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動き始めた闇
74話:誠の決意
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誠は部屋を出た後、さっと左右を見渡して壁に沿って並んでいる花瓶の台座の下に潜り込んだ。
ちょうと台座には白い布がかけてあり、誠をすっぽり覆い隠してくれた。
さっきのトワの言葉は、大部分が的を得ていただけに言い返すこともできなかった。
あれだけの家族に囲まれながら、いつも孤独を感じていたのは本当で、自分と同じように独りぼっちの子供を見つけて、傷を舐め合いたかったのも本当だ。
毎日良い子の演技をし、学校で一人ぼっちなのを隠して笑って過ごす。
家庭崩壊を目の前にしても無関心を装い、一家離散した後の自分の身の置き先に不安を感じているのにそれが言い出せない。毎日不安で寂しくて叫びだしそうだった。
だから、トワが一人ぼっちなのを知って心に通じるものがあった。と、同時に羨ましくも思えた。
トワは誠とは違って皆に心配され、愛されているのだから。
誠はリュックから買い物袋を取り出すと、さっき買ってきたばかりのものを手に取った。
トワが誠よりもマツムラを選ぶ事は予想がついていた。
誠とトワはネットを通じて1年ほどの交流があるのみで、出会ったのはおとついが初めてだ。
昨日、今日友人になった誠と、何十年一緒にいたマツムラ。彼がどちらを信じるのかと言えば答えは明白だ。
だからこそ、こうやって準備をしているのだ。
誠は急いで鞄からノートパソコンを取り出し、画面を立ち上げる。
金曜の夜、勝手に家を出たきりで連絡せず、家族は心配しているだろうか。
ふと新着メッセージが届いている事に気づく。
差出人は「TUKASA」。
進藤つかさだ。誠はすぐにメッセージ画面を開く。
――家族みんなで日記を読んだ。お前のことをすごく心配している。無事かどうか連絡が欲しい。 つかさ――
しばらくその画面を見つめていた誠だが、深呼吸して返信メッセージを打つ。
自分がいなくなることで、どれほどモデルファミリーとしての家族に大打撃を与えたか考えていないわけではない。むしろ考えたからこそ、今ここにいるのだ。
すでに栄子の言う「天使の誠ちゃん」は彼らの中で形を失っているだろう。
まさかこんな事態になるとは思ってもいなかったが、もしかしてこれはチャンスなのかもしれない。
モデルファミリーが本物になるために、神様が与えてくれた最後のチャンス。
「だったら、僕はそれに賭ける――」
誠はひとつの決意を込めて送信画面を押した。
その時だった、廊下の奥で何やら騒がしい声がする。
誠はさっき袋から取り出したものをぎゅっと握り締め、事態が動くのを待った。
ちょうと台座には白い布がかけてあり、誠をすっぽり覆い隠してくれた。
さっきのトワの言葉は、大部分が的を得ていただけに言い返すこともできなかった。
あれだけの家族に囲まれながら、いつも孤独を感じていたのは本当で、自分と同じように独りぼっちの子供を見つけて、傷を舐め合いたかったのも本当だ。
毎日良い子の演技をし、学校で一人ぼっちなのを隠して笑って過ごす。
家庭崩壊を目の前にしても無関心を装い、一家離散した後の自分の身の置き先に不安を感じているのにそれが言い出せない。毎日不安で寂しくて叫びだしそうだった。
だから、トワが一人ぼっちなのを知って心に通じるものがあった。と、同時に羨ましくも思えた。
トワは誠とは違って皆に心配され、愛されているのだから。
誠はリュックから買い物袋を取り出すと、さっき買ってきたばかりのものを手に取った。
トワが誠よりもマツムラを選ぶ事は予想がついていた。
誠とトワはネットを通じて1年ほどの交流があるのみで、出会ったのはおとついが初めてだ。
昨日、今日友人になった誠と、何十年一緒にいたマツムラ。彼がどちらを信じるのかと言えば答えは明白だ。
だからこそ、こうやって準備をしているのだ。
誠は急いで鞄からノートパソコンを取り出し、画面を立ち上げる。
金曜の夜、勝手に家を出たきりで連絡せず、家族は心配しているだろうか。
ふと新着メッセージが届いている事に気づく。
差出人は「TUKASA」。
進藤つかさだ。誠はすぐにメッセージ画面を開く。
――家族みんなで日記を読んだ。お前のことをすごく心配している。無事かどうか連絡が欲しい。 つかさ――
しばらくその画面を見つめていた誠だが、深呼吸して返信メッセージを打つ。
自分がいなくなることで、どれほどモデルファミリーとしての家族に大打撃を与えたか考えていないわけではない。むしろ考えたからこそ、今ここにいるのだ。
すでに栄子の言う「天使の誠ちゃん」は彼らの中で形を失っているだろう。
まさかこんな事態になるとは思ってもいなかったが、もしかしてこれはチャンスなのかもしれない。
モデルファミリーが本物になるために、神様が与えてくれた最後のチャンス。
「だったら、僕はそれに賭ける――」
誠はひとつの決意を込めて送信画面を押した。
その時だった、廊下の奥で何やら騒がしい声がする。
誠はさっき袋から取り出したものをぎゅっと握り締め、事態が動くのを待った。
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