フェアリーリング

雛乃飛成

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第23話 会話

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春香は急な訪問に身構えた
はるか「あの。。。飛鳥が何かしたとかですか?」
みな「いえ、とても大事な事をお伝えするために来ました」
はるか「。。。あ、お茶入れますね」
みな「ありがとうございます」
春香は緑茶とクッキーをみなの前に出した
みな「。。。。。あの、本題なんですが」モグモグ
はるか「。。。。何かあったのですか?」
みなは今までのことと自分たちの正体を明かした
みな「にわかには信じがたい話ですが。。。」モギュモギュ
はるか「。。。飛鳥の様子がここ最近おかしかったのはそういう原因なんですね、それであなた1人なんですが?」
みな「ええ、朝イチで辞表届を出してきた状態です」
はるか「辞めるんですか!?」
みな「やめませんよ、【私という存在を】あの学校から消しただけです」
はるか「。。。。???」
春香は困惑した
みな「実は少々めんどくさいことになってまして」
みなは学校の裏サイトを見せた
はるか「。。。あー。。。。」
春香は納得したような表情をした
みな「そんな状態で戻っても生徒全員から質問攻めに会うか最悪雅人達の正体がバレるだけです」ゴキュゴキュ
みなは緑茶を飲みながら一息ついた
みな「私はそんなに頭が良くありません、だからいつボロが出てもおかしくないのです。。。だから一旦柊 美奈は辞表届を出して学校から去ったということにします」
はるか「。。。。その後は?」
みな「地球脱出の日まで別の人格として学校に入ります」
はるか「そんなの。。。できるんですか?だって声とかでバレる。。。」
みなはしばらく無言になった後
みな「。。。。声が。。。どうしましたか?」
はるか「!?」
その声は同一人物とは思えない少し低い爽やかな声だった
はるか「。。。。めっちゃ変わってますよ」
みな「それは良かったです、ちなみにこの声が素の声だったりします」
はるか「うぇ!?」
みな「普段の声は2オクターブぐらいあげてるので」
そういうとみなは普段の声に戻った
はるか「なんでそこまでして?」
みな「。。。。マザーから逃げるためです、先ほども話した通り私はマザーの養子だったのです。。だからそのマザーから逃げるには声を変えるしかなかった、それが理由ですね」
みなはふふっと笑った
はるか「そうなんですね。。。。あ、緑茶のおかわり入りませんか?」
みな「いえ、大丈夫です」
はるか「。。。。クッキーお土産に持って帰ります?」
みな「。。。。よろしいのですか?」
はるか「ええ。。。。あの、マザーのことについて」
みな「どうしましたか?」
はるか「。。。私は高宮京子の記憶があります」
みな「。。。。。え?だって飛鳥さんは忘れ」
はるか「マザーの体はもうボロボロ状態。。。。次の器を探すために地球にきた。。。。そしてお母さんを連れ去ろうとした。。でもそこで飛鳥を見つけてしまった、マザーは飛鳥の記憶を改ざんするようにお母さんに命じてお母さんはそれを飲み飛鳥の記憶から自身の記憶を消して代わりの記憶を植え付けた」
みな「意味はあるの?」
はるか「飛鳥がマザーを知らないと抵抗が生まれない。。。簡単に体を乗っ取れるから飛鳥の記憶を消した。。。というのか建前の理由です、本当はお母さんが飛鳥を巻き込みたくない飛鳥は普通の女の子として生活して欲しい。。。だから自身の記憶を消して改ざんしたのです」
みな「。。そんなことが」
はるか「お願いです、こうなった以上マザーは飛鳥の体を狙い続けます。。。。。どうか飛鳥を守って」
みな「大丈夫、必ず私達が守るから」
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みな「それで。。。一緒に来てくれますか?」
はるか「ええ、マザーのこともありますし」
みな「マザーに関しては避けられなかった事故ということです」
はるか「。。。。。そう。。ですよね」
みな「それに私もマザーの養子なので人のことを責める権利もありません」
はるか「ありがとうございます。。。」
みな「では、私はこれで。。。次のお家に行かないといけませんから」
はるか「はい、ありがとうございました」
みな「こちらこそ」
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みな「。。。。。。」
リンコーン
みな「。。。。」
ガチャ
?「。。。。。。誰?」
みな「あ、私ここの職員さんに話があって。。。」
?「ここに職員はいない、いるのは所長2人」
みな「え。。。あ、じゃあ所長さんを呼んできてくれるかな?」
?「。。。中のベンチで待ってて」
みな「ありがとう」
みなは靴を脱ぎスリッパに履き替えて玄関前のベンチへ座った
みな「。。。へぇ、あの子こんなところに住んでいるのね」
施設の子たちが作った作品一つ一つマジマジとみながら呟いた
みな「。。。芸術。。。か」
?「あんね!それぼくが作ったの!!」
みなの背後から男の子が出てきた
みな「ひゅ!?」
?「あんね!ぼくねリクっていうの!それね!ぼくがつくったの!」
みな「そ。。そうなの、綺麗ねぇ」
?「えへへ」
ひまわり「リクくん!まだ健康診断終わってないよ!」
向日葵がリクを抱き抱えた
ひまわり「ごめんなさい、すぐもう1人の人がきます」
みな「え、あ。。。はい」
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ゆり「すまん!おそくなっ。。。」
ユリが駆けつけたがみなは寝ていた
ゆり「。。。。。。」
ツンツン
みな「。。。。」スースー
ゆり「。。。。こいつのほっぺたやわらけえな」
プニプニ
みな「。。。ん。。。」
ゆり「お、起きたか」
みな「あ、すみません」
ゆり「お前って確か。。。渚が言ってたやつだよな?」
みな「そうです」
ゆり「あいつ昨日殴り合いの喧嘩起こしやがってよ、あんなの入学式以来でさ。。。そんで帰ったらいきなりわんわん泣くわ大変だったんだ」
みな「そうなんですね」
ゆり「んで、なんでここにきたんだ?お前保険担当じゃなかったのか?」
みなは無言で学校の裏サイトを見せた
ゆり「あ、そういうことか把握」
みなはこれまでのことと自身と雅人達の正体を明かした
ゆり「なるほどなぁ。。。。」
みな「驚かないんですか?」
ゆり「だって私と向日葵は竜族だしな」
みな「そうだったんですか!?」
ゆり「もっと言うとここにいる子らの大半は人外。。。。地球のものじゃない」
みな「。。。。。」
ゆり「もともと私達は竜の国で親のいない子達を一時的に預かっていたんだが。。。邪悪な気配がしてな、急いで地球にきたってわけだ。。。そしてその三年後のクリスマスの日。。。施設に置き去りにされてる毛布に包まれた赤ん坊を見つけたんだ。。。その子と一緒に手紙が置いてあって『その子の名前は凪乃です、よろしくお願いします』って」
みな「凪乃って。。。」
ゆり「渚のことだ」
みな「。。。。渚ちゃんの事なんですけど私母親がわかりました」
ゆり「猫又の杏。。。。だろ?」
みなはゆりの言葉に驚いた
ゆり「。。。。渚の母親について調べされてもらった、凪乃という文字の上に水っぽい字が書かれていたからブルーライトをあてると黒澤という文字が浮かんだ」
みな「。。。。ブルーライト?」
ゆりはペンと紙を出した
ゆり「このペンで文字を書くと透明でなにも見えんだろ?」
みな「そうですね」
ゆり「しかし、このライトを当てると。。。。。」
ゆりがライトを当てると文字が浮かび上がった
『おまえのしょうたいもしってる』
みな「!?」
ゆり「。。。。。まぁ、知ったところでという話だがな。。。。悪いが地球脱出にはついていかない」
みな「なぜですか!?」
ゆり「私たちは親がいない子供たちを預かっている。。。もしもマザーの奴隷計画の影響がここにも及べば私たちはこの地球上の子供達を一斉に引き受ける決断をしないといけない」
みな「。。。。でも、安全は」
ゆり「私たちは竜族。。。竜族は簡単に負けることはない、渚をよろしくな」
みな「。。。わかりました」
みなは席を立とうとした
ゆり「ああ、まてまて」
ゆりは紙袋を渡した
みな「。。。これは?」
ゆり「土産だ、中にプリンとクッキーが入ってる」
みな「。。。ありがとうございます」  
みなは紙袋を受け取ると玄関から出た
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みな「。。。。最後は」
まなみ「。。。みなさん!?」
学校帰りの愛美が驚いた表情でみなを見ていた
みな「。。。。あ、まなみちゃ」
まなみ「なんで学校辞めたんですか!?なんかあったんですか!?」
愛美は勢いよくみなの服を握った
みな「落ち着いて。。。。実は」
みなはこれまでのことを話した
まなみ「そう。。。だったんですね、よかった」
愛美は地面にへたり込んだ
まなみ「今日大変だったんですよ。。。渚さんは一日中機嫌が悪くて。。。みなさんが来ないことにより裏サイトのサーバーがパンク状態になり。。。」
みな「あ、裏サイトのこと知ってたのね」
まなみ「当たり前です、私もチラッと除いたことがありますから」
愛美はスマホの検索履歴を見せた
みな「本当ね、でも。。。。。」
みなは検索履歴をマジマジとみた
みな「。。。『好きな人と結ばれるおまじない』『年上男性が好むプレゼント』?」
まなみ「わーー!わーーー!!」
愛美はみなからスマホを取り上げた
みな「。。。好きな人できたんだ?」
まなみ「い。。。いえ、これはクラスメイトに頼まれたんです」
みな「。。。へぇ」
まなみ「。。。み。。みなさん?」
みな「。。。。ねぇ、私と。。」
ゆうじ「なにしてるんですか?」
車で帰ってきた優字がみなの背後から声をかけた
みな「。。。。。ゆうじさん、少しお話があってきました」
ゆうじ「。。。愛美、公園に行ってなさい」
まなみ「。。。わかりました」
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まなみ「。。。。。」
----ねぇ、私と-----
まなみ「。。。。なに言おうとしていたんでしょう」
愛美はブランコに乗りながら考えていた
まなみ「。。。。。。」
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ゆうじ「。。。。。でも、そんなこと言ったって新しい星ってどこにするんですか?」
みな「知らないです、雅人が全部決めるのでそれでは」
みなは早足で玄関から出ようとした
ゆうじ「。。。。さっき、愛美になにを言おうとしていたのですか?」
みな「別に何も」
ゆうじ「。。。。。。あ、土産持っていってください」
みな「。。。。なんで、地球の人たちって土産をくれるのかしら」
ゆうじ「いらないんですか?」
みな「。。。。。欲しい」
ゆうじ「。。なら、教えて欲しいことが一つだけ」
優字はみなの肩を掴んだ
ゆうじ「さ っ き ま な み に な に を い お う と し て い た ん で す か ?」
そういう優字の目は殺意に満ち溢れていた
みな「。。。。。。なに言おうとしていたのかしらね、あたしにも分からないわ。。。。ただ」
みなは優字の方を見た
みな「あの子を見ると自分の心を託せる。。。。そう思えるのよ」
ゆうじ「。。。。。。。下手な幻想に憧れるのは。。。やめたほうがいいですよ」
優字はみなに土産を持たせるとみなの肩を離した
みな「。。。そうかもしれないわね」
..........革命を起こせ....
...........これで終わり....これで最後....
........最後まで足掻け...
......最後までもがき続けろ.....
........それが全員の望む未来....
みな「。。。。。。。」
みなは自身の胸に当ててた手を下ろした
みな「。。。。これが最後なのよ、これでマザーの最期。。。。。私の最期だから」
ゆうじ「ちょ、それってどういう」
ガチャ
バタン
優字が振り返るとみなはすでにいなかった
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まなみ「あ、みなさん」
みな「もう話は終わったわよ、そして明日から別の名前で呼んでね」
まなみ「あ。。。バレたらいけないんでしたっけ」
みな「そう」
まなみ「。。。みなさん、さっき言おうとしてた言葉って」
みな「私もう帰るからね。。。。ん、なに?」
まなみ「いえ、なんでもないです」
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みな「ただいまぁ」
あむ「おかえり、みーくん」
みな「一応、全員の説明は終わって渚ちゃんの施設の職員はここに残るって」
あむ「そうなんだ」
みな「私は明日から私だとバレないようにしないと。。。何読んでんの?」
みなは雑誌を広げてるカストルの方へ目を向けた
あむ「あぁ、私がホストの人達が載った雑誌を見てたらカスくんが見たいって言ってきて」
みな「。。。なんでホストのやつ見てんの。。」
みなは呆れた顔をしながら横目で雑誌を見た
みな「。。。No. 1ホスト 小美野 終夜おみのしゅうや。。。。」


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