カノジョの秘密は俺だけが知っていればいい。

目覚めのショウゲキ

朝、目覚めると真っ先に隣の部屋に向かう。
扉をノックすると「はぁ…い…」と返事がある。

扉を開けた真正面のベッドに今、目が覚めた様子の莉乃がいる。
あぁ、寝起きも可愛いなぁ。
同時にもう一人の存在が……。

「裕志…！お前！」
朝からの大声と俺からの揺さぶり攻撃。
「何だよ。まだ、早いんだろ」
寝起きの不機嫌MAX状態でめを覚ました裕志。
「何で、お前がここで寝てるんだよ」
俺の勢いに呆れた様子の裕志。
「昨日、終電逃したから泊まって良いって言っただろっ」
「良いとは言ったが、この部屋じゃなくてもう1つ奥の部屋にと確認したけど？」
「あぁ、そうだっけ。いつもの部屋に寝ちゃったよ。別にいつもんとこで良いじゃないか」
その後ろの、毛布に包まった莉乃の存在に気づくと、それまで大口語っていた裕志も黙ってしまった。

「莉乃ちゃん泊めてたから念を押したよな」
俺の言葉に、不味いと思ったのか「悪い。覚えてないわ……」
頭を抱えている裕志をそのままに、俺は毛布に包まっている莉乃を抱き上げると自室へと向かった。