母の全てを送るまで

くろすけ

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母の死

私の事が身内にバレる時

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今更ながら母はガンになりつつ弟を産んで、それからもガン体質だったのはわかっていただろうに、何故お酒やコーヒー、ましてや辛い物を辞めなかったのだろう?

大阪から上京した私は転がり込んだ実家が部屋が狭い事もあり、申し訳ない気持ちから夜間働くと言う昼夜逆転生活をしていたからか、高校の時のように母の話を聞ききれていない事もあったと思う。

母がガンを再発する前に
「父と離婚して祖父母と一緒に静岡で暮らしたい」
と聞いた事があり
「俺も自由にやらせて貰ってるし、いーんじゃない」
と換気扇の下でタバコを吸いながらウーバーイーツ並みに答えた記憶がある。

「あの人は何もわかってくれないのよ!」
と話され
「結婚生活が長くてもさ、そもそもの小さな頃の生育環境は違うじゃない?それは当たり前な事で、3つ子の魂100までって言葉があるように擦り合わせる事をしなかったらお互いに平行線だから、分かり合える事はないよ」
と本当20そこそこの若造の言葉を母は
「確かに…」
とその後何も言わなかった。

話を戻そう。
父方の祖父母が来てくれ、次男坊の嫁だからと結婚前は大反対し、結婚式にも出席せずその後もあんなに母の事を蔑ろにしていたのに、長男の嫁が離婚してから母に依存し、それに対して色々飲み込んで母も上手く対応していた。
ただ私からすると、冷たいと思われると思うが母の言い分を優先するので、父方の祖父母は信用ならない相手だから、母の前でワンワン泣いていても正直どうも思わなかった。
寧ろワンワン泣くならなんで最初から優しくしなかったの?と怒りすら湧いた。

そして色々変わった私の事を話して居ない状態で会っているので、父方の祖父母からしたらお前誰だ?の状態である。
こんな状況でのカミングアウトをごめんなさいと事情を話し、母からの手紙を渡しても流石九州の古い人間、その場でわかってもらう事は難しく、今は2人共見送ってるが生前に理解して貰えたのかは謎のままである。

なんだか微妙なお話の後に、ばあばからばあばの妹と弟夫妻、そしてお兄さんが来てくれてると知らされ、私はすぐに葬儀場の近くのホテルを取り、お通夜の会場までそのホテルからドライバーをした事を覚えている。
ばあばの親族さんは本当朗らかで、私がホテルまでお迎えに行った際に
「あら!弟ちゃんでしょ!!」
と話しかけられて、とりあえず混乱を避けるかつ、遠路はるばる来て頂いた労いをしないと思い
「そうですそうです!この度遠路はるばる本当にありがとうございます!!どうぞ乗ってください!!」
と車に乗ってから、

「弟ちゃんは大学生よね?!お姉ちゃんの◯ちゃんは元気?!弟ちゃんは今何処の大学に通ってるの?!」
と聞かれ
「…」
と何も答えられずにいると
「…?」
と相手も思ったようで
「ごめんなさい、私実は◯ちゃんなんです。」
「母が亡くなったこんな時に本当に不謹慎だと思うんですが、私かくかくじかじかでして…本当にご無沙汰した上でこんな形の再開で申し訳ありません。」
「ただ、母の看病に関しては祖母から聞いてるかは?ですが毎日私が行っていました。」
と伝えると
「いいじゃない!だって◯ちゃんは性別が変わっても◯ちゃんでしょ!!」と言ってくれて…。
H美さん、本当ありがとう。

親族から隠れるように過ごしていた私にとって本当に安心した言葉で優しすぎて…。
今も繋がりがあるけど、本当にばあばの親族は我々に優しくて常々感謝してる。

な、の、に!!
お通夜からの葬儀は夜通しの番とかもあり、想いを馳せる場だと今も思っている。
本来ならば安置しているお寺さんに泊まるのは母の父母や遠路はるばる来てくれた親戚なのに、父が強行突破で最後の母の夜を父方方面で固めてしまった…。

これに関しては本当に、母の想いを汲んで自分がもっと強く言えば良かったと今でも思う。後悔している。

ただ当時の私は、親族に対して負い目も多く、それが出来ないならば生前母の事をここに連れて来て、楽しんでくれたんだよーって事を母方のじいじばあばにしか伝える力しかなかった。

もっと昔からカミングアウトしていたら色々変わったかもしれないのに、おかん、我慢させちゃってゴメンね。
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