召喚され、あっという間に殺されることになった魔力ゼロの聖女。チート無双もできるけど、のんびり異世界で暮らすことにした。

SHEILA

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証拠隠滅 1

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でっぷりガマガエルが叫んだ。

「な、な、な・・・これだけの金と生贄を使って、魔力ゼロの無能な万能職を召喚したというのか!このっ、大馬鹿共が!!!!!!!貴様らは即刻死刑だ!!この薄汚い女は、魔の森の魔獣に食わせろ!!異世界人を召喚した証拠を隠滅しろ!!!!!!!!」

これだけで、どれだけこの国が腐っているかがよく分かった。
金、生贄、即刻死刑。
クソが!

私もつい大声を出してしまったけれど、体は震えているけれど、冷静に、客観的にこの状況を見ている自分がいて、自我を手放さずに済んでいる。
魔の森の魔獣に私を食わせろと死刑宣告されたにも関わらず、この場に留まる方が危険だと、第六感が言っている。

私は両脇から兵士に腕を掴まれた。
けれど、先ほどの黒いフード付きのマント?を着た人のように、痛くはされていない。
心なしか、兵士の人たちも震えているように感じるが、フルフェイスの鎧を身に着けているため、その表情は伺えない。

叫び散らしているガマガエルがいる部屋から出て、暗い廊下を通り階段を2階分程上る。
そしてまた暗い廊下を体感で5分以上歩いて、表に出る。

( 夜なんだ。月明かりなのに、けっこう明るいなぁ。)

呑気に空を見ながら歩いていると、厩らしき小屋と馬車が並んでいるところに到着した。

「ノイン!ボラン!陛下の勅命で、今から魔の森に行かなければならなくなった。2の用意を頼む。俺たちはをしてくるから、それまでこの女から目を離さないように頼めるか?」

「御者は必要で?」

「帰れなくてもよければ。」

「分かりやした。」
「急いで準備しますね。」

ちぐはぐなやり取りが気になった。

( なんかの暗号?)

死刑囚を厩番に任せて旅の準備をしようとしている兵士たちに疑問を持ちながらも、成り行きをただ眺める。

「なぁあんた、なんかしたのか?」

背の高い、若い方の男が話しかけてきた。

「なにも。私がされた方。被害者だよ。」

「そうか…やっぱりな。ああ、俺がノイン、こっちがボランだ。」

私は軽く頭を下げて、挨拶する。

「俺たちは準備があるから、大人しく待っててもらえるか?一人で逃げるよりは、に逃げた方が安全だぜ?」

( そういうことか。私はただ出しに使われるのね。)

「逃げないよ。右も左も分からないし。」

「よし。じゃ、この小屋の中で待っててくれ。中の物は好きにしていいぞ。欲しい物があれば持って行け。奥の部屋には服もある。その辺にある鞄や袋使っていいから。マジックバックじゃなくて悪いがな。」

欲しい物があれば持って行けって…そう言えば、私部屋着のままで、何にも持ってないや。靴下すら履いてない。
気付いてしまうと、足が痛くなってくる。
絶対足の裏怪我してる。

ボランと呼ばれた年配の男が小屋に入り、私を手招きした。

「?」

小屋の中を覗くと、ボランは木桶に水を入れ、布を用意してくれていた。

「裸足で辛かったろ。沁みるかもしれねぇが、足ぃ洗って薬を塗れや。お嬢ちゃんに合うサイズの靴はねぇが、なんか履けるもん探しといた方がいい。」

「そうだな。靴だけじゃなくて、服も持ってくんじゃなくて着替えちまった方がいいな。」

2人は奥の部屋に行き、何かをし始めた。

「取り敢えず、この小屋にある着られる物と靴を出しといたから、着られそうなのを選んで着替えてくれ。その後はこの後必要になりそうな物を、鞄と袋に詰め込んどけ。」

そう言って、ノインとボランは馬車を用意するために行ってしまった。
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