夜の目も寝ず見える景色は

かぷか

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インセット編 

2 過去 ★

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 彼の話からするとハースの王が地下にいたのを見たと言う奴がいるらしい。それを自慢げに話してたらしいが…。

 嘘か本当かわからないが身体を見たと言うのなら……なぜ地下なんだ。さっさと逃げるべきだったんじゃないのか。今になって?いや、今だからなのか?潜伏ならばリスクが高すぎる。

 誰かが何かを隠しているとしたら……

 事実なら下手に噛みつくと危なそうな話。アイズに聞きたいが今はレオといるから答えてはくれなさそうだ。まずは教えてくれた奴をマークする。俺はヒューズ領土になったハースに向かい情報を集める事にした。

ハースはリッカの街に吸収されたがまだ国境があった場所には検問があり冒険者の俺も例外無く尋問された。

「要件はなんだ」

「久しぶりに友人と再会だ。大戦を労いたく一杯おごる予定」

「名前は」

「カルス=マリーンズ 調べてくれ」

「そいつならいるな、入れ。くれぐれも問題は起こすなよ」

 ハースの名残が半分以上無くなっている。リッカに染まりつつあるが時折名残を感じる建物があった。

 戦った人たちは良くて牢獄か。数少ない住民も振り分けられ暴動がおこらないように監視されている。にしてもリッカの兵士や剣術士は相変わらずだな。国に従順すぎてどっかの邪教より邪教なんじゃないか?

 ヒューズの勇姿を自慢しての観光地はまだできていないな。この辺に記念碑でも立てそうだが。

「そこで何をしている!」

「すみません、冒険者です。友人に会いに行く途中で功績記念碑を建てるならここかなと思って見にきたんですがまだできてないんですね」

「ああ、まだだ。あと、1年は先かもな」

「随分先ですね」

「そうだ、我々も早くできる事を願っている。場所を決めかねてるそうだ」

「ここじゃないんですか?てっきり建てるなら城跡だと思いました」

「ここは別の物が建つ予定だ。さぁ、さっさといけ」

「はい、ありがとうございました」

 男は俺を追い払うとさっさと持ち場に戻った。

 城跡にはさすがに入れないか。
 場所を決めかねていると言ったが城跡で十分だろう…深読みすれば王が死んでいないから建てれないとか。
 
 城から離れた場所の焼け跡まではまだ手がかけられておらず監視などもなく見ることができた。焼け跡を歩きながら考えた。

 焼け死んだ……そう報告を受けたが俺は確認してない。王の側近護衛はどうした。何人かいたはずだが生きているならそいつらがかくまったのか?いや、それはない殺されている。だとしたら裏側近のカシムだがあいつは無理だ、レオを必死で逃がしていた。

 戦禍の中、王を運んだ?あの一瞬で誰が?

 少なくとも計画がないと無理だ。城の下に地下はあるが流石にあの瓦礫の下にアーサー王がいるとは思えない。なら、別の場所だがもしあったとして目的は何だ。

 アーサー王だけ?

 夕刻になり俺は男を訪ねる事にした。もしあの子の言う通り別の地下があるならば入れる奴は余程信頼の置ける奴かバカしかいない。大方、今から会う奴は後者だな。度胸試しに何処かへ潜り込み偶然見かけたんだろうな。でなきゃ、そんな事を武勇伝のようにわざわざ隣街の値のある少年に話さない。自分に振り向かせるにもってこいの話だしな。

 奢る話を見張りにしたらすぐにカルスを教えてくれた。仕事を終えた奴の後をつけ、店に入り座るのを見計からって隣に座った。

「リッカの酒。キツいやつなら何でもいい」
「俺にもリッカの酒を頼む」

 男はフードの中を覗こうとした。
 ふっ思った通りだな。

「俺って事は男か。綺麗そうな顔だな見せてくれよ」

「お酒を飲んでからでしたら」

 男は酒が来るとすぐに一杯を飲み干した。俺もすかさず飲み干した。

「さぁ見せてくれ」

「私も飲み干したので私にも何か見せてください。冒険者をやってるのでこういう会話は暇潰しになります」

「お、いいね~嫌いじゃない。俺はここで見張り兵をやってる。話の摘まみならいくらでもあるからそれを披露するのはどうだ?」

「はい」

 そして、どちらが先かで飲み合いになり三杯飲んだところで男が強引になりだした。

「なぁ、いい加減みせろよ」

「わかりました、仕方ないですね」

 フードを取ると男が肩を寄せた。

「やっぱり綺麗な顔だな」

「ではもう一杯。これは私の奢りです。顔を見せたいのは貴方だけですからフードを被りますね」

「へ~いいね~可愛いな」

 男が気をよくして俺のふとももをすりすりと触りながら話をした。自分の武勇伝を話すが肝心な話はしてこない。俺はさっさと話して欲しくて揺さぶった。

「私、幽霊は嫌いなんですが話は好きなんです。怖いもの聞きたさって言うんですか。何かないですか?」

 男は一瞬思い出したのか身震いをさせた。俺が微笑むと手にした酒を一気に飲み干すと辺りを見渡してから肩に手をかけ例の話しだした。

「あのな、絶対に言うなよ。この間俺は連れと一緒に酔った勢いである場所に行ったんだよ。そこで見たんだ」

「何をですか?」

「誰も知らない地下にある冷たい寒い暗い場所で。連れの魔術士の奴がな、偶然術のかかっている場所を見つけて解いたら光が漏れてよ。中に入ると大きな扉があって開けたらいたんだよ…」

「……アーサー王が」

 男は緊張しながら恐々と名前を出した。

「まさか…」

「本当だ!驚いたのなんのって俺達はすぐに閉めて逃げたんだ」

「死体を見たんですか?」

「わからねぇ。だが…何かおかしかったんだ。今にも目を開きそうで…一瞬、動いた気がしたんだ。捕まえるなんて考えれなかった。幽霊だとしたら俺らヒューズ兵は呪われるかもしれねぇだろ」

「本当だったら怖いですね」

「本当だぞ!俺は嘘はつかねぇ!」

「そうですか。だとしたら近づきたくないです。場所を教えてくれませんか?その周りだけ避けますから」

「だめだめ~」

「なら、私は怖いまま今日は眠れないですね」

 男はニヤリとしてインセットの手を強く握り自分の太ももに乗せた。

「なら、今晩俺がいてやるよ」

 誘いを受け入れインセットは店を出た。景気付けにと男が1本酒を買いこみ飲みながら歩いた。
 だんだんと歩く足がゆっくりになりインセットが手を引く。千鳥足で男は暗い森までついていく。

「どうせなら外でしましょう」

「いいね~」

 木にもたれる男の前を寛がせた。酒でなかなか立ち上がならいものを手で擦り始めた。

「凄く大きいですね」
「そうか?」

 インセットはズボンを脱ぐと男に股がり酒を進めた。酒を飲む男は腰を掴み入れようとした。

「入らないですね立って入れてください」

「わかった…スゲー綺麗な肌だな。こんないいケツ久しぶりだ。俺が幽霊やっつけてやるよ」

「はい、お願いします」

立ち上がり入れようとした時に酒を奪い取りお尻からかけた。

「うわ、スゲー事するな。それも誰かに教えてもらったのか?」

「はい、気持ちいいらしいです。早く動いてください」

 男はそのまま腰を激しく振った。

「入って気持ちいいです」

「スゲー熱い」

 インセットはニヤリと笑った。

 そらそうだ。早く酒が回るようにしてるからな。挟んでるだけなのに入ってるか入ってないかもわからないなんて全くめでたい。それなりに気持ちいいならここらだな。

「あっあっ…場所教えて、怖いから」

「ああ?俺がついててやるから大丈夫だ」

「やだ、あっあっ」

「可愛いな、今度そこでやるか?」

「あっあっやだ、やだ。行きたくない。気持ちいい」

「ああ、俺もだ」

「あっあっやっぱり聞くの怖いから一緒いて。近くになったら守って」

「ふはは、ここから近いぞ。怖いか?」

「怖いから…あっあっ言わないで」

「酒かせ」

ぐびぐびと飲み干すと腰を激しくゆらした。
顔を森に向けさせ説明を始めた。

「見ろ、あの暗い先に二本の木があるだろ。そのもっと先に折れ曲がった木がある。その木の根元に印をつけた。魔術を解除するとそこから入れる。近づくか?」

「やだ、あっあっやだ、先に気持ち良くなりたい…早く」

「可愛いな~もう1つ教えてやる。間違いなくアーサー王だったが祭壇のようにまつられてたんだぜ。不気味だろ?」

「ああ、ああ!いくから怖くしないで」

「俺もだ」

男は思い切り打ち付けて出した。
出した瞬間酸欠と酔いが一気にまわり立ちくらみをおこしそのまま倒れた。

「ふぅ、意外とタフだったな。わかりやすい説明ありがとね」

インセットは濡れた所をハンカチで拭きズボンを履くと男に酒を持たせその場を去った。

説明通り進むと男の言うように印があった。どうやら嘘ではないらしい。当たりを見渡たし周りを警戒しながら歩くと一ヶ所だけ軽い音がした。その場所を触ると確かに普通では開かないように魔術が施してあった。

ただ、男が言っていたよりはるかに複雑な魔術がかけられていた。恐らく入られたのに気が付き術をかけ直したとみえた。

 安易に開けるには気が早いと思い一先ず引き下がったが、これを知り本当にアーサーはいるかもしれないと思った。
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