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第一章
16 レオス・ヴィダールと魔法大会
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「てへ、なんか負けちゃった」
「負けちゃった、じゃねーよ! 話聞いてたか? ルールは聞いてたか? 一体何を見せられったんだ」
「でも言いたいことは伝わったでしょ」
「まあな」
馬鹿正直に相手とぶつかる必要はない。
今回は使えないが、剣術との応用を考えていたのだ、この結論にはいずれ辿り着いていただろう。
それでも目の前で実践されるのとでは考えが変わってくる。
「俺も杖をなくして、いやそれは意味がない。俺なら杖に魔力を纏わせるか? 威力次第では弾くことも可能だ。相手は肉弾戦を経験していない可能性が高い、ならば距離を詰めるだけでそれだけアドバンテージが――」
「ちょっとレオス聞いてる?」
「ああ、聞いてる、でなんだっけ?」
「やっぱり聞いてない、もう次の試合レオスの番だよ」
「まじか、行ってくる」
少し考察に時間が掛かっていたようだ。
俺は急いで闘技場へと向かう。
控室前にはすでに案内役の人が立っている。
「すいません、レオス・ヴィダールです! 間に合いましたか?」
「ギリギリだな、ほら急いで」
「はい」
セーフ、もう少しで不戦敗になるところだった。
案内役の人に急かされ、闘技場の中央に行く。
「よお、また会ったな」
「えーと、ああザコ君だっけ」
「クーゾだ! てめえわざとだな」
「ごめんごめん、君のこと覚えるの苦手で」
「ちっ、いいぜ、ふざけていられるのも今の内だ」
これは数奇な巡り合わせだ。
剣術大会で1回戦で会ったた相手と魔法大会でも会えるとは。
しかし両方に出るとは、地味に優秀なのか?
「両者準備はいいですか、それでは始め!」
一定の距離を取ったまま、審判が試合の開始を宣言する。
するとクーゾがその場で跪いたかと思うと、魔法を放つ。
「アイシクル」
そう唱えると彼を中心にして地面が氷で形成されていく。
広範囲に渡る魔法だ、消費する魔力量も多いはず。
初手からこんな魔法を使って大丈夫か?
相手の心配をしつつ、こちらも対応策を練る。
恐らく不安定な足場を作り出し、近づくのを防ごうというのだろう。
先程のレインとの戦い、俺の剣術の腕、それらを総合的に判断してのことだ。
中々頭が回るじゃないか。
まあ俺には関係ないことだが。
「ダークブーツ」
俺は静かに詠唱し、スパイク突きの靴を闇の魔力で纏う。
これで氷の上を移動するのに問題はない。
「はあはあ、どうだ。これでお前も身動きが――なあ!」
俺はそういう彼の前でザクザクと前進してあげる。
すまないね、その程度想定済みだし、他にもいろいろ考えてはいるんだよ。
「ちっ、スケート!」
そういうと、彼は前世のスケートのように氷の上を自由自在に移動し始める。
なるほど、相手を拘束して自分は動き回る。
実に利に適った魔法だ。
仕方ない、あまり使いたくはなかったが、これ以上手間をかけるよりはマシか。
俺は彼と同じように地面に手を当てると魔法を展開する。
「ブラックホール」
最初に使ったころから随分使い勝手がよくなったそれを使い、地面に張り巡らされた氷だけを吸収する。
すべての氷を吸い込み、纏まった塊となった氷をその場に落とす。
「それで、次は何を見せてくれるのかな?」
「――こんのぉお、ウォーターボール! アイシクルランス! ウォーターカッター!」
多様な攻撃が三方から飛んでくる。
まあそうだよね、それくらいしかないよね。
「ダークウォール×3」
俺は全ての魔法に対して防御を張る。
そして闇の壁にぶつかった魔法は、一度食い込み、ゴムのように反発して相手へと戻っていった。
「そんな馬鹿な!」
悲痛な彼の声と共に、三つの魔法が直撃する。
パキリ。
彼の腕輪が割れた。
許容ダメージを超えた腕輪は僕の勝利を告げいていた。
「勝者、レオス・ヴィダール!」
俺は勝利した。
だが観客の拍手はまばらだ。
「闇魔法だなんて」
「気味が悪い」
「悪魔教とつながってるんじゃないか」
「おお怖い怖い」
どうやら闇魔法は不評なようだ。
まあ世間に浸透していないし、闇と聞いていいイメージを持つとは限らない。
当然と言えば当然か。
人は未知のものには忌避感を覚える。
カモールやレインが優しかっただけで、こんなものか。
俺は少し悲しかったが、暖かく迎え入れてくれる人たちのことを考えて前を向いた。
そしてなんなく1回戦を突破した俺は続く試合を勝利して決勝へと駒を進めた。
決勝の相手はもちろんエレオノーラだ。
原作だと誰が相手だっけ?
特に描写がなかった気がするからモブキャラだろ多分。
闘技場の中心に立ち、お互いに礼をする。
するとエレオノーラから声をかけてくる。
「負けませんわよ~」
「こっちのセリフだ」
何試合も見て少しは対策らしきものは見えた。
充分勝機があるはずだ。
「両者準備はいいですか、それでは始め!」
審判の合図と共にエレオノーラの練られた魔力が俺に襲い掛かる。
「ホーリーアロー」
「ダークアロー」
馬鹿の一つ覚えみたいに同じ魔法を打ってくる。
俺も相手の魔法に対抗して同じ魔法を打つ。
同じくらいの魔力で放出したはずだが、相手の攻撃に会えなく霧散して俺のダークアローはなくなる。
「まあそうだろう、な!」
それを横に転がりながら躱し、相手を見据える。
魔法を使うやつらは運動不足なのか知らないがその場から動こうとしないやつばかりだ。
レインやクーゾは違ったが。
まだ俺を視界内に捉えているエレオノーラに俺は自慢の魔法を使う。
「ダークミスト!」
闘技場内が漆黒に包まれる。
その場にいる全員を暗闇へといざなう魔法だ。
まだ未完成で範囲の調整が出来ないのが難点だが、これで相手の視界を防ぐことが出来る。
「ダークアイ」
俺は暗視の効果を持つ魔法を発動する。
相手は急に見えなくなった周囲をキョロキョロしている。
これなら決まる。
俺は近距離で相手に魔法をぶち当てようとその場から駆け出す。
そして半分くらい距離を詰めたところでふいに予感だした。
(なにかくる!)
「ダークウォール、ダークローブ」
闇の壁と闇の外套に身を包み、その何かに備える。
「ホォオオリイイイ!」
その瞬間彼女の体から光の光線が射出される。
周囲にあった闇が消え去り、闘技場内の視界が戻ってくる。
その威力はダークウォールを貫通し、ダークローブによる魔力の吸収がなければ腕輪が壊れていただろう。
「あぶねえ、なんて威力しやがる」
「あら、まだ息があるのね、殺す気で放ちましたのに」
馬鹿なの? これそういう大会じゃないから。
審判の人結界張ってんじゃん。手加減考えろよ。
「火力の調整が苦手でしてね」
この脳筋ヒロインがああ!
力押しだけでどうにかなると思うなよ。
「ダークバインド」
俺は彼女の影の中から闇の触手を生み出し、拘束しようとした。
「ホーリーウィップ」
それを彼女の左手に現れた鞭によってすべて弾き落とされる。
これもダメか。
なら。
「グラビティ!」
相手の重力を増幅させて身動きを取れなくさせる魔法だ。
消費魔力が多くてあまり連発出来ないのが欠点だ。
そもそも今日はブラックホールも使っている。
そろそろ魔力も限界だ。
「ふん、この程度! ホォリイイイイイ」
彼女がまた叫ぶと俺のグラビティが無効化される。
なんなんだよそれ!
お前叫ぶだけで強くなるってどんな戦闘民族だよ。
「これで終わりですの?」
「まだまだあるさ」
そういったものの俺の残りの魔力は少ない。
直接的な攻撃も通用しない。
俺は必死に考えた、策を、知略を、作戦を。
「そう、ならこれ、耐えて見せてくれるわよね」
そういって彼女が頭上に手をかざすとひと際大きな光の塊が登場する。
それが剣の形を型取り、俺に向かって振り下ろされる。
「ジャッジメント!」
彼女が叫ぶとともに剣が俺に向かってくる。
防御手段はダークローブだけ。
俺は身を守る様に蹲った。
周りは光に包まれていった。
「負けちゃった、じゃねーよ! 話聞いてたか? ルールは聞いてたか? 一体何を見せられったんだ」
「でも言いたいことは伝わったでしょ」
「まあな」
馬鹿正直に相手とぶつかる必要はない。
今回は使えないが、剣術との応用を考えていたのだ、この結論にはいずれ辿り着いていただろう。
それでも目の前で実践されるのとでは考えが変わってくる。
「俺も杖をなくして、いやそれは意味がない。俺なら杖に魔力を纏わせるか? 威力次第では弾くことも可能だ。相手は肉弾戦を経験していない可能性が高い、ならば距離を詰めるだけでそれだけアドバンテージが――」
「ちょっとレオス聞いてる?」
「ああ、聞いてる、でなんだっけ?」
「やっぱり聞いてない、もう次の試合レオスの番だよ」
「まじか、行ってくる」
少し考察に時間が掛かっていたようだ。
俺は急いで闘技場へと向かう。
控室前にはすでに案内役の人が立っている。
「すいません、レオス・ヴィダールです! 間に合いましたか?」
「ギリギリだな、ほら急いで」
「はい」
セーフ、もう少しで不戦敗になるところだった。
案内役の人に急かされ、闘技場の中央に行く。
「よお、また会ったな」
「えーと、ああザコ君だっけ」
「クーゾだ! てめえわざとだな」
「ごめんごめん、君のこと覚えるの苦手で」
「ちっ、いいぜ、ふざけていられるのも今の内だ」
これは数奇な巡り合わせだ。
剣術大会で1回戦で会ったた相手と魔法大会でも会えるとは。
しかし両方に出るとは、地味に優秀なのか?
「両者準備はいいですか、それでは始め!」
一定の距離を取ったまま、審判が試合の開始を宣言する。
するとクーゾがその場で跪いたかと思うと、魔法を放つ。
「アイシクル」
そう唱えると彼を中心にして地面が氷で形成されていく。
広範囲に渡る魔法だ、消費する魔力量も多いはず。
初手からこんな魔法を使って大丈夫か?
相手の心配をしつつ、こちらも対応策を練る。
恐らく不安定な足場を作り出し、近づくのを防ごうというのだろう。
先程のレインとの戦い、俺の剣術の腕、それらを総合的に判断してのことだ。
中々頭が回るじゃないか。
まあ俺には関係ないことだが。
「ダークブーツ」
俺は静かに詠唱し、スパイク突きの靴を闇の魔力で纏う。
これで氷の上を移動するのに問題はない。
「はあはあ、どうだ。これでお前も身動きが――なあ!」
俺はそういう彼の前でザクザクと前進してあげる。
すまないね、その程度想定済みだし、他にもいろいろ考えてはいるんだよ。
「ちっ、スケート!」
そういうと、彼は前世のスケートのように氷の上を自由自在に移動し始める。
なるほど、相手を拘束して自分は動き回る。
実に利に適った魔法だ。
仕方ない、あまり使いたくはなかったが、これ以上手間をかけるよりはマシか。
俺は彼と同じように地面に手を当てると魔法を展開する。
「ブラックホール」
最初に使ったころから随分使い勝手がよくなったそれを使い、地面に張り巡らされた氷だけを吸収する。
すべての氷を吸い込み、纏まった塊となった氷をその場に落とす。
「それで、次は何を見せてくれるのかな?」
「――こんのぉお、ウォーターボール! アイシクルランス! ウォーターカッター!」
多様な攻撃が三方から飛んでくる。
まあそうだよね、それくらいしかないよね。
「ダークウォール×3」
俺は全ての魔法に対して防御を張る。
そして闇の壁にぶつかった魔法は、一度食い込み、ゴムのように反発して相手へと戻っていった。
「そんな馬鹿な!」
悲痛な彼の声と共に、三つの魔法が直撃する。
パキリ。
彼の腕輪が割れた。
許容ダメージを超えた腕輪は僕の勝利を告げいていた。
「勝者、レオス・ヴィダール!」
俺は勝利した。
だが観客の拍手はまばらだ。
「闇魔法だなんて」
「気味が悪い」
「悪魔教とつながってるんじゃないか」
「おお怖い怖い」
どうやら闇魔法は不評なようだ。
まあ世間に浸透していないし、闇と聞いていいイメージを持つとは限らない。
当然と言えば当然か。
人は未知のものには忌避感を覚える。
カモールやレインが優しかっただけで、こんなものか。
俺は少し悲しかったが、暖かく迎え入れてくれる人たちのことを考えて前を向いた。
そしてなんなく1回戦を突破した俺は続く試合を勝利して決勝へと駒を進めた。
決勝の相手はもちろんエレオノーラだ。
原作だと誰が相手だっけ?
特に描写がなかった気がするからモブキャラだろ多分。
闘技場の中心に立ち、お互いに礼をする。
するとエレオノーラから声をかけてくる。
「負けませんわよ~」
「こっちのセリフだ」
何試合も見て少しは対策らしきものは見えた。
充分勝機があるはずだ。
「両者準備はいいですか、それでは始め!」
審判の合図と共にエレオノーラの練られた魔力が俺に襲い掛かる。
「ホーリーアロー」
「ダークアロー」
馬鹿の一つ覚えみたいに同じ魔法を打ってくる。
俺も相手の魔法に対抗して同じ魔法を打つ。
同じくらいの魔力で放出したはずだが、相手の攻撃に会えなく霧散して俺のダークアローはなくなる。
「まあそうだろう、な!」
それを横に転がりながら躱し、相手を見据える。
魔法を使うやつらは運動不足なのか知らないがその場から動こうとしないやつばかりだ。
レインやクーゾは違ったが。
まだ俺を視界内に捉えているエレオノーラに俺は自慢の魔法を使う。
「ダークミスト!」
闘技場内が漆黒に包まれる。
その場にいる全員を暗闇へといざなう魔法だ。
まだ未完成で範囲の調整が出来ないのが難点だが、これで相手の視界を防ぐことが出来る。
「ダークアイ」
俺は暗視の効果を持つ魔法を発動する。
相手は急に見えなくなった周囲をキョロキョロしている。
これなら決まる。
俺は近距離で相手に魔法をぶち当てようとその場から駆け出す。
そして半分くらい距離を詰めたところでふいに予感だした。
(なにかくる!)
「ダークウォール、ダークローブ」
闇の壁と闇の外套に身を包み、その何かに備える。
「ホォオオリイイイ!」
その瞬間彼女の体から光の光線が射出される。
周囲にあった闇が消え去り、闘技場内の視界が戻ってくる。
その威力はダークウォールを貫通し、ダークローブによる魔力の吸収がなければ腕輪が壊れていただろう。
「あぶねえ、なんて威力しやがる」
「あら、まだ息があるのね、殺す気で放ちましたのに」
馬鹿なの? これそういう大会じゃないから。
審判の人結界張ってんじゃん。手加減考えろよ。
「火力の調整が苦手でしてね」
この脳筋ヒロインがああ!
力押しだけでどうにかなると思うなよ。
「ダークバインド」
俺は彼女の影の中から闇の触手を生み出し、拘束しようとした。
「ホーリーウィップ」
それを彼女の左手に現れた鞭によってすべて弾き落とされる。
これもダメか。
なら。
「グラビティ!」
相手の重力を増幅させて身動きを取れなくさせる魔法だ。
消費魔力が多くてあまり連発出来ないのが欠点だ。
そもそも今日はブラックホールも使っている。
そろそろ魔力も限界だ。
「ふん、この程度! ホォリイイイイイ」
彼女がまた叫ぶと俺のグラビティが無効化される。
なんなんだよそれ!
お前叫ぶだけで強くなるってどんな戦闘民族だよ。
「これで終わりですの?」
「まだまだあるさ」
そういったものの俺の残りの魔力は少ない。
直接的な攻撃も通用しない。
俺は必死に考えた、策を、知略を、作戦を。
「そう、ならこれ、耐えて見せてくれるわよね」
そういって彼女が頭上に手をかざすとひと際大きな光の塊が登場する。
それが剣の形を型取り、俺に向かって振り下ろされる。
「ジャッジメント!」
彼女が叫ぶとともに剣が俺に向かってくる。
防御手段はダークローブだけ。
俺は身を守る様に蹲った。
周りは光に包まれていった。
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