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証拠隠滅 9
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雲に隠れていた月が、その姿を現した。
この世界の月は、当たり前のことだけれど、地球から見えたそれと違っていた。
近い形は、土星。
淡く光る球状の月にかかった輪っかが、強い光を発していた。
( さっき見た時は丸い月に見えたのに。あれでも薄雲に隠れていたのか。)
外は城壁の中にいた時よりも、明るくなっていた。
とはいえ、太陽が輝く昼間程の明るさはない。
( え、まさか、これがこの世界の昼間とか言わないよね?)
川から這い上がってきたなにかは、その姿が分かるくらいの距離まで、近づいていた。
「なに…あれ…。」
3メートル以上あるだろう体長。
二足歩行をしているけれど、全身は黒っぽく、月の光を浴びて光っている。
手足が大きく、鋭い爪が見える。
そして、その体の後ろには、太い尾のようなものが見える。
顔は人のものではなく、ワニのようで…なんというか、某有名映画の怪獣を小さくしたような感じだ。
それらが、体には部分的に鎧のような物を身に着け、武器を持っている。
異様な光景だ。
初めて見る魔物に、腰が抜けそうになる。
『リザードマンの群れです。特に大きな種族を呼びました。ニナ様はドラゴンに飲み込まれていただくので、同系統の魔物を呼んでみました。』
呑気に説明するナビちゃんに、何とも言えない気持ちになる。
「うわぁ!魔物の群れだ!!引き返すぞ!!」
魔物に気が付ついたノインが叫び声が聞こえた。
「おい、城に戻るんだよ!早くしろ!城に向かうんだよ!!」
ノインが馬に向かって叫びながら、乱暴に鞭を振るう。
魔物に気付いた2頭の馬はパニックになり、ノインの大声と鞭で打たれ続けたことで更に混乱し、その場から逃げようとして、走る速度を一気に上げた。
「この野郎ども、俺様の言うことを聞け!!城に戻るんだよ!!!」
ノインが怒り狂いながら、鞭を打ち続ける。
ノインの鞭と魔物から逃げようと、馬たちは進路を急に進行方向右側に変えた。
全速力で走っている馬たちによる方向変換は、馬車には角度が鋭角過ぎて、態勢を保つことができなかった。
結果、馬車は勢いよく横転し、馬たちは逃げて行ってしまった。
その勢いで私は馬車から投げ出され、強かに体を地面に打ち付け、動けなくなってしまった。
城壁の方を見ると、ボランが操縦する馬車は上手く方向転換できたようで、城門に向かってスピードを上げて走っていた。
「ボラン、待て!俺も連れて行けよ!!おい、ボラーン!!!!!!!」
その後をノインが必死に走って追いかけている。
ノインは馬車が横転する前に、逃げられたようだ。
GYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAO!!!!!!!
ビリビリと耳に響く咆哮が聞こえた。
空を見上げると、空想の産物でしかなかった、ドラゴンが飛んでいた。
この世界の月は、当たり前のことだけれど、地球から見えたそれと違っていた。
近い形は、土星。
淡く光る球状の月にかかった輪っかが、強い光を発していた。
( さっき見た時は丸い月に見えたのに。あれでも薄雲に隠れていたのか。)
外は城壁の中にいた時よりも、明るくなっていた。
とはいえ、太陽が輝く昼間程の明るさはない。
( え、まさか、これがこの世界の昼間とか言わないよね?)
川から這い上がってきたなにかは、その姿が分かるくらいの距離まで、近づいていた。
「なに…あれ…。」
3メートル以上あるだろう体長。
二足歩行をしているけれど、全身は黒っぽく、月の光を浴びて光っている。
手足が大きく、鋭い爪が見える。
そして、その体の後ろには、太い尾のようなものが見える。
顔は人のものではなく、ワニのようで…なんというか、某有名映画の怪獣を小さくしたような感じだ。
それらが、体には部分的に鎧のような物を身に着け、武器を持っている。
異様な光景だ。
初めて見る魔物に、腰が抜けそうになる。
『リザードマンの群れです。特に大きな種族を呼びました。ニナ様はドラゴンに飲み込まれていただくので、同系統の魔物を呼んでみました。』
呑気に説明するナビちゃんに、何とも言えない気持ちになる。
「うわぁ!魔物の群れだ!!引き返すぞ!!」
魔物に気が付ついたノインが叫び声が聞こえた。
「おい、城に戻るんだよ!早くしろ!城に向かうんだよ!!」
ノインが馬に向かって叫びながら、乱暴に鞭を振るう。
魔物に気付いた2頭の馬はパニックになり、ノインの大声と鞭で打たれ続けたことで更に混乱し、その場から逃げようとして、走る速度を一気に上げた。
「この野郎ども、俺様の言うことを聞け!!城に戻るんだよ!!!」
ノインが怒り狂いながら、鞭を打ち続ける。
ノインの鞭と魔物から逃げようと、馬たちは進路を急に進行方向右側に変えた。
全速力で走っている馬たちによる方向変換は、馬車には角度が鋭角過ぎて、態勢を保つことができなかった。
結果、馬車は勢いよく横転し、馬たちは逃げて行ってしまった。
その勢いで私は馬車から投げ出され、強かに体を地面に打ち付け、動けなくなってしまった。
城壁の方を見ると、ボランが操縦する馬車は上手く方向転換できたようで、城門に向かってスピードを上げて走っていた。
「ボラン、待て!俺も連れて行けよ!!おい、ボラーン!!!!!!!」
その後をノインが必死に走って追いかけている。
ノインは馬車が横転する前に、逃げられたようだ。
GYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAO!!!!!!!
ビリビリと耳に響く咆哮が聞こえた。
空を見上げると、空想の産物でしかなかった、ドラゴンが飛んでいた。
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