人狼の団長、見つけた番はすでに溺愛されている《団長はお預け中、たまに待てが出来ないで押し倒す》

うめまつ

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白い鳥

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走っていたら顔に白い鳩がぶつかった。

「ぶ、」

衝撃があったが痛みはない。
当たったと同時にしゅわっと雪が溶けるように消えた。
頭に短文が浮く。

“スタンビート3つ探知、領団準備中”

それと共に鐘の音が鳴る。
スタンビートの報せだ。
見張りから見える位置。
近いのだ。
こうしてはいられないと天幕に戻りエドに指示を出す。
ペリエ嬢が喜色に目を輝かせてこちらを見るが無視した。

「お支度が早いですね」

共同の指揮陣営の天幕にジェラルド伯ら全員が来る前にこちらは揃った。周囲には隊を束ねる上官が揃っている。

「ひと悶着ありまして、あれの件で」

「…そうですか」

ラウルの探知した内容と同様にスミスの情報と掛け合わせ、現地へ探索に向かわせ隊の報告を受け取った。
小規模ながら三ヶ所一気にスタンビートが起こり、大型の数から早急な対策が必要だった。餌を求めてなのか、こちらに寄ってきているとラウルの報告だった。

「今は夜半ということで周囲に影響がないなら殲滅は明日です。今夜は場外の回りを固め、大型への牽制が必要かと思います」

「…状況が悪い。…娘らを出しましょう。どうにも箇所が広範囲で人手が足りません」

仕方なしに頷く。
来るであろう方向に向けて、砦の守りを除いて両団合わせて大きく三つに分けた。
守りにはジェラルド伯、エド、ベアード殿。
外の三つには、私とラウル、ヤンとエヴ嬢、ダリウスとスミスと分けた。
水辺が近いということもあり、リーグはスミスの隊に組み込ませた。

「喧嘩はするな」

「分かってます」

スミスへ釘を刺すと真面目に首肯した。

「水辺のが暴れたらリーグが所属する隊に任せろ。お前は隊列をまとめる事に集中しろ。いいな」

「はいっ」

「ダリウス、部下達が世話になる」

それぞれの隊列には大型を一人で討伐できる者が二人ずつ。
ここにはダリウスひとりだ。
負担が大きい。

「誰も死なせませんから大丈夫ですよ」

「頼もしいな」

そう応えるとダリウスは無言のまま強気な態度で口角をあげた。
次にエヴ嬢とヤンに声をかけた。

「いつも通り暴れろ」

「はいっ!いっぱい倒します!」

久々の討伐に滾っているようだ。
血の気の多いと苦笑いが出た。

「ただしヤンから離れるな。周囲の指示をよく聞いて動け。出過ぎると陣形が崩れて他の者が危ない。ヤン、しっかり見張れ」

「承知いたしました」

「分かりました。気を付けます」

二人の了承を確認し、自分のまとめる隊列に並ぶ。ラウルの隣に立って世話になると声をかけた。

「よろしくお願いします、団長」

ラウルが丁寧に頭を下げた。

「直ぐ様状況を把握したいので広範囲の探知を豆にかけてもらうことになる。タンクが必要になったらヤンと合流しろ」

エヴ嬢の側ならすぐに見つけやすい。

「分かりました」

出立し、城門からぞろぞろと徒歩で出る。
嫌な気配に目を向けるとすごい形相でペリエ嬢が睨んでいた。私の視線に気づきパアッと顔をほころばせ懸命に手を振る。
その変化にぞわっとした。
砦の守りは一昼夜かかった。
三方向から大型が飛び出して死闘に近い戦いだった。
場内からの支援もあり大型スタンビート程の死者は出なかった。
エドが上手く采配をして、ベアード殿らと救援部隊を三方向に動かして人員の交代と怪我人の収容を迅速に行う。
皆に疲れが出ていたが、もうひと踏ん張りと朝方の明るくなるまで剣を振るった。
終われば魔力切れを起こした者、怪我人などの半数以上を砦に戻して外を探索する。
後始末を見る必要があったのと戻りたくないのが半々だ。
日が高くなる頃に城内から毛皮の剥ぎ取りや肉の解体に領民が集まることになったので、それまで動ける団員らと死んだ魔獣の死骸を集めて彼らが働きやすいように務めた。
ヤン達と一緒にエヴ嬢も嬉々として動いて、どうにも小さい身体は大柄な団員らに比べて大きめの死骸を抱えるのが難しく頭から血を被ったり足元につまづいたりと危なっかしい。

「大丈夫か?」

「大丈夫ですよ?」

顔にべったりと血をつけたまま笑う。顔に紋様を浮かべて強化を強めていると分かった。
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