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最近、また思い詰めていると思ったら。
「オーリス、やめろ。」
「最後のお願いだから。」
シナリオが怖いと腕を拘束された。
特別に私の付き添いを許され、結婚式が終わった。
今日で最後のお勤めと思い、初夜の支度も私がした。
薄い扇情的な閨向けの寝巻きの上にガウンを羽織ってる。
隣の王子の部屋に送り出そうとしたら、最後のお願いだと手首を握られ金具をつけられた。
「叫ばないでね。」
「ん、むぅ。」
猿ぐつわも噛まされてオーリスの新しいベッドに転がされた。
新妻の寝床になぜ私が転がされにゃぁならん。
片足にも拘束を填められベッドの枠に繋がれる。
二の腕を紐で括られて身動き取れない。
力のなかった頃と比べてがっちり絞められる。
続き扉から隣に行ったと思ったら王子を連れて戻ってきた。
「いい格好だね。」
ギラギラ光る目でねめつけられた。
破瓜の血が必要だからと無理やりされた。
やはり二人で行きすぎたんだなと思い至る。
痛くて身動き取れない。
猿ぐつわと腕の拘束を外されオーリスがキスをしてくる。
「アゼリアとずっと一緒にいたいの。ごめんね。大好きなの。」
優しく啄まれるが、やることは鬼畜だ。
さすが近親相姦のシナリオを喜ぶお国柄と心の中で呟く。
「アゼリアのバットエンドはね、ヨストに閉じ込められるの。」
そういえば自分のバットエンドは聞いていなかった。
いずれ公妾として名を出すと説明された。
それまで囲うと。
「…最悪だな。」
「ごめんね。」
「いつから二人で画策してた?」
「好きだと分かってからずっと考えてたの。」
気づかなかった。
バカのお人好しと思ってたのに。
「人目見て気に入ったからな。傷を探る時も自分でやりたかった。」
服が邪魔だと脱がされる。
二人でずっと計画していたと聞かされて頭が痛かった。
「ルーカスから外に働きに出ると聞いてたからな。」
「ルーカスにもあげたくない。私の。」
「オーリスから相談された時はチャンスだと思った。」
「ヨストも一目惚れのはずだから。あとはルートに沿って動けばいいと思ったの。」
足の拘束は外す気がなさそうだ。
「こうされるの弱いよね。」
「ん、オーリス、やめ、」
「俺もしてやろう。」
胸を弄られみっともなく鳴いた。
「痛かったでしょう?無理やりごめんね。」
「あ、あ、やめろ。」
「望まぬ行為だ。罪滅ぼしをしてやる。」
王子が花芯に顔を近づけて舌を沿わせる。
鳴くとオーリスもしたいと言い出す。
交代した王子にキスされそうになり、睨むと笑った。
「まだダメか。」
「くそが。」
「本当に口が悪いんだな。はは。オーリス、もっと鳴かせないとダメだ。諦めてない。」
「やめろ。あっ、ああ。オー、リス。」
蹴ろうと足を振ったら、王子に両の膝頭を掴まれ痛いくらいに足を開かされた。
足の間のオーリスが一生懸命、舌を。
こんなことにがんばるな。
バカが。
頭で色々罵倒が出るのに口はだらしなく喘ぎしか出ない。
「受け入れろ。」
「う、るさい。あ、あっ!」
オーリスの細い指が中に入る。
「アゼリア、お願い。ずっと一緒にいて。」
「あっああ。やめ、」
「頷くまでずっといじるからね。」
「わ、わかったから。あっ、」
「嘘つき。いつもそうやって適当に誤魔化す。」
ならどうしろってんだ。
どうすりゃいいんだよ。
逃がす気のないオーリスに涙がにじむ。
こんな八方塞がりは初めてだ。
「あれを使え。引き出しにあるだろう。」
「ええ、そうね。」
「あ、あ。」
王子に羽交い締めにされ翻弄されたまま、アゼリアは裸でサイドテーブルの引き出しから何かを取りに行った。
「特注なの。ヨストのよりは小ぶり。」
「はは、俺より大きいのはやめてくれ。」
オーリスが腰にはめたのは股間に男根のついたバンドだった。
ズブズブと埋められて呻いた。
「オーリスの前世は面白いな。こんなものまである。」
「あ、はぁん。他にもたくさんあるわ、よ。ん、ん、」
ゆさゆさ揺すられて体が揺れる。
「私の方にも、気持ちよくなるのがついてるの。あ、あん、あとで交代しようね、アゼリア。」
「オー、リス、イヤだ、やめろ。ああ、」
「欲しがるまでやれ。」
「もち、ろん、ああん。」
二人の会話が続いた。
「アゼリアのもあるのよ、普段はそれをつけさせるの。」
「俺の形のがついてる。」
嘘だろ。
どんなにわかったと言っても信じてくれなかった。
内側に男根のついたバンドを填められ、毎日二人に遊ばれて過ごした。
さすがに二人の執着に諦めて大人しくなっても足の拘束は外してもらえず部屋から出られなかった。
一年を待たずにオーリスの懐妊後、公妾として公表されて公に連れ出されるようになった。
久々にカリフやルーカス、ガドを見かけた。
ガドはまだ執心のようだが、公妾となり立場が上になったんだ。
あるのは物欲しげな視線だけだ。
「見事に囲い込まれたな。」
「ああ。…死ぬかと思った。」
「はは。」
ルーカスは次期宰相として王宮でよく会う。
あの歪なオモチャを用意したのもこいつらしい。
くそったれ。
「だから僕にしとけば良かったんだ。バカだなぁ。」
軽く笑っていた。
「やめとけ、王太子妃の逆鱗に触れるぞ。」
護衛のカリフが諌める。
腹が大きく仕事のできないオーリスに変わって色々と動いている。
その為にこいつが付いて回る。
「どれがましか分からん。」
「でも、以前より美しくなったんだ。満足してる証拠じゃないか?」
知らん。
今も填められてる。
諦めた様子にしばらく自由だったが、閨事が出来ないと不機嫌なオーリスからまた填められて鍵を取り上げられた。
もうあいつらは諦めた。
こいつらもこれを知ってる。
オーリスが手を出したら許さないと公言したからだ。
以前のような苛烈さが滲んで気に入らなければ徹底的にしごかれる。
怯えるオーリスはいない。
ヨストもオーリスの許可がなければ触らない。
何もかも歪だ。
こんなの望んでいなかったのにとため息を吐いた。
~終~
「オーリス、やめろ。」
「最後のお願いだから。」
シナリオが怖いと腕を拘束された。
特別に私の付き添いを許され、結婚式が終わった。
今日で最後のお勤めと思い、初夜の支度も私がした。
薄い扇情的な閨向けの寝巻きの上にガウンを羽織ってる。
隣の王子の部屋に送り出そうとしたら、最後のお願いだと手首を握られ金具をつけられた。
「叫ばないでね。」
「ん、むぅ。」
猿ぐつわも噛まされてオーリスの新しいベッドに転がされた。
新妻の寝床になぜ私が転がされにゃぁならん。
片足にも拘束を填められベッドの枠に繋がれる。
二の腕を紐で括られて身動き取れない。
力のなかった頃と比べてがっちり絞められる。
続き扉から隣に行ったと思ったら王子を連れて戻ってきた。
「いい格好だね。」
ギラギラ光る目でねめつけられた。
破瓜の血が必要だからと無理やりされた。
やはり二人で行きすぎたんだなと思い至る。
痛くて身動き取れない。
猿ぐつわと腕の拘束を外されオーリスがキスをしてくる。
「アゼリアとずっと一緒にいたいの。ごめんね。大好きなの。」
優しく啄まれるが、やることは鬼畜だ。
さすが近親相姦のシナリオを喜ぶお国柄と心の中で呟く。
「アゼリアのバットエンドはね、ヨストに閉じ込められるの。」
そういえば自分のバットエンドは聞いていなかった。
いずれ公妾として名を出すと説明された。
それまで囲うと。
「…最悪だな。」
「ごめんね。」
「いつから二人で画策してた?」
「好きだと分かってからずっと考えてたの。」
気づかなかった。
バカのお人好しと思ってたのに。
「人目見て気に入ったからな。傷を探る時も自分でやりたかった。」
服が邪魔だと脱がされる。
二人でずっと計画していたと聞かされて頭が痛かった。
「ルーカスから外に働きに出ると聞いてたからな。」
「ルーカスにもあげたくない。私の。」
「オーリスから相談された時はチャンスだと思った。」
「ヨストも一目惚れのはずだから。あとはルートに沿って動けばいいと思ったの。」
足の拘束は外す気がなさそうだ。
「こうされるの弱いよね。」
「ん、オーリス、やめ、」
「俺もしてやろう。」
胸を弄られみっともなく鳴いた。
「痛かったでしょう?無理やりごめんね。」
「あ、あ、やめろ。」
「望まぬ行為だ。罪滅ぼしをしてやる。」
王子が花芯に顔を近づけて舌を沿わせる。
鳴くとオーリスもしたいと言い出す。
交代した王子にキスされそうになり、睨むと笑った。
「まだダメか。」
「くそが。」
「本当に口が悪いんだな。はは。オーリス、もっと鳴かせないとダメだ。諦めてない。」
「やめろ。あっ、ああ。オー、リス。」
蹴ろうと足を振ったら、王子に両の膝頭を掴まれ痛いくらいに足を開かされた。
足の間のオーリスが一生懸命、舌を。
こんなことにがんばるな。
バカが。
頭で色々罵倒が出るのに口はだらしなく喘ぎしか出ない。
「受け入れろ。」
「う、るさい。あ、あっ!」
オーリスの細い指が中に入る。
「アゼリア、お願い。ずっと一緒にいて。」
「あっああ。やめ、」
「頷くまでずっといじるからね。」
「わ、わかったから。あっ、」
「嘘つき。いつもそうやって適当に誤魔化す。」
ならどうしろってんだ。
どうすりゃいいんだよ。
逃がす気のないオーリスに涙がにじむ。
こんな八方塞がりは初めてだ。
「あれを使え。引き出しにあるだろう。」
「ええ、そうね。」
「あ、あ。」
王子に羽交い締めにされ翻弄されたまま、アゼリアは裸でサイドテーブルの引き出しから何かを取りに行った。
「特注なの。ヨストのよりは小ぶり。」
「はは、俺より大きいのはやめてくれ。」
オーリスが腰にはめたのは股間に男根のついたバンドだった。
ズブズブと埋められて呻いた。
「オーリスの前世は面白いな。こんなものまである。」
「あ、はぁん。他にもたくさんあるわ、よ。ん、ん、」
ゆさゆさ揺すられて体が揺れる。
「私の方にも、気持ちよくなるのがついてるの。あ、あん、あとで交代しようね、アゼリア。」
「オー、リス、イヤだ、やめろ。ああ、」
「欲しがるまでやれ。」
「もち、ろん、ああん。」
二人の会話が続いた。
「アゼリアのもあるのよ、普段はそれをつけさせるの。」
「俺の形のがついてる。」
嘘だろ。
どんなにわかったと言っても信じてくれなかった。
内側に男根のついたバンドを填められ、毎日二人に遊ばれて過ごした。
さすがに二人の執着に諦めて大人しくなっても足の拘束は外してもらえず部屋から出られなかった。
一年を待たずにオーリスの懐妊後、公妾として公表されて公に連れ出されるようになった。
久々にカリフやルーカス、ガドを見かけた。
ガドはまだ執心のようだが、公妾となり立場が上になったんだ。
あるのは物欲しげな視線だけだ。
「見事に囲い込まれたな。」
「ああ。…死ぬかと思った。」
「はは。」
ルーカスは次期宰相として王宮でよく会う。
あの歪なオモチャを用意したのもこいつらしい。
くそったれ。
「だから僕にしとけば良かったんだ。バカだなぁ。」
軽く笑っていた。
「やめとけ、王太子妃の逆鱗に触れるぞ。」
護衛のカリフが諌める。
腹が大きく仕事のできないオーリスに変わって色々と動いている。
その為にこいつが付いて回る。
「どれがましか分からん。」
「でも、以前より美しくなったんだ。満足してる証拠じゃないか?」
知らん。
今も填められてる。
諦めた様子にしばらく自由だったが、閨事が出来ないと不機嫌なオーリスからまた填められて鍵を取り上げられた。
もうあいつらは諦めた。
こいつらもこれを知ってる。
オーリスが手を出したら許さないと公言したからだ。
以前のような苛烈さが滲んで気に入らなければ徹底的にしごかれる。
怯えるオーリスはいない。
ヨストもオーリスの許可がなければ触らない。
何もかも歪だ。
こんなの望んでいなかったのにとため息を吐いた。
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