月の雫と星屑と~有栖川橙の難儀な恋愛模様~

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月の雫と星屑と 21

外伝 秘密の秘密

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 俺は今朝、出張先から帰宅した。昨夜帰りたかったが、イベント成功打ち上げ飲み会で終電に間に合わない可能性の方が高かった。実際、予想どおりになった。で、今朝の帰宅になった。
 隼人が学校に行く前に間に合ってよかった。兄とふたりで、隼人を送り出した。
 
 朝食の片付けで キッチンに立っている兄を 後ろから抱きしめた。ちゃんと告白するはずだったのに、俺はなにをやっている。俺の中心もすでに固くなって兄に押し付けていた。

兄は振り向きながら、「満、離して。わかっているから。ちゃんと話そう。」

わかってる?と言われた途端、脚の力が抜けた。いま 兄の足元にうずくまって、兄の両足を抱きしめて、大泣きしている。そんな俺を抱き起して、ソファに座らせてくれて 兄も隣に座った。

 兄は 先に隼人のことを話していいかとことわり 風呂も独りで入れるし、ひとりで寝れるはずの隼人が 兄が面倒を見ている間は、兄と風呂に入り、兄に添い寝してもらっていたのは、隼人の本音に応えたからだと。
隼人は、兄に「ハギ、ギュットしてほしい。ギュットして欲しいならしてあげる」と聞いてきたので、兄は隼人に「抱きしめて」と応えて隼人を抱きしめた。隼人が「いっしょにお風呂に入りたい?」と聞くので、「入りたい」と応え、隼人が「一緒に寝たい?」と聞くので、添い寝していたと。

 6歳くらいから隼人は、お風呂もひとりで入れるし、ひとりで寝れるし、それを 両親が 「ひとりで出来て偉いね」と褒めてくれる。が それは、親が、すぐそばで見守っていて、ほめてくれるから出来ることで、両親が留守の家では、心細くて ひとりで出来る虚勢をはれないことを 兄は見抜いていた。隼人も 自分からダイレクトにお願いするのは、小さいながらプライドが許さない。で、兄からのお願いになっていた。表向きは、添い寝もお風呂も抱きしめるのも 兄からのお願いで、本音は 隼人からのお願いだった。俺は、我が子ながら 兄に世話を焼いてもらっている隼人のことが 羨ましかった。

 俺は兄に「萩」と名前で呼んでいいか聞いた。兄はふたりだけの時は いいと言ってくれた。

 萩
 「満、お前の気持ちに気付くのが遅れてごめん。でも、家族写真撮影のときのような目で、俺を見るな。御互いの兄弟以上の気持ちは、秘密の秘密だ。墓場まで持ってゆく。それと さっきみたいな事は、この家では絶対禁止だ。俺のせいで、満の家族に ヒビが入ってほしくない。」

 兄の気持ちを聞いて すごく嬉しい。でも おさわり禁止なんて耐えられないから、うなだれてしまった。

 そんな俺に ふたりきりの別な場所と時間をなんとかするから 態度にあらわすなと兄は釘をさしてきた。


 
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