母の全てを送るまで

私はババっ子でした

オブラートって美味しくないんですね…

これは弟がまだ産まれる前の話になるが、祖父母の家に泊まる事が多々あり、当時祖父母は漢方薬か胃薬か、真相はわからないがよくオブラートに包んで飲んでいた。

自宅ではオブラートがなかったので、オブラート自体がどんな物かもわからないし、興味津々な5歳くらいの私。

祖父が仕事中だったのかな？よく覚えていないが、祖父母の所に泊まりに行った際に祖母がトイレに立った瞬間に、これはチャーンス！！と思い、オブラートを何枚も丸めて重ねて口の中に放り込んだ。
更には自宅では絶対に触れてはいけない砂糖と、バニラエッセンスまで口いっぱいに放り込んだ。

聡明な読者の方ならわかるだろう、私は全く謎なものを口の中でミックスジュースしてしまい、飲み込もうと思っていたけれどもそれを台所に吐き出してしまった。

まさか、祖父母があれだけ愛用していたオブラートが何の味もしない上に、口の中の水分を奪いながら口の中にへばりつく物とも思わず、更に砂糖はまだ良かったが、バニラエッセンスが美味しそうな良い匂いがする物とは認識していたが、直に口にすると匂いどころかあんなに強烈な物とは思わなかったのだ。

耐えきれず吐き出してしまった物を、いくら色々許してくれる祖父母でも見つかったら心配される！！怒られる！！と思い、急いでゴミ箱や排水溝に流したのを子供心に覚えている。

幸いな事に祖母のトイレは大だったのか謎だが、私が全てを始末した後も暫く出て来なかったのは不幸中の幸いとでも言うのだろうか？

ただ、必ず使うであろうオブラートと砂糖、そしていつ使うかは？のバニラエッセンスを無駄に減らしてしまった事は大変申し訳なかったと、祖母の生前にその話はしなかったので未だに思う。
すまなかった。