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娘達の行く末

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話し合いは公爵家の有責で婚約破棄となった。

未婚の婚約者の妹に手を出したうつけ者だ。

我が家の美しい娘達に一切の非はない。

口止めを含むて法外な金額と事業の有利な条件が慰謝料として受けとることになった。

血筋を尊ぶ我が国であのうつけ者の嫡廃は出来ず、公爵家の当主は落ち込んでいた。

代わりにグロッサを養子に公爵家に預けることになった。

公爵と血縁のある隣国の王家にグロッサを輿入れさせるためだ。

家格の低い我が家から出すより公爵家の養子として出した方がバランスが良いからだ。

グロッサを気に入った当主は手放したくないと言い、我が家へ所縁のある王家への縁談を持ち込んだ。

試しにあちらの第二王子と顔合わせをしてみると気の強い女性を好むお国柄だったのですんなり決まった。

グロッサもこの気の強さを喜ぶ方でないと結婚は無理とあっさり承諾した。

しかし明るく情熱的なお国柄ですぐに口説く気質だ。

さすがのグロッサも頬を染めて扇に隠れて目をそらす。

その若い娘らしい態度が初々しかった。

グロッサの将来に安堵した。

しかし、グロッサは安心なのだがアレシアはあの一件で臆病になり引っ込み思案になってしまった。

そうなるとグロッサは火花を散らしていたのが嘘のように優しくなり、輿入れをするまでアレシアを可愛がって励ましていた。

あの火花はなんだったんだと妻に言うと、お互い負けず嫌いだったのよと笑っていた。

立派な姉に負けないように虚勢を張っていたと言われたら納得した。

逆にグロッサは自分と違い、誰からも好まれるアレシアが気に入らないのと心配なので複雑だったらしい。

女同士ですもの、複雑なのよと妻は微笑むだけだ。

そしてグロッサが輿入れして我が家は寂しくなった。

「……しっかりしなきゃいけないと思うのですが、申し訳ありません」

アレシアが一番、グロッサの不在に堪えていた。

そうなると甘えん坊だった末子の長男が張り切り出した。

「僕がアレシア姉さんを守るからね!」

「本当?嬉しいわ」

お願いねと弟を素直に頼る。

か弱い雰囲気を持つようになったアレシアに頼られて、口だけじゃなく勉学や剣術も今以上にやる気を見せてアレシアの将来にまで口やかましい。

頼りなくなってしまったが、他人に好かれる性質はそう変わらないし、むしろ我が国では好かれる。

縁談が馬鹿みたいに来た。

「どうする?」

「アレシアの好む男でよろしいのではありません?」

グロッサの怒気とアレシアの穏やかさを持つ妻にアレシアの嫁入り先を相談しても相変わらずのんびりした答えが返ってきた。








~終~
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