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第2章 黄昏の悪魔
エピローグ
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「やっぱり、我が家が一番ね!」
私は屋敷に戻った後に応接室のソファーのゴロン、っと横になり旅の疲れを癒していた。
あのあと、それは意外と大変だった。
まず、海岸からネスタへの帰り道。陸をボロボロで歩くのもしんどいし、アリシアが寝ているから交代で背負いながらネスタの町に戻るも、フロッグさんは宿から無断で逃げた!と私たちの事を勘違い。
昨日遊んでたら流されてしまって、今帰ってきた。と言い訳をして何とか納得してもらった。
そうそう、街でも異変があったらしく、昨日の町には青い月の夜なのに何も起きなかった。
その代わりに、明け方に魂の結晶ソウル・クリスタルがある岩場から光が飛び出して消えていった。
と、目撃者がいたらしい。
どうやら、あのクリスタルにいた魂たちもクラーケンの討伐により解放されたようだ。
宿で着替えて荷物をまとめ、アリシアは水着のまま馬車に入れて私たちはすぐに街を出た。
途中、高台の慰霊碑に寄り、最後にネスタの町を見下ろしていたとき、そららが慰霊碑に刻まれた名前を読んでいてソレードの名前を見つけた。
この町の町長の息子だったらしい。
ソレードの文字を指でなぞり、心の中で別れを告げると私たちは自分のお屋敷に戻った。
それで、今に至る。
アリシアは途中で目を覚まし、昨日の事を聞いてきたが、フレイアが憑りついた。とは言っていいモノか悩んだ末、言わなかった。とにかく、あのあと私が弓の力を開放し倒した。とだけ簡潔に伝えそららも特に何も言わないで黙っていた。
今は屋敷に戻ったら何でも言うこと聞く!と約束した通り、我が家のメイドさんに片づけを任せている。
ソファーに寝っ転がるのがこれほど気持ちいいとは・・・。
この世界に来てこれほどダラケタことはなかったので、懐かしさすら感じてしまう。
「きら、ねぇねは?」
着替えを終わらせてアリシアが応接室に入ってきた。
「馬車の片づけと、終わったらお茶が欲しいって言ってあるから終わったら来るんじゃないかな?」
私は天井を見ながら答える。
「1人で大丈夫なの?」
「大丈夫じゃないかなぁ。そらはしっかりしてるから」
「おほほ。褒めていただけて光栄ですわ、きらら様!」
言葉とは裏腹にお怒り気味のメイドがワゴンに紅茶を乗せて入ってきた。
お、怒ってる?
「ねぇね、怒ってる?」
「怒ってなんていないわよ?いつか、このお礼をしないとって思うと楽しみでぇ」
ふふふ、っと笑うその顔にいは復讐の色が滲みこぼれていた。
チラッと私がアリシアに視線を送ると彼女はすぐに視線をそらした。
(あの、裏切り者・・・)
ゴンゴン、
玄関の扉を叩く音が聞こえる。
誰か来客だろうか?
「いいよ、アリス行ってくる。」
この場の空気に耐えきれないのかアリシアが出て行ってしまう。
「はい、きらら様、紅茶です。」
「そら、もういいよ。恐い・・・」
「主人に仕えるのがメイドなので、お気になさらずぅ」
その笑みには恐怖を感じてしまう。
私は出された紅茶をとりあえずいただくことにした。
「っまず!!」
私はそららの入れた紅茶を少し飲むとあまりの不味さに吐き出した。
「な、なによこれ!?」
「あぁ、私したことがお砂糖とお塩を間違えてしまいましたわ!申し訳ございません!」
こいつ、そんな古典的な仕返しを!!
「はぁ!?あんたが間違えるわけないでしょ!!」
「あらあら、きららさま、私だって間違えちゃうことくらいありますよぉ」
謝り方がまたムカつく!今日は明らかに喧嘩売ってるってことがわかった。
「むかつくぅ!!この駄目イド!!」
引きつった顔がさらに引きつる。
「だめ、いど?」
あら?もしかして、あまり触れちゃいけないとこに触っちゃったかしら・・・
そっと、カップやソーサーの乗っているワゴンをずらすと勢いよく
「我慢してれば調子に乗るなぁ!!きららのくせにぃ!!」
我慢の限界を迎えたそららが私に飛びついてくる。
「ちょっと!何すんのよ!!」
「うるさーい!!」
もみくちゃになってギャーギャー言って喧嘩をしている私たちをとめたのはアリシアだった。
「うーるーさーい!!お客さん来てるよ!!」
応接室の入り口にはアリシアとフランが立っていた。
「すごい現場を見ちゃったねぇ・・・」
フランが気まずそうに口火を切った
「他言無用」
「そうね、忘れなさい」
アリシアとそららが紅茶を入れなおしてきた。
あははっ、と笑うフラン。あまり楽しそうではない。
それもそのはず、本来であれば嬉しいだろうけど、不機嫌極まりない我が家の次女と三女の挟まれたあの空間。きっと空気が美味しくない。
「いきなり、どうしたのよ。連絡もしないで」
「アリシアの件で。出かける前に、書簡を渡したろ?」
あぁ、そう言えばそんなものあったわね。
すっかり忘れてたわ。
「アリスに、何か用なの?」
「詳しいことが決まったから、その連絡がてら遊びに、ね。きららに最近屋敷に来ないって言われてたし」
「何の事?」
「・・・あの、手紙読んでくれた?」
首を横に振るアリシア。
「髪飾りは?」
「髪飾り?」
何のことを言われているかすでに記憶にない彼女。
案外、興味ないことは忘れる性格らしい。
「6色の輝石を表した髪飾り、渡したろ?」
「あぁ、あの偽物なら部屋にある。」
「偽物って・・・。」
偽物と言われることに少し抵抗のあるフラン。確かに、誰も本物だなんて言っていない。
「本物かと期待したのに・・・。」
タダでもらったものに期待するとは、天然なのか純粋なのか。
「そんなもの、おいそれと手に入らないよ!」
「それで、何が決まったの?」
私の問いにフランは紅茶を飲み干すと
「宮廷魔導士の試験の日。と言えばわかりやすいかな?」
そう答えた。
私は屋敷に戻った後に応接室のソファーのゴロン、っと横になり旅の疲れを癒していた。
あのあと、それは意外と大変だった。
まず、海岸からネスタへの帰り道。陸をボロボロで歩くのもしんどいし、アリシアが寝ているから交代で背負いながらネスタの町に戻るも、フロッグさんは宿から無断で逃げた!と私たちの事を勘違い。
昨日遊んでたら流されてしまって、今帰ってきた。と言い訳をして何とか納得してもらった。
そうそう、街でも異変があったらしく、昨日の町には青い月の夜なのに何も起きなかった。
その代わりに、明け方に魂の結晶ソウル・クリスタルがある岩場から光が飛び出して消えていった。
と、目撃者がいたらしい。
どうやら、あのクリスタルにいた魂たちもクラーケンの討伐により解放されたようだ。
宿で着替えて荷物をまとめ、アリシアは水着のまま馬車に入れて私たちはすぐに街を出た。
途中、高台の慰霊碑に寄り、最後にネスタの町を見下ろしていたとき、そららが慰霊碑に刻まれた名前を読んでいてソレードの名前を見つけた。
この町の町長の息子だったらしい。
ソレードの文字を指でなぞり、心の中で別れを告げると私たちは自分のお屋敷に戻った。
それで、今に至る。
アリシアは途中で目を覚まし、昨日の事を聞いてきたが、フレイアが憑りついた。とは言っていいモノか悩んだ末、言わなかった。とにかく、あのあと私が弓の力を開放し倒した。とだけ簡潔に伝えそららも特に何も言わないで黙っていた。
今は屋敷に戻ったら何でも言うこと聞く!と約束した通り、我が家のメイドさんに片づけを任せている。
ソファーに寝っ転がるのがこれほど気持ちいいとは・・・。
この世界に来てこれほどダラケタことはなかったので、懐かしさすら感じてしまう。
「きら、ねぇねは?」
着替えを終わらせてアリシアが応接室に入ってきた。
「馬車の片づけと、終わったらお茶が欲しいって言ってあるから終わったら来るんじゃないかな?」
私は天井を見ながら答える。
「1人で大丈夫なの?」
「大丈夫じゃないかなぁ。そらはしっかりしてるから」
「おほほ。褒めていただけて光栄ですわ、きらら様!」
言葉とは裏腹にお怒り気味のメイドがワゴンに紅茶を乗せて入ってきた。
お、怒ってる?
「ねぇね、怒ってる?」
「怒ってなんていないわよ?いつか、このお礼をしないとって思うと楽しみでぇ」
ふふふ、っと笑うその顔にいは復讐の色が滲みこぼれていた。
チラッと私がアリシアに視線を送ると彼女はすぐに視線をそらした。
(あの、裏切り者・・・)
ゴンゴン、
玄関の扉を叩く音が聞こえる。
誰か来客だろうか?
「いいよ、アリス行ってくる。」
この場の空気に耐えきれないのかアリシアが出て行ってしまう。
「はい、きらら様、紅茶です。」
「そら、もういいよ。恐い・・・」
「主人に仕えるのがメイドなので、お気になさらずぅ」
その笑みには恐怖を感じてしまう。
私は出された紅茶をとりあえずいただくことにした。
「っまず!!」
私はそららの入れた紅茶を少し飲むとあまりの不味さに吐き出した。
「な、なによこれ!?」
「あぁ、私したことがお砂糖とお塩を間違えてしまいましたわ!申し訳ございません!」
こいつ、そんな古典的な仕返しを!!
「はぁ!?あんたが間違えるわけないでしょ!!」
「あらあら、きららさま、私だって間違えちゃうことくらいありますよぉ」
謝り方がまたムカつく!今日は明らかに喧嘩売ってるってことがわかった。
「むかつくぅ!!この駄目イド!!」
引きつった顔がさらに引きつる。
「だめ、いど?」
あら?もしかして、あまり触れちゃいけないとこに触っちゃったかしら・・・
そっと、カップやソーサーの乗っているワゴンをずらすと勢いよく
「我慢してれば調子に乗るなぁ!!きららのくせにぃ!!」
我慢の限界を迎えたそららが私に飛びついてくる。
「ちょっと!何すんのよ!!」
「うるさーい!!」
もみくちゃになってギャーギャー言って喧嘩をしている私たちをとめたのはアリシアだった。
「うーるーさーい!!お客さん来てるよ!!」
応接室の入り口にはアリシアとフランが立っていた。
「すごい現場を見ちゃったねぇ・・・」
フランが気まずそうに口火を切った
「他言無用」
「そうね、忘れなさい」
アリシアとそららが紅茶を入れなおしてきた。
あははっ、と笑うフラン。あまり楽しそうではない。
それもそのはず、本来であれば嬉しいだろうけど、不機嫌極まりない我が家の次女と三女の挟まれたあの空間。きっと空気が美味しくない。
「いきなり、どうしたのよ。連絡もしないで」
「アリシアの件で。出かける前に、書簡を渡したろ?」
あぁ、そう言えばそんなものあったわね。
すっかり忘れてたわ。
「アリスに、何か用なの?」
「詳しいことが決まったから、その連絡がてら遊びに、ね。きららに最近屋敷に来ないって言われてたし」
「何の事?」
「・・・あの、手紙読んでくれた?」
首を横に振るアリシア。
「髪飾りは?」
「髪飾り?」
何のことを言われているかすでに記憶にない彼女。
案外、興味ないことは忘れる性格らしい。
「6色の輝石を表した髪飾り、渡したろ?」
「あぁ、あの偽物なら部屋にある。」
「偽物って・・・。」
偽物と言われることに少し抵抗のあるフラン。確かに、誰も本物だなんて言っていない。
「本物かと期待したのに・・・。」
タダでもらったものに期待するとは、天然なのか純粋なのか。
「そんなもの、おいそれと手に入らないよ!」
「それで、何が決まったの?」
私の問いにフランは紅茶を飲み干すと
「宮廷魔導士の試験の日。と言えばわかりやすいかな?」
そう答えた。
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