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インセット編
6 インセットの家
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インセットに連れて来られた場所は静かな森だった。暗いひっそりとした今は誰も住んでない廃墟に入っていく。中に入ると少し変わった造りの建物が別に建っていた。扉を開け幾つか魔術の鍵を開け中に入ると塀に囲まれ花や木が沢山植えてある中庭。その先にある建物がインセットの住まい。ドアを開けると吹き抜けの天井。沢山の棚があり本がズラリと並んでいる。
窓ガラスから入る光はキラキラとしていて部屋を照らす。部屋の窓から覗く先ほどの中庭は一つの絵画が飾ってあるかのよう。部屋の真ん中には大きな年期の入った長机にお揃いのベンチ椅子、シンプルだが洗礼されたデザインで美しく部屋にとても合っていた。そことは別に庭を見渡せる場所のソファーにソードを座らせるとお茶を入れた。
「どうぞ」
目の前にはお茶とお菓子。
「全部いいよ」
お菓子を一つ取ると食べだした。
それを見るとソードと反対側のソファーに座り足を組み背もたれに体を預け腕をかけ天井をみた。
鳥が飛んでいる
のどかな一時
静かに雲が流れる
何を考えるでもなく空を見上げていた。
お茶を飲み終わったソードはキョロキョロと周りを見渡した。
「好きに見ていいよ」
ソファーから立ち上がると沢山並んでいる本を眺めながら歩いた。トコトコと歩くとある絵本を見つけ立ち止まり手にした。表紙をなぞりゆっくり開く
。その本はいろいろな国のお菓子の本だった。インセットが近寄ると本を閉じようとした。
「いいよ、閉じなくて。一緒に見せて」
頷くソードはその場に座り本を広げた。隣に座り覗きこむ。本には美味しそうなお菓子の絵が書かれていていた。
『世界のお菓子』
そんな題名の絵本だった。ページを一枚捲るとお菓子の絵が沢山書かれていて、その横にどこの国のどの地域の物か記されていた。ソードは指をさす。
好きなお菓子でも指しているのかと思ったが幾つも示している。
「ん?好きじゃなくて…ガルシア?」
じっと本を見つめる。
「…あ、食べたって事か」
インセットが気がつくのを見て次のページに進みまた幾つか指をさす。
「結構制覇してるね」
次のページは指がとまりほとんど食べた事の無いものばかりだった。国を見るとハース国と書かれている。古い本は滅んだ国の形跡を残していた。
「ハースか……今はヒューズ国でリッカの領土だね」
「俺はね、ハースならこれとこれは食べた事あるよ。どちらも甘くてね、こっちは形がいろいろあったかな……あとは…」
インセットが指をさす場所にポタポタと雫が落ちた。ソードが落ちる雫の先を見るとインセットが涙を流していた。ソードは慌てて服の袖でインセットの涙を拭いた。
「大丈夫だソード。昔をちょっと思い出しただけだから…」
涙を拭くと次のページへとインセットが手を進ませた。最後まで読み終わるとソードは本を閉じる。好きに読んでいいと言われ数冊手に取り椅子に座り本を読む。
インセットはご飯の準備をすると言ってキッチンへといってしまった。
夕食を共にするもソードがしゃべる事はなかったがインセットは気にせず一人で話した。
「ソード、お風呂」
返事はないがこちらの言うことは理解していて生活を共にするには苦労は無かった。自分の前に座らせお湯に浸かる。
「疲れたよな……」
「……。」
「俺もだ…」
浴槽に自分と重なるソードの身体を自分に凭れかけさせ目をつむり深呼吸をする。
心も体もこんなにボロボロにして……
浮き沈みが激し過ぎたんだ
いろんな事が起こりすぎた
生死を味わい恐怖を味わい
幸せを手にしたら自分の使い道がわからなくなってしまったよな
大丈夫だ、俺が戻してやる
「湯船の中は水の音だけだ。邪魔な音はない」
顔を覗くと目をつむっていた。
自然とリラックスできるなら大丈夫だなと思い自分もゆっくり目を閉じた。
お風呂から出ると2階に続く階段を登り寝室に案内した。寝室の屋根は窓ガラスでできていてまるで天体観測でもできるほど星が良く見えた。大きなベッドが一つあるだけのシンプルな部屋。
二人で布団に入るとインセットは星を見ながら話をした。
「いっぱいお菓子食べたんだね。今度どれが美味しいか教えて。俺はね本を集めるのが好きだったんだ。中には読んだことの無い本も結構あったりする。あと、内容は知っているのに同じ本を繰り返し読んだりとかね」
「……。」
「形や色、挿し絵の雰囲気が好きでさ。読まないのに集めてたりしたけど今は資料として使えたりしてるから集めて良かった」
「……。」
「ソード、二人で本を作らない?形にするのは好きじゃないけどソードとなら本が作りたい。俺の好きなあの棚に二人の本を入れたいんだ。どうかな?」
「……。」
「すぐに返事はしなくていいよ。ソードが書きたくなったらで。もし、書きたくなくてもそれはそれで構わない。ただの提案だから」
「……。」
にこりと笑いインセットは布団をソードにかけ直した。
「さあ、今日はもう寝よう」
今にも落ちてきそうな星空の中、ソードは眠りについた。
窓ガラスから入る光はキラキラとしていて部屋を照らす。部屋の窓から覗く先ほどの中庭は一つの絵画が飾ってあるかのよう。部屋の真ん中には大きな年期の入った長机にお揃いのベンチ椅子、シンプルだが洗礼されたデザインで美しく部屋にとても合っていた。そことは別に庭を見渡せる場所のソファーにソードを座らせるとお茶を入れた。
「どうぞ」
目の前にはお茶とお菓子。
「全部いいよ」
お菓子を一つ取ると食べだした。
それを見るとソードと反対側のソファーに座り足を組み背もたれに体を預け腕をかけ天井をみた。
鳥が飛んでいる
のどかな一時
静かに雲が流れる
何を考えるでもなく空を見上げていた。
お茶を飲み終わったソードはキョロキョロと周りを見渡した。
「好きに見ていいよ」
ソファーから立ち上がると沢山並んでいる本を眺めながら歩いた。トコトコと歩くとある絵本を見つけ立ち止まり手にした。表紙をなぞりゆっくり開く
。その本はいろいろな国のお菓子の本だった。インセットが近寄ると本を閉じようとした。
「いいよ、閉じなくて。一緒に見せて」
頷くソードはその場に座り本を広げた。隣に座り覗きこむ。本には美味しそうなお菓子の絵が書かれていていた。
『世界のお菓子』
そんな題名の絵本だった。ページを一枚捲るとお菓子の絵が沢山書かれていて、その横にどこの国のどの地域の物か記されていた。ソードは指をさす。
好きなお菓子でも指しているのかと思ったが幾つも示している。
「ん?好きじゃなくて…ガルシア?」
じっと本を見つめる。
「…あ、食べたって事か」
インセットが気がつくのを見て次のページに進みまた幾つか指をさす。
「結構制覇してるね」
次のページは指がとまりほとんど食べた事の無いものばかりだった。国を見るとハース国と書かれている。古い本は滅んだ国の形跡を残していた。
「ハースか……今はヒューズ国でリッカの領土だね」
「俺はね、ハースならこれとこれは食べた事あるよ。どちらも甘くてね、こっちは形がいろいろあったかな……あとは…」
インセットが指をさす場所にポタポタと雫が落ちた。ソードが落ちる雫の先を見るとインセットが涙を流していた。ソードは慌てて服の袖でインセットの涙を拭いた。
「大丈夫だソード。昔をちょっと思い出しただけだから…」
涙を拭くと次のページへとインセットが手を進ませた。最後まで読み終わるとソードは本を閉じる。好きに読んでいいと言われ数冊手に取り椅子に座り本を読む。
インセットはご飯の準備をすると言ってキッチンへといってしまった。
夕食を共にするもソードがしゃべる事はなかったがインセットは気にせず一人で話した。
「ソード、お風呂」
返事はないがこちらの言うことは理解していて生活を共にするには苦労は無かった。自分の前に座らせお湯に浸かる。
「疲れたよな……」
「……。」
「俺もだ…」
浴槽に自分と重なるソードの身体を自分に凭れかけさせ目をつむり深呼吸をする。
心も体もこんなにボロボロにして……
浮き沈みが激し過ぎたんだ
いろんな事が起こりすぎた
生死を味わい恐怖を味わい
幸せを手にしたら自分の使い道がわからなくなってしまったよな
大丈夫だ、俺が戻してやる
「湯船の中は水の音だけだ。邪魔な音はない」
顔を覗くと目をつむっていた。
自然とリラックスできるなら大丈夫だなと思い自分もゆっくり目を閉じた。
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「……。」
「形や色、挿し絵の雰囲気が好きでさ。読まないのに集めてたりしたけど今は資料として使えたりしてるから集めて良かった」
「……。」
「ソード、二人で本を作らない?形にするのは好きじゃないけどソードとなら本が作りたい。俺の好きなあの棚に二人の本を入れたいんだ。どうかな?」
「……。」
「すぐに返事はしなくていいよ。ソードが書きたくなったらで。もし、書きたくなくてもそれはそれで構わない。ただの提案だから」
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今にも落ちてきそうな星空の中、ソードは眠りについた。
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