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いざ、ユグドリアへ
87話:出立前のインタビュー
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まもなく到着するであろうチャーター便を待ちながら、世良田一家はぎこちない笑みでカメラに視線を向ける。
空港内のあちこちでフラッシュが焚かれ、そこかしこで怒声が飛ぶ。
足を踏むなだの、その位置に立つなだの、カメラの位置を下げろだの。マスコミたちは最前列で一家の様子をカメラに収めようと必死だった。
そんな中でいち早く一家の真横のポジションをキープした仁は、涼しい顔でマイクチェックを行っている。
「こいつらうるせぇな」
元樹が小声で毒づくと、すぐに栄子が脇に肘鉄を食らわせてきたため、慌てて姿勢を正す。
マイクチェックを終えた仁が、小さく声を出して元樹に発言を促す。
それを受け元樹は最初に礼儀正しくお辞儀をし、ひとつ咳ばらいをした。
「オホン! え~、この度はわざわざ時間をかけて空港にまで押しかけてきてくださって、誠に恐縮です」
疲れと苛立ちで元樹の言葉のチョイスが若干おかしくなっているが、仁は気にも留めずインタビューを進める。
「いえいえ。こちらこそお騒がせしております」
仁はそう言いながら横目でカメラが回り始めたのを確認する。
その様子を見て、こりゃヘタなこと言えないな、と元樹が小声で呟く。
一家は改めて居住まいを正した。
仁はマイクを自分の口元に持ってきて、用意していた原稿を見ながら喋り始める。
「先ほどの総理発言によりますと『世良田一家のモデルファミリー代表としての資質を疑う』とのコメントですが、どうお考えで?」
仁はマイクを元樹の方に向ける。
「え? どういうことですか?」
またマイクを自分の側に向けなおした仁は、挑発的な口調でインタビューを続ける。
「子供が数日前から家にいないことに気づかないのは異常だ、と。緊急にモデルファミリー代表の資格剥奪も視野に入れた会議を行うそうです」
マイクは再び元樹に向けられているが、当の本人は言葉を失っている。変わりに真っ青な顔した栄子が横から口を挟む。
「ちょっと待ってください。それに関しては確かに問題がありますけど、今の論点はそこですか? まずは息子の安全確保に動いていただかないと」
「政府としてもできるだけの協力はするそうですが、今は消費税の値上げについて国会も大詰めですから」
さすがにカチンときた美園は、仁からマイクを奪い取って声を荒げる。
「はぁ? 何言ってんの。国民から金ぶんどって政治家の私腹を肥やそうってわけ?! 消費税と国民の命のどっちか大事なの。優先順位間違ってない?」
お嬢様として売り込んでいた長女の豹変振りに、仁の目がキラリと光った。
つかさはすぐに仁の目的に気付いたが、時すでに遅しだ。
我を忘れて国家批判をし始めた美薗を皮切りに、あまりのことに絶句していた元樹がが、血相変えてがなりたてはじめた。
「そうだ、美園よく言った! くだらねぇ政策に金ばっかつぎ込みやがって、本当に困ってる国民に差し伸べる手はないのか!」
どんどんヒートアップしてくる元樹。
「だいたいな。日本がモデルファミリーだとか、意味の分からない政策打ち出すから、金に執着して子育てが二の次になり、勇治みたいな小児性愛のモンスターが育っちまうんだよ! おい、聞いてるか総理! この責任どうとってくれるんだよ」
これには勇治も黙っちゃいられない。元樹からマイクを奪い取ると、
「結婚して子供3人も作っておいて、今更20代の巨乳女にハマってんじゃねぇよ。いっとくけどな、俺とち~たんとの関係はプラトニックなんだ。俺は未来永劫ち~たんだけを愛し続ける。親父みたく浮気なんて絶対しないね!」
「なんだとこのヤロォ」
元樹が勇治の胸倉を掴むと、勇治もそれに応戦する。
勇治の手からマイクか転がり落ち、それを栄子が拾う。
「いい加減になさいな。カメラが回ってるのよ」
「「だからなんだ!」」
元樹と勇治が同時に叫んだ。
空港内のあちこちでフラッシュが焚かれ、そこかしこで怒声が飛ぶ。
足を踏むなだの、その位置に立つなだの、カメラの位置を下げろだの。マスコミたちは最前列で一家の様子をカメラに収めようと必死だった。
そんな中でいち早く一家の真横のポジションをキープした仁は、涼しい顔でマイクチェックを行っている。
「こいつらうるせぇな」
元樹が小声で毒づくと、すぐに栄子が脇に肘鉄を食らわせてきたため、慌てて姿勢を正す。
マイクチェックを終えた仁が、小さく声を出して元樹に発言を促す。
それを受け元樹は最初に礼儀正しくお辞儀をし、ひとつ咳ばらいをした。
「オホン! え~、この度はわざわざ時間をかけて空港にまで押しかけてきてくださって、誠に恐縮です」
疲れと苛立ちで元樹の言葉のチョイスが若干おかしくなっているが、仁は気にも留めずインタビューを進める。
「いえいえ。こちらこそお騒がせしております」
仁はそう言いながら横目でカメラが回り始めたのを確認する。
その様子を見て、こりゃヘタなこと言えないな、と元樹が小声で呟く。
一家は改めて居住まいを正した。
仁はマイクを自分の口元に持ってきて、用意していた原稿を見ながら喋り始める。
「先ほどの総理発言によりますと『世良田一家のモデルファミリー代表としての資質を疑う』とのコメントですが、どうお考えで?」
仁はマイクを元樹の方に向ける。
「え? どういうことですか?」
またマイクを自分の側に向けなおした仁は、挑発的な口調でインタビューを続ける。
「子供が数日前から家にいないことに気づかないのは異常だ、と。緊急にモデルファミリー代表の資格剥奪も視野に入れた会議を行うそうです」
マイクは再び元樹に向けられているが、当の本人は言葉を失っている。変わりに真っ青な顔した栄子が横から口を挟む。
「ちょっと待ってください。それに関しては確かに問題がありますけど、今の論点はそこですか? まずは息子の安全確保に動いていただかないと」
「政府としてもできるだけの協力はするそうですが、今は消費税の値上げについて国会も大詰めですから」
さすがにカチンときた美園は、仁からマイクを奪い取って声を荒げる。
「はぁ? 何言ってんの。国民から金ぶんどって政治家の私腹を肥やそうってわけ?! 消費税と国民の命のどっちか大事なの。優先順位間違ってない?」
お嬢様として売り込んでいた長女の豹変振りに、仁の目がキラリと光った。
つかさはすぐに仁の目的に気付いたが、時すでに遅しだ。
我を忘れて国家批判をし始めた美薗を皮切りに、あまりのことに絶句していた元樹がが、血相変えてがなりたてはじめた。
「そうだ、美園よく言った! くだらねぇ政策に金ばっかつぎ込みやがって、本当に困ってる国民に差し伸べる手はないのか!」
どんどんヒートアップしてくる元樹。
「だいたいな。日本がモデルファミリーだとか、意味の分からない政策打ち出すから、金に執着して子育てが二の次になり、勇治みたいな小児性愛のモンスターが育っちまうんだよ! おい、聞いてるか総理! この責任どうとってくれるんだよ」
これには勇治も黙っちゃいられない。元樹からマイクを奪い取ると、
「結婚して子供3人も作っておいて、今更20代の巨乳女にハマってんじゃねぇよ。いっとくけどな、俺とち~たんとの関係はプラトニックなんだ。俺は未来永劫ち~たんだけを愛し続ける。親父みたく浮気なんて絶対しないね!」
「なんだとこのヤロォ」
元樹が勇治の胸倉を掴むと、勇治もそれに応戦する。
勇治の手からマイクか転がり落ち、それを栄子が拾う。
「いい加減になさいな。カメラが回ってるのよ」
「「だからなんだ!」」
元樹と勇治が同時に叫んだ。
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