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*侵入者
侵入者#6
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クロ「ふざけた事言ってんじゃねぇぞ紅!」
ハク「お前が殺らぬのなら我等が噛み殺してやる!」
青「ちょっと!クロ!ハク!?」
戸惑う青とは正反対にクロとハクは私の命令を無視して人間を目掛けて牙を剥いて向かっていった
"人間なんか嫌いだ"
"こいつには恩がある"
なんで私は迷っているんだろう…
私はすかさず人間の前に立ちガクをブンと振った
ザクッー
私がガクを振ったそこには大きな亀裂が入りハクとクロはすかさず足を止めた
青「紅…!」
紅「…私の言葉が聞けないの?」
クロ「山神の力が…」
目が赤く光りハクとクロを睨み威嚇する紅…
その姿にハクとクロはそれ以上動かなかった
紅はクルリと向きを変え人間に言った
紅「お前も今すぐここを去らぬなら殺す
さっさと山から出ていけ
そして2度とこの山に近づくな!」
慎一「…ふぅ…そうだな
どうやら歓迎されてないようだし、今日は帰ることにする
でもその前に1つだけ教えてくれ
なんでお前らはそんなに人間を意味嫌っている?」
ハク「命助かったと思って調子に乗るな人間が」
クロ「そんな事を知ってどうする」
慎一「知りたいんだ
俺はこの山の事を…お前らに興味がある」
人間は愚かで邪な思いを抱き、相容れぬ存在を受け入れたりはしない
長い間ずっとそうだった
山神様を称えて居ても人間達にとっては恐怖でしかなかった
寄り添おうとした者達は誰1人居ない
だから私達も人間が嫌いだった
食べ物を求めて畑を荒らせば、動物達の事情など気にも止めないで殺す
それなのに土足で山に踏み入り、私達の大切な食料だけは根こそぎ奪っていく
それを止めようとした動物達も殺して奪っていく
そして私達の大切な仲間である動物達の肉を食べ、その残骸や骨は山へ投げ捨てた
繰り返される無情な行い
どれ程悔しく怒りに震えたことか
自分達の都合しか考えないそれが人間
それなのにこの人間…
今までの人間と私達を見る目が違う
まるで対等に接するような…誠意が見える
そのせいなのか青は私達の生い立ちを口にした
青「…私達はその昔人間共に捨てられたんだ」
紅「青!こいつに話す必要はない!」
青「でも紅…きっとこの人は今までの人間とは違う。だから紅も…」
紅「それは…!」
だから私も躊躇った
敵意のある者は容赦しないもの
慎一「捨てられた…?」
ハク「は、こんな人間1人に心揺さぶられるなんざ情けねぇ
だが、いい機会だ
お前等人間共が忘れた罪を再び思い出させてやろう
太古の昔、人間共はな、山神の祟りを恐れ産まれたばかりのこいつ等を生け贄として差し出してきたのだ」
クロ「勝手なもんだぜ…自分達の利益の為に何の罪もないこいつ等を捨てたんだ
こいつ等の犠牲で自分達は平穏を手にしようとしたわけさ」
ハク「生け贄なんてまだ言い方がマシだな
こいつ等は山神への供物、つまり人間共は山神にこいつ等を喰わせるつもりだったわけさ」
クロ「どんな生き物め生まれた命は等しく平等で儚いもの
俺達はそうして生きていた
この山に住む全員がそれを理解しているというのに、人間は全く理解していない
ただの愚弄者だ」
慎一「そ…だったんた…」
捨てられた事に対して私も青も別に気にしてはいない
むしろそんな連中の中で生きるより、ここで暮らせている方が何倍も幸せだと感じるから
紅「…私達は人間は嫌いだ
私達を捨てこの山に驚異をもたらす人間共を決して許す事は出来ない
私達と人間は相容れない存在
分かったらさっさと去れ
次またこの山に来た時は私がお前の息の根を止める」
赤く光る紅の鋭い目が慎一を睨んだ
そしてハクとクロにまたがり山に戻っていった…
図書館―――…
パラ…パラ…
慎一「あった」
山神様の伝説のある、あの山に関する歴史書
歴史書というよりはちょっとした物語みたいな感じだな
その昔、山を荒らした若者が居た
その日から村には厄が降りかかるようになった
今まで山を守り村に繁栄をもたらしてきた山神様を怒らせたと村人達は怯え…その年産まれたばかりの赤子を生け贄として山神様に差し出した
赤子は激しい落雷と共に姿を消した…
その赤子は女の双子だったと言われている…
双子の赤子…これが山神姫の正体
そして紅達の事だ
じゃぁ、あの話は事実だったってことか
俺達の先祖はそんな残忍な事を平然としていたわけか…
だけどどうしてだ?疑問ばかりだ
こんな大昔の書物に記されて居るのに何故紅達は子どものまま何千年と生き続けている?
普通の人間じゃ考えられないことだ
でも紅達は紛れもなく人間だ
本人達もそれを理解している感じだった
"山神様"
姿は分からない
その姿を見たものは誰もいない
しかし山に災厄をもたらせばその災厄は何倍にもなって返ってきたという
山神様には未知の力があるのではないかと考えられている…
調べても結局分からない事ばかりだ
でもはっきりしたのは大昔に生け贄にされた子どもは紅達で、俺達人間は山神姫と呼んで本物の山神様だと思っていたが本当は紅達は山神様に育てられた山神様の子で本当の山神様はまた別に居ると…そういうことか
紅達は山神様や動物達の温情で命を救われたってことか
山神様とは一体なんだ
何故何処にもその正体が書かれていない
山の守り神…そして捨てられた紅達
あそこまで人間を嫌う理由は人間の俺でも少しは理解できる
紅達が言っていた事は何一つ間違っていないと思った
今、町の開拓は進みどんどん新しい土地を作っていってる
あの山だって例外じゃない
より良い町作りの為にやっている事だが紅達にとってあの山は自分の家のようなもの
自分の家に土足で入りましてや勝手に壊そうだなんてそりゃ怒って当然だろう
町の開拓は今に始まったことじゃない
紅達は長い間必死に俺達人間からあの山を守ってきたのか…
紅達を見ていると俺達はなんて自分勝手なんだろうと思い知らされる
でも…山神様が居るなら何故出てこない?
今では山神様を信じるものなど数える程度…そのほとんどが紅達だと勘違いしている
書物を見る限り山に危害をもたらそうならすぐにでも山神様による災厄がやって来た
でも今はそんな災厄の影もない
ここまでの事をしていればその災厄ってのがあってもおかしくないはずなのに…
もう1度あの山に行って紅達に聞いてみるか
次また山に行ったら殺すとか言われたけどきっと大丈夫だろう…
保証はないけど…ここまで知ってしまったら何もせずじっとなんかしてられない
明日またあの山に行ってみよう
ハク「お前が殺らぬのなら我等が噛み殺してやる!」
青「ちょっと!クロ!ハク!?」
戸惑う青とは正反対にクロとハクは私の命令を無視して人間を目掛けて牙を剥いて向かっていった
"人間なんか嫌いだ"
"こいつには恩がある"
なんで私は迷っているんだろう…
私はすかさず人間の前に立ちガクをブンと振った
ザクッー
私がガクを振ったそこには大きな亀裂が入りハクとクロはすかさず足を止めた
青「紅…!」
紅「…私の言葉が聞けないの?」
クロ「山神の力が…」
目が赤く光りハクとクロを睨み威嚇する紅…
その姿にハクとクロはそれ以上動かなかった
紅はクルリと向きを変え人間に言った
紅「お前も今すぐここを去らぬなら殺す
さっさと山から出ていけ
そして2度とこの山に近づくな!」
慎一「…ふぅ…そうだな
どうやら歓迎されてないようだし、今日は帰ることにする
でもその前に1つだけ教えてくれ
なんでお前らはそんなに人間を意味嫌っている?」
ハク「命助かったと思って調子に乗るな人間が」
クロ「そんな事を知ってどうする」
慎一「知りたいんだ
俺はこの山の事を…お前らに興味がある」
人間は愚かで邪な思いを抱き、相容れぬ存在を受け入れたりはしない
長い間ずっとそうだった
山神様を称えて居ても人間達にとっては恐怖でしかなかった
寄り添おうとした者達は誰1人居ない
だから私達も人間が嫌いだった
食べ物を求めて畑を荒らせば、動物達の事情など気にも止めないで殺す
それなのに土足で山に踏み入り、私達の大切な食料だけは根こそぎ奪っていく
それを止めようとした動物達も殺して奪っていく
そして私達の大切な仲間である動物達の肉を食べ、その残骸や骨は山へ投げ捨てた
繰り返される無情な行い
どれ程悔しく怒りに震えたことか
自分達の都合しか考えないそれが人間
それなのにこの人間…
今までの人間と私達を見る目が違う
まるで対等に接するような…誠意が見える
そのせいなのか青は私達の生い立ちを口にした
青「…私達はその昔人間共に捨てられたんだ」
紅「青!こいつに話す必要はない!」
青「でも紅…きっとこの人は今までの人間とは違う。だから紅も…」
紅「それは…!」
だから私も躊躇った
敵意のある者は容赦しないもの
慎一「捨てられた…?」
ハク「は、こんな人間1人に心揺さぶられるなんざ情けねぇ
だが、いい機会だ
お前等人間共が忘れた罪を再び思い出させてやろう
太古の昔、人間共はな、山神の祟りを恐れ産まれたばかりのこいつ等を生け贄として差し出してきたのだ」
クロ「勝手なもんだぜ…自分達の利益の為に何の罪もないこいつ等を捨てたんだ
こいつ等の犠牲で自分達は平穏を手にしようとしたわけさ」
ハク「生け贄なんてまだ言い方がマシだな
こいつ等は山神への供物、つまり人間共は山神にこいつ等を喰わせるつもりだったわけさ」
クロ「どんな生き物め生まれた命は等しく平等で儚いもの
俺達はそうして生きていた
この山に住む全員がそれを理解しているというのに、人間は全く理解していない
ただの愚弄者だ」
慎一「そ…だったんた…」
捨てられた事に対して私も青も別に気にしてはいない
むしろそんな連中の中で生きるより、ここで暮らせている方が何倍も幸せだと感じるから
紅「…私達は人間は嫌いだ
私達を捨てこの山に驚異をもたらす人間共を決して許す事は出来ない
私達と人間は相容れない存在
分かったらさっさと去れ
次またこの山に来た時は私がお前の息の根を止める」
赤く光る紅の鋭い目が慎一を睨んだ
そしてハクとクロにまたがり山に戻っていった…
図書館―――…
パラ…パラ…
慎一「あった」
山神様の伝説のある、あの山に関する歴史書
歴史書というよりはちょっとした物語みたいな感じだな
その昔、山を荒らした若者が居た
その日から村には厄が降りかかるようになった
今まで山を守り村に繁栄をもたらしてきた山神様を怒らせたと村人達は怯え…その年産まれたばかりの赤子を生け贄として山神様に差し出した
赤子は激しい落雷と共に姿を消した…
その赤子は女の双子だったと言われている…
双子の赤子…これが山神姫の正体
そして紅達の事だ
じゃぁ、あの話は事実だったってことか
俺達の先祖はそんな残忍な事を平然としていたわけか…
だけどどうしてだ?疑問ばかりだ
こんな大昔の書物に記されて居るのに何故紅達は子どものまま何千年と生き続けている?
普通の人間じゃ考えられないことだ
でも紅達は紛れもなく人間だ
本人達もそれを理解している感じだった
"山神様"
姿は分からない
その姿を見たものは誰もいない
しかし山に災厄をもたらせばその災厄は何倍にもなって返ってきたという
山神様には未知の力があるのではないかと考えられている…
調べても結局分からない事ばかりだ
でもはっきりしたのは大昔に生け贄にされた子どもは紅達で、俺達人間は山神姫と呼んで本物の山神様だと思っていたが本当は紅達は山神様に育てられた山神様の子で本当の山神様はまた別に居ると…そういうことか
紅達は山神様や動物達の温情で命を救われたってことか
山神様とは一体なんだ
何故何処にもその正体が書かれていない
山の守り神…そして捨てられた紅達
あそこまで人間を嫌う理由は人間の俺でも少しは理解できる
紅達が言っていた事は何一つ間違っていないと思った
今、町の開拓は進みどんどん新しい土地を作っていってる
あの山だって例外じゃない
より良い町作りの為にやっている事だが紅達にとってあの山は自分の家のようなもの
自分の家に土足で入りましてや勝手に壊そうだなんてそりゃ怒って当然だろう
町の開拓は今に始まったことじゃない
紅達は長い間必死に俺達人間からあの山を守ってきたのか…
紅達を見ていると俺達はなんて自分勝手なんだろうと思い知らされる
でも…山神様が居るなら何故出てこない?
今では山神様を信じるものなど数える程度…そのほとんどが紅達だと勘違いしている
書物を見る限り山に危害をもたらそうならすぐにでも山神様による災厄がやって来た
でも今はそんな災厄の影もない
ここまでの事をしていればその災厄ってのがあってもおかしくないはずなのに…
もう1度あの山に行って紅達に聞いてみるか
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