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最果ての森・成長編
92. 中級魔法②
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僕は黄色い絨毯を満足気に眺める。ゆらゆらと揺れる火には、癒やされるよね。確か、1/f 揺らぎだっけ?
ほら、ティアとライも、赤と黄の大量のゆらゆらに癒やされてみない?
「ふふ、火をじっくり見ることはあまりなかったけど、意外といいかもね」
「そうなのだ···。何故か分からないが、心が落ち着くのだ···」
お、ゆらゆら効果かな?
ティアとライが穏やかな表情を浮かべている。
僕達は、ファイアウェーブが下火になるまでゆらゆらを見ていた。
そろそろ火が消えるかな?と思ったとき、二人の表情が再び固まる。
「ご主人の魔法の跡が···。その、地面の様子がライのと違うのだが···。あ、あれは大丈夫なのか?」
「ふふふ、そうだね。大丈夫。きっと大丈夫。ふふふ、ちょっと温度が高かったからね」
赤い火が消えた部分は、ところどころ黒くなっているような気がするが、魔法を放つ前と大きな変化はない。
黄色の火が消えると、赤いドロッとした地面が顔を出した。ところどころからコポッという音が聞こえる。
「···『氷弾』」
ライがおもむろにアイスショットを一発、赤い地面に撃ち込んだ。
ボンッと音がして、アイスショットは水蒸気へと早変わりだ。
「あははは!ウィルくん、すごいねー!」
「ブハハ!熱そうな地面だな!やっぱウィルは面白いぜ!」
この二人は、どんな魔法も笑ってくれる気がする。
「······」
ティアは口をパカッと開けている。
「···ふふふ、ちょっと場所を移動しようか」
ニッコリとした笑顔を貼り付けたライが、赤い地面から離れる。
「そ、そうだな!ワレもそうした方がいいと思っていたのだ!」
ティアが僕をチラチラ見ながらライのあとに続く。
僕は無言でティアの後ろを歩いた。
「よし、この辺でいいかな」
しばらく歩いていると、ライがそう言って立ち止まった。
···おお、まだあの笑顔が貼り付いている。
最初にいた場所は、すぐに分かる。いまだに赤いあの地面は、遠目に見ても目立っている。
「ふふふ、それじゃあ次は、水の中級魔法だよ」
ライが『洪水』と唱えると、大量の水がドバーッと流れた。地面を削る勢いで流れた水は、遠くの方でようやく速度が落ち、ゆるやかに地面に広がる。
「見ての通り、大量の水を出す魔法だよ。魔力を込めるほど水の量が増えるんだ。ただの水でも、これだけ多いと質量はとんでもないことになるし、勢いもあるからね。単純だけど、馬鹿にできない魔法だよ」
ほうほう、確かに。
もしこれをぶつけられたら、どうやって対処しよう。回避か防御か。
回避は今の僕には難しい。防御しても、押し切られる可能性はある。···もっと魔法を覚えるしかないのかな。
あ、ジルから離れないというのはどうだろうか。うんうん、完璧だ。
「ふふふ、それじゃあウィル君もやってみてくれるかい?」
対処法について考えているとライに促されたので、思考を切り替える。
フラッドはライの言う通り、単純な魔法だ。大事なのは魔力の量だ。どれくらい込めたら、ライがやったみたいにドバーッと水を出せるのだろうか。···あれほどの水の量だ。きっと魔力も大量に必要なのだろう。
魔力をたくさん込めて、魔法名を唱える。
「『洪水』!」
ドドドドドバーーーンという轟音が響き、大量の水がものすごい勢いで流れ出した。···その名の通り、洪水だ。
ちょ、ちょっと魔力が多かったみたいだ。
「想定内、想定内、想定内···」
ライがブツブツと呟いている。
結構な勢いだったけど、どこまで流れるのだろうか。
水の行先が気になった、その瞬間だった。
ドーーーン!!!
遠くで巨大な爆発が起こった。
水が弾け、水蒸気となって空へ立ち昇る。くっきりと濃い白がモクモクと、まるで地面に降り立った入道雲みたいだ。
あっ···。あの場所、そういえば心当たりがある。多分というか、間違いなく、あの赤い地面の場所だ。
「あはは!すごーい!あはははは!」
「すっげーな!なあ、あれオレもやりたいぜ!」
二人は、相変わらず楽しそうだ。
刻一刻と体積を増している巨大な水蒸気の塊を見たライは、乾いた笑みを浮かべ、それからゆっくりと僕の方へ向き直る。
「ふふふ、あれは、想定外だよ」
僕も、想定外だよ。
僕がコクコクと頷いていると、ライからジトッとした視線が送られた。
「は、離れて正解だったのだ···」
ティアがほうっと息をつく。
ほんと、あの赤い地面から離れてて良かった。僕がコクコクと頷くと、ティアからジトッとした視線が送られた。
あ、あれー?
僕は味方を求めてジルを見る。
「···凄い音だったな」
そう言ってジルは僕の頭を撫でてくれた。
名前:ウィル
種族:人族
年齢:1
レベル:56
スキル:成長力促進、言語理解、魔力操作、魔力感知、テイム
魔法:火属性魔法(初級)
水属性魔法(初級)、氷属性魔法(初級)
土属性魔法(初級)
風属性魔法(初級)
光属性魔法(初級)
火柱、火波、洪水
耐性:熱冷耐性
加護:リインの加護
称号:異世界からの転生者、黒龍帝の愛息子、雷帝の愛弟子
ほら、ティアとライも、赤と黄の大量のゆらゆらに癒やされてみない?
「ふふ、火をじっくり見ることはあまりなかったけど、意外といいかもね」
「そうなのだ···。何故か分からないが、心が落ち着くのだ···」
お、ゆらゆら効果かな?
ティアとライが穏やかな表情を浮かべている。
僕達は、ファイアウェーブが下火になるまでゆらゆらを見ていた。
そろそろ火が消えるかな?と思ったとき、二人の表情が再び固まる。
「ご主人の魔法の跡が···。その、地面の様子がライのと違うのだが···。あ、あれは大丈夫なのか?」
「ふふふ、そうだね。大丈夫。きっと大丈夫。ふふふ、ちょっと温度が高かったからね」
赤い火が消えた部分は、ところどころ黒くなっているような気がするが、魔法を放つ前と大きな変化はない。
黄色の火が消えると、赤いドロッとした地面が顔を出した。ところどころからコポッという音が聞こえる。
「···『氷弾』」
ライがおもむろにアイスショットを一発、赤い地面に撃ち込んだ。
ボンッと音がして、アイスショットは水蒸気へと早変わりだ。
「あははは!ウィルくん、すごいねー!」
「ブハハ!熱そうな地面だな!やっぱウィルは面白いぜ!」
この二人は、どんな魔法も笑ってくれる気がする。
「······」
ティアは口をパカッと開けている。
「···ふふふ、ちょっと場所を移動しようか」
ニッコリとした笑顔を貼り付けたライが、赤い地面から離れる。
「そ、そうだな!ワレもそうした方がいいと思っていたのだ!」
ティアが僕をチラチラ見ながらライのあとに続く。
僕は無言でティアの後ろを歩いた。
「よし、この辺でいいかな」
しばらく歩いていると、ライがそう言って立ち止まった。
···おお、まだあの笑顔が貼り付いている。
最初にいた場所は、すぐに分かる。いまだに赤いあの地面は、遠目に見ても目立っている。
「ふふふ、それじゃあ次は、水の中級魔法だよ」
ライが『洪水』と唱えると、大量の水がドバーッと流れた。地面を削る勢いで流れた水は、遠くの方でようやく速度が落ち、ゆるやかに地面に広がる。
「見ての通り、大量の水を出す魔法だよ。魔力を込めるほど水の量が増えるんだ。ただの水でも、これだけ多いと質量はとんでもないことになるし、勢いもあるからね。単純だけど、馬鹿にできない魔法だよ」
ほうほう、確かに。
もしこれをぶつけられたら、どうやって対処しよう。回避か防御か。
回避は今の僕には難しい。防御しても、押し切られる可能性はある。···もっと魔法を覚えるしかないのかな。
あ、ジルから離れないというのはどうだろうか。うんうん、完璧だ。
「ふふふ、それじゃあウィル君もやってみてくれるかい?」
対処法について考えているとライに促されたので、思考を切り替える。
フラッドはライの言う通り、単純な魔法だ。大事なのは魔力の量だ。どれくらい込めたら、ライがやったみたいにドバーッと水を出せるのだろうか。···あれほどの水の量だ。きっと魔力も大量に必要なのだろう。
魔力をたくさん込めて、魔法名を唱える。
「『洪水』!」
ドドドドドバーーーンという轟音が響き、大量の水がものすごい勢いで流れ出した。···その名の通り、洪水だ。
ちょ、ちょっと魔力が多かったみたいだ。
「想定内、想定内、想定内···」
ライがブツブツと呟いている。
結構な勢いだったけど、どこまで流れるのだろうか。
水の行先が気になった、その瞬間だった。
ドーーーン!!!
遠くで巨大な爆発が起こった。
水が弾け、水蒸気となって空へ立ち昇る。くっきりと濃い白がモクモクと、まるで地面に降り立った入道雲みたいだ。
あっ···。あの場所、そういえば心当たりがある。多分というか、間違いなく、あの赤い地面の場所だ。
「あはは!すごーい!あはははは!」
「すっげーな!なあ、あれオレもやりたいぜ!」
二人は、相変わらず楽しそうだ。
刻一刻と体積を増している巨大な水蒸気の塊を見たライは、乾いた笑みを浮かべ、それからゆっくりと僕の方へ向き直る。
「ふふふ、あれは、想定外だよ」
僕も、想定外だよ。
僕がコクコクと頷いていると、ライからジトッとした視線が送られた。
「は、離れて正解だったのだ···」
ティアがほうっと息をつく。
ほんと、あの赤い地面から離れてて良かった。僕がコクコクと頷くと、ティアからジトッとした視線が送られた。
あ、あれー?
僕は味方を求めてジルを見る。
「···凄い音だったな」
そう言ってジルは僕の頭を撫でてくれた。
名前:ウィル
種族:人族
年齢:1
レベル:56
スキル:成長力促進、言語理解、魔力操作、魔力感知、テイム
魔法:火属性魔法(初級)
水属性魔法(初級)、氷属性魔法(初級)
土属性魔法(初級)
風属性魔法(初級)
光属性魔法(初級)
火柱、火波、洪水
耐性:熱冷耐性
加護:リインの加護
称号:異世界からの転生者、黒龍帝の愛息子、雷帝の愛弟子
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