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64 成果
厳しい冬季も終わり暖かい季節かやってくる。学生達は各々の職に就き成人となる。学校を惜しむ者、新たな生活を待ち遠しいと思う者。
ロキの学校生活もあと数日で終わる。
「とりあえず荷物全部、新しい家に運ぶ手配しとくな」
「はい、すみません手伝ってもらって」
「三人だから早いな」
ソード達はロキの寮の明け渡しの為、荷造りを手伝いに来ていた。綺麗に整頓されていて殆ど手間はかからなかった。
「ロキ、友達とかいいの?会ってこいよ」
「成人職の式に会うから大丈夫です。それに、すでに職確定の人は見習いで就いてる人もいるし皆には式でしか会えないですね」
「へぇー今そんな感じなんだ」
「はい」
「俺の時まだギリギリみんないたな。てか俺、式でなかったし」
「「え!?」」
「どうやってプレートもらっ…まさか偽造か!?」
「違うわ!俺、落ちこぼれだったから2日ぐらい遅れて貰いに行ったんだよ。だから、式も行かなくていっかって。ちゃんと2日後だけどもらってるからな!ちなみに、学校の単位がダメだっただけだから!」
「「……。」」やっぱり、変わってる
「無言になるな、いいんだよ!ちゃんと職についたから!」
「レオさんにそこら辺詳しく聞きたいです」
「だな」
荷造りも終え、三人は恒例となりつつあったレオの部屋に着いた。レオの扉は半開きになり中からはガタガタと音がしていた。一応ノックをして入る。
「レオいるか?」
「おう、いる。勝手に入れ」
荷物の山から声がした。三人はかき分けながら入った。
「すげぇな、この荷物。全部お前の?」
「まーそうだけど、資料は捨てないといけないから半分以上は無くなるな」
「質素なイメージでしたがどこにこんなにもあったんですか?」
「俺もそれ知りたい。お前ら丁度いい、手伝ってくれ!」
「えー」
ソード以外は二つ返事で片付け始めた。袋にどんどん要らないものが詰められドアの外に出された。
「どんだけあんだよ!」
「今までの生徒分だからな~結構ある」
「そーいやレオ、ソードが成人職の式に行かなかったって本当?」
「あ?そーいや、そうだったな。探しても居なくてよ。ニケに聞いたら単位ギリギリで2日後にくるって聞いて二人で笑ったな」
「「本当だったんだ」」
「んで、ソードが認定証貰いに行く日にニケがついてくって言うから待ってたんだが。コイツが証書貰い終わって、俺が式だけでも来れば良かっただろって言ったらコイツなんて答えたと思う?」
「「??」」
「人が多いから嫌だってよ。式だぞ成人職の式!」
二人は大笑いした。
「ニケも大笑いでさ、俺は呆れてたの思い出した」
「なんだよ、いいだろ」
「本当、お前ぐらいだよそんな事するやつ。俺の生徒にも今まで一人もいなかったぞ」
「いいんだよ!」
四人はソードの学生時代の話で盛り上がった。
「あー終わった~間に合った。ありがとな三人とも」
「「いいえ」」
「レオお前この後は?」
「何もない」
「じゃあ、ロキの成果見たいから第四行こうぜ」
「いいな!」
「はい!」
第四訓練所
ソードとレイが見守る中、レオとロキは剣を握り構えていた。
「始め!」
ソードが声をかけると二人は剣を振った。ロキがここに来て約二年半。あっという間に過ぎた。
来年からは誰一人この場所には居ない。ロキがレオに全ての集大成を見せる。ソードはロキの成長を余すことなく見届ける。レオにロキを任せて本当に良かったと感謝した。
ソードからロキを預かって二年半か。早かったな、コイツはこんなにも成長したのか。ソードがロキに何を渡したのか最近ようやくわかった。こいつはしっかりそれを受け取っていた。ロキは俺にもそれをさせてくれた。
こんなにも、こんなにも人を育てる事の喜びを感じたのは初めてだ。ずっとお前は無償の愛を持って育ててたんだな。俺もやっとわかったよ。最高に教えがいのある俺の一番の愛弟子だ。
キン!と一際大きく鳴り響く。
「ロキ」
剣がロキの目の前に来る。決着はついた。ロキはポロポロと涙を流しながらレオに言った。
「レオさん…」
「二年半お世話になりました。ありがとうございました」
レオは剣を納めた。
「まぁまぁ、だったな」
とニコッと笑った。
ロキは「わー」溢れる涙を押さえることができず号泣してレオに抱きついた。もう、朝の稽古も手合わせも成果もレオにはみて貰えない寂しさと、今まで自分に注いでくれたレオの愛に感謝した。
「いいのか?」
「あ?」
「レオにロキとられちゃうかもよ?」
「いいんだよ」
「俺はロキがどっち選んでもいいけどな」
「ふんっそしたら、レイ選ばないからいい」
「は?何でだよー」
「ロキ優しいからロキがいい」
「お前、前々からロキに甘いよな!」
「同じだろ」
「いや、俺には冷たい!俺にも優しくしろ!」
「なんだよそれー」
こうして、ロキの成果はしっかりと三人に見届けられた。数日後、ロキは認定証と冒険者プレートを受け取り学校をでた。レオは皆が学校を出たのを見届け後、この国で一番権力のある建物に向かった。
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