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16 ロキの心
いろんな意味でロキの岐路になってしまった後、ロキは水を得た魚のように生き生きしていた。半ば、もういいかと話を終わらせようとしたソードが最終確認をした。
「はぁ…でロキ、本当に冒険者になるんだな?」
「なります。ソードが嫌がってもなる」
「嫌がってはないよ、そう決めたなら歓迎する」
「レイにも言ったが、俺と組むには条件が3つある。1つ目、護衛はしない 2つ目、早く大人になろうとするな 3つ目、俺の死に方に口出すなの3つだ。できるか?」
「はい」
「それができたら、成人になった時お前と組んでやる。約束する」
ロキが満面の笑みを浮かべソードに抱きつく。弾みでベッドに倒れ込んだ。
「すげー嬉しい!ちゅ」
「「!?」」
ソードの唇はロキの軽いキスに奪われたのだった。
「好きならしていいよな!」
ソードはビックリしていたが一番ビックリしたのは隣にいたレイだった。ロキの恋愛スイッチを付けた挙げ句、自分がソードを好きと見せ付けたにも関わらず全く意味がなかったのだと思った。
「趣味悪いぞロキ」
と不機嫌そうにソードは言ったが、今のロキには全く意味がなかった。
□□□〈レイ〉
ロキの興味はすっかり恋愛モードに入ってしまった。そのうち熱も冷めるだろうとソードは思ったがレイは全然違った。
どうして、こうなった。
初めから、ソードが好きだから一緒に冒険行く事認めてくれと話せばよかった。二人の仲を見て俺の口からソードと組むことをロキには話しておきたかったんだが。
ソードが話の途中に「ありがとう」なんて俺を優しい目で見るから言いそびれた。
いや、言い訳だな…。
あれは何のありがとうだったんだ?
……それよりも
「俺、ソード好きになればいいよな?」
には、驚いた。
確かにソードを気に入ってたし好きなんだと思ったが。この好きとあの好きは違うはずだっだ。さっき迄は!
なのに、なんでだ…俺がソードを恋愛的な意味でって言ったからか?わからん。
決定的なのはあのキスだ。恋愛対象じゃないと口にキスはできないだろうし。
年上に憧れなんて良くあるがロキは違うみたいだしな~それに俺の事気にならねぇのか?あの年なら独占欲の固まりだし他の奴と居るの見ただけで目くじら立てるはずだが。
しかも、俺の前で軽くだけどキスしてたし。恥ずかしいとかもあまり無いみたいだな。最近はこんなもんか?
てか、何で恋愛スイッチ入った!!
と1人悶々と考えていたレイだった。
□□□〈ロキ〉
てっきり冒険者になるなって言われると思ってた。お前には資格がないと。だけど、そうじゃなかった。
「俺、死ぬかもしれないのに?」
と言われた時は怖かった。そうだ、ソードだっていつか死ぬ。その時俺はどーしたらいいかわからなかった。何の為に生きていこうって真っ白になった。
そうしたら冒険者でいる意味なんてない。なのに、じゃあレイはソードと何で居れるのか知りたかった。冒険者だからか?やっぱり、大人だから?
「違うぞ。それは俺には確固たる理由が有るからだ」
なんだよ、何があるんだよ!
「俺、こいつ好きなんだ。恋愛的な意味で」
はぁぁぁぁぁぁ!?
「確固たる理由だろ?」
何だよそれ!!!俺だって好きだよ!でも、でも
「ソードが死んだらどーすんだよ!」
目的も、冒険者でいる意味だって無くなるのに!
「どーもしねぇよ。そんなの死んだってずっと好きでいるから、いいんだよ!お前に足りないのは好きな事なんだよ!」
………………どーもしない。
死んだって好き。
俺に足りないもの。
好きな事。
「…ソードも好きなの?付き合ってるの?」
好きな事……だけじゃなくてもいいよな?
「うーん、わかんない。付き合ってはない」
例えばソードの意思を繋げたら…ソードが残そうとしてる物を俺が受け継いで誰かに繋いでいけたなら死んだあとも残せるよな。俺、それなら確固たるものにできるよな。
そしたら俺…もっとソードの事今以上に知って、好きになって
…あれ?
これって愛ってやつ!?
「ソード、俺、凄い閃いた」
「「閃いた?」」
「俺、ソード好きになればいいよな?」
「「は?」」
俺は、たった今ソードを好きになった!!
ロキだって学校行っているから付き合った子の一人や二人はいたことある。どれも、本当の好きではなかったが。好きと好きが違うことも分かっていた。
ソードの事は今までどの位置にもなかった。親?兄弟?保護者?すべて答えはNOだ。強いて言えば師弟だがこれもしっくりはきていなかった。ロキは「ソードはソード」と言う位置にいたからだ。彼をそうさせたのは勿論ソード本人。
ロキは彼が自分を「ロキ」として扱ってくれた。子供扱いでもなく人格を否定する事もなく。だから彼もまた「ソードはソード」となった。
好きか嫌いかで聞かれたら好きに決まっている。その好きはソードといると楽しいが半分以上を占めていた。ただ楽しい、ただ居たいだけじゃ駄目だと突き付けられた。
そして、レイに好きを見つけろと言われ衝撃をうけた。更にレイの好きがソードだと知り自分の8割以上ソードでいっぱいだった頭は、好きなソードの意思を受け継ぐという答えを導いた。
その為には更にソードを知りたいと思ったのだ。自分の知らないソードが無いように。
そうしたら、ただの好きではいられなくなってしまた。
頭の中の世界が大きく変わった。
今まで感じていた事がすべてソード愛で溢れたロキだった。ロキは初めて人を好きになった。
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