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54、情熱
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「ああ、お姉様。素敵だったわぁ。」
圧巻の演奏でした。
いつまでも拍手が鳴り止みません。
私も痛いくらい手を叩きました。
「本当にすごい腕前だね。」
この曲は難しいんだよと曲についてロルフ様が分かりやすくお話してくださいます。
私が音楽に造詣が深くないことは昨日のうちにバレました。
隠していた訳ではありませんが、ピンと来ない演奏はどれも同じに聞こえてしまい違いが分からないのです……
クリス様が、馬も乗れて音楽の才能まであったら嫌味よ、これくらいでちょうどいいわと慰めて下さいました。
最初、クリス様も乗馬専門のお仲間かと期待しましたが、ピアノは両手で弾けますし、ヴァイオリンも弾けますので同志ではありません。
弾けないお友だちがほしいですが、気を取り直して舞台を見つめます。
「次はアンバー様です。集中しなくては。」
「リリィのご友人ね。彼女、私の国へ外交に来られて演奏したんたけど、かなりの腕よ。」
「そうなの?今度は私の国にご招待したいわ。」
お姉様が盛り上げた舞台にアンバー様が現れます。
現れただけで、会場は静まり返り、きれいな方ね、素敵と男性も女性も、アンバー様に見とれていました。
ゆったりとしたバラードを流れ、穏やかな旋律にアンバー様の情熱的な赤い髪と相まって大人の魅力が溢れてゾクゾクしました。
曲が終わり、拍手することも忘れて余韻に浸ってます。
優雅にお辞儀をされると割れんばかりの拍手に包まれました。
ちらほらと立ち上がってらっしゃる方もいます。
アンバー様がこちらを見つめてらっしゃる気がして、手すりに身を乗り出して手を振りました。
すると、アンバー様が掌にキスを落とし、私へ向けてくださいました。
途端に会場は男性や女性のどよめきで盛り上がりました。
正義感が強く面倒見のよいアンバー様は若い女性からの人気も高くて赤薔薇のお姉様と慕われています。
私はびっくりして顔が熱かったのですが、こういうことをされた時、どうお返しするのか分からずアンバー様が舞台袖に隠れるまで手を振り続けました。
「アンバー様ったら、ふふっ。リリィの赤薔薇は情熱的で羨ましい。」
公爵令嬢が私の頬を撫でて微笑まれてます。
「この国は開放的なのね。私、新しい扉を開きそう。」
国に帰ったら赤薔薇と妖精の話を伝えたいとヒバ皇女さまも私の腕を組んで、お二人で我が国に遊びに来てとお誘いくださいました。
「アーバン嬢はああいうパフォーマンスをされるのね。似合ってたわ。」
私も今度してみようとクリス様ははしゃいで、堂に入って様になっていたと王子様方も好意的に受け止められていました。
「しかし、今まで聞いたことない。今回は会場の熱に浮かされたのかな。何と言っても会場にお気に入りのリリィがいるからね。」
「ロルフ、かなり強敵だぞ。勝てるか?」
「ほら、見ろ。リリィが頬を染めて、しかも目を潤ませうっとりしている。」
「兄上……、うるさい。黙って。」
あまりの会場の盛り上がりに失神されたご令嬢が出たそうで、次の演目が始まるまで少々時間がかかりました。
アンバー様ったら、男性のみならず女性まで虜にされてしまったのですね。
ロルフ様たちのように未婚の男性から見ても魅了的でありながら、強敵でいらっしゃるのだと納得しました。
圧巻の演奏でした。
いつまでも拍手が鳴り止みません。
私も痛いくらい手を叩きました。
「本当にすごい腕前だね。」
この曲は難しいんだよと曲についてロルフ様が分かりやすくお話してくださいます。
私が音楽に造詣が深くないことは昨日のうちにバレました。
隠していた訳ではありませんが、ピンと来ない演奏はどれも同じに聞こえてしまい違いが分からないのです……
クリス様が、馬も乗れて音楽の才能まであったら嫌味よ、これくらいでちょうどいいわと慰めて下さいました。
最初、クリス様も乗馬専門のお仲間かと期待しましたが、ピアノは両手で弾けますし、ヴァイオリンも弾けますので同志ではありません。
弾けないお友だちがほしいですが、気を取り直して舞台を見つめます。
「次はアンバー様です。集中しなくては。」
「リリィのご友人ね。彼女、私の国へ外交に来られて演奏したんたけど、かなりの腕よ。」
「そうなの?今度は私の国にご招待したいわ。」
お姉様が盛り上げた舞台にアンバー様が現れます。
現れただけで、会場は静まり返り、きれいな方ね、素敵と男性も女性も、アンバー様に見とれていました。
ゆったりとしたバラードを流れ、穏やかな旋律にアンバー様の情熱的な赤い髪と相まって大人の魅力が溢れてゾクゾクしました。
曲が終わり、拍手することも忘れて余韻に浸ってます。
優雅にお辞儀をされると割れんばかりの拍手に包まれました。
ちらほらと立ち上がってらっしゃる方もいます。
アンバー様がこちらを見つめてらっしゃる気がして、手すりに身を乗り出して手を振りました。
すると、アンバー様が掌にキスを落とし、私へ向けてくださいました。
途端に会場は男性や女性のどよめきで盛り上がりました。
正義感が強く面倒見のよいアンバー様は若い女性からの人気も高くて赤薔薇のお姉様と慕われています。
私はびっくりして顔が熱かったのですが、こういうことをされた時、どうお返しするのか分からずアンバー様が舞台袖に隠れるまで手を振り続けました。
「アンバー様ったら、ふふっ。リリィの赤薔薇は情熱的で羨ましい。」
公爵令嬢が私の頬を撫でて微笑まれてます。
「この国は開放的なのね。私、新しい扉を開きそう。」
国に帰ったら赤薔薇と妖精の話を伝えたいとヒバ皇女さまも私の腕を組んで、お二人で我が国に遊びに来てとお誘いくださいました。
「アーバン嬢はああいうパフォーマンスをされるのね。似合ってたわ。」
私も今度してみようとクリス様ははしゃいで、堂に入って様になっていたと王子様方も好意的に受け止められていました。
「しかし、今まで聞いたことない。今回は会場の熱に浮かされたのかな。何と言っても会場にお気に入りのリリィがいるからね。」
「ロルフ、かなり強敵だぞ。勝てるか?」
「ほら、見ろ。リリィが頬を染めて、しかも目を潤ませうっとりしている。」
「兄上……、うるさい。黙って。」
あまりの会場の盛り上がりに失神されたご令嬢が出たそうで、次の演目が始まるまで少々時間がかかりました。
アンバー様ったら、男性のみならず女性まで虜にされてしまったのですね。
ロルフ様たちのように未婚の男性から見ても魅了的でありながら、強敵でいらっしゃるのだと納得しました。
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