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番外編※ラド
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親父が帰ったあと一眠りしていたらノックの音に起こされた。
窓から差し込む日射しはオレンジの夕暮れ。
アリエッタかと思って寝ぼけたまま放置してたらもう一度ノック。
返事を返すと扉が開いた。
「え?なんで?」
失礼しますと言って寝室に入ってきたのはルーラさん。
「リカルド王子の指示でこちらに滞在いたします」
一人置いていくと言われてこの人とは思わなかった。
以前の地味なよそ行きの服装じゃなくて庶民的なメイド服。
化粧や雰囲気を野暮ったい感じにしてるのはわざとかな。
「お久しぶりです」
声をかけるとニコッと笑みを浮かべて会釈する。
「お怪我の手当てに私が派遣されました。今、お使いのそちらのクリームもよろしいのですが、こちらをご使用ください」
医者が使う金属の盆にいくつかの軟膏とガーゼ、油紙が並んでる。
痛み止や炎症止めと細かに説明して、薬はルーラさんが作るらしい。
「才能ってこれか」
薬師なのかと感心した。
「親父が言ってました。才能があるって」
呟きに反応してこっちを見たから説明をする。
「まあ、そうでしたの。……必ず治しますのでご安心ください」
「医者の話では痕が残るって。腕も良くないって話でした」
「腕のお怪我はお医者様の見立てにお任せするしかございませんが、お顔の痕は大丈夫でございます。こちらをご覧ください」
片腕の裾の捲って俺に腕を見せた。
真っ白な肌だが、よく見るとデコボコの何か怪我の治った痕が分かる。
「もとは肌が溶けておりました。私の場合は長いことそのままにしていたせいでこのように痕が残りましたが、ラドさんのお怪我は早急な対応をいたしますのでこれ以上に戻せます」
「何があったんですか」
俺の手のひらより大きな痕。
「色々とございまして。おかげでお薬に詳しくなりました。特に肌に関することは」
お任せくださいと力強く微笑む。
ルーラさんがしばらく世話をしてくれたけど体調の落ち着いたアリエッタが代わった。
貴族御用達のクリームはマイラと使うらしい。
「マジで効くんだなぁ」
「ふふ」
アリエッタの頬を撫でる。
ゆで卵みてぇ。
「これだけじゃないの。ルーラさんがお手入れ教えてくれてマッサージまで毎晩してくれるのよ」
「そんなことまで?あの人、いつ寝てるの?」
薬の支度の他に家事とアディの世話もしてる。
家族全員は俺の代わりで仕事に専念してた。
マイラもお得意先のご婦人宅へ義母と訪問してるし、俺の代わりに経理は嫁。
それぞれ、俺が担当していた仕事を分担してる。
でも嫁は腹が張るからあんまり動けない。
「すごいのよ。手際がよくて。ひとりで全部切り盛りしてくれてるわ。あと一週間で帰るからいなくなったあとも考えて色々と手配してくれて助かったの」
今まで嫁達が引き受けていた家事は外注で支払うだけにしているらしい。
なんだかんだでうちは女手が豊富だからと通いのハウスキーパーが数人いるだけでメイドを入れることはなかった。
「ルーラさんが帰ったあと住み込みの使用人を雇いたいけど比べちゃってダメね。でもずっとってわけにはいかないし。私にはお義母さんになるんだから」
「そうだなぁ。でも帰るならアディが寂しがる」
「あら?焼きもちは終わったの?」
「焼いてねぇ」
ぶっちゃけめたくそ焼いてる。
なつきすぎだ。
パパがいいと泣いたのはあれっきり。
ルーラさんが子守りをするようになってからこっちには来ねぇ。
代わりに手の空いたアリエッタがずっと俺の側にいるけど俺は両方いないと嫌なんだ。
「アディもあなたの側にいたいのを我慢してるのよ。ママだけズルいって怒るんだから。でもまだ怪我が良くないから大人しくしてて」
絶対動かすなと医者から言われた。
でも少しくらい。
「……顔見るくらい」
「調子に乗らないで。あなたがこうやって過ごせるのもお薬のおかげなんだから。普通なら痛くてまだ熱が出てるのよ」
「……はい」
痛み止に解熱剤、炎症止め。
痛みがやわらぐからと患部を冷やすのに高価な氷を王宮から親父が手配してくれた。
「今は自分のことに専念して?ね?」
あやすように話しかけられて拗ねたくなる。
むぅっと唇を尖らせて頷きだけ返した。
はよ帰れとは思ってたけど次の日に怖い人が来た。
窓から差し込む日射しはオレンジの夕暮れ。
アリエッタかと思って寝ぼけたまま放置してたらもう一度ノック。
返事を返すと扉が開いた。
「え?なんで?」
失礼しますと言って寝室に入ってきたのはルーラさん。
「リカルド王子の指示でこちらに滞在いたします」
一人置いていくと言われてこの人とは思わなかった。
以前の地味なよそ行きの服装じゃなくて庶民的なメイド服。
化粧や雰囲気を野暮ったい感じにしてるのはわざとかな。
「お久しぶりです」
声をかけるとニコッと笑みを浮かべて会釈する。
「お怪我の手当てに私が派遣されました。今、お使いのそちらのクリームもよろしいのですが、こちらをご使用ください」
医者が使う金属の盆にいくつかの軟膏とガーゼ、油紙が並んでる。
痛み止や炎症止めと細かに説明して、薬はルーラさんが作るらしい。
「才能ってこれか」
薬師なのかと感心した。
「親父が言ってました。才能があるって」
呟きに反応してこっちを見たから説明をする。
「まあ、そうでしたの。……必ず治しますのでご安心ください」
「医者の話では痕が残るって。腕も良くないって話でした」
「腕のお怪我はお医者様の見立てにお任せするしかございませんが、お顔の痕は大丈夫でございます。こちらをご覧ください」
片腕の裾の捲って俺に腕を見せた。
真っ白な肌だが、よく見るとデコボコの何か怪我の治った痕が分かる。
「もとは肌が溶けておりました。私の場合は長いことそのままにしていたせいでこのように痕が残りましたが、ラドさんのお怪我は早急な対応をいたしますのでこれ以上に戻せます」
「何があったんですか」
俺の手のひらより大きな痕。
「色々とございまして。おかげでお薬に詳しくなりました。特に肌に関することは」
お任せくださいと力強く微笑む。
ルーラさんがしばらく世話をしてくれたけど体調の落ち着いたアリエッタが代わった。
貴族御用達のクリームはマイラと使うらしい。
「マジで効くんだなぁ」
「ふふ」
アリエッタの頬を撫でる。
ゆで卵みてぇ。
「これだけじゃないの。ルーラさんがお手入れ教えてくれてマッサージまで毎晩してくれるのよ」
「そんなことまで?あの人、いつ寝てるの?」
薬の支度の他に家事とアディの世話もしてる。
家族全員は俺の代わりで仕事に専念してた。
マイラもお得意先のご婦人宅へ義母と訪問してるし、俺の代わりに経理は嫁。
それぞれ、俺が担当していた仕事を分担してる。
でも嫁は腹が張るからあんまり動けない。
「すごいのよ。手際がよくて。ひとりで全部切り盛りしてくれてるわ。あと一週間で帰るからいなくなったあとも考えて色々と手配してくれて助かったの」
今まで嫁達が引き受けていた家事は外注で支払うだけにしているらしい。
なんだかんだでうちは女手が豊富だからと通いのハウスキーパーが数人いるだけでメイドを入れることはなかった。
「ルーラさんが帰ったあと住み込みの使用人を雇いたいけど比べちゃってダメね。でもずっとってわけにはいかないし。私にはお義母さんになるんだから」
「そうだなぁ。でも帰るならアディが寂しがる」
「あら?焼きもちは終わったの?」
「焼いてねぇ」
ぶっちゃけめたくそ焼いてる。
なつきすぎだ。
パパがいいと泣いたのはあれっきり。
ルーラさんが子守りをするようになってからこっちには来ねぇ。
代わりに手の空いたアリエッタがずっと俺の側にいるけど俺は両方いないと嫌なんだ。
「アディもあなたの側にいたいのを我慢してるのよ。ママだけズルいって怒るんだから。でもまだ怪我が良くないから大人しくしてて」
絶対動かすなと医者から言われた。
でも少しくらい。
「……顔見るくらい」
「調子に乗らないで。あなたがこうやって過ごせるのもお薬のおかげなんだから。普通なら痛くてまだ熱が出てるのよ」
「……はい」
痛み止に解熱剤、炎症止め。
痛みがやわらぐからと患部を冷やすのに高価な氷を王宮から親父が手配してくれた。
「今は自分のことに専念して?ね?」
あやすように話しかけられて拗ねたくなる。
むぅっと唇を尖らせて頷きだけ返した。
はよ帰れとは思ってたけど次の日に怖い人が来た。
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