うちの妻はかわいい~ノンケのガチムチ褐色が食われる話~

うめまつ

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第三章※その後

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「…う、ん?」

目を覚ますと部屋が薄暗い。

背中の感触からベッドに寝ているのは分かる。

空が白んだあともしつこくなぶられた。

寝たのが遅かった。

ビスは先に目を覚ましていたようで俺の手首にキスしていた。

まだ俺の起きた気配に気づいてないらしい。

あれから頻繁に拘束されるから手首のうっ血が消えねぇ。

寝ている間にこうやって体に残った縄の模様をなぞり、キスをしているのは知っている。

いつも倦怠感がひどく動く気にならず寝ぼけた眼でそれをいつも見ていた。

そうやってキスされるのは嫌いじゃなかった。

交わりの荒っぽさが嘘のように少しひりつく縄のあとを撫でられて柔らかいキスを受ける。

少しひんやりした指先が心地好い。

ビスの唇も。

とろとろとしたまどろみに、また目をつぶった。

夜中に空腹で起きた。

「腹へった。」

「あ、起きた?」

隣でごろ寝するビスをのけて動き出した。

「飯、食いてぇ。」

体を起こして腰にシーツを巻く。

服を探すのから始めるのかと思ったからだ。

「服は適当に買っといたよ。夜食も買った。両方ともテーブルの上。」

「ん。」

服はテーブルの端に置いて、皿の上の肉をかじった。

「お前の分もあるのか?」

1日食べてない。

用意された二食分でも足る気がしない。

「全部良いよ。僕は食べたから。」

「助かる。腹へってる。」

もしゃもしゃと平らげた。

「足りた?」

「ああ、腹が落ち着いた。」

もう少し食べても良い。

皮袋の水をごくごくと飲む。

「ぷはぁ、ふぅー。」

喉も乾いている。

「どけ、寝る。」

シーツを剥いでベッドに寝そべるビスを追いやる。

「一緒に寝ようよ。」

「ならもう少し端に寄れ。」

食ったら眠くなった。

かなり寝たはずだがまだ体がきつい。

こいつとやると気持ちいいがかなり疲れる。

布団にくるまっていたこいつが温い。

引き寄せて抱き締めた。

腕の位置が悪いらしく、しばらくごそごそ動いて背中を向けたら静かになった。

こいつの後ろ髪に鼻を埋めた。

石鹸の良い匂いだった。

ハシントやイルザンとは違う匂い。

花の香油でもないし土や汗の匂いもない。

俺が使っているのと同じ石鹸に匂い。

すんすんと匂うと落ち着いた。

子供の頃からこの匂いに馴染んでいた。

嫌いじゃない。

こいつとヤるのも一緒にいるのも。

だが、何を考えてるのかさっぱりだ。

思えばイルザンは分かりやすかった。

惚れた強みで構いやすくて気の向くまま発散に付き合っただけだ。

逆にこいつの執着の強さはイルザン以上だと分かるが、無茶苦茶な抱き方に何なのか意味がわからない。

こんな交わりが続くとさすがに体を壊しそうだ。

よく分からん。

考えるのが面倒になり肩に顔を押し付けた。

「ムスタファ、何?くすぐったいんだけど。」

「ん。」

興味本意に肩と首筋を舐めてみた。

時折、歯を当てる。

髪に鼻を埋めて好きなように匂いを嗅いだ。

やってみて思うのは、嫌いじゃないということだ。

俺より細くて筋肉の筋張った体は好きだ。

抱き締めやすい細さも好きだった。

顔も好きだ。

俺と違って柔らかい印象。

不思議そうにこっちを向いたので顔を撫でた。

柔らかい栗色の髪が顔にかかっていたから後ろに撫で付ける。

日焼けしてるはずなのに俺より白い顔も薄い眉も。

マックスより薄い琥珀の瞳も。

思ったより好きだ。

「何?」

「んー…」

別に何もない。

ただ撫でたいだけだ。

「眠い。」

ごそごそと抱き直して目をつぶった。

ビスは背中を向けたがっていたが、がっしり首にしがみついてさせなかった。

たまには良かろう。

俺がしたいようにしても。

朝、目覚めて後悔した。

「あ、や、」

朝から突っ込まれて目が覚めるとは思わなかった。

寝ぼけた頭を動かしてビスを見ると指じゃなくて竿を突っ込んだところだった。

「おま、え、起き抜けに。あ、くぅっ、」

「昨日は寝かせてやったでしょ。あ、はぁ、」

ゆさゆさと揺さぶられてぎゅうっと締まる。

別に朝からヤル気なかったのに無理やり昂らされて果てた。

こいつの傍若無人さはどうにもならないし、理解も出来ん。
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