夜の目も寝ず見える景色は

かぷか

文字の大きさ
6 / 66

6 

しおりを挟む
 レオ様の身変わりの死体はヒューズが管理していると聞いた。当然俺は近づく事すらできない。探るにもその辺の野次馬程度にしか情報は集めれなかった。

 レオ様と同じ髪色で年も近く見間違えるほど似ているなら俺が知らないわけ無かった。

 俺を含め三人が訪れたか…

 一人は多分アーサー王を殺した奴を探していると言った奴。もう一人はわからないが国が崩されるちょっと前ぐらいから一度も見てない奴がいる。俺と同じく裏側近、あいつかもしれない。噂を聞きつけ俺と同じく王を探しているかもしれないな。

 あいつは俺が裏側近になる前から王の裏側近で働いていたから何か情報をもっているかもしれない。聞きたいことや報告したいことが山ほどある。今はどこで何をしてるかもわからない、もしかしたら死んでいる可能性もあるが状況を聞きに来た相手で思い浮かんだのはそいつぐらいだった。
もし、生きているならこの状況をどう思っているんだろうか。

 次に気になったのは情報屋がガセだといった話の中にあった地下潜伏。

 確かに王が一人で死んでいたのだとすると不自然だった。例えば焼死体が偽物だとして隠すために燃やし側近と逃げたと思う方が自然か。現に側近が一人見つかっていない。

 城の下には地下があるが崩れた様子からすると地下が崩落したのは間違いない。そこにいれば生きている事はまずない。しかし、地下はまだある。今は廃牢になった場所が二ヶ所あるからもしかしたらそこに逃げた可能性はあるかもしれない。
 
 生きているのか死んでいるのかまだわからないがこの情報を頼りに動くしかない。
 頭を整理し今の状況でハースに入るのかなり難しいと思いこちらは一旦後にまわした。少なからず側近の事なら俺も情報を持っているからまずは見つからない側近を探す事から始めた。
 
 遠回りにしか探せないが掴んだ情報を離さぬように細い細い糸を手繰り寄せて進むしかなかった。


ヒューズ国 某街の郊外 


 コンコン

「すみません」

「はい?」

「ここはフロア家でよろしいですか?」

「はい、どちら様ですか?」  

 年配の女性がドアを開け出てきた。

「…メルロの知人です。お世話になったものです」

「………。」

 バタン!!

 思い切りドアを閉められた。

「わかっています、ただご家族にお礼を言いたかっただけです。生前は大変、お世話になりました。尽くしてくださり心より感謝を。ありがとうございました」

 少し待つが返事が無かった。ドアにハースの刻印を模写したカードを差し込んだ。
 
 ここもダメか…… 

 側近の中で元々ハース国でない側近は二人いた。その二人の家は勿論ハースにあったが実家は別でヒューズにあった。

 五人のうち誰が生き残りか探し当てる為に訪れたが一人目は門前払いだった。当然家族がハースで働いていたなどとわかれば周りから白い目で見られるに違いない。誰にも知られたくない事だ。

 帰ろうとドアに背を向けたとき小さな声がした。

「深夜に…深夜にきてください」

「わかりました。ありがとうございます」

 俺は深夜まで待ちもう一度家を尋ねた。小さくノックをすると中から年配の女性が顔を出し裏の戸口へ回るようにと言った。中に招き入れてくれた家に灯りはほとんどない。廊下を歩くとそこから地下の貯蔵庫に案内された。窓はなく明かりが一つ灯っていた。

「すみません、誰に聞かれるかわかりませんから」

「はい」

 ハース側近の実家だとヒューズの兵士に知られれば何をされるかわからない。怯えながら生活をしているんだろう。家は静かでひっそりしている。独り暮らしだろうか、他に誰かがいる様子はなかった。

 木箱にクッションが敷かれどうぞと言われそこに座った。彼女は側近メルロの祖母にあたる人。メルロは家族をハースで作り、その時にヒューズにいる祖母を誘ったが住み慣れたヒューズを離れたくなくて彼女は留まったそうだ。

 側近になった孫を心配したがその通りになってしまったと嘆いた。俺は側近時代の彼を身近で見ていた。正義感のある良い男だった。祖母はそんな彼が亡くなった一方を知ったのは最近だった。

「その方は一人でしたか?」

「はい、最後を伝えに来ましたと言いました」

「そうですか、聞いてもよろしいですか?」

「はい」

 俺はその話に耳を疑った。

 側近5人は攻め込まれる直前に王と居て、王は家族の元へ行くといい妃の部屋に向かったそうだ。

 部屋には妃と娘が居たがレオ様がおらず側近二人を残しレオ様を探しに行ったらしい。
 三人の側近のうち二人は外を探しに、残り一人は王と一緒に部屋に向かった。怯えて隠れているかもしれないと思ったそうだ。

 その間に王妃と娘、側近の命を奪われた。外にいた側近らもレオ様を見つける前にやられてしまった。

 最後に残った側近は部屋に入ると後ろから何者かに刺され気を失い気がついた時には王が燃やされていたそうだ。足音が近づき死にもの狂いでその場を逃げた。
自分だけ生き残り申し訳ないと言って出ていったそうだ。

「ありがとうございます。最後まで国に尽くした彼を誇りに思います。生きて帰すことができず申し訳ございませんでした」

「いえ、こちらこそ孫が大変お世話になりました」

 俺はこの家を後にして更なる情報を求め歩き続けた。

 側近の一人がやはり生きていた……

 側近なら王を守り共に職務を全うしてもおかしくない。なぜ、逃げたのだ。

 本当にアーサー王は生きているのか? 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

BL 男達の性事情

蔵屋
BL
漁師の仕事は、海や川で魚介類を獲ることである。 漁獲だけでなく、養殖業に携わる漁師もいる。 漁師の仕事は多岐にわたる。 例えば漁船の操縦や漁具の準備や漁獲物の処理等。 陸上での魚の選別や船や漁具の手入れなど、 多彩だ。 漁師の日常は毎日漁に出て魚介類を獲るのが主な業務だ。 漁獲とは海や川で魚介類を獲ること。 養殖の場合は魚介類を育ててから出荷する養殖業もある。 陸上作業の場合は獲った魚の選別、船や漁具の手入れを行うことだ。 漁業の種類と言われる仕事がある。 漁師の仕事だ。 仕事の内容は漁を行う場所や方法によって多様である。 沿岸漁業と言われる比較的に浜から近い漁場で行われ、日帰りが基本。 日本の漁師の多くがこの形態なのだ。 沖合(近海)漁業という仕事もある。 沿岸漁業よりも遠い漁場で行われる。 遠洋漁業は数ヶ月以上漁船で生活することになる。 内水面漁業というのは川や湖で行われる漁業のことだ。 漁師の働き方は、さまざま。 漁業の種類や狙う魚によって異なるのだ。 出漁時間は早朝や深夜に出漁し、市場が開くまでに港に戻り魚の選別を終えるという仕事が日常である。 休日でも釣りをしたり、漁具の手入れをしたりと、海を愛する男達が多い。 個人事業主になれば漁船や漁具を自分で用意し、漁業権などの資格も必要になってくる。 漁師には、豊富な知識と経験が必要だ。 専門知識は魚類の生態や漁場に関する知識、漁法の技術と言えるだろう。 資格は小型船舶操縦士免許、海上特殊無線技士免許、潜水士免許などの資格があれば役に立つ。 漁師の仕事は、自然を相手にする厳しさもあるが大きなやりがいがある。 食の提供は人々の毎日の食卓に新鮮な海の幸を届ける重要な役割を担っているのだ。 地域との連携も必要である。 沿岸漁業では地域社会との結びつきが強く、地元のイベントにも関わってくる。 この物語の主人公は極楽翔太。18歳。 翔太は来年4月から地元で漁師となり働くことが決まっている。 もう一人の主人公は木下英二。28歳。 地元で料理旅館を経営するオーナー。 翔太がアルバイトしている地元のガソリンスタンドで英二と偶然あったのだ。 この物語の始まりである。 この物語はフィクションです。 この物語に出てくる団体名や個人名など同じであってもまったく関係ありません。

先輩、可愛がってください

ゆもたに
BL
棒アイスを頬張ってる先輩を見て、「あー……ち◯ぽぶち込みてぇ」とつい言ってしまった天然な後輩の話

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ

BL
鍛えられた肉体、高潔な魂―― それは選ばれし“供物”の条件。 山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。 見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。 誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。 心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

灰かぶりの少年

うどん
BL
大きなお屋敷に仕える一人の少年。 とても美しい美貌の持ち主だが忌み嫌われ毎日被虐的な扱いをされるのであった・・・。

林檎を並べても、

ロウバイ
BL
―――彼は思い出さない。 二人で過ごした日々を忘れてしまった攻めと、そんな彼の行く先を見守る受けです。 ソウが目を覚ますと、そこは消毒の香りが充満した病室だった。自分の記憶を辿ろうとして、はたり。その手がかりとなる記憶がまったくないことに気付く。そんな時、林檎を片手にカーテンを引いてとある人物が入ってきた。 彼―――トキと名乗るその黒髪の男は、ソウが事故で記憶喪失になったことと、自身がソウの親友であると告げるが…。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

処理中です...