1度っきりの人生〜終わらない過去〜

黄隼

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第壱話

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夏祭りが行われる季節。
例年よりも晴れ渡る空。
誰よりも楽しみにしていた日香川 藍(ひかがわ らん)
後、二週間後に行われる。



今日で一学期の学校が終了する
「やったー!今日で学校が終わるぅー!」
     バシッ!
教科書で後ろからなぐられた。
「いったー!何すんの!」
「何すんのって校門の前で大声出してるからたたいてほしいのかな~って、思ったから。」
後ろからなぐってきたのは和塊 萌香(わかい もか)
「いいから、行くよ!」
「はいはい!」

-教室-
萌香とは違うクラスになってしまったため、途中まで一緒にいたが、途中で別れてしまった。
「はよっす!藍!」
「ひろちゃん!」
「ひろちゃん、言うな!」
「ふふふ!ひーろーちゃーん!」
「くっ!」
誉音倉 大翔(よねくら ひろと)大翔はスポーツ万能だけど、勉強は赤点だらけの藍の幼なじみ。
時間になり、先生が来た。
「ほ~ら~!みんな、座れ~!ホームルーム始めるぞ!」


終業式も終わり、下校時刻になった。
藍は萌香の教室に向かった。
「も~か~!か~え~ろ~!」
「藍!ごめん!補習がある。」
「!そうなんだ!すぐ、終わると思うし、教室で待ってるよ。帰りにアイスを食べて、帰ろっ!」
「いいけど。」
「やったー!待ってるね。」
「分かった。急いで終わらせてくる。」
「なんの話?」
「「日向(くん)!」」
魁 日向(さきがけ ひなた)萌香と同じクラス。
「萌香の補習が終わってから、アイスを食べに行こ~って、話してたの。」
日向の顔が一気に笑顔になっていった。
「萌香ちゃんも補習なの!」
「そうだけど。もってことは日向くんも!?」
「うん!一緒に行こっ!」
日向が嬉しそうに言った。動物で例えるなら超、嬉しがってるネコかイヌだと思う。キツネに似てるかもしれないが。
「じゃあ、みんなを誘って、待ってるね。」
「分かった。」
萌香と日向が補習に向かって、藍の側からいなくなると、藍はつぶやいた。
「まったく、日向くんは萌香のこと、できあいしてるんだから。」
藍はニヤニヤしながら、つぶやいた。
「なに、つぶやいてんの?」
背後から藍に話してきた可愛い女子がいた。
「うわっっっ!びっくりした。」
「そんなに、驚くこと!?」
「うん!驚いた!」
可愛い女子というのは、奥川 綾(おくがわ あや)
「あっ!そうだ!今日、部活?」
「今日は終業式だから、ないけど…」
「じゃあさ、帰りにアイス、食べてかない!?日向くんと萌香が補習から帰ってきてからだけどさ!」
「行く!でも、ここだけの話、大翔くんって、来る?」
「これから、誘うつもりだよ。ひろちゃんはもしかしたら、部活かもだけど…。」
「そっか…。残念。」
「まだ、聞いてないから分かんないけどね。」
ちょうどいいところに大翔が藍がいる教室を覗いて、話しかけてきた。 
「藍!」
「あっ!ちょうどいいところに!ひろちゃん!」
「ひろちゃんって、呼ぶな!」
「気にしない、気にしない!」
「はぁ~。で、なに?」
「あのさ、今日、部活?」
大翔の方に近づきながら、聞いた。
「いや、部活はねぇよ。」
「ほんと!?」
綾は食らいつくように、言った。
「本当だよ。」
「じゃあ、放課後、アイス、食いに行かない!?ひろちゃん。」
「いいけど。」
「でも、日向くんと萌香が補習から戻ってきたらだけどね。」
「そっか。でも、待つよ」
藍は思い出したように、話した。
「あっ!ちょっと、バスケ部でシュート、うってくる。多分、バスケ部、休みだから。」
藍はバスケ部に所属してるが、あまり、部活には行っていない。同じく、日向もバスケ部で来るように言うが、何回言っても来る気配がないのが現状だ。
「部活が休みだと思うから、行くって…。」
「じゃあね~!また、後で~」
藍はサッサッと、どこかに行ってしまった。
「あいつらが来たら、行くか。」
「そ・・・そうだね。」
綾の心臓はバクバクではちきれそうになっていた。もともと、綾は大翔に恋していたのだから、しょうがないけど、それを知っている藍がいなくなってしまった今、何を話せばいいのか分からなくなってしまった。

-体育館-
誰もいない中、藍は一人でバスケットボールを取りに行き、シュートをしていた。
近づいてくる足音が聞こえてきたので、シュートを一端やめた。
「日香川!最近、部活に来てねぇよな!」
「あっ!ぶ……部長!」
バスケ部の部長は日向のお兄さん。部長でもあり、キャプテンでもある淳(じゅん)
「日香川!なぜ、部活に来ない?」
「めんどくさいからかな。先輩。逆に聞きますけど、何で部活に参加しなければいけないのですか!?毎日じゃなくても、たまに、部活に参加してるから良いじゃないですか!?」
「…」
「なーんてね。今のは冗談です。ただ、部活はあまりしたくないんです。」
「それは、体育館だから!?ストバス(ストリートバスケ)が良いから?」
「まぁ、それもあります。でも、もう一つあります。それは、部活に参加したら、大会で勝ってしまう。点差がつきすぎて、相手チームが諦めにかかってる。それだったら、ストバスの方が、強い選手とバスケができたり、バスケを小さい子達に教えてあげられる。」
「まぁ、分かったよ。でも、バスケ部に所属しているのなら部活に来い!どんな事情があったとしてもだ!来ないというのなら、転部しろ!つまり、バスケ部から退け!」
「わ・・・分かりました。少し、考えさせていただきます。」
「かまわない。じゃあ。」
その言葉だけを言って、淳は体育館を出ていってしまった。
藍は目から涙が一粒二粒でてきた。藍は力が抜けていくように立ち崩れた。

-そんな話をしている時、教室では-
大翔と綾はずっと無言だった。
ちょっと経つと、萌香と日向が戻ってきた。
「ごめん。遅くなった~」
日向が駆け足で大翔と綾の所に行った。萌香は普通のペースで歩いてきた。
「藍は?」
「藍ちゃんはシュートをうってくるだって。」
「そっか。じゃあ、体育館に行こっか。」
体育館に4人で向かった。

-体育館の入口-
藍がシュートをうっている姿を4人で見ていた。
「藍ってさ、何でバスケ部に所属したんだろな」
日向がつぶやいた。
「えっ!?知らないの?同じ、バスケ部なのに!」
「知らないです。」
「部活に必ず入らなければいけないという事も理由の一つなんだけど、もう一つあるんだよね。藍は何よりも子供とバスケというスポーツが好きなんだよね。諦めなければ勝つって昔は思ってた。だけど、今は藍のお兄さんの影響もあって、バスケで勝つことを諦めるようになってしまった。」
日向はそんな事を今まで知らずに、部活に来いって言ってた事を後悔した。
「藍のお兄さんの影響って、どういう事?」
日向は静かに聞いた。
「藍のお兄さんもバスケを昔、やってたんだ。ある大きな大会に出場をした。だけど、そこで、負けた。理由は相手が強すぎてお兄さんやチームの仲間が全員勝てないと、諦めてしまった。それに、失望した藍は大会に出ないようになった。ましてや、部活にまで顔を出さないようになった。」
萌香以外が愕然としていた。
そんな事をしている間、淳と藍が話している姿をみつけてしまった。それは別に気にしなかったのだが、話が終わったみたいで淳が離れていくと、藍がたち崩れていたことを大翔がみつけた。大翔がカバンを急に置いて、無意識に走り出していた。
「藍!どうした?」
「ひ…ひ…ひろちゃん。」
「ん?どした?」
「胸・・・貸して!?」
大翔が微笑み言った。
「いいよ。」
藍は大翔の胸の中で泣いた。周りからみたら、抱きついているようにしかみえないような、泣き方をしていた。
萌香達が大翔のカバンを持って、近づいていった。
「藍。何か、あったの?」
「萌香。大丈夫。なんでもない。ひろちゃんもありがとう。早く、アイス、食べに行こっ!行列ができるアイス屋さんだから、早く行かないと夜になっちゃうよ。」
「そうだな。早く行こっか。」
日向は藍の聞いてほしくない気持ちを察して、藍に賛同した。
全員が体育館を出ていったところで大翔が言った。
「藍!」
「急にどうしたの?ひろちゃん」
「俺は、藍の事が好きだ!藍!付き合ってほしい!」
誰もが驚いた。今まで、そんな素振りは一度もなかった。
藍の後ろで萌香が突っつき、言った。
「返事はどうするの?藍。」
「えっ、どうするって・・・」
日向が何かを察したのか、言い出した。
「俺たちがいちゃ、話ずれぇよな。俺たちは先に行列のできるアイス屋さんに行ってるから。行こうぜ!」
「だね。」
萌香は藍の耳元で静かに藍だけにしか聞こえないように話した。
「自分の気持ちを素直に言うんだよ。」
綾までもが藍の耳元で静かに藍だけにしか聞こえないように話した。
「自分の気持ちを素直に言ってね。私が好きだから付き合わないはやめてね。ちゃんと、自分の気持ちを最優先にしてね。わかった?」
「分かった。ありがとう二人共。」
藍と大翔以外はアイス屋さんに先に行ってしまった。
「急に大きな声で告白してくるからびっくりした。」
藍が一瞬微笑んで言った。
「ひろちゃん。私でよかったら、お付き合いしてください。」
「ほんと?」
藍は微笑みながらうなずいた。
「やったー!」
今までで一番嬉しいような喜び方をしていた。
「ひろちゃん!」
「ん?」
「そんなに、嬉しい?」
「もちろん!嬉しい。やっぱ、藍と話してるのが一番楽しい♪」
「そう!?あっ!早く、行こっ!」
「そうだな!みんなが待ってるし。」
大翔が歩きだすと、藍が大翔の方に突進するように行き、藍から腕を組んだ。
「えっ!」
「嫌だった?」
「いや、別に。」
「今だけなら、良いでしょ!?」
「まぁ…」
腕を組みながら、学校を後にした。

-アイス屋さんに行く道中-
腕を組みながら、話していた。
「そうだ!」
急に大翔から話始めた。
「ん?」
「明日からの夏休み、いつ、会えるかな~?」
「えっと…その…。会えるか分かんなんい。夏休み中は海の家のバイトに毎年行ってて、今年も頼まれちゃってさ・・・。毎年、兄経由で海の家のバイト、頼まれるんだよね。中学まではお手伝いだったんだけど、高校に入ったらバイトになったんだ!」
「そっか…。」
「ごめんね。」
「夏祭りは?」
「時間的に行けると思う。てか、毎年、海の家の方に来て、夏祭りを楽しんでんじゃん。ついでに、花火をしたりしてさ…。」
「そうだな。」
また、無言になってしまった。
少し、経つとアイス屋さんに着いてしまった。
急いで、腕を組んでいるのを離して、アイス屋さんに入った。

-行列のできるアイス屋さん-
「いらっしゃいませー!」
みんなが座っている姿に気づき、その席まで急いで行った。
「おっ!きたきた!どうなった?」
「付き合うことになった。」
「マジ!おめでとう。藍!」
「ありがとう。で、みんなは何か頼んだ?」
「まだ!待ってたよ。」
「ありがとう。でさ、綾ちゃんは?」
「用事を思い出したから帰るって言ってた。」
「そっか…。」
日向がメニューを取り出して言った。
「これ、メニュー。たまには、おれと大翔がおごるよ。」
「ホントに?」
「なっ!大翔。」
「えっ!まぁ、たまにはな。好きなの頼めよ。」
「ありがとう。」
萌香は薄っすらと微笑みながら言った。
「じゃあ、うちは『抹茶のブルーベリー和え』で。」
「私は『バニラのスイカ和え』をお願いします。」
「分かった。頼むか。」
「二人は?」
「もう、決めた。すみませーん。」
店員が席まで急いで来た。
「はい!おまたせいたしました。ご注文をお伺いいたします。」
「『抹茶のブルーベリー和え』『バニラのスイカ和え』『ブルーベリーアイス』『アイスクリームのバニラ』で。」
「かしこまりました。少々お待ちください。」
店員がどこかに行くと萌香から話を始めた。
「そういやさ、今年も海の家のバイトって、入ってんの?」
「うん!まだ、いつまでかは分かんないんだけどね。」
「じゃあ、毎年恒例の海の家の近くの祭りと花火、見るんだよな。」
「そうだね。」
「楽しみだな~」
「おまたせいたしました。『アイスクリームのバニラ』と『コーヒー』になります。」
店員は持ってきたものを置くと、お辞儀をして、どこかに行った。
「祭りの日程が正式に分かったら、報告するね。後、海の家のバイトが終わる日も正式に分かったら、言うね。」
「うん!連絡、待ってるね。」
「おまたせいたしました。『抹茶のブルーベリー和え』と『バニラのスイカ和え』になります。ごゆっくりどうぞ。」
店員は持ってきたものを置いて、席を離れていった。

全員が食べ終わると、今日はお開きになった。
藍の場合、明日の準備があるからだ。


明日からの夏休み。
楽しみでもあり、ちょっと悲しい。みんなに会えなくなってしまう。
でも、海の家でバイトして、お金を稼がないとっ!
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