横須賀シャルシャル

始動編

東京湾自然島猿島

日本の東京湾にポツンと佇む自然島「猿島」。ここには5千頭の「いとっつぁん」と呼ばれる猿が住み着いていた。そのいとっつぁん達は大陸より漂流してくる週刊コミックやアダルト雑誌で日本語を覚えて、読み書きできるようになっていた。
古代日本より、猿島は立ち入り禁止の島とされ、多くの謎を残していた。海の上にポツンと存在するその島は自然にとけこんでおり、人々はなんの違和感も感じなかった。故に

「近くにあるっちゃあるんだけど、別に今すぐ行きたいかと言われれば……」

なんて人々に思われつつ現在に至っているのである。

そんな猿島に住んでいる若猿・豪霧シャルー。

「う～ん、この海が、魔物が住む海だととても思えないんだよな～。普通に船通過してるし、それに海が危険なら船で渡ればいいんじゃないの？」

「この大馬鹿者めが！！」

「カサカスババァ！！」

「いいか、シャルー。昔からお主のような馬鹿者が行っては帰ってこないという悲劇を繰り返してきたんじゃ。ワシはこれ以上この様な悲劇を止めなければならないのじゃ。わかるか？シャルー」

「え？」

「海に沈めてもええんじゃぞ？」

「嘘嘘嘘！聞いてたさ。てか海に沈める気があるなら海を渡って帰ってこなくても一匹減る点では同じなんじゃ……」

「屁理屈を言うでない！」

「イテテテ！ババァ！ケツ噛むな！」

（嫌と言われれば言われるほど行きたいよなぁ……）





一方、県立猿須賀高等学校。ここに二人の高校生が何やら悩みながら話をしていた。