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第三部 最終
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使用人達が使うキッチンにレイが来ていた。机を少しなぞり昔を思い出す。
何度かここへ来てはベルにいろいろな事を教えてもらっていた。ここなら二人でいても不自然で疑われる事がないためしょっちゅう来ていた。
自分が冒険者になると出ていった時も応援してくれたベルとの思い出はたくさんあり助けられた事の方が多かった。
そんなベルから禁じ手の話を初めて聞いた時は恐ろしかった。使い方をしっかりと覚えれは大丈夫だといっていた。一度聞けば忘れる事の無い禁じ手はいつも心のどこかにある。
「レイ様、あいつは大丈夫です」
「わかった」
「すみません急に。ただ、きちんと話がしたくて」
「ああ、久しぶりだな」
「立派になられて…お強くなりましたね。ほとんど教える事は無いのですが最後に一つだけ伝えなければならない禁じ手があります」
「禁じ手?」
昔に教えてもらったのが幾つかあるがそれで終わりだと思っていた。しかも大人になった今、何の禁じ手が必要なのかと。
「はい、これは伝術士最後の伝え術です」
「てことは伝術士にならないと聞けないんじゃねぇの?」
「はい…」
「なら、」
「わかってます」
「何でだ?」
「レイ様に大切な人ができたからです」
「だとしても…」
「これは…結婚祝いですかね!」
「は?」
「伝術士だからとかではないです。レイ様だから教えたいと思ったんです。聞いても使うか使わないかはレイ様次第です。禁じ手はどれもそうですが特にこれはです」
「ベル…」
「心して聞いてください。そしてもしその時がきたら覚悟を」
「……。」
「聞きたく無かったですか?」
「いや…わからないが。ありがとうと素直にでるのは聞けて良かったと思ってるからだと思う」
「はい。レイ様、良き伴侶を迎え心より嬉しく思います。ソードさんとロキさんを大切に」
「ああ、勿論だ。ありがとう」
「ベルのお陰でソードに会えた。この剣が俺達を助けてくれたんだ。感謝する、それに俺もベルに会いたかった」
「そうですか、良かった!」
しばらくベルとそれぞれ話をした。
「レイ様、お気づきかと思いますがソードさんはかなりの魔力をおもちです。はっきりとはわかりませんがレイ様と同等はあるかと。くれぐれもご注意ください」
「わかった。ん?」
「…黒オーラだしたな。レイ様、戻りましょう」
「そうだな」
俺は未だに禁じ手は恐ろしく思う。それでいい。恐怖に勝ってしまえば人ではなくなってしまう…そんな気がする。
そう言えば…ベルはここで何を作っていたんだろうな。いつも何かしていた気がする。
「兄さん?」
「ハイルか…」
「珍しいですね、こんな所でどうしたんですか?」
「いや、懐かしくて」
「そうですか。ベルと仲良かったですよね確か」
「そうだな、いろいろ教わった」
「兄さん、俺魔術研究は向いてないと思って別の道へ進んで良かったです」
「そうか」
「今度、好きな人紹介します」
「あ?お前いたの?」
「はい」
「おい、じゃあソードに抱きつくな。浮気だ」
「……嫉妬えげつない!」
こうして恒例のクラークス家での休日を楽しんで帰宅した。
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