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風雅の都
第五話 夜明けと共に
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夕方
「そろそろ結界が開く。この家の地下を通っていくと、妖専用の扉があるからそこから行くと良いわ。」
師匠が指したのは、地下に続く通路。
「でも師匠。ここまで音沙汰が無いのもおかしな話だわ」
「確かにそうねぇ。彼らはきっと貴女を追える自信がお有りなのよ」
「どういう事?」
師匠はなんでも見通した様に語る。確かに追える自信がなければ、門が開く直前になってまで追ってくる気配がないのはおかしいものね。
「瀬兎、何か貰ったものとか無い?」
「沢山あるんだけど…」
私は宮殿での争いで簡易結界にしまった、髪飾りなどを取り出して師匠に見せた。師匠はそれを見て、溜息を吐く。
「はぁ…これは全部追跡の術がかかってる。天空の島に行ったら、全部売りなさい。いい?全部よ」
「分かったわ。元々売るつもりでいたし」
「代わりにこれをあげるわ」
そう言って取り出したのは、片方だけの耳飾り。と、言うかそれ…今どこから出した?結界の中から出したようには見えなかったし…まぁいいか。師匠は何かと不思議な人だから。
「これ、片方しか無いの?」
「えぇ、もう片方は無くなっていたの。けれど、王の眷属の誰かが持っている事に間違いは無いわ。」
師匠によると、この耳飾りは元々王の物だったらしく。付けていた時は、光り輝いていたんだと。片方を眷属に渡した時に、その光は一瞬薄れて、遠くにいる時は唯の金色だったらしい。
「けど、そんな物私が貰っていいの?」
「またそんな事言って…」
師匠に呆れられた。確かにさっきも同じ事を言った気がする。けど恐れ多くて…
「構わないわ。というか、貴女に持っていてもらいたい。私が持っていてもなんの意味もないから」
「…分かったわ」
「…っ!」
急に、芹が辺りを気にし始めた。
「どうしたの?」
「足音がする。流石に長居し過ぎたか。」
先に気がついた芹が警戒態勢に入った。それにしても早い。あれから一日経っているとはいっても、やはり居場所がわかっていた様だ。
「全く騒がしい連中ね。さっきまであんなに騒いでいたのに…」
そんな事を呟きながら私達を地下へ追いやり、師匠は追っ手を出迎える用意をした。霊符と何かの棒を持ったみたいだったけど…
この家には武器が少ない。師匠は鍛冶屋なのに、一体どこにしまっているのだろう。結界の中か?いや、違う。師匠は結界術があまり得意では無かったはずだ。それに、今の師匠は霊力が少ない。あまり霊力を使う事はしないはずだ。
「瀬兎、赤城様の事だから大丈夫だ…きっと」
しばらく私達は地下の入り口にいた。
追っ手は、確認も無しにいきなり家に飛び込んで来る。
師匠が何かで殴った音がした。
「私の家に勝手に入って来るなんて、いい度胸じゃない」
「ここに瀬兎様が居るはずだ」
やっぱり、バレてる…
俺達はもう行ったほうがいいと、芹が私に指示する。
地下へ続いている通路の入り口を芹が岩の術を使い塞いだ。
流石は芹。やっぱり器用だ。これだけ沢山の術を使える者を私はまだ他に知らない。
それからすぐ側で
「ここを通せ、家の中を調べる。」
「何もなくてもお断りするわ」
といった会話が聞こえ、師匠が術の詠唱をすると、争いが始まった。
「さよならだな。しばらくここには戻ってこれないだろう」
「そうね。旅が終わるまで戻れないし、この国の人達も、私を殺す事を諦めないでしょうからね」
「これからの旅はキツくなりそうだな」
「ええ…誰か良い仲間が見つかると良いのだけれど」
「俺達の事に巻き込んじまうしな」
そんな事を話しながら、希望を抱いたり不安になったりと、暗くて長い通路を歩いていた。
「そろそろ結界が開く。この家の地下を通っていくと、妖専用の扉があるからそこから行くと良いわ。」
師匠が指したのは、地下に続く通路。
「でも師匠。ここまで音沙汰が無いのもおかしな話だわ」
「確かにそうねぇ。彼らはきっと貴女を追える自信がお有りなのよ」
「どういう事?」
師匠はなんでも見通した様に語る。確かに追える自信がなければ、門が開く直前になってまで追ってくる気配がないのはおかしいものね。
「瀬兎、何か貰ったものとか無い?」
「沢山あるんだけど…」
私は宮殿での争いで簡易結界にしまった、髪飾りなどを取り出して師匠に見せた。師匠はそれを見て、溜息を吐く。
「はぁ…これは全部追跡の術がかかってる。天空の島に行ったら、全部売りなさい。いい?全部よ」
「分かったわ。元々売るつもりでいたし」
「代わりにこれをあげるわ」
そう言って取り出したのは、片方だけの耳飾り。と、言うかそれ…今どこから出した?結界の中から出したようには見えなかったし…まぁいいか。師匠は何かと不思議な人だから。
「これ、片方しか無いの?」
「えぇ、もう片方は無くなっていたの。けれど、王の眷属の誰かが持っている事に間違いは無いわ。」
師匠によると、この耳飾りは元々王の物だったらしく。付けていた時は、光り輝いていたんだと。片方を眷属に渡した時に、その光は一瞬薄れて、遠くにいる時は唯の金色だったらしい。
「けど、そんな物私が貰っていいの?」
「またそんな事言って…」
師匠に呆れられた。確かにさっきも同じ事を言った気がする。けど恐れ多くて…
「構わないわ。というか、貴女に持っていてもらいたい。私が持っていてもなんの意味もないから」
「…分かったわ」
「…っ!」
急に、芹が辺りを気にし始めた。
「どうしたの?」
「足音がする。流石に長居し過ぎたか。」
先に気がついた芹が警戒態勢に入った。それにしても早い。あれから一日経っているとはいっても、やはり居場所がわかっていた様だ。
「全く騒がしい連中ね。さっきまであんなに騒いでいたのに…」
そんな事を呟きながら私達を地下へ追いやり、師匠は追っ手を出迎える用意をした。霊符と何かの棒を持ったみたいだったけど…
この家には武器が少ない。師匠は鍛冶屋なのに、一体どこにしまっているのだろう。結界の中か?いや、違う。師匠は結界術があまり得意では無かったはずだ。それに、今の師匠は霊力が少ない。あまり霊力を使う事はしないはずだ。
「瀬兎、赤城様の事だから大丈夫だ…きっと」
しばらく私達は地下の入り口にいた。
追っ手は、確認も無しにいきなり家に飛び込んで来る。
師匠が何かで殴った音がした。
「私の家に勝手に入って来るなんて、いい度胸じゃない」
「ここに瀬兎様が居るはずだ」
やっぱり、バレてる…
俺達はもう行ったほうがいいと、芹が私に指示する。
地下へ続いている通路の入り口を芹が岩の術を使い塞いだ。
流石は芹。やっぱり器用だ。これだけ沢山の術を使える者を私はまだ他に知らない。
それからすぐ側で
「ここを通せ、家の中を調べる。」
「何もなくてもお断りするわ」
といった会話が聞こえ、師匠が術の詠唱をすると、争いが始まった。
「さよならだな。しばらくここには戻ってこれないだろう」
「そうね。旅が終わるまで戻れないし、この国の人達も、私を殺す事を諦めないでしょうからね」
「これからの旅はキツくなりそうだな」
「ええ…誰か良い仲間が見つかると良いのだけれど」
「俺達の事に巻き込んじまうしな」
そんな事を話しながら、希望を抱いたり不安になったりと、暗くて長い通路を歩いていた。
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