79 / 130
79 レイの家再び ⑦
「何いってんの?」
レイの突然の発言にソードは遂にレイが壊れたと思った。
ロキとレイは胸を撫で下ろす。この安堵で二人が何やら心配していたと察した。
「いや、違うならいい。けど…さっきのは…何て言うか」
「俺も、ちょっと違和感が…勘違いなのかもしれませんが…」
「何て言うか、男の勘」
「ですね」
「ふーん」
「本当に何もされてないよな?些細な事でもなんでもいい。何かないか?」
ソードは強いて言えば研究室に置いときたい的な事を言われたぐらいと話した。
「レイさん…やっぱり…ちょっと確信はないですが」
「そうだな…ただ、既婚者だし俺達のだとわかってるはず。それに信仰に反するから」
「へぇ~そうなんだ」
「ああ、うちの信仰は清い男女交際に結婚。離婚も基本認められない。後、自害も。他にもいろいろ細かいのはあるけどな。浮気なんてもっての他だがどこまでそれをバカ正直に受け入れてる属がいるかは別だが。親父は信仰が強いから絶対背くことはしないはず…」
「へぇ~」
「そんな事したら、自分の尊厳が揺らぐしな…」
「勘違いですかね?ならいいんですが、すみません疑ったりして」
「いや、いい。可能性はある…てか、間違いであってほしいし。考えたくない」
「ですよね…」
ロキは苦笑いした。
「ふーん。とりあえず、俺は風呂にいく」
「「俺も」」
「三人狭いだろ!!」
「「いいの!!」」
念のため体も調べたが何もなく二人は安心した。更にベタベタと体をお触りする二人にソードは出ていけと追い出した。
ルーベンがあっさり三人の結婚を認めたのは、より自分とソードの仲を他の人の目から離れさせようとした為だった。密約を知られまいと注目をそちらにすり替えようとしていた。だが、そんなルーベンの思惑はすぐこの二人に見破られたのだった。
寝る準備をしていたらドアをノックされる。
「ソード君いるかな?」
声の主はルーベンだった。
警戒してレイが出る。
「何、もう寝るから」
扉を少しだけ開け中があまり見られないようにした。大した用事でなければその場で断るつもりだった。
「いや、明日も研究室にきて欲しいなと」
「断る」
「ソード君と話したい」
「ダメだ」
「お前はいつからそんな独占欲の塊になったんだ。ソード君はもう、うちの家族じゃないか」
「どの口が言うんだよ、ソード殺そうとしたくせに。ソードはお前の家族じゃない」
「はぁ~ソード君は約束は守る筈だ」
それを聞いてレイの後ろからヒョイっとソードが顔を出した。慌ててそれ以上は踏み込ませないように手でガードをした。
「わかりました。伺います」
「おい!」
「流石ソード君、話がわかる。明日、昼前ぐらいにきて欲しい。じゃあ、おやすみ。湯冷めしないように」
「はい、わかりました。おやすみなさい」
バタンとドアを閉めた。
レイはすぐ鍵を閉めソードを抱えベッドに下ろした。
「なぁ、俺達スゲー心配してんだけど」
「でも約束したからな」
「「はぁ~」」
「わかるけどさ~今のお前見られるのすら嫌だったんだぞ。今日みたいに起きてからじゃ遅い」
「レイさんの心配も察してソード」
「レイに良いこと聞いたから大丈夫」
「未遂でも、絶対嫌だからな」
「それは、知らん」
「だー!!ロキ何とか言ってくれ!!」
「ソード、俺も未遂でも許さないから!」
「未遂ってどこまで?」
「あ?」
「言ってくれたら、そこで拒否かけるから教えて」
「「うーん」」
意外と難しい質問だった。触れるのはどこまでいいかとか具体的に言うのがなかなかできなかったが最低限、自分たちが許せる範囲を話した。
「まぁ、こんな感じ」
「わかった。ちなみに、明日一人で来いとは言われてないからお前らも来る?」
「「行く!」」
次の日
研究室に出向いた三人は昨日レイが壊したドアを横目にルーベンの部屋に入った。ルーベンにとって三人は予想外だが素直に向かい入れた。
研究室は透明な部屋がいくつも連なり、各々研究に勤しんでいた。中には暗室のような部屋もちらほらあったが20部屋以上を管理していた。
「ようこそ、ロキ君は初めてだね」
「はい」
「どうだい?」
「驚きました。凄いですね」
「うんうん、ウェザー1だからね」
説明を終え好きに見ていいと言われ部屋を見渡しソードはコレクションへと近づいた。ルーベンがそこへ来て説明をしだした。鍵のある棚を指差してあちらの部屋の奥に入った物は更に貴重だと誘導した。
古い棚に飾ってある物を手に取ろうとしたら先に取りソードに手渡した。
「ありがとうございます」
「それは、3深層に居たレア魔獣で古いものだ。まだ、生息していると聞いた」
「そうですか」
レイとロキからは少し視界の悪い位置になる。説明しながらソードの肩に手を乗せ親指ですりすりと肩を撫でる。
「次のを」
と言い、目の前にある瓶をソードが取ろうとしたら「それより、こちらのを」と肩に置いていた手を伸ばして取った。ソードはルーベンの体にすっぽり隠れる形になった。説明する振りを混ぜながらルーベンが囁くように話しかけてきた。
「私との時間はとれそうかな?」
「今ではないんですか?」
「今は研究室だ」
「そうですか」
「この後食事でも」
「食事だけなら構いませんよ」
「では、食事を」
ソードの手をゆっくりなぞり肩から腰に手が回ろうとしたその時、後ろから低い声がした。
「何してんだよ」
ルーベンはドキッとして手を引っ込めた。
レイがすぐに自分の元にソードを引き寄せた。
「魔獣の説明だよ。それとこの後二人で食事に行く約束をした」
「あ?ダメに決まってるだろ。何でそんな約束すんだよ」
「レイ、食事だけだ」
「じゃあ、俺達も行く」
「二人でゆっくり話しをしたい」
「ね、ソード君?」
「はい」
優しく笑いながらソードの顔をみた。レイはすぐに自分の後ろに隠して見えないようにした。
「だから、ダメに決まってるだろ」
「レイ、わかってないな。ロキ君もいるだろ、二人が別行動をしたらどっちに行くんだ?今も一人だろ」
レイから離れた場所にいるロキに目を配りルーベンは薄く微笑みかける。
ロキをずっと見てればソードを見れない。ソードを見ればロキが見れない。ソードが言った言葉がよぎる「お前は全力でロキを守れ」
クソ、結局こうなるのか。
「ロキといる」
「なら、ソード君と私は食事を。ちゃんと返すよ」
ルーベンはソードの手をとり勝ち誇ったかのように連れていった。出ていくソードはニヤリとレイを見て笑った。まるで、よくやったという顔だった。レイは訝しげな顔で二人を見送った。
「レイさん…追いかけますか?」
「いや、逆にソードが危なくなる。部屋にもどるぞ。それに、何か策があるみたいだった」
二人は部屋に戻って時間を潰していると2時間ほどしたら戻ってきた。
あなたにおすすめの小説
邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ
零
BL
鍛えられた肉体、高潔な魂――
それは選ばれし“供物”の条件。
山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。
見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。
誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。
心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。
番を拒み続けるΩと、執着を隠しきれないαが同じ学園で再会したら逃げ場がなくなった話 ――優等生αの過保護な束縛は恋か支配か
雪兎
BL
第二性が存在する世界。
Ωであることを隠し、平穏な学園生活を送ろうと決めていた転校生・湊。
しかし入学初日、彼の前に現れたのは――
幼い頃に「番になろう」と言ってきた幼馴染のα・蓮だった。
成績優秀、容姿端麗、生徒から絶大な信頼を集める完璧なα。
だが湊だけが知っている。
彼が異常なほど執着深いことを。
「大丈夫、全部管理してあげる」
「君が困らないようにしてるだけだよ」
座席、時間割、交友関係、体調管理。
いつの間にか整えられていく環境。
逃げ場のない距離。
番を拒みたいΩと、手放す気のないα。
これは保護か、それとも束縛か。
閉じた学園の中で、二人の関係は静かに歪み始める――。
【完結】エデンの住処
社菘
BL
親の再婚で義兄弟になった弟と、ある日二人で過ちを犯した。
それ以来逃げるように実家を出た椿由利は実家や弟との接触を避けて8年が経ち、モデルとして自立した道を進んでいた。
ある雑誌の専属モデルに抜擢された由利は今をときめく若手の売れっ子カメラマン・YURIと出会い、最悪な過去が蘇る。
『彼』と出会ったことで由利の楽園は脅かされ、地獄へと変わると思ったのだが……。
「兄さん、僕のオメガになって」
由利とYURI、義兄と義弟。
重すぎる義弟の愛に振り回される由利の運命の行く末は――
執着系義弟α×不憫系義兄α
義弟の愛は、楽園にも似た俺の住処になるのだろうか?
◎表紙は装丁cafe様より︎︎𓂃⟡.·
[BL]憧れだった初恋相手と偶然再会したら、速攻で抱かれてしまった
ざびえる
BL
エリートリーマン×平凡リーマン
モデル事務所で
メンズモデルのマネージャーをしている牧野 亮(まきの りょう) 25才
中学時代の初恋相手
高瀬 優璃 (たかせ ゆうり)が
突然現れ、再会した初日に強引に抱かれてしまう。
昔、優璃に嫌われていたとばかり思っていた亮は優璃の本当の気持ちに気付いていき…
夏にピッタリな青春ラブストーリー💕
黒の執愛~黒い弁護士に気を付けろ~
ひなた翠
BL
小野寺真弥31歳。
転職して三か月。恋人と同じ職場で中途採用の新人枠で働くことに……。
朝から晩まで必死に働く自分と、真逆に事務所のトップ2として悠々自適に仕事をこなす恋人の小林豊28歳。
生活のリズムも合わず……年下ワンコ攻め小林に毎晩のように求められてーー。
どうしたらいいのかと迷走する真弥をよそに、熱すぎる想いをぶつけてくる小林を拒めなくて……。
忙しい大人の甘いオフィスラブ。
フジョッシーさんの、オフィスラブのコンテスト参加作品です。
オッサン課長のくせに、無自覚に色気がありすぎる~ヨレヨレ上司とエリート部下、恋は仕事の延長ですか?
中岡 始
BL
「新しい営業課長は、超敏腕らしい」
そんな噂を聞いて、期待していた橘陽翔(28)。
しかし、本社に異動してきた榊圭吾(42)は――
ヨレヨレのスーツ、だるそうな関西弁、ネクタイはゆるゆる。
(……いやいや、これがウワサの敏腕課長⁉ 絶対ハズレ上司だろ)
ところが、初めての商談でその評価は一変する。
榊は巧みな話術と冷静な判断で、取引先をあっさり落としにかかる。
(仕事できる……! でも、普段がズボラすぎるんだよな)
ネクタイを締め直したり、書類のコーヒー染みを指摘したり――
なぜか陽翔は、榊の世話を焼くようになっていく。
そして気づく。
「この人、仕事中はめちゃくちゃデキるのに……なんでこんなに色気ダダ漏れなんだ?」
煙草をくゆらせる仕草。
ネクタイを緩める無防備な姿。
そのたびに、陽翔の理性は削られていく。
「俺、もう待てないんで……」
ついに陽翔は榊を追い詰めるが――
「……お前、ほんまに俺のこと好きなんか?」
攻めるエリート部下 × 無自覚な色気ダダ漏れのオッサン上司。
じわじわ迫る恋の攻防戦、始まります。
【最新話:主任補佐のくせに、年下部下に見透かされている(気がする)ー関西弁とミルクティーと、春のすこし前に恋が始まった話】
主任補佐として、ちゃんとせなあかん──
そう思っていたのに、君はなぜか、俺の“弱いとこ”ばっかり見抜いてくる。
春のすこし手前、まだ肌寒い季節。
新卒配属された年下部下・瀬戸 悠貴は、無表情で口数も少ないけれど、妙に人の感情に鋭い。
風邪気味で声がかすれた朝、佐倉 奏太は、彼にそっと差し出された「ミルクティー」に言葉を失う。
何も言わないのに、なぜか伝わってしまう。
拒むでも、求めるでもなく、ただそばにいようとするその距離感に──佐倉の心は少しずつ、ほどけていく。
年上なのに、守られるみたいで、悔しいけどうれしい。
これはまだ、恋になる“少し前”の物語。
関西弁とミルクティーに包まれた、ふたりだけの静かな始まり。
(5月14日より連載開始)
シスルの花束を
碧月 晶
BL
年下俺様モデル×年上訳あり青年
~人物紹介~
○氷室 三門(ひむろ みかど)
・攻め(主人公)
・23歳、身長178cm
・モデル
・俺様な性格、短気
・訳あって、雨月の所に転がり込んだ
○寒河江 雨月(さがえ うげつ)
・受け
・26歳、身長170cm
・常に無表情で、人形のように顔が整っている
・童顔
※作中に英会話が出てきますが、翻訳アプリで訳したため正しいとは限りません。
※濡れ場があるシーンはタイトルに*マークが付きます。
※基本、三門視点で進みます。
※表紙絵は作者が生成AIで試しに作ってみたものです。