魔力なしの魔女

みぞれ飴

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魔力なしのレティシア

第六話

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 そして再び、現在。
「早くしてくれませんか?」
 シュゼンベルがレティシアの傷を治していた。
「うるさいなぁ。力のコントロールが出来ないのは、お前が一番分かってるだろ」
「まぁそうですけど…見てるこっちが辛くなる」
 一見治癒魔法のように見えるこの力。だが少し違い、金色の魔力を放っていた。
(治癒魔法ならフィルだって得意なのに…それに、殿下の身体が金色に包まれている)
「はぁ…もういいか」
 シュゼンベルはレティシアを抱き寄せ、その唇にキスをした。
「なっ!」
 フィルスは驚き、怒り、顔を歪める。
 レティシアも何が起こったか分からずにいた。
(…っ!?金色の魔法陣?)
 彼女の傷がみるみる治っていく。唇が離れる頃には、金色の魔法陣の上で魔力に包まれていた。
「ふぅ…」
「っ!殿下!?」
 シュゼンベルは、レティシアに寄りかかり、眠ってしまった。
「全く…だから自分の傷を治してからやれと言っているのに…」
 フィルスは捕まえた男を捨て、シュゼンベルの傷付いた肌に手を当てて治癒をする。
「フィルス。さっきのは何?」
「特異体質ですよ」
 特異体質。それは稀に現れる精霊王に好かれ、独自の魔力を授けられ生まれた子の事。人により異なるその力は、普通の魔法よりも強力で、反対に、その属性以外の魔法を使う事は苦手としていた。
 現れる魔法陣の色も形も様々で、シュゼンベルのように大きいが操れない者や、小さく細かい事に長けた者まで、魔力なしに見える魔力の様に様々だ。

 神の子は、高位神官をも超える治癒魔法の特異体質を持って生まれ、この世界の神、いわば精霊王の声を聞くことのできる存在。故に神の子と呼ばれていた。
 そんな風に国民が煽てるおかげで、彼には生涯隠さなければならない秘密があった。
 ずっと…隠し続けていた。隠せていた。魔女に出会うまでは…
 神の子は、誰よりも多い魔力の持ち主だった。だがその魔力…特異体質を操る事が彼には出来なかった。
 しかも、体内だけではなく外にも漏れ出てしまっているため、彼の近くに居れば、擦り傷などの軽い怪我は瞬時に治ってしまうのだ。
 皆これを神の恩恵だと言った。
 だが実際には、漏れ出た魔力を操ることも出来ず、高等な治癒魔法以上に魔力の消耗が激しかった。
 しかし、彼の多量な魔力がそれを補っていた為、誰にも気付かれなかったのだ。
 だが魔女には人の魔力が見える。彼が長年魔力を使い続け、ほとんど残っていない事も見破られてしまった。
 故に足りない魔力を、魔女が補っていたのだ。この時二人の間に契約は結ばれた。
 今シュゼンベルも、沢山の魔力を使い、回復の為に寝てしまっただけだ。


「お嬢は殿下を部屋へ。俺はこの男を牢獄に入れてきます」
 フィルスは捕まえた男を担ぎ上げ、レティシアに告げた。
「殿下は起きるの?」
「まぁそのうちには…もしくは、お嬢の血を与えればすぐに起きるでしょうね」
「血?」
 レティシアは自分の手を見て悩んだ。フィルスが言うのだからきっとそうなのだろう、と。
「まぁ、やめておいた方がいいでしょう。殿下が起きたら怪我をしているお嬢を見て、また同じ事が繰り返されるだけですから」
「…そうね」
 シュゼンベルをまた危険な目に合わせるわけには行かなかった。

 レティシアはそっとシュゼンベルを抱き上げ、身体を寄せる。
「シュゼ…どうしてお前は、そこまでして私に執着するの?ただ婚約者ってだけじゃないの?」
 寝ている彼から答えはない。
 レティシアはずっと疑問に思っていた。婚約者になったその日から、愛称で呼ぶ事を許し、彼女が伯爵家から出た後、ずっと側に置こうとしていた。
 例えあの時、助けようとしてくれただけなのだとしたら、感情が入りすぎではないのかとレティシアは思っている。
 彼女は、シュゼンベルが前世の記憶を持っている事を知らないのだから、当然の事ではあるが…


 部屋に戻り、シュゼンベルをベットに寝かせる。
 しばらくして、フィルスが戻ってきた。

 戻ってきて早々、ベットの近くまできて、シュゼンベルの頬を掴む。
「おい!いつまで寝てやがる!」
「ちょっ!フィルス!?」
 慌ててレティシアがその手を離すと、シュゼンベルは起きてしまった。
「いったいなぁー!」
 目覚めて開口一番にそう言う。

「呑気に寝てる場合か!やる事が沢山あんだよ」
 フィルスはシュゼンベルに、とっくに起きていたんだろ!とでも言うように。
 普段とは全く違う口の聞き方をしていた。
「お前…僕と対等な立場だったのは昔の事だろ?」
 シュゼンベルはベットから起き上がり、フィルスに迫る勢いで彼に近づく。グイっと身体を伸ばしても、彼の小さな身体では、フィルスの顔には近づかない。
 フィルスもシュゼンベルを片手で引き離し、心底嫌そうな顔をする。
「はっ!あんな場所死んでも戻るか!奴隷の方がマシだ」
「そういうもんか?」
「あぁ…」
「そうか…」
 二人の間で勝手に納得する。
「ちょっと…どういうこと?」
 レティシアは何も理解出来ずに二人に尋ねるが、同時にこう言われた。
「シアには関係ないよ」
「お嬢には関係ないです」
 二人だけの秘密がある事、自分には関係がないと言われた事。そのどちらも、レティシアを不快にさせた。
 むすっと頬を膨らませ不機嫌な顔をしていると、フィルスは、パンッと手を叩く。
「さぁ。あなたはもうお戻りください。我々は仕事に取り掛かります。今日から騎士団の寮を使って良いですから。アルマいるかー!?」

 シーン

 フィルスは、レティシアを追い出す様にその名を呼んだ。だが、彼の呼びかけに応える声はない。
「おいアルマ!ったく…どこいった!」
 シュゼンベルの寝室の扉を開け、廊下を見渡すが誰もいない。

「団長!」
 ほんの数秒待った後、アルマという少年の声がした。
「遅かったな。何してた?」
「子供たちが、離してくれなくて…」
 アルマは少し照れくさそうに言う。
「そうか。どうだ?良いのはいるか?」
 その瞬間、アルマの目が仕事モードに入る。騎士によくある報告の仕事。
「どうでしょう…アスター曰く、魔力の強い子は居ないらしいです。ただ、彼の目では強さしか分からないので、特異体質が居たら別になりますね」
「そうか…それはまた考えよう。ほら彼女を連れてけ」
 フィルスがレティシアに指差しで催促する。
 アルマは彼女の方を見ると、一度ため息をついた。
「ほんとに、僕じゃなきゃダメですか?」
「最初からそうだと言ってる」
 意見を変えないフィルスに呆れ、また一つため息をつく。
「はぁ…チッ。着いてこい」
「え!?あの…」
「早くしろ!野宿したいのか!?」
 さっきとは打って変わるアルマの態度に動揺しつつ、その後ろに着いて行くしかないと分かっているレティシア。
「あ、待って!」
 急いで駆け寄る。
「あーあ、せっかく一人部屋だったのになぁ」
 アルマは手を頭の後ろで組み、心底嫌そうに言いながら、レティシアより前を歩いて行く。

「今日からここが君の部屋だよ。左半分は好きに使って良いから、僕に干渉しないでよね?」
 アルマは狭い部屋の右にあるベットを指差しながら言う。
「なぜ?」
「なぜって!迷惑だからだよ…」
 少し目を逸らすアルマに、レティシアは鎌をかける。
「自分が女だって…バレるから?」
「なっ!」
 アルマは目を見開き、口を開き、それ以上何も言えなかった。
 アルマは男として生きてきた。女である事の感情を捨て、騎士として生きる為に。身内…国衛騎士団の数名以外は、彼女が女である事を知らない。
 にも関わらず、ほぼ初めて会ったはずのレティシアに言い当てられた。

 ドンッ!
 レティシアは壁に押し当てられる。
「どこでそれを…!?」
 アルマの表情は暗く険しく、怒りを露わにしていた。
「誰かに聞いたのか!」
「いいえ」
 レティシアはただ顔を横に振るだけ。アルマを怖いとも思っていなかった。
 だって、彼女が怒る事は分かっていたのだから。
「ならなぜ!?」
「女と男では、魔力の流れが違うわ」
「…え?」
 レティシアは別に、魔力なしだと言う事を隠していたわけではない。ただ、魔力なしに魔力が見えるというのは、誰も知らないのだから信じてもらえる方がおかしいのだ。
「え?何で!?瞳が赤くないのに?」
「っ!?…これで良い?」
「あ、本当だ。まぁそれならバレても仕方ないか」
「何で…知って…」
「え?騎士団に魔力なしが居るからだけど…」
 アルマは…というか彼女の話では国衛騎士団の全員が、魔力なしに魔力が見える事を知っているのだろう。
 何故だかは分からないし、聞きたくもなかった。
「なんか…ごめん。魔力なしについて知らない方がよかったかな…?」
「い、いいえ…知っている事に驚いただけよ」
 謝るべきは、アルマを挑発したレティシアなのに、彼女は謝ってきた。

 しばらくの沈黙の後、再びアルマが口を開く。
「ま、とにかく!僕には関わらないで」
「それは無理よ。」
「何でっ!僕は…っ。初めて会った人と馴れ馴れしくはしたくない…」
 感情を押し殺したかのように言う。
 アルマは他に言いたいことがあった。でも、捨てた女としての感情をレティシアに引き戻されるような気がしたのだ。
 だが放った言葉も、紛れもない本心だ。
「それなら今日だけでしょ?私はワクワクしてるの!」
「は…?」
 考えもしなかった言葉に、アルマはつい反射的に声を出してしまう。
「同じ女騎士として、仲良くならずには居られないわ!」
 悪意のない笑顔で笑う。
 そんな彼女の笑顔を見てしまったアルマは、もう手遅れだった。ずっと本心で語り続けるレティシアに勝てる気はしないし、何よりその笑顔を壊す事など出来なかった。
「はぁ…分かった。よろしく、レティシア」
「レティで良いわ。よろしく!アルマ」
 目の前に出された手を取り、握手を交わす。
 すっかり乗せられてしまったアルマが、後悔する日は来るのだろうか。来ない気さえする。
 だってもう、何も我慢しなくて良くなったのだから。
 レティシアと共に女騎士として過ごせば、男女の力の差も、誰かに触れる事も、何よりこの感情も、押し殺す必要がなくなる。
 まぁこの少し後、思わぬところでレティシアに裏切られることになるのだが…




          ○
 レティシアがシュゼンベルの寝室を出て行ってすぐ、フィルスとシュゼンベルは、襲ってきた犯人について話し始める。
「殿下。あいつはあの本の在処を聞きに来たで合ってます?」
「うん。合ってるよ」
「何も言ってないですよね?」
「言ってたら怪我なんかしてないよ」
「たしかに…」
 牢獄へと続く階段を降りている途中。シュゼンベルはフィルスからの質問攻めにあっていた。
「あいつにバレてませんか?体質のこと」
「どうだろうね。ま、君達がもう少し遅かったら、取り返しのつかないことになってたかもね」
「それは…すみません」
「いいよ。結果的にどうにかなったし」
 シュゼンベルの特異体質は、治癒の力。しかも自分で操れない為、意図せず怪我を治してしまうので、この力の存在が他国に知られれば、簡単には死なない道具として、利用される危険があった。
「フィル…気をつけた方がいいね」
「そうですね。殿下に何があれば困りますし」
「いや、君だよ。帝国か皇国か、君も狙っていると僕は思う」
「なぜ?」
「あの本は戦争の火種になりうる。ならば、君を真っ先に殺すか味方につける事こそ、彼らの勝利への道が開かれる」
 王国の隣に位置する皇国と、大陸の北側に位置する帝国。皇国はほとんど力を持たず、帝国に侵略されている。
 大陸統一を目指す帝国にとっては遙か昔から、強き力の集まる王国は目障りだった。

「さぁ、着きました」
 地下牢の入り口の扉を開ける。普段誰も立ち寄らない地下牢は、少し埃っぽい。
「さて、誰の指示か聞かせてもらおうか」
 笑顔で男に質問をするシュゼンベルは少し怖い気さえした。
「君が求めているのはこれだろ?」
 黒地に金で模様が描かれた本を、男の前でちらつかせる。
「なっ!やはり知っていたか!」
「君達は、なぜこれを求めていた?」
「…。」
 男は答えない。
「フィル。やれ」
「はい。お任せを」
 フィルスが男に魔法をかけた。
「さぁ答えろ。なぜこれを求めていた?」
「それは知らない。ただ、聞いた事がある。その本の所有者が魔女を召喚できると」
 男は喋り出す。フィルスの魔法により、シュゼンベルの問いかけに必ず答えるように、催眠を掛けられた。
「はっ、魔女を召喚?馬鹿な事を…」
 普段の温厚な王子の姿などそこには無く、十五歳の体に前世の自分を映したシュゼンベルは、呆れていた。
「お前は帝国民か?」
「そうだ」
「帝国は戦争をする気か?」
「いずれ皇帝陛下が大陸を掌握する!」
「はぁ…一つ、教えてやろう。この本を持っていても何も起こらない。ほら見ろ。こんなの読めたものじゃ無い」
「なっ…!」
 シュゼンベルは本を開いて男に見せた。男は驚いた顔をする。
 そりゃそうだ。だって本の中には文字など一つもなく、赤い線が引かれているだけなのだから。
「そもそも、魔女は既に転生している。」
「ならそいつを奪うまで!」
「…やってみろよっ!今の状況で連絡が取れるならな!」
「くそぅ…」
 流石に、牢獄で手足を縛られた状態の男には何をする術もなかった。
「フィル…もうこの男に用はない。やれ」
「…わかりました」
 フィルスは持っていた剣で、男を一刺しで殺す。牢獄の壁に、男の血が飛び散る。その酷い光景を、シュゼンベルは黙って見ていた。
 男の返り血がフィルスの服や顔に飛ぶ。
「フィル…帝国に使いを出せ。アスターが良い。魔法士の数を調べさせろ」
「アスターは今別の任務中ですが…」
「終えたらでいい。急ぎではないがなるべく早く頼む」
「わかりました。伝えておきます」
「あぁ…頼んだ」
 王国に乗り込んできたこの男が、どれほどの腕の者だったのか、今となってはわからない。
 魔法の使えない騎士相手なら、王国騎士達の相手ではないが、魔術師となれば別だ。魔術師相手に騎士の魔法は通用しない。懐に入り込めば話は別だが、それをさせないのが前衛の騎士の勤め。非常に面倒な存在なのだ。

「殿下。一つ聞いても?」
 返り血が顔についたまま、フィルスはシュゼンベルに尋ねる。
「なんだ?」
「なぜあの時、私を呼ばなかったのですか?あなたの危機とあれば飛んで駆けつけるのに…」
 男に襲われ成す術を無くしていた時のことを言う。
 シュゼンベルは少し黙った後、伏せ目で少し下を向きながら小さくつぶやく。
「…邪魔は、したくなかった」
「え?」
「シアにとってこの婚姻は、政略結婚と変わりないかもしれない。僕は記憶を持って生まれたけど、シアはそうじゃない」
「何を言ってらっしゃるのか…わかりかねます」
 シュゼンベルは少し、フィルスを見つめて何を言うか悩んだが、結局何を言っても伝わらない気がした。
「まぁいい…お前にこの気持ちがわかってたまるか」
 彼は、フィルスがレティシアを好きでいる事を知っていた。だからこそ、政略結婚などなければ良いとも思っている。
 はずなのに、レティシアを手放す事などできないから、一人葛藤していた。
 そもそも、レティシアが魔女の生まれ変わりだという確証はない。だが彼女達の生い立ちがあまりにも似過ぎているから、それ以外考えられないのだ。
 あとは、前世の自分が彼女を求めていたから。

「この本はまだ見せない方がいいだろう」
 シュゼンベルは、男が求めていた魔女の本とは別に、神話の物語が書かれた本も2冊持っていた。
 一般に、世に出回っている物語は、魔女が神の子を裏切って処刑される話。
 その後誰が書いたのか、お互い愛し合っていた話は、王城の図書室にしか置いていない物語だ。
「では、回避できないようになさるおつもりですか?」
 過去も今も彼女達の母親は、彼女達が幼い頃に亡くなっている。その後剣を握るまで、物語と似た様な出来事だ。まるで、彼女が神話を読んで、その通りに歩んでいるかの様に…
 このまま行けば、どんな形であれレティシアは殺される。そう、フィルスは考えているのだ。
「だいたい。本当に処刑されたのか。史実は違うことが多いだろう?」
「ですが、二つの物語で既に結果は同じです」
「どちらかを似せたと言われてもおかしな事ではない」
 シュゼンベルの寝室に戻る途中、夜の暗い城の廊下で、二人の言い争いが始まる。
 元々彼らはあまり相性が良くない。信頼はしているが、任務以外で一緒にいたいとまでは思っていなかった。

「フィルス。お前はレティシアを助けたいのかもしれないが、彼女は本当に生きているべき人なのか?」
「…この世に生きる事が許されない者などいません!」
 フィルスがそう言い切るのは、自分がクフェア・ハルードに言われたからだ。奴隷商に使われていた時、何度死のうと思った事か…
「それが許されないのが、この魔女だったのだろ?」
「ならば、なぜお嬢を気にかけるのですか?」
「彼女が本当に魔女の生まれ変わりなのか知りたいからだ」
「それだけですか?はぁ…呆れた。あなたの興味本位に付き合わせるほど、私はお嬢様を粗末に扱っておりませんので、失礼します」
 捨て台詞の様にフィルスはその場を立ち去った。彼のレティシアを想う姿勢は、騎士としては有るまじき姿だ。だからこそ、彼女が幸せになれる未来があれば、その隣に自分がいる必要はないと考えていた。
 何をそんなに躊躇っているというのか。彼ほどの力があれば、すべて意のままの筈。
 そうすれば欲しいものも手に入るし、忘れたい過去も、耳元でうるさいあの声も、忌々しいあの力すらも、消してしまえるというのに…
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