夜の冒険者は牙をむく

かぷか

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14 依頼完了


 森を少し散策するとハブウルフの群れを見つけた。目の前に立ちはだかり、辺りを見る。何人か数日前に殺られたであろう人がころがっていた。

「暴れてるな~」

 ソードは群れをロキ達の近くまで引き寄せていた。のらりくらりと交わしながら。

ロキはそれを緊張した顔つきで見ていた。

木をなぎ倒し『ドドダダ!ドドダダ!!』と掛けながらソードを血眼に追いかけていた。

ロキに目で合図を送り討伐を始める。ロキは木々を飛び移りながらソードをしっかり見る。

一匹、また一匹と倒れていく。残り3体になった所でロキが気がつく。


□□□〈ロキ〉

ソードが討伐してる所を見せてくれる!!
嬉しい!

途中何故か薬草を拾ったけど。

「ロキはここ迄、自分で見える場所わかるか?」

「んー木の上?」

の方が安全で見やすい。

「んじゃ、木の上の足場が無くなったら?」

「避けながら追う」

しかないよな。

「それじゃ足りない。ハブウルフから風上に避けて自分の匂いを消してから追え。あいつらは鼻が利くから。後は縄張りの匂いに気をつけろ」

そうか、周りも意識しないとダメだな。ちゃんと考えろ俺!!安易に答えを出すな!

「レイはロキと反対側に居て。連れてくるから」
「おぅ」

「ロキ、しっかり見とけよ」
「はい」

 緊張する。

「じゃあ、探しに行ってきます~」

ソードが行った後、レイさんが話かけてきた。

「おぃロキ!失敗しろ!」

 ちょっと、ビックリしだが頷いた。後でこの言葉をかけて貰った事に凄く感謝した。


そして、初めての討伐が始まる。

来た!凄い足音!

ソードがゆっくり相手してくれてるのがわかる。1匹、2匹……ん?あれって。

あの3匹「親子だ…」どうするんだろう?

不安になる。もしかして、子供だけ生け捕りにして街で飼うのか?

全然ソードが倒さない、親が子を庇いながら威嚇する。倒さないんだ、きっと逃がしてあげるつもり…。

ソードはゆっくり近づいて親を先に殺した。

そして、子供に手をかけようとした時。静寂と共にソードの声がした。


「ロキ」


凄く優しくソードが俺の名前を呼んで、子供2匹を殺した。

子供のハブウルフを見ていたソードと目は合わなかった。

そうだ、俺は討伐に来ていたんだ。

そして、俺の初めての討伐は完了した。


□□□〈レイ〉

ロキは嬉しそうだな。初めてだしそんなもんだな。ソードは薬草依頼受けて嬉しそうだし…討伐と関係ねぇのに。

にしても、ハブウルフなら初心者にもわかりやすいし妥当だよな。どんな風にロキに見せるんだ?ソードからしたら瞬殺だろうに。

まーすぐ終わるか。

と、俺は呑気に考えていた。

 俺とロキはソードが連れてくるハブウルフを待った。当然ロキは緊張してるがいい緊張感だな。

「おぃロキ!失敗しろ!」

 あいつなら難なくソードの言い付け守って見学の優等生出来そうだからな。一応、俺なりの激を飛ばした。

ロキは俺を見て「うん」と言う頷く仕草をした。そーいや、しゃべるなだったな。

お、来たか。

連れて来たハブウルフを見たが俺は早々に気がついた。

これは……そう言うことか。
ロキ、耐えろよ。

 だが、当然日常に起こる現実だ。ソードは数匹仕留めた後、3匹の親子を残してゆっくり近づいた。俺は結果をわかっていたが、ソードはもっと違う事を考えていたと思う。

ロキを見た…そうなるよな。どいつから斬るんだ?…親からだろうな。子供を先に斬ったら更に逆上しそうだし。

……………。

やっぱり、親が先か。

その後は子供2体か、ソードだって動いてるのを同時に3体斬るのは難しいだろうし。順位は着けないといけないな。それは戦術にも大きく関わってくる。

斬るか…………


「ロキ」


俺は何も考えれなかった。まさかあの場で、あの声。まるで、母親が見せる愛情の様な……。

「しっかり、見とけよ」…か。
俺もお前にもっと早く出会いたかったよ。

ふと俺は、この場に居て良かったんだろうか?
ロキとソードの間に入って良かったのか?と思った。

□□□


子供を斬って素材を採取したソードがレイに声をかけた。

「レイ、後ろ頼むな!」
「あ?」

レイが後ろを振り返ると。赤黒い、今までの3倍位あるハブウルフが襲いかかって来た!

「おぃ!!」
「これ、レアハブウルじゃねぇか!!」

「ロキー!!ダッシュ!!!」
「はい!」

「レイの見せ場残しといた☆」

「お前らダッシュしてんのに、何が見せ場だ!!くそぉ、ヤってやるよ!!」

そう言ってロキとソードはレイを残してダッシュで山を降りたのであった。

「レイ、遅かったな」

「うるせぇ!」

「レイさん、ソードありがとう!勉強になった!」

と言って頭を下げた。
するとレイはわざとソードに聞いた。

「何で親から斬ったんだ?」

 結果はどちらから斬っても同じだった。そしたらソードはどこか真っ直ぐ前を見ながら「誰が自分の子供が殺されるところ見たいんだよ」と静かにいった。

それがあっているとか、間違っているではなくあの場の最善を選んだのだとレイは思った。ソードは親を斬った後、間髪いれずに残りの二匹を倒した。ロキは口を噛み締めていた。

「冒険者目指すの辞めてもいいぞ」

ソードが言った。

「絶対やだ」

とロキが言ったので、今回の事は乗り越えてくれそうだなと二人は思った。だからこそ、レイはソードと冒険するにあたり、ロキに話さなければいけないと決心した。

□□□〈ソード〉

 今回のロキの「はい」は結果良かったな。レイがロキに何か言ったんだろうな~。あいつ、優しいからな。

 ロキは殺すか殺さないかを考えていたんだろうな~。それだと、殺さない方がいい。もし、冒険者になるなら、という事が伝わってればいいな。

ロキをその辺の冒険者みたいに、にしたくないな。いっその事、冒険者を目指すの辞めてくれてもいいんだけどなと思ったがロキの意思は変わらなかった。

「冒険者目指すの辞めてもいいぞ」

「絶対やだ」

 そうか。なら、近々話し合うかな。レイには感謝だな。多分ロキはレイのお陰で持ちこたえる事ができたな。俺だけじゃ役に立てなかったな。今度、お礼の言葉かけよ。

 そーいや、レアハブウルの討伐も一緒に受けといて良かったな~!これで3つとも完了だな!次回、夜とか連れていきたいが中々厳しいな。

夜こそ一緒に行って見せてやりたいのにな。
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