私の宝石を探して

ひちゅ

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13.自由に話すということ

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心無きハートレスヘストレード



さすがにもう何年か聞いてないただの悪口

10代の時、侯爵家次男という立場の私に怖い物知らずな同学年の男が勝手にライバル視して付けたあだ名。
もちろん一度として全ての成績を追いつかせる事なく引き離して卒業した

20代前半、魔法クリエイターとして駆け出しの頃にライバルたちが新人を潰そうとひそひそ言っていた。
取引先は私の作った魔法を採用してくれて、実力で地位を確立し、余計な事に時間を費やしてる者たちはいつしか消えていった



コアが無くとも、人々が求める魔法を生み出す事が出来るのだと証明するために
心が無くたって、理解出来るのだとわかってもらうために


そしていつしか消えた、ただの悪口





バシッ!と響いた音と共に腕にあった彼女の手は離れていった、バルトが手をはたき落とした音ではっとして肩を震わせる。

「いったぁ!ちょっと何、えっ!?嘘っ!バルトロメオじゃん!やばっ!!」

「...知り合い?」

いつも穏やかな緑の瞳がいつにもまして輝きを増しているような気がした、返答は無くまるで淑女をエスコートする様に背中をそっと押されながらその場を離れようとする。
後ろから慌てて呼び止める声が聞こえたが、まったく反応をせず無視を決め込んでさっさと馬車でその場を離れた。

馬車の中はとにかく寒い
まるで魔法でわざと氷山と同じ気温にしているのかってぐらい寒い

「いや、久しぶりで驚いたよ、あの呼び方ってまだ使う人いたんだね」

はははっ!と気にしてないアピールを出して笑ってみるが睨まれました。

はい、すみません、黙って大人しくしてます。




***




突然の事でびっくりしたけどバルトロメオ本人にここで会えるとは思わなかったー!
庶民の誰かと友達になるイベントは発生しなかったけど、まさかバルトロメオと会うとはっ!!


「実物かっこよ~~!!今日バルトロメオと会ったから次はきっとディアルデだよねっ!はぁ~~!楽しみすぎるーーっ!」


あれ、でも一緒にいてくれるかと思ったけどと一緒に行っちゃったぞ?
おっかしいなぁ、あの二人ってそんな仲良い設定だったかな?

それに、確か友達がネタバレしてきた時にヘストレードの事言ってた気がする、何だっただろうか?

「ん~~~、駄目だ!思い出せない!まぁそのうち関わってくるよね、次を楽しみに頑張ろー!!」

おー!と気合を入れていたら鎧を着た兵士たちが何人も迎えに来た、黙って出てきちゃったしそうなるよねー。
「聖女さま!!」って大きい声で言うから周りの人たちがヒソヒソしてる~、私が聖女だって広まったらあんまり街に一人で来れなくなるのかなぁ...。

あっ!次はデートで来る事になるのか!?
おしゃれしてこ。




兵士たちが一人の女性を取り囲み去っていくのを何事かとたくさんの人が見ていた


召喚された【聖女】だって~
一緒にいたのって...
喧嘩?
兵士が来てたけど


好きなだけ各々話しながら自然と人だかりはバラバラに散っていく
人の口に戸はたてれないし、何があったかなんて知らなくても問題は無い。今からも明日からも、変わらない日常がやってくると皆分かってる。

変わるとすれば、当人たちだけ


「ぁぅ...おにーちゃん...」


関係があるのは、一部だけ



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