母の全てを送るまで

くろすけ

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番外編 大阪での暮らし

全てを使い果たし0からのスタート

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その時にはもう当時掛け持ちしていたアルバイトは全部辞めてたかな。
宝くじが当たったのにセコイ自分は素泊まりや野宿をしながら四国の海岸線を巡り、一度は大阪に戻ったが又それから今度は育った地元までもバイクで走った。
ほぼずっと下道で走って行き、その街その街のカラーがあるなぁと思いながらバイクの相棒と話した。

地元に戻り、友人と会ったりさむりんのお墓や家に挨拶に行ったり。正直元カノの影響でバイクの中免を取ったがバイクっていいなと思った。

それからまた大阪に戻り、部屋も解約して東京に移動した実家に向かう事になる。
それも全部下道と言うか一般道でのんびりと向かった。

そうだ、実家が東京に移動する際にウサギのマルちゃんは天寿を全うしたが、猫のキリちゃんはまだ健在だった。
しかし東京の借り上げの社宅には連れて行けないとの事で、泣く泣く母がキリちゃんを保健所に連れて行こうとしていた。
そこでブチギレしたのが祖母である。
「あんたはなんて酷い事をするの!私がキリちゃんを引き取る!!」

実家が東京に移動する際に祖父母との同居も解消し、祖父母は生まれ育った静岡に戻る予定だった。
その市営住宅もペットは禁止だったが、キリちゃんはクールな猫であまり鳴かなかったし、基本はルールをしっかり守る祖母だったが保健所と聞き、珍しく母に対して言いくるめた。

祖母が母に対してブチギレしたのはそれ以前もそれ以後も見た事がない。
私はそれを見て表には出さないが、心の中で更にババっ子になった。

大阪から下道で東京に向かう際に、静岡を通るので祖父母のとこにも寄ろう!とバイクで向かった。
想像よりも大きなバイクで祖母は驚愕し、祖父は楽しそうに昔は自分も大きなポンポンに乗っていたと話してきた。
ポンポン=バイクの事である。
昔は免許がなくても乗れたようで、車の免許を持たない祖父が自分で運転した一番大きな乗り物がきっとバイクだったのだろう。

後ろに乗せようか?と言ったが直角になっていた祖父は嬉しいけど無理だなと。
祖母はいや!怖い!と。
祖父母の家は三保の松原がほどほど近く、富士山綺麗だなー。静岡っていいとこねと思った。

キリちゃんとも久々に会ったが、もう私の事なんて忘れていて、フゥー!!シャア!の状態である。
キリちゃん、保健所に連れて行かれなくて本当に良かったね。

祖父母は静岡でその後10年くらい過ごす事になる。
私にとって静岡はもう故郷になっているのだが、これから東京と静岡の間を何度も何度も往復する事になるのは当時の私は全く思っていなかった。

そうだ、バイクの購入とカスタム代で約約30万、あとは各地への旅行代でナンバーズで当てた50万は消えた。
相棒のバイクと、沢山の思い出や各地の良さを知れたので後悔はない。

どうせなら使い切ってしまえ!と泊まらせて貰っている間、祖父母に色々とお土産を買ったり、ご飯を奢った。

正にスッカラカンの状態でこれから東京に向かう事になる。
でも不思議と不安に思う事はなかった。

既に名前は変わっていたし、正社員でない限りは性別確認などされる事がなかった経験があり、自信と言うか、東京なら更に治療を進められるワクワク感しかなかった。
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