無能と蔑まれ婚約破棄された私の数学は、最強の剣術でした~元婚約者が後悔した頃には、寡黙な辺境伯に世界一溺愛されています~

aozora

文字の大きさ
10 / 20

10

しおりを挟む
 エララの静かな宣戦布告に、夜の空気が凛と張り詰めた。

 傍らで聞いていたギデオンは、満足げに深く頷いた。

「ほう……面白い」

 老賢者は悪戯っぽく片目を瞑る。

「ならば、その『証明』とやら、まずはこの儂(わし)に見せてみよ」

 言葉だけでは、どんな美しい理論もただの空論に過ぎない。

「お前の見つけた真理が、どれほどの力を持つのか。まずはこのフェイランの地で示してみせるがいい」

 それは、実力を試すという、手厳しい挑戦だった。

「……試す、と仰るのですか?」

 エララは問い返す。

「ああ」

 ギデオンは、その顔に刻まれた深い皺をわずかに動かした。

「王都の『証明の場』は、お前が思うよりもずっと血生臭い場所だ。そこへ赴く前に、一度、本当の人間の殺気を浴びておく必要がある」

「殺気を浴びる」。

 その言葉に、エララの灰色の瞳の奥が、わずかに揺れた。恐怖とは違う。

 むしろ、未知の変数に対する知的な好奇心と、自らの理論が現実世界でどれだけ堅牢であるか、試されることへの探求心が、彼女の胸に広がった。

 これは、机上の空論を終わらせ、真理を証明する絶好の機会だ。

 ギデオンの言葉に、カシアンがわずかに眉をひそめた。

「ギデオン殿。彼女はまだ……」

「案ずるな、辺境伯。儂とて鬼ではないわい」

 ギデオンはからからと笑う。

「殺し合いをさせるつもりはない」

 だが、と老賢者の瞳が細められた。

「手加減無用の真剣な『問い』に、彼女がどう『答える』のか、見ておきたいでの」

 その提案は、エララにとって望むところだった。

 自分の剣が、机上の計算だけでなく、現実の闘争という複雑系の中で、果たしてどこまで通用するのか。

 彼女自身が、それを知りたかった。

「お受けいたします」

 エララは迷いなく頷いた。

「はい。わたくしの導き出した『数律』、その真価をご覧いただきましょう」

 彼女の灰色の瞳に宿る光は、もはや儚げな少女のものではなかった。

 それは、自らの手で真理を掴み取ろうとする、求道者の輝きだった。

 ◇

 翌日の昼下がり。

 フェイラン領の練兵場には、乾いた土の匂いと、熱を帯びた鉄の匂いが混じり合って漂っていた。

 エララは、ボルグが鍛え上げた剣を手に、その中央に静かに立っていた。

 体にぴったりと合うように仕立てられた革の訓練着は、動きやすく、それでいて彼女のしなやかな体の線を際立たせている。

 彼女の前に立つのは、カシアン配下の衛兵隊長、ドルガン。

 三十代半ばの、岩のような体躯を持つ男だ。その顔に刻まれたいくつもの傷跡が、彼が潜り抜けてきた戦場の過酷さを物語っている。

 彼はこのフェイラン領で、いや、北の辺境一帯で最強の剣士と謳われる実力者だった。

「……辺境伯様。本当に、このお嬢様と手合わせを?」

 ドルガンは、困惑を隠せない様子でカシアンに問いかけた。

 彼の忠誠心は、か弱い令嬢に剣を向けることを躊躇わせる。

「ああ」

 カシアンは厳かな声で答えた。

「だが、これは遊びではない。ドルガン、お前は全力でいけ。一切の手加減は無用だ」

 主の言葉に、ドルガンは覚悟を決めたように力強く頷いた。

 練兵場の周囲には、いつの間にか人だかりができていた。

 ボルグをはじめとする職人たち、館の者たち、そして噂を聞きつけた衛兵たちが、固唾を飲んで成り行きを見守っている。

 彼らは皆、自分たちが「お嬢」と呼んで親しむ令嬢が、いったい何を見せてくれるのか、期待と不安の入り混じった眼差しを向けていた。

「エララ嬢。準備はいいか?」

 カシアンの声が飛ぶ。

 エララはこくりと頷き、静かに剣を正眼に構えた。

 彼女の心は、湖面のように静まり返っている。恐怖も気負いもない。

 ただ、目の前にある「問題」を、最も美しく解くことだけを考えていた。

「始め!」

 カシアンの合図と共に、ドルガンが動いた。

 地を蹴る音は、まるで獣の咆哮のようだった。巨体に見合わぬ驚異的な踏み込み。

 振り下ろされる大剣は、風を切り裂き、轟音を立ててエララに迫る。

 それは、並の騎士であれば、受け止めることすらできずに両断されるであろう、まさしく必殺の一撃だった。

 観衆から、悲鳴に近い声が上がる。

 しかし、エララは動かなかった。

 いや――動いていた。

 彼女はただ、右足を半歩、後ろに引いただけだった。

 たったそれだけの動き。まるで、舞踏会のステップを踏むような、優雅で、あまりにも小さな動き。

 ゴウッ、と。

 ドルガンの剣は、エララの鼻先を掠め、虚しく空を切った。

 凄まじい勢いで振り抜かれた剣は、彼の屈強な体さえも前へとよろめかせる。

 その瞬間、エララはよろめいたドルガンの体の真横に、滑るように移動していた。

「なっ……!?」

 ドルガンが驚愕に目を見開く。

 エララの視界には、ドルガンの動きが、赤いベクトル線として見えていた。

 力の大きさ、作用する方向、重心の移動。

 それら全ての変数が、瞬時に彼女の頭脳で計算され、最も効率的な回避座標が導き出される。

 ――力と速度を乗せた直線的な攻撃は、それ自体が巨大な慣性を生み出す。その慣性こそが、最大の弱点。

 ギデオンの教えが、脳裏に響く。

 体勢を立て直したドルガンが、今度は横薙ぎに剣を振るう。

 先ほどの一撃を最小限の動きでかわされたことで、彼の顔には焦りの色が浮かんでいた。

 しかし、それもまた、エララの剣の切っ先が描く円弧によって、いとも容易く受け流される。

 キン、と軽い金属音が響く。

 エララは力を込めて受け止めたのではない。

 彼女はドルガンの剣が持つエネルギーのベクトルを、ほんの少しだけ、剣先で逸らしてやっただけなのだ。

 まるで、流れる川の水を、一枚の木の葉で堰き止めるかのように。

「くっ……!」

 攻撃はことごとく当たらない。

 それどころか、自分の力が自分に返ってくるような、奇妙な感覚にドルガンは陥っていた。

 まるで、掴みどころのない幻影と戦っているかのようだ。

 練兵場は、水を打ったように静まり返っていた。

 誰もが、目の前で繰り広げられている光景を信じられずにいた。

 それは、もはや剣の試合ではなかった。

 屈強な戦士が振るう暴力的なまでの「力」を、儚げな令嬢が描く静謐な「理」が、いとも容易く無力化していく。

 それはまるで、美しくも恐ろしい、論理の舞だった。

「どうした、お嬢! やっちまえ!」

 沈黙を破ったのは、ボルグの野太い声だった。

「俺たちが打った剣は、そんなもんじゃねえだろ!」

 その声に、他の職人たちも次々に声援を送り始める。

 彼らの声は、エララの背中を優しく押した。ここはもう、彼女にとって孤独な場所ではない。

「……ああ、君は、なんて……」

 カシアンは、知らずのうちに呟いていた。

 その声には、彼女の研ぎ澄まされた知性と、それが生み出す剣の美しさに対する、言葉にならないほどの感銘と、深い畏敬の念が滲んでいた。

 彼の瞳には、ただただ、賞賛と畏敬の念が浮かんでいる。

 彼女の動きの一つ一つが、完璧な数式のように美しい。

 力でねじ伏せるのではなく、世界の法則そのものを味方につけている。

 これこそが、自分が最初に見出した、エララ・フォン・ヘムロックという人間の本質なのだ。

 その知性の輝きに、カシアンは再び心を奪われていた。

「うおおおおおっ!」

 観衆の声援に、そして何より己のプライドを賭け、ドルガンが最後の一撃を繰り出した。

 上段からの、渾身の力を込めた縦一閃。これまでのどの攻撃とも比較にならない、凄まじい気迫が込められていた。

 エララは、その攻撃をただ見据えていた。

 彼女の灰色の瞳が、極限の集中の中で、相手の動きの『解』を導き出す。

 ――全ての運動には、力の釣り合う一点が存在する。力のモーメントがゼロになる、唯一無二の座標。そこを突けば、最小の作用で、最大の効果が生まれる。

 エララは、回避しなかった。

 彼女は、一歩、前へ踏み込んだ。死地へと自ら飛び込むような、常軌を逸した動き。

 そして、振り下ろされる大剣の、柄に最も近い部分――ドルガンの力が最も集中する一点へ向けて、自らの剣の腹を、滑り込ませるように合わせた。

 カツン、という、場違いなほど乾いた、小さな音が響いた。

 次の瞬間、信じられない光景が、そこにいた全員の目に焼き付いた。

 ドルガンの手から、あれほど巨大だった大剣が、まるで玩具のように宙を舞ったのだ。

 エララは、力で弾いたのではない。

 彼女は、ドルガンが剣に込めた全てのエネルギーが作用する一点を正確に突き、その力を利用して、剣だけを彼の手から「解放」したのだ。

 がらん、と音を立てて大剣が地面に落ちる。

 ドルガンは、何も起こったのか理解できないまま、空になった自分の両手を見つめて、呆然と立ち尽くしていた。

 エララの剣の切っ先は、いつの間にか、彼の喉元で静止していた。

「……そこまで」

 カシアンの静かな声が、勝負の終わりを告げた。

 一瞬の沈黙の後、割れんばかりの歓声が練兵場を包み込んだ。

 職人たちは抱き合い、衛兵たちは信じられないものを見たという顔で、ただただ拍手を送っていた。

 ドルガンは、はっと我に返ると、その場に膝をつき、エララに向かって深々と頭を下げた。

「……参りました。エララ様。あれは……あれは、もはや剣技などというものではございません。まるで、星の運行を司る法則そのものを見るようでした」

「いいえ」

 エララは静かに剣を収めると、小さく首を振った。

「ただ、そこにもっとも美しい『解』があった。わたくしは、それをなぞったに過ぎません」

 エララの口元に、微かな、しかし確かな満足の笑みが浮かんだ。

 灰色の瞳の奥には、自身の発見が現実世界で確固たる『証明』を得たことへの、静かな喜びの光が宿っていた。

 その謙虚な言葉は、しかし、絶対的な自信に裏打ちされていた。

 ゆっくりと歩み寄ってきたギデオンが、満足そうに長い髭を扱く。

「見事だ、お嬢さん。お前の『数律剣術』は、ひとまずの完成を見たようじゃな」

 老賢者は、王都の方角を鋭い目で見据えた。

「王都の剣術大会『証明の場』まで、あとひと月」

 その声は、練兵場に集まった全ての者たちの耳に、はっきりと届いた。

「世界に、新しい『証明』が記される時だ」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

婚約破棄された宰相です。 正直、婚約者も宰相も辞めたかったので丁度よかったです

鍛高譚
恋愛
内容紹介 「婚約破棄だ! そして宰相もクビだ!」 王宮の舞踏会で突然そう宣言したのは、女性問題を繰り返す問題王太子ユリウス。 婚約者であり王国宰相でもあるレティシアは、静かに答えた。 「かしこまりました」 ――正直、本当に辞めたかったので。 これまで王太子の女性問題の後始末、慰謝料交渉、教会対応、社交界の火消し…… すべて押し付けられていたレティシアは、婚約も宰相職もあっさり辞任。 そしてその瞬間―― 王宮が止まった。 料理人が動かない。 書類が処理されない。 伝令がいない。 ついにはトイレの汚物回収まで止まり、王宮は大混乱。 さらに王太子の新たな女性問題が発覚し、教会は激怒。 噂は王都中に広がり、王宮は完全に統治不能に。 そしてついに―― 教会・貴族・王家が下した決断は、 「王太子廃嫡」 そして。 「レティシア、女王即位」 婚約破棄して宰相をクビにした結果、 王宮を止めてしまった元王太子の末路とは――? これは、婚約破棄された宰相が女王になるまでの 完全自業自得ざまぁ物語。

【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました

いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。 子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。 「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」 冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。 しかし、マリエールには秘密があった。 ――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。 未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。 「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。 物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立! 数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。 さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。 一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて―― 「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」 これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、 ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー! ※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。

「地味ブス」と捨てられた私、文化祭の大型スクリーンで王子様の裏の顔を全校生に配信します

スカッと文庫
恋愛
「お前みたいな地味女、引き立て役にもならないんだよ」 眼鏡にボサボサ頭の特待生・澪(みお)は、全校生徒が見守る中、恋人だった学園の王子・ハルトから冷酷に捨てられた。 隣には、可憐な微笑みを浮かべる転校生・エマ。 エマの自作自演により「いじめの犯人」という濡れ衣まで着せられ、学園中から蔑まれる澪。 しかし、彼女を嘲笑う者たちはまだ知らない。 彼女が眼鏡の奥に、誰もが平伏す「真実の美貌」と、学園さえも支配できる「最強の背景」を隠していることを――。 「……ねぇ、文化祭、最高のステージにしてあげる」 裏切りへのカウントダウンが今、始まる。 スクリーンの裏側を暴き、傲慢な王子と偽りのヒロインを奈落へ突き落とす、痛快・学園下剋上ファンタジー!

無魔力の令嬢、婚約者に裏切られた瞬間、契約竜が激怒して王宮を吹き飛ばしたんですが……

タマ マコト
ファンタジー
王宮の祝賀会で、無魔力と蔑まれてきた伯爵令嬢エリーナは、王太子アレクシオンから突然「婚約破棄」を宣告される。侍女上がりの聖女セレスが“新たな妃”として選ばれ、貴族たちの嘲笑がエリーナを包む。絶望に胸が沈んだ瞬間、彼女の奥底で眠っていた“竜との契約”が目を覚まし、空から白銀竜アークヴァンが降臨。彼はエリーナの涙に激怒し、王宮を半壊させるほどの力で彼女を守る。王国は震え、エリーナは自分が竜の真の主であるという運命に巻き込まれていく。

公爵家の家政を10年回した私が出ていったら、3ヶ月で領地が破綻しました

歩人
ファンタジー
エレナは公爵家に嫁いで10年、夫は愛人に入れ込み、義母には「家政婦代わり」と 罵られた。だが領地の財務も、商会との交渉も、使用人の管理も、全部エレナが やっていた。ある日、義母から「あなたの代わりなんていくらでもいる」と言われ、 エレナは静かに離縁届を出した。「では、代わりの方にお任せください」 辺境の町で小さな商会を開いたエレナ。10年間の実務経験は伊達ではなかった。 商会はたちまち繁盛する。一方、エレナがいなくなった公爵家は3ヶ月で経営破綻。 元夫が「戻ってこい」と泣きつくが—— 「お断りです。あと、10年分の未払い給金を請求いたしますね」

「お前は用済みだ」役立たずの【地図製作者】と追放されたので、覚醒したチートスキルで最高の仲間と伝説のパーティーを結成することにした

黒崎隼人
ファンタジー
「お前はもう用済みだ」――役立たずの【地図製作者(マッパー)】として所属パーティーから無一文で追放された青年、レイン。死を覚悟した未開の地で、彼のスキルは【絶対領域把握(ワールド・マッピング)】へと覚醒する。 地形、魔物、隠された宝、そのすべてを瞬時に地図化し好きな場所へ転移する。それは世界そのものを掌に収めるに等しいチートスキルだった。 魔力制御が苦手な銀髪のエルフ美少女、誇りを失った獣人の凄腕鍛冶師。才能を活かせずにいた仲間たちと出会った時、レインの地図は彼らの未来を照らし出す最強のコンパスとなる。 これは、役立たずと罵られた一人の青年が最高の仲間と共に自らの居場所を見つけ、やがて伝説へと成り上がっていく冒険譚。 「さて、どこへ行こうか。俺たちの地図は、まだ真っ白だ」

物置部屋に追いやられた伯爵令嬢ですが、公爵様に見初められて人生逆転しました〜妹の引き立て役だったのに、今では社交界の花と呼ばれています〜

丸顔ちゃん。
恋愛
伯爵家の令嬢セレナは、実母の死後、継母と義妹に虐げられて育った。 与えられた部屋は使用人以下の物置、食事は残飯、服はボロ。 専属侍女も与えられず、家の運営や帳簿管理まで押し付けられ、 失敗すれば鞭打ち――それが彼女の日常だった。 そんなある日、世間体のためだけに同行させられた夜会で、 セレナは公爵家の跡取りレオンと出会う。 「あなたの瞳は、こんな場所に閉じ込めていいものではない」 彼はセレナの知性と静かな強さに一瞬で心を奪われ、 彼女の境遇を知ると激怒し、家族の前で堂々と求婚する。 嫁ぎ先の公爵家で、セレナは初めて“人として扱われ”、 広い部屋、美味しい食事、優しい侍女たちに囲まれ、 独学で身につけた知識を活かして家の運営でも大活躍。 栄養と愛情を取り戻したセレナは、 誰もが振り返るほどの美しさを開花させ、 社交界で注目される存在となる。 一方、セレナを失った伯爵家は、 彼女の能力なしでは立ち行かず、 ゆっくりと没落していくのだった――。 虐げられた令嬢が、公爵の愛と自分の才能で幸せを掴む逆転物語。

「君は有能すぎて可愛げがない」と婚約破棄されたので、一晩で全ての魔法結界を撤去して隣国へ行きます。あ、維持マニュアルは燃やしました。

しょくぱん
恋愛
「君の完璧主義には反吐が出る」――婚約者の第一王子にそう告げられ、国外追放を命じられた聖女エルゼ。彼女は微笑み、一晩で国中の魔法結界を撤去。さらに「素人でも直せる」と嘘を吐かれた維持マニュアルを全て焼却処分した。守護を失いパニックに陥る母国を背に、彼女は隣国の軍事帝国へ。そこでは、彼女の「可愛くない」技術を渇望する皇帝が待っていた。

処理中です...