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再会
114話:大切なこと
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「最高だと思います、あの日記。毎日更新楽しみにしてますから」
くったくなく笑うトワを前に、元樹は不思議そうに首を傾げる。
「あれを楽しいと思える外国人の感性が理解できんな」
「それはこっちもです。なんで気づかないんですか。無理に家族の形を作らなくても、あの中に登場する姿こそ、誰もが憧れる理想の家族像じゃないですか」
「あれが理想の家族像?」
もっと意味が分からないという風に、勇治が顔を顰めた。
毎日些細なことで喧嘩して、意見しあって、でも最後には笑いあって一致団結する。
あの姿こそが世間に求められている理想のモデルファミリー像だったというのか。
世良田一家の中にほんの少し感動ムードが漂いはじめたが、
「――いや、そりゃないな」
すぐに勇治が突っ込みを入れる。
ロリコンに浮気に老人ホーム。喧嘩というより罵り合いの毎日。あれが理想の家族になれば日本は沈没だ。
僅かなりともトワの言葉に希望を見い出した一家だったが、すぐに現実に立ち返った。
「あのブログには誠くんの想いがいっぱい詰まってます。皆さんはそれを受け取ってあげないとだめです」
いくら王子とはいえ、小学生ほどの子供に説教され、家族の在り方を説かれたとあっては情けなさも倍増。
一家は改めて互いの顔を見合わせる。
「私たち、誠ちゃんと面と向き合って将来の話をしたことがないわよね。私たちの離婚にしたって、あの子の意思を聞いたことがないわ」
栄子は顔を曇らせ、元樹を見る。
「ああ。あいつは物わかりのいい子だから、納得してくれてると思ってたが、今思えば物わかりがいいんじゃなくて、言いたいことを閉じこめていたのかもしれない」
「このまま終わりになるのってよくないな」
勇治の言葉に皆が頷く。
「さっき誠言ってたよね。期待した僕がバカだった、って。それってまだあたしたちのこと信じてくれてたってことだよね。その期待裏切ったまま、大団円なんてありえない」
美園が決意を込めて言う。
「そうだな。家族が家族を信じれなくてどうするんだ」
元樹も決心したようにみなを見渡す。
「そうよ。誠ちゃんの味方でいれるのは私たちだけなんだから」
元樹に追従するように栄子も決意を固める。
「うん」
「おう」
心得た、という表情で美園と勇治も頷く。
基本的に一家の思考回路は単純だ。
心が離れ離れになっていても、やはりひとつの家族。思考か通じあえば、全てにおいてその団結力は固く強いものとなるのだ。
元樹がさっと右手を前に突き出す。その手の上に栄子が手を重ね、勇治、美園と続く。
そしてなぜか促され、おそるおそるトワもてっぺんにその小さい手を乗せた。
「全てはぁ~!」
元樹の一声に合わせ、一家が復唱を始める。
何がなんだか分からず目を丸くするトワも、流れに乗せて声を張り上げる。
「「全てはっ!!」
「誠の信頼を取り戻すため!」
「「誠の信頼を取り戻すため!!」」
「輝くぅ~!」
「「輝く!」」
「「「未来のため!」」」
うぉぉぉぉ!!
一家のボルテージは急上昇。ようやく本来のパワーがみなぎりはじめていた。
トワは大声を出して叫んだことで、心の中のもやもやが吹き飛んでいく感じを味わっていた。正直言って最高だった。
そのお陰で揺らいでいたトワの気持ちも固くなり、ある思いを持って兄に向き合おうと決心した。
美園は目に強い光を宿したトワの前で腰を落とし、目線をあわせる。
「トワ君。大切なことを教えてくれて本当にありがとう。今言ったことはトワ君にも当てはまるんだよ。最後まで味方でいれるのは、家族だけだから。お兄さんのこと、救えるのはトワ君だけだよ」
その言葉にトワは大きく頷いた。
くったくなく笑うトワを前に、元樹は不思議そうに首を傾げる。
「あれを楽しいと思える外国人の感性が理解できんな」
「それはこっちもです。なんで気づかないんですか。無理に家族の形を作らなくても、あの中に登場する姿こそ、誰もが憧れる理想の家族像じゃないですか」
「あれが理想の家族像?」
もっと意味が分からないという風に、勇治が顔を顰めた。
毎日些細なことで喧嘩して、意見しあって、でも最後には笑いあって一致団結する。
あの姿こそが世間に求められている理想のモデルファミリー像だったというのか。
世良田一家の中にほんの少し感動ムードが漂いはじめたが、
「――いや、そりゃないな」
すぐに勇治が突っ込みを入れる。
ロリコンに浮気に老人ホーム。喧嘩というより罵り合いの毎日。あれが理想の家族になれば日本は沈没だ。
僅かなりともトワの言葉に希望を見い出した一家だったが、すぐに現実に立ち返った。
「あのブログには誠くんの想いがいっぱい詰まってます。皆さんはそれを受け取ってあげないとだめです」
いくら王子とはいえ、小学生ほどの子供に説教され、家族の在り方を説かれたとあっては情けなさも倍増。
一家は改めて互いの顔を見合わせる。
「私たち、誠ちゃんと面と向き合って将来の話をしたことがないわよね。私たちの離婚にしたって、あの子の意思を聞いたことがないわ」
栄子は顔を曇らせ、元樹を見る。
「ああ。あいつは物わかりのいい子だから、納得してくれてると思ってたが、今思えば物わかりがいいんじゃなくて、言いたいことを閉じこめていたのかもしれない」
「このまま終わりになるのってよくないな」
勇治の言葉に皆が頷く。
「さっき誠言ってたよね。期待した僕がバカだった、って。それってまだあたしたちのこと信じてくれてたってことだよね。その期待裏切ったまま、大団円なんてありえない」
美園が決意を込めて言う。
「そうだな。家族が家族を信じれなくてどうするんだ」
元樹も決心したようにみなを見渡す。
「そうよ。誠ちゃんの味方でいれるのは私たちだけなんだから」
元樹に追従するように栄子も決意を固める。
「うん」
「おう」
心得た、という表情で美園と勇治も頷く。
基本的に一家の思考回路は単純だ。
心が離れ離れになっていても、やはりひとつの家族。思考か通じあえば、全てにおいてその団結力は固く強いものとなるのだ。
元樹がさっと右手を前に突き出す。その手の上に栄子が手を重ね、勇治、美園と続く。
そしてなぜか促され、おそるおそるトワもてっぺんにその小さい手を乗せた。
「全てはぁ~!」
元樹の一声に合わせ、一家が復唱を始める。
何がなんだか分からず目を丸くするトワも、流れに乗せて声を張り上げる。
「「全てはっ!!」
「誠の信頼を取り戻すため!」
「「誠の信頼を取り戻すため!!」」
「輝くぅ~!」
「「輝く!」」
「「「未来のため!」」」
うぉぉぉぉ!!
一家のボルテージは急上昇。ようやく本来のパワーがみなぎりはじめていた。
トワは大声を出して叫んだことで、心の中のもやもやが吹き飛んでいく感じを味わっていた。正直言って最高だった。
そのお陰で揺らいでいたトワの気持ちも固くなり、ある思いを持って兄に向き合おうと決心した。
美園は目に強い光を宿したトワの前で腰を落とし、目線をあわせる。
「トワ君。大切なことを教えてくれて本当にありがとう。今言ったことはトワ君にも当てはまるんだよ。最後まで味方でいれるのは、家族だけだから。お兄さんのこと、救えるのはトワ君だけだよ」
その言葉にトワは大きく頷いた。
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