3 / 3
どこまでも
しおりを挟む
「職場の怪」に登場したBちゃんについて追記。
ある日の昼休憩中、休憩室にいた職員の間で虫談義が始まった。春になり気温も暖かくなり、虫どもも思い出したように職場にたまに現れ始めたからだ。ある職員は夜勤中にムカデに遭遇し、またある職員はやはり夜勤中にゲジゲジに遭遇していた。職員にとってはどちらも遭遇したくない。
「嫌だよね~」
「夜勤の時なんて最悪。相方にも仕事があるから、自分で退治しなきゃいけないし」
職場の性質上、見て見ぬふりは出来ないのだった。
私も、夜勤中ではないがゲジゲジを自分の部署内で発見し、スリッパで踏み殺した事ならある。そしてもう一種類、虫と言えばのあの虫も二、三度は同じやり口で始末していた。
「まだあの黒いのが出てないからいいけど……」
「え?ゴキブリの事?」
BちゃんがFちゃんに尋ね、続けて言った。
「全然触れるよ。あたし」
「えぇ―!!」
その場にいた全員がどよめいた。
「え……。こっちが『えぇ―!!』だよ?」
心外そうにBちゃんは言った。
「いやいや。すごいなと思って。じゃあ素手で始末できるね」
と、私。本当に、殺虫剤いらずスリッパいらずでいいなと思った。
「平気ですよ」
本当になんでこんなに驚かれるのだろう、と言う顔をBちゃんはしていた。
そして私はその話をA君に話したのだった。
「Bでしょ」
聞き終わったA君は何故か納得しているように、うんうんと頷いた。
「あいつゴキブリの脚もいで、体はアリに食わせるって言ってましたよ」
「嘘!」
「ホントじゃないですか?本人が言ってましたから」
確かに……Bちゃんならそれぐらいやりかねん気もする……。
「しかしいくらなんでもじゃない?どこまで強いの?」
「サイコパス」
A君が笑いを噛み殺した。
「サイコパス」
私も含み笑いで頷いた。
強いを通り越して怖い女かも知れないBちゃん。
だが面白かった。私にとっては。
ある日の昼休憩中、休憩室にいた職員の間で虫談義が始まった。春になり気温も暖かくなり、虫どもも思い出したように職場にたまに現れ始めたからだ。ある職員は夜勤中にムカデに遭遇し、またある職員はやはり夜勤中にゲジゲジに遭遇していた。職員にとってはどちらも遭遇したくない。
「嫌だよね~」
「夜勤の時なんて最悪。相方にも仕事があるから、自分で退治しなきゃいけないし」
職場の性質上、見て見ぬふりは出来ないのだった。
私も、夜勤中ではないがゲジゲジを自分の部署内で発見し、スリッパで踏み殺した事ならある。そしてもう一種類、虫と言えばのあの虫も二、三度は同じやり口で始末していた。
「まだあの黒いのが出てないからいいけど……」
「え?ゴキブリの事?」
BちゃんがFちゃんに尋ね、続けて言った。
「全然触れるよ。あたし」
「えぇ―!!」
その場にいた全員がどよめいた。
「え……。こっちが『えぇ―!!』だよ?」
心外そうにBちゃんは言った。
「いやいや。すごいなと思って。じゃあ素手で始末できるね」
と、私。本当に、殺虫剤いらずスリッパいらずでいいなと思った。
「平気ですよ」
本当になんでこんなに驚かれるのだろう、と言う顔をBちゃんはしていた。
そして私はその話をA君に話したのだった。
「Bでしょ」
聞き終わったA君は何故か納得しているように、うんうんと頷いた。
「あいつゴキブリの脚もいで、体はアリに食わせるって言ってましたよ」
「嘘!」
「ホントじゃないですか?本人が言ってましたから」
確かに……Bちゃんならそれぐらいやりかねん気もする……。
「しかしいくらなんでもじゃない?どこまで強いの?」
「サイコパス」
A君が笑いを噛み殺した。
「サイコパス」
私も含み笑いで頷いた。
強いを通り越して怖い女かも知れないBちゃん。
だが面白かった。私にとっては。
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
清掃員と僕の密やかな情状
MisakiNonagase
恋愛
都心のオフィスビルで働く会社員の26歳・高城蓮(たかぎれん)。彼の無機質な日常に唯一の彩りを与えていたのは、夕方から現れる70歳の清掃員・山科和子だった。
青い作業服に身を包み、黙々と床を磨く彼女を、蓮は「気さくなおばあちゃん」だと思っていた。あの日、立ち飲み屋で私服姿の彼女と再会するまでは――。
肉じゃがの甘い湯気、溶けゆく氷の音、そして重ねた肌の温もり。
44歳の年齢差を超え、孤独を分かち合った二人が辿り着いた「愛の形」とは。これは、一人の青年が境界線の向こう側で教わった、残酷なまでに美しい人生の記録。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる