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番外編※ラド
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しおりを挟む「なんだ。俺よりは年上か」
そこまで歳が離れていないことになんだかホッとした。
「いずれ気持ちの整理がついたら離婚を考えていましたが、ルーラの性格ではなかなかないでしょうね」
「向こうが別れる気なし?」
「ないでしょうねぇ。余程の事がない限り。ロクサーヌとは違いすぎます」
「お袋と比べるのはやめろよ」
「つい。ロクサーヌとの離婚騒動は両手で足らないくらいなもので。二回やり直してますし」
「……初耳」
なにそれ。
「言えませんからねぇ。気がすめば戻ってきますし、子供には伝えにくくて。昔から飛び出し癖がすごくてまだ治ってないことに驚きました」
今回の離婚もお袋が言い出して勝手に決めたとこぼす。
「自由を愛する人なので仕方ありません」
とんでもない話だと思うのに苦笑いをするだけ。
そういう人だったと言われれば俺達より自分優先なお袋だったし、妹の達観した様子も納得。
お袋は気が強くて自分がやりたいことをやるタイプ。
おばあちゃん達と親父はやれば成すと理解して止るのを諦めていた。
ルーラさんの見た目はお袋を若くしたような派手な美人。
雰囲気も同じそつなく隙なし。
でも性格は違うらしい。
親父が守ってやりたいと思うほど何か弱い部分があるんだろう。
「お袋が帰ってこないのは仕事以外が理由だったんだな」
二回も離婚して戻ってきたなんて知らなかった。
今回どうせ元サヤに戻ると軽く考えてたんじゃないか。
でも三回も振り回されて親父は好きにするんだろう。
「ええ、母達の話だとちょくちょくだったようで。昔から惚れっぽく移り気でしたから。子供の頃からなので慣れてます。ロクサーヌにとって私は弟ですからね。私としてはそのまま自由にしてもらって構わないのに一人になれば私を頼って戻ってくるの繰り返しでした。今回もあちらに気に入った相手が出来たのでしょう。これを最後に上手くいくといいですね」
「え?」
「え?」
無理やり聞き出したら二回の離婚理由は好きな男ができたからだった。
破局したら戻ってくると。
親父がお袋と結婚したのも恋人と破綻して自棄になってたから結婚したと言う。
「おい、まさか俺は」
俺は親父とデキ婚って聞いてたぞ。
俺は誰の子だ。
妹も。
離婚の時期が重なってるじゃねぇか。
半泣きで睨むと親父は平然としていた。
「二人とも私の子で問題ありません」
「ふざけんな」
「本気ですよ」
そう言ってまた俺の髪と瞳はいい色だと昔と変わらない微笑みを見せた。
「頭ん中、どうなってんの?」
おかしすぎ。
俺、確実に親父と血の繋がりないんじゃねぇ?
ぼろぼろ涙が溢れて顔の傷に沁みる。
「血は繋がってます。ロクサーヌとは従姉妹ですし」
「屁理屈だろうが」
「今さら他人になりますか?私は無理ですけど」
「……無理」
親父は親父だ。
「それでいいと思います。それより体調が悪い時に込み入った話をして申し訳ない。気分はどうですか?」
「最悪」
糞みたい。
でも何か胸がスッとして親父と俺が変わらないことが分かって気持ちはいい。
全て分かった上で色を誉める親父に胸が痛む。
同じくらいとてつもなくお袋が憎たらしい。
「あの若作りババァ」
「ロクサーヌは許してやってください。ひとりで育てるつもりだったのを私が口出ししたのですから。姉が困ってたら助けたいでしょう?」
「従姉妹」
「似たような感覚です。家族ですから」
「構いすぎ。俺ならやらないよ」
数人いる親戚の女達を思い浮かべて絶対嫌だとよぎる。
嫁がいい。
それ以外あり得ない。
「ロクサーヌは特別ですから」
「何がよ?」
「笑っていた方がいいと思ったんです。昔みたいに」
「好きだったわけ?そんな風に見えないよ」
「……結婚するくらいには」
涙で濡れる目を擦って親父を見ると少し寂しそう。
捕まえてられなかったってことか。
「もういいのか?お袋のこと」
「夫婦として対等の関係を作れませんでした。側にいないし、許すばかりの私では物足りないようです。三度目となれば諦めもつきます」
「お袋は、あの人なりに親父のこと好きだと思うよ」
あのお袋が戻るはずない。
「分かってますよ。でもやはりどうしても嫌だったのでしょう。のんびり待ちましたが弟扱いは変わらなくて残念です」
「代わりに若い嫁か」
「代わりなんてとんでもない。私が代わりを勤めるくらいの気持ちです。新しく縁があれば巣立てばいいと思ってます」
止まり木になることは慣れてますと笑う。
「うそつけ」
さっきより寂しそうな顔をしてる。
手離せないんだろ。
俺がいなけりゃぁって気にさせて、なのに頼りになる嫁が惜しくないはずない。
俺だってそうだ。
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「親をからかうのはやめなさい」
「いいじゃん。俺も可愛い天使が二人いるもん」
嫁と娘。
もうすぐもうひとり増える。
「そっちも増やせば?金の心配はないし、相手が28なら一人くらい大丈夫だろ。可愛がってやるよ」
「いえ、私が歳ですから。彼女にそういう話題をふるのはやめなさい」
「そんな無神経じゃないよ。親父だから言ったんだ。俺らに遠慮するなってこと。何かあれば頼ってよ」
「そうですか。お気遣いをどうも」
柔らかい笑みで俺の髪を触れた。
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