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44 レオとロキ
訓練学校にいるロキは忙しく日々の生活を送っていた。
「そーいや、この間ソードきたぞ」
「え!?」
「お前に会いに来たけどいなかったから、俺んとこ顔出した」
「エー」
「まぁ、仕方ないな。また来るだろ~よっ!と」
「ぐぅはぁっ」
只今レオと手合わせ中のロキは、普段は力を抑えて訓練を受けているのでこうしてたまにレオと太刀合わせしていた。
ソード以外の人とおもいきり出来る太刀合わせは楽しかった。レオはソードとは違い、キリッとした太刀筋で重圧な分しっかり止めないと中まで響く。
「なんだ、もう終わりか?」
「まだ…全然ですけど!」
「いいね~」
「レイさんも元気でした?」
「いや、ソードだけきた。今、レイは自国に帰ってんだとよ」
ブンっと回しながらロキの肩にレオの剣が飛び込む。重い剣に手がしびれる。
「うぁ!危なかった~そうですか」
「今のいい感じだ。いいのか~レイにソード任せて」
「何がですか」
「レイにとられちまうかもよ~アイツは大人だしな!ははは」
ロキを煽るように言った。
「大丈夫ですっっ、よ!」
「なんだ、煽りにのらないのか?」
「のりませんよ、レイさんいても俺はソードから離れないし、多分レイさんも一緒ですよ」
「なんだそりゃ」
キンっと高い音が鳴る。
「いいんですよ、ソードが決めるから」
「へぇー」
相手を思いやるなんてだいぶ変わったな。こいつはもっと、幼くてとげとげしたイメージだったがな。
初めて出会ったのは、ソードが孤児のロキを拾ってきたんだよな。殴られた跡もまだ残ったままでさ、誰も寄せ付けない感じの子供だったな。
たまにソードから話しは聞いていたが、悪いがこいつがちゃんと育つなんて全然思わなかった。孤児上がりの年もそこそこいった奴が、素直に人の言う事を聞く筈がないと思っていた。しかも、ソードから全然離れねぇから甘ったれだとずっと思ってたぐらいだ。
ソードの野郎ももっと厳しくすりゃいいのに、と思っていた。アイツが育てると言ったから口は出さなかったが正直ダメだと思ってた。
なんなら俺が育ててやろうとも思ってたんだよな。だが、ロキはソードといる事を望んだんだ。ソードはどうやってロキを育てたんだ?
「なぁ、ソードどんな感じなんだ?」
「?」
「お前といる時」
「普通ですよ、お菓子食べて。会話して。できる限り俺といる時は一緒にいてくれたりですかね」
「普通だな」
しかも、たった1、2年でこの強さ。どう教えたんだよ。
「手合わせは?」
「まー似たような事は…しま、したよ!」
右下から鋭い剣先がレオを狙う。
「ただ、手合わせってあんまり言わないです。成果を見たいって言ってました」
「へー」
何が違うんだ?
「手合わせは手加減ありきだから嫌だって」
「へー」
ロキは手を休めない。
んと、こいつタフだな~なら、俺も成果ってやつみてみるか。ソードと何が違うんだろな~
「ロキ、俺にも成果見せてくれよ」
「良いですけど、レオさんとは初めてだから成果になるんですかね」
「はは、そうだな。その考え方ソードそっくりだな!」
「えー」
ロキはそう言うと、ソードがこの間自分に見せてくれた一線の太刀を試してみようと構えた。
「いいぞー」
レオに斬りかかりながらあの時を思いだし、見よう見まねで剣を振り始めた。
確か、スピード上げて斬り込んできて。こんな感じだけどもっと早かったはず、今の俺はこれが精一杯。
で、相手から目を離さず…横一線に…
シュッ
おいおい、なんだよそのスピードは。何だ、何をしてくる気だ?
!?
キィィーン!!!
「あ、やっぱりあんまり上手くいかなかった」
…………何してくれてんだよソード。
「ロキ、これは?」
ロキの剣がレオの首に入り込むように向かっていたが、レオはしっかりと防いだ。
「ソードがこの間俺にやったやつ。見よう見まねですけど」
「はっ…ははは」
こいつは、やべぇな。なんて事教えてんだよ。いや、こいつが自分から学んだのか。ソードと一緒にいたい一心で。
「んーダメでした?」
「ダメじゃねぇよ、いや未完成なのはあれだが」
「ソードに成果見せるの楽しいか?」
「楽しい」
「そっか、じゃあ次回から俺にも見せてくれ」
「いいですよ」
ソード、全部取り消しだ。ロキはちゃんと成長してるし、しっかり自分も持ってる心配いらねぇよ。なのに俺にそんなロキの世話を見させてくれるのかよ、クソ。しっかり最後まで見てやるよ。
「てことで、まだやるぞロキ」
「うわぁ…レオさんタフ過ぎる」
そうしてロキはくたくたになる迄レオにしごかれたのだった。
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