夜の冒険者は牙をむく

かぷか

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28 決まり


 ヒューズを出て一週間経ち、あと二日ほど泊まればロキのいるサルノに着く。今はグリーンセルにて野宿中。

「なぁレイ」

「ん?」

「何かしたいことないの?」

「あー前もいってたな、そうだな。具体的なのはまだないかもな。あ、ニケに会ってみたい」

「ニケ?多分大丈夫だと思うけど」

「やった、ありがと」

「お前のそれ、早く楽になるといいな」

「?」

「ロキ、何してるかなーお菓子どれがいいかなー」
「ロキも甘いの好きなのか?」
「知らん」
「は?」
「多分好きだから大丈夫」
「嫌いだったら、苦痛じゃん」

 帰ったらロキに聞こう。ソードの噛み合わない会話はレイにはいつもの事かと流されたのだった。

「てことで、これ温めてくれ」
「……。」

「このお菓子温めた方が上手いんだ!焦がすなよ!この中身だけいい感じに温めて!」

「いい感じってなんだよ!曖昧すぎるわ!」

 そうしてまた、レイは汗だくで上手くお菓子を温めるのだった。


サルノに着いたソード達は学校が終わるのを待ちロキと再会した。

「ソード!レイさん!」

 ロキは相変わらず元気に二人を迎えてくれた。そのまま、ロキを連れ三人で宿に向かった。レオに来月と言われていたため今回の一番の用件を伝えるべく、荷物を置いたロキにソードはすぐに話しかけた。

「ロキ、すぐ話がある」
「いいよ」

「ヒューズに一緒に行かないか?」
「いいよ」

「まだ内容話して…」
「いいよ。ソードが考えてくれたことだし」

「待て、話すから。それから答えろ」
「うん」

「ヒューズのガルシアにある剣術訓練学校覚えてるよな?」

「……。」

 そう、ロキは一度ここへ行くのを断っていた。断ると言うより拒絶したのだった。ロキと出会って間もなく、ここへ行く提案があったのだがロキが激しく嫌がったのだ。ソードは悩んだ挙げ句、もう一度ロキにこの話をもちかけた。

「レオもそこに居るの知ってるよな。で、冒険者になりたいのに剣術学校が微妙なのはわかるが。出来ればレオの元にお前を預けたいと思ってる。行きたくないのは知ってるから、ただレオならお前の力を最大限引き出せると思う。もし、今のままがいいなら俺は変わらず会いに行く」

「……。ほら、やっぱり話聞いても変わらなかった。いいよってば」

「いいの?」

 あまりにもアッサリ了承を得たので、少し拍子抜けしたソードだった。

「確かに前は嫌だったけど、今は全然嫌じゃないかな。寮生活になるんでしょ?別にいいよ。それに、一緒にって事はソードも行くんでしょ?」

「行く。隣のグースって街に家があるからロキが卒業するまでそこにいる予定」

「え!本当に!休みは会いに行っていいよね!」
「まぁ、許可がでたら」

「やったー!すぐ行きたい!」
「そしたらすぐに手続きする。一応レオには行く前提で話を進めてた」

「そんなに行って欲しかったの?」
「まぁ、そうかな…」

ソードの珍しく照れた顔にロキはビックリして、抱きついてキスをした。

「ソードかわいい!」

「待て、それでレオの推薦で入るから身元引き受けが俺からレオに変わるから。一時的に」

「は?嫌だけど」

えー!
ロキさんそこですか?

「レオのが格式高いし、あそこに入るためにはレオの後ろだてがいるんだよ。レオなら能力も名声も間違いなからスムーズに進む」

 そう、今までずっと身元引き受けはソードとなっているため一時的にも抜けるのがロキには嫌でしかたなかった。書面上別の人の名前が割り込む事になるからだ。

「やだ」

「ロキ…」

「……。」

 駄々をこねるがソード困り顔。困らせたくないロキは考えた。

「………わかった。そしたら卒業したら外していいんだよね?そしたら、ソードのに入るから!」

「あ!?」

レイはすぐに察した。

「ちょっと…待て!」

「いいよ」

「やった!!!じゃあ、行く。ソード大好き!」

「おい!ソード!!」

「?」

「バカ!」

 ロキは上機嫌、レイは怒っていたがとりあえずソードはレオに報告とロキの転移手続きの書類などのため部屋を出た。
 
 ちなみに身元引き受け書類に名前を書くのと、家名に入るのは別な事にソードは気づいてないのでした。

□□□

 ロキとレイが二人きりになるのは初めてではない。前にも2回ほど二人になる時はあった。が今はこの状況、話すことは一つ。

「ロキ、お前さらっと結婚とりつけようとしてるな」

「まぁ、レイさんもきっと同じような、てかそれ以上の事してるはず。1ヶ月何も無いわけないですから」

意外とロキの鋭さにレイはぐっとなる。

「はぁ…確かに。俺も結婚したいって話したが返事はもらってない。てか、ソードの話どこからしたらいいんだ。いろいろ有りすぎて…」

「順にでいいです。何でも聞きたいです!」

 そうして二人はソードの話を本人が帰るまで続けた。レオに会った事やニケの話、やはりロキもたまに見るソードの唐突な行動には引っ掛かっていた。レイはロキに聞きたい事をこの際だと聞いてみた。

「なぁ、ソードの目みたことあるか?」

「?ありますけど。黒目ですよね」

「そうか、お前も見たこと無いのか」

「?」

「一度だけ、一年ぐらい前に見たんだが焔色の目をしてたんだ」

「そうなんですね」

「本人にも聞いたけど何でなるかわからないらしい。俺もその一回しか見たことない」

「うーん、何かきっかけありそうですが」

「そうだな。まぁ、無いならいいや。俺はそれに見惚れてソードを探してたんだが、今はそんなの関係なく好きなんだけど。それより、焔目をそのうち見るかもしれないと思って。その目のせいで昔、嫌な事もあったみたいだ。狙われたり、追われたりするかもって一応ロキに話しておこうかと思って」

「わかりました。気をつけて見てみます。ありがとうございます!いろいろ教えてくれて」

「レイさん、俺からも話が」

「ん?」

「今までの話からすると、レイさんソードとやりましたよね?」

あ、バレた。
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