夜の冒険者は牙をむく

かぷか

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52 冒険者(仮)


 仮プレートを手にはめ、冒険者見習いとして待ち合わせの討伐依頼所に行く。

 そこには三人の冒険者が待っていて、お互いにプレートを確認し討伐へ向かう。何のどんな依頼かも一通り教えてもらい、依頼を受け終了後また受け付けに戻り報酬を貰う。見習いといっても冒険者と流れは変わらず報酬もある。実践と同じ流れをすれば、成人になった時すぐに独り立ちできる。違う事といえば200回の実績のうち半々で昼と夜の討伐を受ける事と下級討伐しか受けれない事。

 討伐には下級、中級、上級と分かれそこから更に細かく分かれている。また、条件や実績により受けられるものも違う。

「へー民間の依頼は受けた事あるんだね」
「はい」
「じゃあ、流れは何となくわかるかな?」
「そうですね」
「そかそか、まぁ受け付ける場所が違うだけだしね」

 民間の依頼を受けるのは孤児かお小遣い欲しいという若い子が多い。また、民間依頼をしたことない=金持ちだとわかる。

「初めの討伐はそんな大変じゃないからさ、今日も捕獲だしね。討伐といっても、魔獣捕獲にサンプル採取も含むだからさ」

「はい」

「討伐じゃなくてがっかり?」

「いえ、これも仕事ですから」

「「お~」」

他の二人の声が重なって出た。

「君なら大丈夫そうだね、皆初めは討伐したがるんだよね。俺もそうだったし」

「「だな」」

「そうですか」

 この後、三人はロキを気に入ったのかいろいろ教えてくれた。捕獲依頼より三人の雑談、特に恋愛話に釘付けだった。ロキはそれをできるだけ沢山吸収した。

 学校に帰り報告書をまとめ午後からまた討伐を受けに行く。ソードがロキにアドバイスをしていた。討伐は失敗してもいい、ただ組む相手を足先から頭のてっぺんまで観察しろと。それが身を守るのに使かえるからだと話していた。

 今日の三人は中級と上級前半をしてる感じだったな。年はソードより多分上、腰に短剣だけどかなり短い2本だったな。あれは毒が塗ってあったのかな…

今度ソードに聞いてみるかな…てか、あの人達の恋愛歴酷かった!大人になるとああなのかな?

 これが普通なのかと感じたら、ソード好きになって本当に良かったと思うロキだった。

 ロキの討伐訓練は順調で、余った時間を剣術と調べものに費やした。1日に2件しかこなせない討伐はほぼ毎日繰り返した。それを半年も続ければ実績は達成できる。こればかりは皆同じで、地道にこなす以外近道はなかった。 

□□□

 順調に実績を積んだロキは今年の夏の休暇はソード達と過ごそうと思っていた。去年はやりたい事が山ほどあり遊んでいられなかった。

報告書を提出するためロキはレオの部屋に来ていた。

「全部の休暇ではないですがソード達と過ごします。レオさんはどうするんですか?できたら剣術みて貰いたいんですが」

「あ~そうか、じゃあ俺もお前に合わせるよ。特に用事もないしな。後半の休みからどうた?」

「大丈夫だと思います。学校戻ったら伺います」

「どっかいくのか?」

「ソードの友人のニケさんに会いにと、レイさんの友人にも会いにウェザーに行く予定です!」

「そら楽しみだな」

「はい!ソードからの伝言でお前も来たいならきていいぞ。だそうです」

「いかねーよ」

「だと思いました。伝えておきます」 

苦笑いをしてロキはレオの部屋を後にした。

「俺も行けるならそっち行きたいがな~さて、準備するか」

□□□

 ヒューズ国の最大の建物、クイーンヒューズ城。そこには王家の人達が住む。この国の王はジオル=ネオン=クイーンヒューズ。代々この国を守り権力を固持している。この王には4人の子供がおり、その王の跡継ぎが第1王子のレグルス=ジオル=クイーンヒューズである。

 ヒューズ学校を修業後、王子として国の運営を任されていた。その豪腕は学校時代から有名で、今の王を上回ると噂されていた。しかし、その豪腕が過ぎる政策でしばしば黒い噂も絶えなかった。

「よう~レオ久しぶりだな」

「お久しぶりです。レグルス王子」

城の中にある王子室、広い部屋に豪華に装飾された本棚に大きな机と椅子。その椅子に座るはこの国の王子でもあり、レオの友人でもあるレグルス王子。
  
「あーいい、かしこまるな。やっと、来てくれるんだからな~待ちに待った」

「ありがとうございます」

「もう、いいだろそれ。手紙の通り、お前に頼みたい事ができた」

「そうか」

…………………………

「てことで、お前に頼みたい」

「わかった。来年1期1月から正式に引き受ける」

「まぁいいだろう、部屋も用意してやる。一期からって言うお前のワガママをきいてやるよ」

「じゃあ、ワガママついでにもう一つ。お前らから一番離れた部屋にしてくれ」

「はっはっは、わかったよ」

「ありがとうございます。じゃあ、俺はこれで行く」

「なんだ、もう行くのか」

「これから、いくらでも会うだろ」

「確かに。じゃあ1期からな」

「わかった」

バタンとドアが閉まり足音が遠くなった。

「リヒトおいで~話終わった」

近くの扉から可愛らし男がでてきた。

「はーい」

「レオがようやく来る」
「レグ嬉しそう」

「大分待たされたからな。何であんなに渋るのかわからん。俺のが大事だろ」
「あはは、どうしても見届けたい生徒でもいたかもね」

その男を自分の膝の上に乗せキスをする。

「なんにせよ、これでお前との時間が更にとれる」

「んっ…」

 豪華な椅子の上で揺れ動く二人の姿をこの城で知らないものはいない。
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