夜の冒険者は牙をむく

かぷか

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81 レイの家再び ⑨


勿論この人達にも報告。

「レイ~久しぶり!本物1年ぶりぐらい?」
「久しぶりミイナ、多分それぐらい」

 ミイナは全く変わりなく相変わらずふわふわしたピンクの髪を揺らしていた。ソードはロキの後ろに隠れてキョロキョロと辺りを見渡したがスメルは見当たらない。

「ミイナ久しぶり。スメルは?」

「ソードさんお久しぶりです!あー今は別の研究室に行ってますが多分そのうち戻ります」

 ほっと胸を撫で下ろしたソードを見ながら苦笑いをした。横に目を向けると前回と印象が違うロキにミイナは話しかけた。

「ロキ君も久しぶり!前より背伸びた?何か大人っぽくなって更に格好良くなってる!」

「背はちょっとだけ伸びました。後は…ありがとうございます?」

「あはは~お世辞じゃないからね!しかも冒険者プレート!冒険者になれたんだね、おめでとう!」

「ありがとうございます!」

「また、応接室で悪いけどお茶出すね~」

「「「お構い無く」」」

案内された応接室へ行き座りながら4人でおしゃべりをした。

「アイツ、まだここで働いてたんだな。同じ所に長く居られないからそろそろ移動するんじゃないか?」

「それが…あれからここに居たらソードさんが会いに来てくれるかもって。来るまで移動しないっていってまして…」

 苦笑いしながらミイナは話した。相変わらずのスメルの行動に背中がゾクリとした。

「今回はアイツのお菓子に釣られないから話したら帰る!」

「そうなんですか?」

「レイんちでいっぱいお菓子貰ったからいいんだ~♪ほら、ミイナにも少しあげる」

「ありがとうございます。レイ何かあったの?しかも、レイの家に三人で?」

 クラークス家と聞いて少し神妙な顔になるミイナ。その権力は王にも匹敵する程の一家だと研究者なら誰もが知っていた。しかも属でもない二人を連れて行くとなればただではすまされないと。そんな不安そうな顔をしたミイナに話しかけたレイ。

「いや、違うんだ。ミイナに話したいのは…」


ドドド……ドダドダドダ!!!

地響きのような足が近づく。


バン!!!


勢い良くドアが開く。

「ミイナ!!ソード何処!!」

はぁはぁと息をあげながら、舐めるように部屋を見渡した先にソードを見つけた。勢い良く近づこうとするぽっちゃり男はミイナの上司スメル。

「ひぃっ!」

思わずソードの体がビクっとなり机の上に登り逃げようとしたのをロキが抱き抱えた。

「スメルさん!ソードさん引いてますよ。落ち着いて下さい。あと、離れて下さい」

「久しぶりじゃ~ん!降りておいでよ~お菓子あげるからさ~」

抱えられているソードを見上げながらお菓子を振るスメル。

「要らない!お菓子いっぱいあるからいい!」

「チッ、仕方ないな~離れればいいんだろ~」

 ロキにしがみついて降りてきそうもないソードに渋々スメルは離れてミイナの方へ移動した。それを見たロキはゆっくり下におろした。やっと落ち着いて話が聞けると思いレイに話を戻す。

「ごめんね。ソードさん、ロキ君も。レイ、話の途中だったよね。何だっけ?」

「あーそうそう……」

レイはおもむろに立ち上がりロキとは反対側の隣に来てソードの頭に二人でキスをした。

「俺達、結婚した」

「「えぇーーー!!!」」

「おめでとう!やっぱり、三人一緒なの!?」

「うん、だから実家に行ってた」

「まさか、結婚報告したの!?」

「した」

「え、あの、大パニックじゃなかった?」

「かなり」

「で、で?」

「一応、許して貰った?いや、初めから許すもなにもないけど。認めてくれたみたいな」

「えぇー!!!よ、よ、よく、無事っていうか。何て言うの?あの、大丈夫だったっていうか…殺されなかったというか…」

ミイナは言葉を選んだつもりだが動揺で本音しか出てこなかった。

「まぁ、消される事は今のところ無い。多分ソードのおかげ。てか、それ以外ない」

「レイがちゃんと報告したからだろ、ロキも頑張ったしな」

もう一度二人はソードにキスをした。

「凄い…いろいろ聞きた過ぎて…あれ?てか、スメルさん?」

スメルは固まって動かなくなっていた。付き合うだけならいずれ別れる可能性があるが結婚となれば難しい。つまり、調べる事が事実上不可能になるのだ。

ボン!!と何かが小さく爆発する音が聞こえた…ような。すると頭から煙りがでた。

「うわ!スメル…大丈夫か!?」

「ソード…」

「何?」

「もう、調べれない」

「あーまぁ、二人がいいって言えば…」

ソードは目線を送るが二人とも首を振った。
スメルは何か一人でブツブツ言い始める。

「す…スメル?」

「なら…聞くしか…二人から聞くしかない…」

スメルはレイとロキを見ながら自分の両手を握りしめ懇願した。

「ソードの体がどんなのか教えて下さい!!何に反応するのか細かく全身説明してください!!何でもいい!!特に俺に見えない所とか二人しか知らない事を詳しく!!」

「なっ!!」

今の発言で明らかにソードの情事を皆が想像したのが分かり、顔が真っ赤になりワナワナと震え出した。

「変態!!!フザケンナ!!!」

「いいじゃんか~!!調べれないなら、一番わかる人に聞くのがいいだろ!!」

「いいわけないだろ!!」

「「説明しても良いけど…ソードの許可がでれば」」

と今度はソードを見るが

「許可なんて出せるか!!」

とフードを被ってしまった。ミイナはスメルの変態さに呆れてソードに同情したのだった。それから、結婚までの経緯を話して楽しく過ごした。

スメルは最後まで諦めていなかったが、三人の仲睦まじい姿を見てボソッと「おめでとう」と言ったのだった。

「これからは三人で暮らすの?」

「いや、もう暮らしてるんだ。ロキの学校修業と共にゼンテって所に家を借りてる。良かったら遊びに来いよ」

「うん、わかった!ありがとう!」

「三人とも、お幸せに!」

怨めしがるスメルの横でミイナは三人に手を振った。

「なぁ、もう一箇所寄って良い?」

ソードの一言で二人は勿論とその場所に向かった。
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