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「あーそうかよ」
「わっ!」
さっきの豹変ぶりに脅かされた仕返しだ。
イタズラでダグの小さい尻をがしっと握る。
「おめぇのは使い込んでるからなぁ」
ちょっとさっきの色っぽい気配に当てられてると自覚しながら、俺の肩より低い位置にある耳に口許を寄せて囁いた。
「俺の何色?自分じゃ見えないし」
「黒」
「え?!マジ?!」
「嘘」
「止めてよ、いくら10年使ったからって黒は嫌だ」
で、何色?と被せて聞いてくる。
何度も始末や治療で世話したから知っている。
「焦げ茶色。かなり濃いめ」
「げ、汚ない。やだなぁ」
嘘だけどな。
色白すぎてあんだけ使い込んでるのに薄いピンクがかった赤だ。
エロい。
「そんなのでカナン様もよく勃つよねぇ」
あの方はお前のなら何でもいいんじゃね?
でも使い込んだ色でも未使用そうな色でもこいつならエロいと心の中で想像した。
「ねぇ、ロニーは何色?見ていい?」
「はぁ?」
こいつ、変な趣味開拓しすぎ。
「へへ」
にやーっと白い歯を見せて俺の驚いた顔を満足そうに見上げていた。
「この馬鹿」
「あいた、あはは」
ぱこんと軽く後頭部に張り手を入れた。
「ねぇ?それより飯はどこ行く?」
もう繁華街の中央まで来ている。
いくつかある馴染みの店も近い。
「そうだなぁ。たまには違うところ行きたいけどなぁ」
何年も通って少し飽きている。
目新しいところを探すが、なかなかよそを開拓出来ない。
「最近、外食が多いの?」
「いやぁ、いつも通り。屋敷のを食うけど」
「屋台は?色々選べるし、よそから新しい店来てるって」
「この時間は行かね」
夕暮れのこの時間なら、広場の屋台には家族連れが多い。
俺の見かけじゃ目立つ。
今も通行人が避けて遠巻きに眺めてる。
慣れちゃいるが煩わしい。
なんたってコルトナー家の死神様だからな。
「んー、じゃあ今日はいつもの店だね。今度アリオンとベイル兄さんも誘って開拓しよう。団長も誘ったら来てくれるかも」
数が多ければ怖くない戦法。
こいつと二人で新しい店探しすると舐められて断られる。
そうだな、と納得してここから近いいつもの店へ。
以前、親父が怪我の手当てをしたから出入り出来る。
感謝を述べつつビクビクした店主に招かれてこっそりと裏口から。
毎回、また何かあれば頼れと言うと少し緊張がほぐれるけど。
「おじさん、相変わらず」
くすくすとダグが笑うと、店主がすまねぇと申し訳なさそうにする。
「ロニーは怖くないのに」
「つい緊張しちまって。悪いな、ロニー」
話上手なダグがいるとここの店主が笑顔になる。
厨房の端を借りて二人で飯。
「おー、お前ら久々」
異国出身の調理師。極太黒々眉毛のでっぷり親父が浅黒い顔を緩めて声をかけてきた。
「お久ぁ、お腹すいたよぉ」
「今日は何食べる?ダグ坊は小さいのに、オマエはまたでかくなってネ?死神ラニー」
「死神つけるとダサいよ、おっちゃん」
ロニーだよ、と訂正も。
おっさんは発音が難しくて出ないらしい。
「はは、コルトナーの守護なんダロ?カッコいい」
体格通り強そうだと笑う。
他の料理人も、ホールのおばさんも俺達を構う。
気さくに話して皆で騒いで過ごした。
「酒は?」
「エールをくれ」
「おう、俺にも奢ってクレよ」
「構わないよ。飲んでくれ」
全員に飲み物を奢った。
多少、感謝が伝われば嬉しいから。
ダグはジュースだろと料理見習いのガキにからかわれてる。
「げ、」
声に気づいて振り向くと見知らぬ女性。
エプロンはこの店のだから新しく雇ったんだろう。
「何ですか?この人達」
こそこそと店主に聞いているが、女性特有の不機嫌で甲高い声はよく響くから聞こえた。
「お世話になった人だからいいんだよ、べらべら喋らないようにね」
「……げぇ、あり得ないんですけどぉ」
休憩か、とでっぷり親父が女性に声をかけるのに、そそくさと逃げていった。
「……あとで休憩します」
マジで気持ち悪そうに。
「うわぁ、あいつ態度ワルい。ラニー、俺がアトで叱っとくよ。店主じゃ頼りナイし」
「よくあることだよ、それよりしばらく控えるわ。客に知れたら面倒だろうし」
あのおしゃべりそうな女に口止めは無理だろう。
向かいに座るダグに見とれてたのが一番あぶねぇ。
押しの強そうな女はこいつの側に置けねぇ。
すぐに残りは包んでもらって帰ることにした。
全員のチップを含めて金を多めに払うと勘定のおばさんは、あの子の分は抜きよと返してきた。
何か不都合があったらごめんね、と言ってダグと帰路についた。
「美味しかったねぇ」
「ああ、旨かった」
「また時期を見て行こうね?」
「んー、そだなぁ」
また外食が遠退いた。
へこむ。
死神、怖がられすぎじゃねって本当に思うわ。
まあ、昔だけど。
まだここの領地が荒れていた頃なんか、うちの初代は拷問専門で手当たり次第だったらしい。
コルトナーの死神は他領にまで有名だったとかなんとか。
髪も目も、必ず白銀と灰色で産まれるのは死者の呪いだとか。
まあ、マジで色々。
気にしない店もあるんだけどそれを探すのが大変って話。
新しい店を見つけたら家族に報告する流れ。
家族全員、外食に飢えてる。
思えばダグの店は良かった。
商いもしてたけど隣で飲食店もしてた。
裏から入ると呑気にいらっしゃーいとおじさんもおばさんも笑って2階の自宅に招いてくれた。
子供の頃の俺は2才下のダグと遊んで。
ダグの兄ちゃん、ルガンダはかなり年上で大人みたいな見かけ。
いつも俺のちびガキな姉貴とボードゲーム。
膝には俺の弟を乗せて可愛がってた。
そうやって分担するんだけど俺達姉弟で二人の取り合いしてた。
たまにダグがルガンダ兄ちゃん返してって泣くのも可愛かった。
ルガンダ兄ちゃんは格好いいし、ダグは可愛いし。
おじさんもおばさんもおじいさんも。
優しくて格好よくて可愛かったから、うちの家族メロメロ。
もとがよそからの移住者だから俺達の一族が死神って聞いても、へーそうなんだくらいの扱い。
おじさんとおじいさんは死神は不吉な存在じゃなくて神様の1人とか言ってた。
おばさんもおじさん達と違う、よその出身だから、死があるから生を謳歌すると訳の分かんない話をしていた。
最終的には悪いことしなきゃいいのよって軽いノリ。
マジで雑な家族。
そのくせ裏から入れるのは俺達が注目されて嫌な思いしないようにだし、リビングまで上げてくれてさ、繊細すぎ。
居心地よすぎてうちの家族はほぼ入り浸りだった。
なのに、あんな優しい人達がなんで火事で死んじゃうんだろ。
あー、ちきしょう。
「わっ!」
さっきの豹変ぶりに脅かされた仕返しだ。
イタズラでダグの小さい尻をがしっと握る。
「おめぇのは使い込んでるからなぁ」
ちょっとさっきの色っぽい気配に当てられてると自覚しながら、俺の肩より低い位置にある耳に口許を寄せて囁いた。
「俺の何色?自分じゃ見えないし」
「黒」
「え?!マジ?!」
「嘘」
「止めてよ、いくら10年使ったからって黒は嫌だ」
で、何色?と被せて聞いてくる。
何度も始末や治療で世話したから知っている。
「焦げ茶色。かなり濃いめ」
「げ、汚ない。やだなぁ」
嘘だけどな。
色白すぎてあんだけ使い込んでるのに薄いピンクがかった赤だ。
エロい。
「そんなのでカナン様もよく勃つよねぇ」
あの方はお前のなら何でもいいんじゃね?
でも使い込んだ色でも未使用そうな色でもこいつならエロいと心の中で想像した。
「ねぇ、ロニーは何色?見ていい?」
「はぁ?」
こいつ、変な趣味開拓しすぎ。
「へへ」
にやーっと白い歯を見せて俺の驚いた顔を満足そうに見上げていた。
「この馬鹿」
「あいた、あはは」
ぱこんと軽く後頭部に張り手を入れた。
「ねぇ?それより飯はどこ行く?」
もう繁華街の中央まで来ている。
いくつかある馴染みの店も近い。
「そうだなぁ。たまには違うところ行きたいけどなぁ」
何年も通って少し飽きている。
目新しいところを探すが、なかなかよそを開拓出来ない。
「最近、外食が多いの?」
「いやぁ、いつも通り。屋敷のを食うけど」
「屋台は?色々選べるし、よそから新しい店来てるって」
「この時間は行かね」
夕暮れのこの時間なら、広場の屋台には家族連れが多い。
俺の見かけじゃ目立つ。
今も通行人が避けて遠巻きに眺めてる。
慣れちゃいるが煩わしい。
なんたってコルトナー家の死神様だからな。
「んー、じゃあ今日はいつもの店だね。今度アリオンとベイル兄さんも誘って開拓しよう。団長も誘ったら来てくれるかも」
数が多ければ怖くない戦法。
こいつと二人で新しい店探しすると舐められて断られる。
そうだな、と納得してここから近いいつもの店へ。
以前、親父が怪我の手当てをしたから出入り出来る。
感謝を述べつつビクビクした店主に招かれてこっそりと裏口から。
毎回、また何かあれば頼れと言うと少し緊張がほぐれるけど。
「おじさん、相変わらず」
くすくすとダグが笑うと、店主がすまねぇと申し訳なさそうにする。
「ロニーは怖くないのに」
「つい緊張しちまって。悪いな、ロニー」
話上手なダグがいるとここの店主が笑顔になる。
厨房の端を借りて二人で飯。
「おー、お前ら久々」
異国出身の調理師。極太黒々眉毛のでっぷり親父が浅黒い顔を緩めて声をかけてきた。
「お久ぁ、お腹すいたよぉ」
「今日は何食べる?ダグ坊は小さいのに、オマエはまたでかくなってネ?死神ラニー」
「死神つけるとダサいよ、おっちゃん」
ロニーだよ、と訂正も。
おっさんは発音が難しくて出ないらしい。
「はは、コルトナーの守護なんダロ?カッコいい」
体格通り強そうだと笑う。
他の料理人も、ホールのおばさんも俺達を構う。
気さくに話して皆で騒いで過ごした。
「酒は?」
「エールをくれ」
「おう、俺にも奢ってクレよ」
「構わないよ。飲んでくれ」
全員に飲み物を奢った。
多少、感謝が伝われば嬉しいから。
ダグはジュースだろと料理見習いのガキにからかわれてる。
「げ、」
声に気づいて振り向くと見知らぬ女性。
エプロンはこの店のだから新しく雇ったんだろう。
「何ですか?この人達」
こそこそと店主に聞いているが、女性特有の不機嫌で甲高い声はよく響くから聞こえた。
「お世話になった人だからいいんだよ、べらべら喋らないようにね」
「……げぇ、あり得ないんですけどぉ」
休憩か、とでっぷり親父が女性に声をかけるのに、そそくさと逃げていった。
「……あとで休憩します」
マジで気持ち悪そうに。
「うわぁ、あいつ態度ワルい。ラニー、俺がアトで叱っとくよ。店主じゃ頼りナイし」
「よくあることだよ、それよりしばらく控えるわ。客に知れたら面倒だろうし」
あのおしゃべりそうな女に口止めは無理だろう。
向かいに座るダグに見とれてたのが一番あぶねぇ。
押しの強そうな女はこいつの側に置けねぇ。
すぐに残りは包んでもらって帰ることにした。
全員のチップを含めて金を多めに払うと勘定のおばさんは、あの子の分は抜きよと返してきた。
何か不都合があったらごめんね、と言ってダグと帰路についた。
「美味しかったねぇ」
「ああ、旨かった」
「また時期を見て行こうね?」
「んー、そだなぁ」
また外食が遠退いた。
へこむ。
死神、怖がられすぎじゃねって本当に思うわ。
まあ、昔だけど。
まだここの領地が荒れていた頃なんか、うちの初代は拷問専門で手当たり次第だったらしい。
コルトナーの死神は他領にまで有名だったとかなんとか。
髪も目も、必ず白銀と灰色で産まれるのは死者の呪いだとか。
まあ、マジで色々。
気にしない店もあるんだけどそれを探すのが大変って話。
新しい店を見つけたら家族に報告する流れ。
家族全員、外食に飢えてる。
思えばダグの店は良かった。
商いもしてたけど隣で飲食店もしてた。
裏から入ると呑気にいらっしゃーいとおじさんもおばさんも笑って2階の自宅に招いてくれた。
子供の頃の俺は2才下のダグと遊んで。
ダグの兄ちゃん、ルガンダはかなり年上で大人みたいな見かけ。
いつも俺のちびガキな姉貴とボードゲーム。
膝には俺の弟を乗せて可愛がってた。
そうやって分担するんだけど俺達姉弟で二人の取り合いしてた。
たまにダグがルガンダ兄ちゃん返してって泣くのも可愛かった。
ルガンダ兄ちゃんは格好いいし、ダグは可愛いし。
おじさんもおばさんもおじいさんも。
優しくて格好よくて可愛かったから、うちの家族メロメロ。
もとがよそからの移住者だから俺達の一族が死神って聞いても、へーそうなんだくらいの扱い。
おじさんとおじいさんは死神は不吉な存在じゃなくて神様の1人とか言ってた。
おばさんもおじさん達と違う、よその出身だから、死があるから生を謳歌すると訳の分かんない話をしていた。
最終的には悪いことしなきゃいいのよって軽いノリ。
マジで雑な家族。
そのくせ裏から入れるのは俺達が注目されて嫌な思いしないようにだし、リビングまで上げてくれてさ、繊細すぎ。
居心地よすぎてうちの家族はほぼ入り浸りだった。
なのに、あんな優しい人達がなんで火事で死んじゃうんだろ。
あー、ちきしょう。
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