズマリー=ローバー(18)が、丘の上にある小さな教会で愛を誓い。女神の祝福を受け夫婦になった。 街中を馬車で移動中。二人はずっと笑顔だった。 それを見た者は、相思相愛だと思っただろう。 しかし〜ここまでくるまでに、王太子が裏で動いていたのを知っているのはごくわずか。 花嫁は〜その笑顔の下でなにを思っているのだろうか??

お久しぶりです旦那様。そろそろ離婚ですか?

奏千歌
恋愛
[イヌネコ] 「奥様、旦那様がお見えです」 「はい?」 ベッドの上でゴロゴロしながら猫と戯れていると、侍女が部屋を訪れて告げたことだった。

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

処理中です...