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迎え
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念のために出立の準備は進めると話せば納得して頷いた。
廃屋をあさり、使えそうなものをかき集めた。少量の枯れ木と食料、水の調達も。準備を終えて、日がもっとも高く昇った頃、2人は現れた。
「ヤン!ラウル!」
エヴ嬢が駆け寄るとラウルも駆けて、飛び込む身体を抱き締めていた。
「よく無事で!心配しましたっ!本当に、良かった!」
良かったと何度も絞り出すように口にし、感涙しながらエヴ嬢の背中が反り返るほどきつくかき抱き、二人とも膝が折れて座り込む。
「ごめん、心配かけて。ラウル、ヤン。ごめんなさい」
ぺたりと座ったままラウルの涙にごめんなさいと何度も応え、ヤンも二人を包むように被さって二つの頭に腕を回した。
「遅くなって申し訳ありません」
「ヤン、怒らないでね。ごめんなさい」
「叱られるのは私共です。まだ砦の方に魔獣が多くてお迎えの人員が割けず、お二人のことは後回しになってしまった」
「あの後の撤退は大丈夫だった?砦は無事?」
「飛行種の殲滅をしてくださったおかげで危なげなく撤退は完了しました。昨日まで砦の方に魔獣の襲来がありましたが、犠牲者もなく副団長とジェラルド様が指揮を執り、両団共に力を合わせて対応しております。念のための戦力としてダリウスを残しました」
「そっかぁ、よかった。帰ったらダリウスにも謝んなきゃ。心配してるよね」
震える声で、とてもしておりますと応えた。
「ラウル、御礼を」
ヤンはグズグズとしがみついていたラウルの腕を引いて立たせ、二人は私の前に片膝をつく。
「クレイン領平定のみならず、我らが主人をお守りいただいたこと誠に感謝いたします」
胸に拳を深く頭を下げた。
「共に戦うのが我らの使命だ。二人とも立たれよ」
「私、お礼してない」
またすっとんきょうなエヴ嬢が呟き、二人の隣に並ぶと同じように頭を下げた。
「三度救われました。鳥のお腹と溺れた時とアモルの影からです。ありがとうございます。団長」
ヤン達のように下げると頭から長い黒髪が垂れて落ちる。
地に着くのが勿体ないと思い、エヴ嬢の手を取り立たせた。
逃がす気にならず手を握りしめる。
「ご令嬢に騎士の礼は似合わない」
「ご令嬢?ああ、えーと、ありがとうございます」
私に片手を取られたまま、騎士の礼と同じくらい下手くそなカテーシーを披露し、思わず破顔する。
「失礼した」
笑われたのはわかったらしい。
それなりに我慢してるつもりだろうが、分かりやすくムッと唇を突きだしてむくれてる。
「クレイン領の姫君。叶うなら頬に口付けを賜りたい」
「はぁ?なんで?あ、いや、なんでですか?」
「冒険活劇で竜を倒した騎士は姫君からキスを賜るのを知ってるか?だから私も姫君の口付けがほしい」
「し、知ってますけど」
柳眉を寄せてむーっと考え込んでいる。
「でも、届きませんし」
ならばと身体を屈めて顔を近くに寄せる。変わらず怪訝そうな表情だ。それも楽しくて顔が緩んだ。
しばらくモゴモゴとしていたが、顔を傾けた。頬を向け目をつぶると、ゆっくり顔に近づく気配を強く感じて胸が高鳴り心臓が握られたかのようだった。
つぷ、と柔らかな感触が頬に当たり、すぐに離れ、さらっと流れる黒髪が揺れて頬にかかる。
緊張から強くエヴ嬢の手をぎゅっと握り締めてしまった。姿勢を戻して目を開けて見ると困った顔で首をかしげていた。
少し頬が赤いのは気のせいではないと思いたい。目が少しだけ潤んでるのも。
黙って握ったままのエヴ嬢の手を顔に寄せてキスをした。すると、ますます顔を困らせて小さく手を引いたのでそのまま離してあげた。
「二人も立たれよ。すぐ砦に戻る。詳細は道中頼む」
「畏まりました」
さっと立ち上がり、四人連れだって帰路を急いだ。
帰る前にラウルは二羽の鳥を飛ばした。
ジェラルド伯宛とダウリス宛だそうだ。
同じ内容だが、早く知らせたいと言っていた。
廃屋をあさり、使えそうなものをかき集めた。少量の枯れ木と食料、水の調達も。準備を終えて、日がもっとも高く昇った頃、2人は現れた。
「ヤン!ラウル!」
エヴ嬢が駆け寄るとラウルも駆けて、飛び込む身体を抱き締めていた。
「よく無事で!心配しましたっ!本当に、良かった!」
良かったと何度も絞り出すように口にし、感涙しながらエヴ嬢の背中が反り返るほどきつくかき抱き、二人とも膝が折れて座り込む。
「ごめん、心配かけて。ラウル、ヤン。ごめんなさい」
ぺたりと座ったままラウルの涙にごめんなさいと何度も応え、ヤンも二人を包むように被さって二つの頭に腕を回した。
「遅くなって申し訳ありません」
「ヤン、怒らないでね。ごめんなさい」
「叱られるのは私共です。まだ砦の方に魔獣が多くてお迎えの人員が割けず、お二人のことは後回しになってしまった」
「あの後の撤退は大丈夫だった?砦は無事?」
「飛行種の殲滅をしてくださったおかげで危なげなく撤退は完了しました。昨日まで砦の方に魔獣の襲来がありましたが、犠牲者もなく副団長とジェラルド様が指揮を執り、両団共に力を合わせて対応しております。念のための戦力としてダリウスを残しました」
「そっかぁ、よかった。帰ったらダリウスにも謝んなきゃ。心配してるよね」
震える声で、とてもしておりますと応えた。
「ラウル、御礼を」
ヤンはグズグズとしがみついていたラウルの腕を引いて立たせ、二人は私の前に片膝をつく。
「クレイン領平定のみならず、我らが主人をお守りいただいたこと誠に感謝いたします」
胸に拳を深く頭を下げた。
「共に戦うのが我らの使命だ。二人とも立たれよ」
「私、お礼してない」
またすっとんきょうなエヴ嬢が呟き、二人の隣に並ぶと同じように頭を下げた。
「三度救われました。鳥のお腹と溺れた時とアモルの影からです。ありがとうございます。団長」
ヤン達のように下げると頭から長い黒髪が垂れて落ちる。
地に着くのが勿体ないと思い、エヴ嬢の手を取り立たせた。
逃がす気にならず手を握りしめる。
「ご令嬢に騎士の礼は似合わない」
「ご令嬢?ああ、えーと、ありがとうございます」
私に片手を取られたまま、騎士の礼と同じくらい下手くそなカテーシーを披露し、思わず破顔する。
「失礼した」
笑われたのはわかったらしい。
それなりに我慢してるつもりだろうが、分かりやすくムッと唇を突きだしてむくれてる。
「クレイン領の姫君。叶うなら頬に口付けを賜りたい」
「はぁ?なんで?あ、いや、なんでですか?」
「冒険活劇で竜を倒した騎士は姫君からキスを賜るのを知ってるか?だから私も姫君の口付けがほしい」
「し、知ってますけど」
柳眉を寄せてむーっと考え込んでいる。
「でも、届きませんし」
ならばと身体を屈めて顔を近くに寄せる。変わらず怪訝そうな表情だ。それも楽しくて顔が緩んだ。
しばらくモゴモゴとしていたが、顔を傾けた。頬を向け目をつぶると、ゆっくり顔に近づく気配を強く感じて胸が高鳴り心臓が握られたかのようだった。
つぷ、と柔らかな感触が頬に当たり、すぐに離れ、さらっと流れる黒髪が揺れて頬にかかる。
緊張から強くエヴ嬢の手をぎゅっと握り締めてしまった。姿勢を戻して目を開けて見ると困った顔で首をかしげていた。
少し頬が赤いのは気のせいではないと思いたい。目が少しだけ潤んでるのも。
黙って握ったままのエヴ嬢の手を顔に寄せてキスをした。すると、ますます顔を困らせて小さく手を引いたのでそのまま離してあげた。
「二人も立たれよ。すぐ砦に戻る。詳細は道中頼む」
「畏まりました」
さっと立ち上がり、四人連れだって帰路を急いだ。
帰る前にラウルは二羽の鳥を飛ばした。
ジェラルド伯宛とダウリス宛だそうだ。
同じ内容だが、早く知らせたいと言っていた。
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