伯爵令嬢、溺愛されるまで

うめまつ

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20、冬

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季節が変わり、雪がちらつく日が増えてきました。

冬になれば毎年、厩舎で飼っている犬と雪の中を走り回っていました。
さすがにデビュタント直前の娘がそんなことでは家族に恥をかかせてしまいます。


今年は大人しく編み物に没頭し、出来た端から屋敷の者に譲ります。


それぞれの好きな色で編むからもらってとメイドや下男にお願いして、襟巻きや膝掛けを作りました。

本格的に冷え込む前にタットには特別に手袋を編みましたが、サイズが大きすぎて失敗です。

タットはブカブカの手袋をはめて、これは締め付けがなくて助かると喜んでいました。

後日、もう一度作ろうと、手のサイズを尋ねたら、また大きいサイズを頼まれました。
手袋したまま寝ると朝から関節の痛みが和らぐそうです。

新しい手袋は、編み目が詰まって少し小さくなりました。
それでもタットは、使えば手に馴染みちょうど良くなりますと笑ってくれました。

お母様にも何かプレゼントしたいと思いましたが、お母様の所にはお姉様の素敵な作品が多くて、なかなか渡せません。

それでも何か渡したくて上等な毛糸で部屋に飾る必要のない靴下をプレゼントしました。

お母様は冷え性だったそうで、今度はお母様が選んだ毛糸で編んでいます。

お姉様にも何か差し上げたいが作れないでいることを相談すると、あの子は優しいからなんでも喜んでくれるわと励ましてくれました。

美意識の高いお姉様がそんな簡単に喜んでくれるかしら?

お母様の話すお姉様と私の知るお姉様が違う人のようで、私にだけあんな風に見るのかしら?と胸が苦しくなりました。

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